トム ヨシダブログ


第605回 リジェンドクラブカップレース生中継

IMG_2563
YouTube「Inter Proto Series x KYOJO CUP CHANNEL」で
9月26日(日) 15時30分~15時55分の間
『AIM Legend’s Club Cup 2021』レース
がライブ配信されます

 

リジェンドクラブカップレースはモータースポーツ界で活躍してきた名ドライバー達がVITAというマシンで戦うワンメイクレース。今回は最高齢87歳の多賀さんを初めとする17名が参加予定。お遊びではなく本当の本当の真剣勝負に参加するドライバーの平均年齢は72.7才です。みなさん競技ライセンスもお持ちです。驚いて下さい。

605-2021
AIM Legend’s Club Cup 2021 エントリーリスト
お名前を耳にされた方もいると思います
ぜひご覧下さい

 

いささかこじつけがましいのはわかっているけれど、レースともなれば危険が伴うというのが定説。なのに、なぜリジェンドドライバーたちは丁々発止のレースをしても事故を起こさないのか。
ひとつだけ答えを探すとするなら、それはクルマの動かし方を体と頭で理解しているから、になるだろう。この方達がその昔クルマを動かすことに一生懸命だったのは想像に難くない。どうすれば人より速くクルマを動かせるか頭を使い仮説を立ててそれを検証し、その結果として、運転していて次に起きることがあらゆる場面で連続的に読めるようになり、間違いのない対応をとることができるようになったからだと思う。

そして、加齢だけが高齢者交通事故多発の要因ではないとも思っている。確かに若者より年寄りのほうが事故を起こす可能性は高いだろうけれど、若者が無事故なわけでもない。高齢者でも事故とは無縁の人もいる。筆者が高齢者マークだからいきおい年寄りの話題が登場することにもなるけれど、今若い人もいずれは歳を取る。歳をとっても安全に思うようにクルマを操る人達がいる。運転というものは一生ものだ。早いほうがいいに決まっているけど、だからと言って遅すぎるということはない。今や高齢ドライバーの仲間入りをした名運転手同士のつばぜり合いを見ながら、これから自分が運転とどう向き合っていくかに思いを巡らすのも悪くはないと思う。

#リンク #ブログ #高齢者 #運転 #安全運転 #事故
・第556回 高齢者安全運転診断サービス その後
・第566回 高齢者と運転
・第579回 レーサーだって歳をとる!
・第597回 令和2年版交通統計から見えてくるもの

 

※ レジェンドクラブカップレース広報資料



第604回 YRS筑波サーキットドライビングスクール

604-1
今年2回目のYRS筑波サーキットドライビングスクールには23名が参加
うち3名がユイレーシングスクール初めて
2004年4月YRS筑波サーキットドライビングスクールから13回通ってくれているIさん
2012年10月のYRSツーデースクール以来久しぶりに参加してくれた(喜)
 
いつも通り座学に始まってイーブンスロットルとトレイルブレーキングの練習
予報が外れて気温が上昇したしコースが滑りやすかったけど
常連のIさんは42秒080で惜しくも41秒台ならず

604-2
今回セッションの合間にカートを走らせていた喜色満面のこのご婦人
御年74歳でカートを始めたばかり
後ろに写るのがご主人のOさん
Oさんは2017年10月のYRS筑波サーキットドライビングスクールに参加してくれた
 
Oさんが参加するレースのビデオを撮っているうちに自分もやりたくなったとか
何が面白いですかと聞くと「スピード」と即答
Oさんご夫妻万歳 ‼‼   いつまでも走って下さい。



第603回 340万回越え

保存していた2015年MotoGPアメリカラウンドの予選でワールドチャンピオンのマルク・マルケスが見せた感動的なライディングテクニック。やっぱりみんなにも見てもらいたくなって、編集してユイレーシングスクールのYouTubeにアップしたのが2017年5月。

