トム ヨシダブログ


第185回 54回目のエンジンドライビングレッスン

エンジンという雑誌がある。クルマや時計やファッションなどライフスタイルを提案している。

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エンジン6月号

2003年秋。初代編集長の鈴木正文氏に企画書を送った。企画書のタイトルは「所有欲から使用欲への変換」。要するに、いいクルマばかりが誌面をにぎわしているけど、読者がそれらを買っても使わなければ宝の持ち腐れですよね、とつっこみを入れたわけだ。

鈴木さんも運転が嫌いではないので、運転を理解することでクルマをより楽しめるのならばやりましょう、ということになって、その年の晩秋に第1回を開催した。

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6月号のドライビングレッスンレポート

以来、足掛け13年。4月上旬に開催した今年初めてのエンジンドライビングレッスンが54回目だった。

第1回から間をおかずに通ってくれている読者がいる。最初に参加したときからずっと同じクルマで遊びに来てくれている人がいる一方で、短い期間にかなりのペースでクルマを乗り換えている人もいる。息子を連れて参加する人が出てきた。サーキットを走るのはエンジンドライビングレッスンだけと決めている人もいる。

総じて参加者の年齢は高いほうだと思うけど、エンジンドライビングレッスンではユイレーシングスクールのいつもの体育会系乗りで休みなしに走りまわってもらっている。年齢も、乗っているクルマも、社会的立場も、可処分所得の違いも関係ない。参加者が目指すのはただただ『クルマを使い倒す』ことだけ。

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今回は早退者が多くてさみしい記念撮影に

今年は、午前中に筑波サーキットのジムカーナ場でイーブンスロットルとトレイルブレーキングの練習をして、午後からコース1000を走る通常のエンジンドライビングレッスンがあと3回。
それに加えて夏に富士スピードウエイの駐車場を使ったエンジンオーバルスクールも計画されている。興味のある方は編集部に問い合わせてみてはいかがだろう。

最後に、6月号で4月のドライビングレッスンを現編集長の村上 政さんがレポートしているのでぜひ目を通してほしい。

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村上さんのレポート


※エンジンドライビングレッスンはユイレーシングスクールのプログラムと違って昼食付きです。


第184回 事故を起こしてはだめだ

ブログにふさわしい話題かどうか迷ったのだが。

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筑波サーキットでドライビングスクールを開催した帰り道で事故に遭遇した。

深夜1時過ぎ。東名高速大井松田IC手前にある電光掲示板に「右ルート事故」の表示。事故で渋滞している可能性もあるし左ルートを選ぶこともできたけど、日本に戻ってから一度もトラックの多い左ルートを使ったことがないのと大急ぎで帰らなければならないわけではないので迷わず右ルートへ向かった。

右ルートに入ってから10分ほど。右300R、左600Rと東名高速にしてはきつめのコーナーを抜け、続くブラインドコーナーの左320Rを抜けるころ視界の左隅に燃え盛るクルマが飛び込んできた。「これか!」
ガソリンに引火しているようで火の手は大きく周囲は昼間のように明るい。とっさに状況を確認すると燃えるクルマの手前に停まっているクルマが1台、通過しながら確認すると燃えるクルマに乗っていた人らしき姿が見えない。「どういうことだ!」
自分が停まったからといって何かできるとは思えないが、炎を上げて燃えるクルマを横目に乗っていた人の無事を確認しないまま通り過ぎることも難しい。幸いこの場所は昔バス停があったところでたいそう広いスペースが路肩にある。左手の土手にそって停めれば本線までに十分なスペースがあると判断し、十分に距離を置いてからクルマを停める。

クルマを降りて燃えるクルマに向かう。火の暑さをなんとなく感じるところで、立ちつくす2人のシルエットが浮かび上がった。「大丈夫ですか?」声をかける。近寄ると男性と女性。ふたりとも立っていられるほどだからそれほどの負傷はしていない様子。男性は頭や顔や腕から出血しているけど、女性と会話しているから緊急を要する事態ではないと見た。

