第312回 遅きに失す
8月10日。中日本高速道路株式会社が次のようなリリースを出した。
要するに国土交通大臣が事業許可を出したので、さしあたり新東名の御殿場JCT、浜松いなさJCT間を全線片側3車線にしますよ、というお知らせだ。
3車線で工事が完了していながら『猪瀬ポール』なるもので全長145キロの同区間のうち89キロが2車線として使われてきた新東名。55キロは3車線だけど、2車線になったり3車線になったり、2車線になるのが登り区間だったり。「何考えてんだか。ホント、これでお金取るんだから全く」と毒づきながら、日本のことだからと諦めていた。
ま、いいでしょう。部分的とは言えようやく110キロ制限になったことだし、いつになるかわからないけど、これで少しはFSWに快適に行ける日が来るかも知れない。
※浜松いなさJCT、岡崎JCT間も新東名高速道路を名乗っているのだけど、調べてみるとこの区間も暫定2車線となっているから将来3車線になる可能性がありそうに聞こえる。けれど走ってみればわかるが、路肩は明らかに狭くトンネルも高架部分も全て2車線で作られており、この区間が3車線になる可能性はまずない。看板にいつわりありでは、と一言、個人的に言っておこう。
※今回の発表を受けて、『新東名の輸送力がアップする!東京-名古屋をつなぐ大動脈が着々と進化』なんて賛辞で飾られたニュースもあった。長年『猪瀬ポール』を取り上げないで、何を今さらと、個人的に言っておきたい。
伊勢湾岸自動車道は豊田JCT、四日市JDT間全てが片側3車線
それでも大型トラックが第3車線を占拠することが多い
新東名高速道路の岡崎JCT、浜松いなさJCT間はずっと片側2車線
切り通しにしてもトンネルにしてもこの区間が3車線になることは非現実的
片側2車線区間の路肩には縁石様のものとポールが
縁石までと縁石の向こう側を足せば路肩分を引いても1車線ができそう
先に見えるガードレールが車線側にせり出しているがその裏には同じスペースがある
同じようにガードレールの裏には1車線分のスペースがあるように思うのだが
3車線にするためにガードレールや縁石を撤去し白線を引きなおすことになるのだろう
その費用と労力を考えるとなんのための2車線供用なのか疑問だ
清水付近の高架部分
新東名の浜松いなさJCT以東の高架部分とトンネルは全て6車線対応で建設された
資料によると御殿場JCT浜松いなさJCT間145キロの1%が6車線未対応とある
写真ではわかりにくいけど
3車線から2車線になっても道路の総幅員は変わらない
ガードレールの裏に舗装部分がある
それにしてもこれだけほかっておいてアスファルトがやせないのだろうか
左の青い看板の先のガードレールの裏には舗装部分がない
わずかだが6車線未対応の部分もある
縁石を撤去したとして3.5mの1車線と1.75mの路肩が確保できそうにないところもある
ひょっとして6車線化を見越して現在の1車線の幅を広めにしてあるのか
あくまで個人的な想像だけれど
片側3車線で作っておきながら、さらに費用と時間をかけて部分的に2車線にする。あるのに使えない状況を作り出しておきながら、今度はさらに費用と時間をかけて3車線に戻すという。
なんのためのプロセスなのか理解できない自分がいる。