予選終了3分前のストレートでマルク・マルケスのマシンがエンジントラブルでストップ。マシンを止めピットウォールに立てかけ、駆け足でピットに戻りスペアマシンにまたがり残り2分30秒でピットアウト。1周2分はかかるサーキットだから計測されるにはチェッカー前に一度コントロールラインを通過する必要がある。チェッカー8秒前(‼)にコントロールラインを越えたマルク・マルケスは、そこから鬼神の走りを見せる。結果、3つのセクション全てでタイムを更新し、当然ながらポールポジションを手にする。見どころは3点。編集ではその部分をスローモーションにして追加した。
・マシンのテールスライドを腰で止めた
・ハードブレーキングでスライドを始めたリアタイヤをカウンターステアとステップから左足を離してリアタイヤに荷重をかけて修正
・ハードブレーキングで後輪が宙に浮いた状態からバランスをとりながらターンイン

人間が操る乗り物を、我々のレベルではとうてい垣間見ることすらできない領域で操る人たちに対し純粋な畏怖の念を抱く。
自分にできないことを彼らがやってしまうからあこがれているのではなく、現実にそんな人たちが存在することを強く認識する。もちろん彼らに及ぶべくもないけれど、彼らを目指すのだという意識があれば、到底届くことなどないことはわかっているけど、彼らと比べれば笑えるほどわずかなものかも知れないけれど、少しは前に進むことができるのではないかと思い続けてきた。どうすればああゆうことができるのか。持てる知識と経験を総動員してイメージする。全ての乗り物は機械だから物理学的に考えると糸口にたどりつけた。

それ以来、『魂が震える』のタイトルを付けたこの動画。視聴回数が340万回を越えた。コメントも1,000件を越えた。中には動画に挿入した字幕に誤字があることを指摘されたのが何通かあってへこんだけど(泣)、ほとんどはそんなことを気にかけずにタイトルを肯定してくれる内容だったのは嬉しい限り。

 

昨年第2戦の怪我から復帰したマルケス。12日に行われた2021MotoGP13戦アラゴンGPでは今年2回目の表彰台にのぼったものの、「まだ元のように走れてはいない」とのコメントが気になる。

たくさんのファンがあなたの超人的なライディングをもう一度見たいと思っています。慌てなくても大丈夫ですから、またあの鬼神のような走りを必ず見せて下さい。待っています。

 

※ 誤字を訂正してアップした動画は https://youtu.be/FPTlfnzruB0 です
※ MotoGPの商標権者は Dorna Sports です



第602回 食

先月の食の遍歴。基本的に外食はしない主義なのでスクールにかこつけていただく好物は至宝のよう。

599-01
岡山に行くので道中のSAとPAを確認してみたらなんと関西で食べられることが判明
 
西宮名塩SAでピットインして味噌カツ丼に一直線
心なしか本場刈谷SAの味噌よりコクがあるようで
確かめにまた行きたいけど来年かな

599-02
暑い暑いR.S. Days 2021の帰りは山陽自動車道を選んで
お腹がすいたから龍野西サービスエリアに飛び込んだ
 
あちこち覗いたら涼しそうな素麺を発見
ものも言わずにツルツルと
コシがあって喉越しが抜群
素麺新発見という感じ
不明にもこの地域があの有名な素麺の産地だとは知らなかった
ゆで方にも秘訣がありそう

599-03
御殿場に用事があると沼津港が連想ゲームの始まり
沼津港と言えばここ数年ここ一択のむすび屋さん
むすび屋さんと言えば
 
メニューにある時は必ずいただく地アジ刺し

599-04
ないときもあるけどこの日はあったので奮発してウニ丼
 
手長海老を分解して味噌まですすってしまったしプリプリの身がたまらん
トロとこの日の貝はホタテ貝
いくらとウニとくれば無口で食べるしか
かきこみながら感じる幸せ

599-06
御殿場では五指にあまるお店でうなぎを食べたけど
うなぎと言えばいつもうな重しか頭になかった
 
だから神田きくかわのメニューにうな丼とあってもうな重を選んでいたけど
よく見たら特撰うな丼とある
 
出てきたうな丼にのっているうなぎの大きいこと
割りばしの袋と比べるとわかるけど
いままで食べたうなぎのなかで最大で最も肉厚で柔らか
幸せでした

599-05
先入観を持たずにメニューをよく見るべしと反省
 
すると一品料理の頁に『うなぎ白焼きたたき』の文字
うな重以外でうなぎを食べるのはこの日が初めてだからついでに
 
薄味のポン酢であえた白焼きをもみじおろしでいただきます
挑戦してみて良かった一品

 