「通報はしましたか?救急車は呼びましたか?」そう聞くと、女性が「前に停まってくれた人がしてくれました」。裸足の女性は「ふたりとも携帯がクルマの中で・・・」、「この人を座らせてあげたいんですけど・・・」と続け、男性に「大丈夫だからね、大丈夫だからね」と声をかけている。
ルーテシアRSに取って返し、スクールで使うブルーシートと洗いざらしのタオル数枚、封を切っていなかった500ccの水、ホテルから持ってきた使い捨てのスリッパを抱えて戻る。スミマセンと繰り返す女性。少し興奮気味の男性に横になってもらうことぐらいしか、自分にできることが見つからない苛立ち。

クルマを停めてから5分は立っている。通報はその前にされているという。大井松田の電光掲示板に「右ルート事故」の表示があったのだから、その時点で管理者は事故の発生を認識していたはず。それから10分は走ってきている。パチパチと音を立ててバブルキャブのトラックが燃え続けている。

それにしても、こんなにも救助を待たなければならないのか。119番に電話すればいいものを、こちらも焦っていたのか110番に電話してしまう。「はい。事件ですか事故ですか?」。またか。いつものことだ。

「東名右ルート75.8キロポストあたりでトラックが燃えています。2人が負傷しています。救急車、消防車は出動していますか?確認して下さい。」つい乱暴な口調になる。

手配済みと言われれば待つしかないが、それにしてもこの時間は絶望的だ。

やがて1台のクルマがやってきて火災現場の手前で停車。すでに20分が経過している。道路管理者とおぼしき人が火の勢いの弱まったトラックの横を通りこちらにやってくる。「乗っていたのは?」と聞くから、「このおふたりです」と答えたら、「大丈夫ですね。もうすぐ救急車が来ますから」。たったそれだけ言って戻ろうとするから、「救急車はいつ来るんですか?」と聞くが、「間もなくだと思います」だと。なんなんだ、いったい。

それから5分ほどしてようやく消防車が2台やってきて、その影から救急車が現れた。投光器で現場が照らされ、ようやく男性がストレッチャーに乗せられ救急車の中へ。

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最悪の場合も想定してクルマを停めた。今回はふたりとも軽傷ですんだようだが、どんな理由があるにしろ事故を起こしては絶対にだめだ。
便利な自動車を運転していて怪我をするのも、乗っている人や他人に怪我をさせるのもだめだ。
クルマは人が傷つくためにあるのじゃない。

大げさではなくて、事故を起こしてしまったら誰も助けてくれない、ぐらいの意識を持ってもすぎることはない。

事故を起こさないためにも、もう少し真剣に運転してみてはどうだろう。もう少し運転に集中してみてはどうだろう。事故を起こさないために何をすべきかを考えてみてはおうだろう。

ボクは、『絶対に事故は起こさない』という覚悟を持って運転している。運転中は音楽も聞かない。外の音を聞きたいから雨の日でも窓を少し開ける。周囲の状況にこれでもかと気を配る。自分のことよりも交通の流れを優先する。
自分がクルマを、クルマが自分を裏切る状況におちいりたくないから。


【 追記 】
やってきた救急車と消防車は小田原消防署のものだった。調べてみたら小田原市消防署以下、消防署が1ヵ所、出張所が6ヶ所、分署が2ヶ所ある。大井松田ICのそばには松田分署がある。75.7キロポスト付近の駿東郡小山町は松田分署の管轄に入っていないので、他の消防署か出張所から出動したのだろうか。大井松田ICから事故現場まで18.1キロしかないから、どう考えてもあれだけ時間がかかるとは思えないが、消防の都合でそうなったのだろう。
しかし、もしあの事故が一刻を争う事態にあったならばと考えると、今さらながらにゾッとするのだ。

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そのコーナーアプローチ

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そのコーナー立ち上がり

※写真は2枚ともGoogle Earthから借用

実はこのコーナー、以前にも2回事故を目撃している。1回目は雨の日にスポーツカーがひっくりかえっていた。2回目は雨でもないのに軽トラックが横転していた。どちらも救急車は来ていなかったが、すでに何台ものクルマが停まっていて、何人もの人が立っていたから自分の出る幕ではないと判断して通過したことがある。


第183回 鈴鹿サーキットとルーテシアRS

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YRS鈴鹿サーキットドライビングスクールの合間にコースを2周。走行距離は少し短いけどピットアウトからピットインまで6分16秒だから、ルーテシアRSシャシースポールの実力がわかろうというものだ。

ルノー・ジャポンから借りているこのルーテシアRS。タイヤはもちろん、どこもいじっていないけどポテンシャルパフォーマンスがすごく高い。お世辞ではなくて。
ただ、ルーテシアRSシャシースポールの性能を味わうにはそれなりの操作が必要になる。オーナーの方はぜひユイレーシングスクールに来てみてほしい。

※1周目のスプーンを立ち上がってからしきりにリアビューミラーを覗いているのは、ついてきた受講生がコースアウトしたので状況を確認してたから。無事コースに復帰したけど。


第182回 湖西にも春 緋色と桃色

4月の声を聞いて湖西にも春が来た。曇り空が残念だったけど、ルージュ フラムのルーテシアを桜の下に連れ出した。

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きれいな桜色が出なかったのが悔しい。ルーテシアRSの緋色は鮮やかだったけど。


第181回 YRSツーディスクール

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風は冷たかったけど空気が澄んでいて

3月最後の週末に開催したYRSツーディスクール。昨年末のYRSツーディスクールには台湾から2名の参加があったが、今回は中国から二人の方が参加してくれた。ユイレーシングスクールも少しずつインターナショナルになってきた(?)

例の通り、1日目は富士スピードウエイの広い駐車場にパイロンで作った4種類のコースで基本的な操作の反復練習を行い、2日目にショートコースを走り回るというカリキュラム。

メガーヌRSを駆り桑名から来てくれてKさん、千葉から来てくれたHさん、ルーテシアⅢRSで埼玉から来てくれたCさん、ルーテシアⅣRSで東京から来てくれたNさんも休む間もなく走り回っていた。

ちなみに、走行距離は1日目の駐車場だけでも100キロ近く、2日目のショートコースとなると計測ラップだけで143周走った人がいるから、リードフォローや追い越し禁止の慣熟走行を含むと170周以上した計算になる。ユイレーシングスクールが使うショートコースのレイアウトだと全長が880mだから、距離にして150キロ。2日間合わせて250キロを真剣に走るのだから、クルマさんと友達になれないわけがない!

とにかくたくさん走る。とりあえずできる範囲の速いペースでコンスタントに走るように心がける。無理はする必要はない。ユイレーシングスクール開校以来一貫した教育方針だ。

とは言え、RSが4台も集まったんだからと休み時間にちょっとの動画


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RSはサーキットが似合う、なんてね

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HさんのメガーヌRS

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KさんのメガーヌRS

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CさんのルーテシアRS

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NさんのルーテシアRS

サーキットを速く走ることだけが目標ではない。日常では経験できない速度域で、日常では味わえない前後左右の加速度と向き合って、クルマという道具の正しい使い方を身につけてもらうのがユイレーシングスクールの目的だ。そして義務だと思っている。


第180回 私見 偏見 卓見

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ゆずり車線

ニュースで、中央道の一部の登坂車線で走り方が変わる、と言っていた。

複数の車線のある区間で、低速車両用に第一車線の左側に張り出して追加された登坂車線。従来は第一車線を走行していて流れに乗れない車両が登坂車線に移動して後続車両を先に行かせ、登坂車線が終わる前に第一車線に戻る、というシステムだった。

それが、登坂車線を廃止し張り出し部分を第一車線にして、最右車線を追い越し車線にするという。使用者の立場からすれば当たり前のことなんだけど、ようやく。

NEXCOのコメントは「右側付加車線方式への変更により、低速車が車線をゆずるのではなく、比較的速度に自由度のある車両が右側から追い抜くこととなり、安全性の向上が期待されます」だから、もっと早くに実施しても良かったのではないのかね。

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注意書きがあるということはやる人がいるということだ


我が家の近くを通る湖西道路にも同様な車線が存在するが、名称は「ゆずり車線」。名称も含めその合理性のなさを2013年10月11日のブログ、『第80回 なんだかなぁ…』 に書いたことを思い出した。「ゆずり車線」の文字が消えて「追い越し車線」の看板が出現する日は来るのかねぇ?