前にも書いたけど、昔から悪童仲間に「VSOPの吉田」と言われていた。いつもワンパターンだったから。身体はひとつだし胃袋も大きくないから、あちこち手をつける余裕はない。好きなものの中でもっと美味しいと感じられるモノを探すのが流儀だったし、今も同じ。
FSWでのスクール開始数が減ったのと、時節柄スーパーで買ってきたお刺身やローストビーフを広げてホテルの部屋で飲むことが多く、すっかり足が遠のいていたさかなや本店さんに顔を出してみた。店長の木内さんはじめみなさん元気で良かった。ただ残念なことに、いつも出迎えてくれていた看板犬に会うことはできなかった。合掌。

599-07
まずは新しょうが

599-08
サッと出てくるチーズの大葉巻き

599-09
大トロもあったけどこの日は
中トロと赤身のハーフとイカ
ホントさかなやさんのお刺身は目でも楽しめる

599-10
ししとうを焼いてもらうのも毎度のこと

599-11
焼き茄子を頼んだら一口大のかわいいのが。

599-12
いじきたなさはみじんも感じずに
ここぞとばかりのウニ~ィ

599-13
あさりの酒蒸し
スープまで飲み干して

599-14
締めはいつものじゃがバター
さかなやさんではメシツブはいただきません
 
げんこつより大きなジャガイモと格闘しながらごちそうさま

599-15
様子を見ながらまた伺います
 
 
 
 
 
※写真はGoogle Mapsから借りました



第601回 筑波サーキットコース1000の走り方

602-0
筑波サーキットコース1000は2000年9月28日に報道者関係者向けに公開された
 
この日筑波の代名詞だった1周2キロのコースはコース2000という呼称に
限られたスペースにできるだけ長いコースレイアウトを組み込んだ
新たに作られた全長1キロのコースはコース1000と呼ばれることが発表された

602-1
写真から見てとれるようにコース1000は回り込んでいるコーナーが多いけど
ストレート以外のコース幅が11m確保されているので
コーナーの曲率に対して幅員が広いコースレイアウト
高速道路の1車線の幅が3.5mだから高速道路3車線以上の幅のある
のでコースアウトする可能性は少ないと言えるけど
どこを走ってもなんとかなってしまうので
速さを追求するには繊細かつ大胆なアプローチが必要になる

 

さて、
・使うギアは2速と3速だけ
・最終コーナーを2速で立ち上がり3速へ
・コースレイアウトではわずかに右にキンクしてるけどまっすぐ1コーナーを目指す
・1コーナー前の到達速度がそれほど高くないので強いブレーキは必要なし
・むしろブレーキングポイントを早めてしっかりとトランジッションを
・1コーナーは曲率が小さく2コーナーは大きいからターンインの速度が重要
・3速のままターンインしコース幅の半分までトレイルブレーキングを活用
・インの縁石に近づくまでにスロットルに足を移しイーブンスロットル
・1コーナー先右にある退避路の先までステアリングを回し続ける
・2コーナーは速度の低下に注意しながらイーブンスロットル
・ヘアピン手前の短いストレートに向かってステアリングを戻した分スロットルを開ける
・舵角ゼロでフル加速し直進状態でブレーキングし2速に落とす
・ターンイン手前でしっかりブレーキを抜いてヘアピン頂点までトレイルブレーキング
・コーナリング中は速度の低下に注意しながらスロットルコントロール
・ヘアピン立ち上がりのラインを延長させて自然にコース右側による
・コース右側の白線のどこかでインフィールドの左コーナーへターンイン
・ブレーキングすると車速が落ちるし加速もできない
・右足をブレーキペダルに置くだけで減速度はエンジンブレーキ程度に
・右に退避路が来る前にイーブンスロットルで高い速度を維持
・ステアリングを戻した分だけスロットルを開ける量を探る
・舵角ゼロになったらフル加速して3速にアップ
・外周にある信号機を目指して左ドッグレッグに向けターンイン
・コース1000のタイムアップのキモになる最終コーナーの所要時間を短くしたい
・ドッグレッグより最終コーナーにいる時間の方が長いからドッグレッグは捨てコーナーに
・ドッグレッグのインにつくタイミングでスロットルをわずかに緩めると
・信号機までに長い直線ができるからいったんフル加速
・スロットルオフの挙動を利用して直進状態でブレーキングし2速に落とす
・インの縁石をなめながらアウト側縁石の先端から3分の1とところに出て
・アウト側に追加されたパッチに出ないようにしながらいったんアウトへ
・舵角一定でイーブンスロットルで速度を維持
・クルマにヨーモーメントが働いていれば
・最終コーナーインの縁石付近からスロットルを開けても立ち上がりでコースをキープできる
・積極的にステアリングを戻し少しでも早く舵角ゼロにしてフル加速し3速に