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ゆずるのは少数派だよな

同じブログで触れた制限速度も、湖西道路の一部で60キロ制限から70キロ制限になった。なぜ複線区間の一部だけなのか理解に苦しむけど、改善しようとする方向は評価したい。


第179回 YRSトライオーバルスクール

ユイレーシングスクールのカリキュラムのひとつにYRSトライオーバルスクールがある。

トライオーバルとはおむずび形のオーバルコースのこと。NASCARストックカーの聖地デイトナインターナショナルスピードウエイも、
世界で最も長く(2.66マイル=4280.9m)最もハイバンク(33度)のタラデガスーパースピードウエイもトライオーバルだ。

ユイレーシングスクールでは操作の練習に役立つように3つのコーナーを全て異なる曲率にしている。下りきったところにある低速の回り込んだコーナー、3速全開でクルマの向きを変えるキンク、2速に落としながらのターンインが求められる中速コーナー。

ここを走ると上手くなると言うよりも、まず走って楽しい。慣れると、もちろんブレーキングやコーナリングの練習をしてからだが、クルマを動かしている実感がヒシヒシと感じられる。

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4代目ルーテシアRSが走る
雨が降ったらメッケモノ

で、3月6日に開催したYRSトライオーバルスクールに2台のルーテシアRSがやってきた。Uさんの2代目ルーテシアRSとSさんの4代目ルーテシアRS。
お二人とも前にもユイレーシングスクールを受講したことがあるから、イーブンスロットルとトレイルブレーキングがなんたるかはご存知だけど、3速全開でターンインするYRSトライオーバルは初めて。午前中にブレーキング区間の最後で前加重を抜く練習をみっちりやって、次いでキンク後にロールを消して再加速するラインを試していざ全開。

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2代目ルーテシアRSが走る
軽さは武器!

昼過ぎから雨が降り出し路面が濡れてもなんのその。他の参加者ともども走る、走る。ウエットだからと言ってバランスを崩す人がいないのは、ユイレーシングスクールの真骨頂。1日で2度美味しいYRSトライオーバルスクールでした。

179-33代目ルーテシアRSで来れば3代そろって良かったな、と思いながらの記念撮影
右がUさん、左がSさん

ルノー・スポールに乗っているみなさん、愛車を全開で走らせてあげませんか?


◎動画で2台のルーテシアRSの走りをどうぞ。


以下はYRSオリジナルビデオから

・YRSトライオーバルオンボード映像

・YRSトライオーバル外撮り


第178回 急がば…回せ

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ブログの内容と写真は関係ありません

とある右折車線がある片側1車線の交差点。同じく右折車線がある片側1車線の道路と斜めに交わっている。この交差点を右折する場合にはかなり鋭角に曲がらなければならない。高速道路に乗る前に使ういつもの道なのだが、いつも疑問に思うことがある。

かなり往来があるので右折可の矢印が出てから右折することになるのだが、前のクルマについて右折していくと、ほとんどのクルマが交差する道路の右折車線を「踏んで」右折していく。「踏まない」のは交差する道路の右折斜線に、「右折するのを待っているクルマがいる時」だけだ、と言っても過言ではない。

交差道路の右折車線を「踏むこと」が違反にあたるかどうかは別として、疑問に思うのは彼ら(彼女ら)がどんな意識でステアリング操作をしているか、だ。

あくまでも推測の域をでないのだが、行われている操作は「ステアリングをある舵角がつくまで一気に回してそこで手を止めて、右折してからもう一度切り足す」のではないのだろうか。

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ブログの内容と写真は関係ありません

別に右折車線にクルマがいなければかまわないではないかという意見もあるだろうけど、自分の運転と比較しての話だが、それだと右折を終わる頃に最も舵角を大きくして方向を変えなければならないはずなのだ。つまり、コーナリングの半径が最も、かつ必要以上に小さくなるのが右折して直進に移る地点の寸前になる。ということは、結構な高さのある歩道と車道を分ける縁石に向かう角度が深くなるし、右折を終わってからステアリングを戻す量が大きくならざるを得ない。つまり、右折の最終段階でも運転手の目線はまだ外側に向いているはずで、進行方向の遠くを見通せる情況ではない。それでもいいの?という話。

一気に舵角を与えればそれだけ内輪差が大きくなるから、前輪が大きく向きを変えるのと同時に後輪は前輪のはるか内側を通ることになる。
結果として、直線的にコーナリングしてしまうと立ち上がりでのクルマの向きが十分に変わっておらず、従ってエネルギーの方向もクルマの向きよりも外側にある可能性が高い。なのに…。

ここに、、彼ら(彼女ら)の運転に対する意識がうかがえると言ったら言い過ぎか。

もちろん安全に右折できれば、それはそれでかまわないのだろう。しかしどんな状況であろうと、ある操作の結果どういうことが起きるか想像しながら運転している自分にはできないね、と。

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ブログの内容と写真は関係ありません

同じようなことがドライビングスクールでも見られる。例えばオーバルスクール。ふたつの同じ曲率の180度コーナーを直線で結んだ楕円形のコース。受講者一人ひとりの操作を見直すことが目的だから、最初はイーブンスロットルでブレーキは使わずに走ってもらう。

半径22mのコーナーは時速45キロだとどんなクルマでもパイロンに沿って走ることができる。ところが、「それでは50キロにペースを上げて下さい」と言うと、何人かがパイロンに沿って走ろうとしているのにパイロンから離れるようになる。「次に55キロまで加速してみましょう」と言うと、かなりの人がパイロンに沿って走ることができなくなる。パイロンを後輪で踏んづけて倒す人が出てくるのが、「あと2、3キロ速く走ってみましょうか」と言う頃だ。そう、おわかりだろう。ステアリングを「バキッ」と切っているのだ。内輪差などおかまいなしに。

この時の受講生の操作は、鋭角の交差点を曲がる彼ら(彼女ら)のステアリングの回し方に近い。
最初に大きな舵角を与えるものだから、前輪にだけスリップアングルが生じ、後輪はただ前輪の軌跡の内側をたどることになる。ペースを上げてエネルギーが大きくなればなるほど、前輪は外に逃げようとするし、無意識のうちに逃げるのがわかるからさらにステアリングを切り足すようになる。

YRSオーバルスクールではパイロンを15度ごとに置いてある。コーナーの始まりと終わり、それと頂点に緑のパイロン。その間に5本の赤いパイロン。

見ていると、パイロンから遠ざかる人は赤いパイロンの2本目か3本目でステアリングを回す手が止まっている。止まっている位置、つまり舵角も、既にそのコーナーの最終舵角ほどに大きい。それでは高い速度で自分が思い描いた軌跡にクルマを持っていくことは難しい。速度が低ければ何も起こらずにすむかも知れないが、思い描いたところにクルマを持っていくのが難しい状況にあることには変わりない。低い速度だったとしても、晴れなら大丈夫で雨ならだめかも知れない。

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ブログの内容と写真は関係ありません

だから、ユイレーシングスクールでは受講生に煙たがられるのを覚悟でこんなアドバイスをしている。

「クルマが抱えるエネルギーは速度の二乗に比例して増減する。45キロから50キロに10%ペースを上げたとしたら、クルマを真っ直ぐに進ませようとするエネルギーは20%増えているんですよ」、「最初の舵角が大きくなる原因は近くを見て操作しているからで、自分の行きたいところに目線を動かしていないからです」、「クルマにとってコーナリングはストレスになります。ストレスを大きくしないためにも、ステアリング操作の最初はゆっくりと、コーナリング中も手を止めることなくコーナーから次の直線が見えるようになるまでゆっくりと回し続けたほうがクルマさんは喜んでくれます」、と。

さて、あなたはごんな運転をしていますか?