どんなサーキットにも共通する攻略法がある。優先順位と言ってもいい。それは、
① 長い直線に続くコーナーの脱出速度を上げること。クルマは直線でこそ性能を生かすことができる。脱出速度が速ければ到達速度も速くなるから、直線に向けてコーナーを立ち上がり舵角ゼロのフル加速からブレーキングのためにスロットルオフするまでの時間を短縮することができる。
※そんなことわかってるわい、という人がいるけど、そんな人に限って脱出速度を上げる=スロットルを早く開ければいいと勘違いしてトラクションを逃がしてしまい、加速を鈍らせてしまっている現実がある。あげくに、スロットルを開けている時間が長ければタイムが縮まると思い込みブレーキを遅らせてドカンとブレーキをかけて前のめりのままステアリングを切る人もいる。本人は速いと思っていても、減速しすぎでターンイン時の速度が落ちすぎたりアンダーステアが出て失速したり、思い込みでは速く走れない現実がある。
② 高速の長いコーナーの通過速度を上げること。言うまでもなく高速で走ると単位時間あたりの移動量が増える。サーキットの長さやコーナーの長さは不変だから、高速で走るコーナーの速度をさらに上げることができればその区間の所有時間を短縮することができる。
※そんなことわかってるわい、という人がいるけど、そんな人に限ってコーナリング中にスロットルを開けすぎるものだから、アンダーステアが出てステアリングを切り足すはめになって失速している現実がある。フロントタイヤからしかスキール音が聞こえないのは失速のきざし。4輪を使っていればスキール音はほとんど聞こえないはず。
③ サーキットのラップタイムは平均速度の裏返し。ストレートはクルマ任せに走るので構わないけど、あらゆるコーナーを速く走る努力をする。それはブレーキングを我慢することではなく、コーナリングしているのにやみくもにスロットルを開けることでもない。クルマは重たいからバランスを崩すと簡単に軌跡から外れてしまう。前に進まないということは失速に他ならない。その時その時でクルマが走りやすい状況を作ってあげることが肝心だ。

第600回 で触れたプライベートレッスン。ベストタイムをマークしたIさんの42.408秒は十分に速いけど2番手のSさんの42.695秒も遅くはない。それぞれを平均速度に直すと88.200Km/hと87.607Km/h。ベストラップの周を比較するとタイム差が0.287秒で速度差が0.593Kmあることがわかる。
単純に1周43秒と44秒で比べてみると、平均時速は86.986キロと85.009キロで2キロ近い差が生じる。だから1キロのコースであれば、まず全てのラップタイムの差をコンマ3秒以内に収められるような走りを目指すことが大切だ。初めのころはペースが速くなくても再現性のある操作を繰り返し、タイム差を少なくすることができれば先が見えてくる。

602-4
Google Mapのストリートビューを使えば
筑波サーキットコース1000を1周できる
一見フラットなコースに見えるけど
微妙な起伏があって走行ラインに影響を与えます
 
 
 
 
 
筑波サーキットコース1000コース図ダウンロード
 

9月16日(木)に筑波サーキットコース1000でより速い速度からターンインを実現するための練習、イーブンスロットルとトレイルブレーキングに特化したプログラムYRS筑波サーキットドライビングスクールを開催します。クルマを安定させてから4輪を使ったコーナリングを会得するために参加してみてはいかがですか。

・YRS筑波サーキットドライビングスクール開催案内&申込みフォームへのリンク
・ユイレーシングスクールの感染対策