第177回 YRSライディングスクール始動

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歳だからと控えていたけど、またバイクに乗りたくなったね

今年4月。ユイレーシングスクールはバイクユーザーを対象としたYRSライディングスクールを始める。ここ5年ほど暖めていた構想がいよいよ実現。

別に「おっちょこちょいのライダー」に正しいバイクの乗り方を教えよう、と思っているわけではない。4輪と同様に、バイクを所有している人にもっとバイクを楽しむ方法を学んでもらい、バイクに乗っていて良かったなぁ、と思ってもらえればと考えてのことだ。

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練習はやはり、再現性のある操作を最優先にする

去る1月。バイクも持っているYRSスタッフとYRS卒業生でバイクにも乗っている人の協力をあおぎ、カリキュラムの検証を行った。
それは、もちろん座学に始まり、両手を離してのスラロームからブレーキングの練習、8の字でバランスを取る練習をした後に定常円をできるだけ速く走る練習へと続く。

試験的YRSライディングスクールに参加したYRSスタッフとYRS卒業生にからは、「今まで気がつかなかった」、「そんなこと知らなかった」、「運転が楽になった」と好評のカリキュラム。

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こんなスクールがあれば若い頃もっとバイクを楽しめたかも知れない

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追いかけっこも面白かった

路面温度が低いと転倒の危険性があるから寒い時期には開催しない方針なので、第1回は4月8日(金)。まもなく募集を開始する。バイクをお持ちの方はユイレーシングスクールのウェブサイトでの告知をお待ち下さい。


◎ 両手離しのスラローム

◎ 最短距離でバイクを止めるブレーキング

◎ 8の字を何回も何回も

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インストラクターはバイクの経験が豊富で理論に基づく操作の重要性を説く田村さんにお願いする

今までもそうだったし、これからも変わらぬユイレーシングスクールのテーマは所有欲から使用欲への転換だ。そして標語が「モータースポーツをもっと手軽に、もっと楽しく、もっとみんなで」であることも変わらない。


第176回 Hさんとルーテシア

昼すぎの気温でさえ一桁前半の寒い一日となった2月6日。YRSストリートで開催したYRSドライビングワークアウトに藤沢からHさんが参加してくれた。

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「あの~、ルノー・ジャポンのブログに載せたいので記念写真を撮りたいんですけど・・・」
「あ、見てますよ」
ということで2台並べてパチリ。

申し込みフォームのデータを整理していたら、車種がルーテシアでサーキット走行の有無が「レース経験」になっていたので、どんなレースに出ているのか興味があった。
で、座学の前に聞いてみると、実はランチャ デルタHFインテグラーレ エボリューションⅡでサーキットを走っているそうだ。けれど、せっかくのドライビングスクールだから足が柔らかくて操作と挙動の関係がわかりやすい、ふだん足に使っているルーテシアGTで参加したのだと言う。

ユイレーシングスクールは初めてのHさん。いつも速いクルマに乗っているせいか、ランチャに比べれば非力なルーテシアGTをていねいに上手に前へ前へと動かしていた。走り方の組み立てと、ブレーキング以外は教えることもなさそう、な感じだった。

HさんとルーテシアGT

同乗走行でルーテシアGTを運転させてもらったけど、ルーテシアRSより大人ひとり分軽いルーテシアGTが思いの他俊敏であることに驚いた。フロントの軽さが効いているのだろう、ターンイン後の加重移動が穏やかだった。もう少し速度の出るコーナーがあると楽しそう。

ただ、ヨーモーメントを出すことに主眼をおいてレイアウトしたYRSストリートでは、もう少しターンインの速度が速いほうがリアをロールさせやすいので、ランチャに乗った時のイメージに近づくようにHさんにルーテシアRSにも乗ってもらった。

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Hさん ルーテシアRSで立ち上がる

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Hさん ルーテシアRSで加速する

「パワーがあるほうが加重移動がわかりやすいですね」
「フロントががっしりしていますね」
とはHさんの弁。

同じルーテシアとはいえ、カタログ上80馬力の差がある2台をどちらもそつなく走らせていたのはさすが。

94年製のランチャは維持するのも大変らしいけど、好きなクルマで大いに楽しんでほしいと思う。

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Hさんのランチャ デルタHFインテグラーレ エボリューションⅡ
※写真はHさんに送ってもらいました





基本的に反時計回りにレイアウトしたYRSストリートだけど、時計回りに走ると景色がどう変わるか確かめてみた。

※リードフォローで参加者を引っ張っているのでペースは抑えています