トム ヨシダブログ


第834回 『あれっ!』

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皆さんは運転していて『あれっ!』と思ったことはないだろうか。    ボクは最近、3度ほど『なんかおかしいな!』という経験をした。

1ヶ月半ほど首都圏で生活をしていた。どこに住もうと原則的にはどこに行くのもクルマに頼るのだけど、大津と違ってたいそう混雑した交通にもまれていた。走るのは都心と首都高速道路、京葉道路といったところ。

基本的にボクは、運転操作についてルールを設けている。しきたりとでも言おうか。クルマを動かしている間は常に同じような操作、再現性のある操作と言えばいいのか、行き当たりばったりではなくいつも同じ手順を守って運転するようにしている。
そのルールはそれこそ無数にあるけど、例えるならばスロットルオフ。減速する前にスロットルを閉じるのだけど、いつもスパッとやる。テレ~とはやらない。はるかかなたの信号が黄色になった時、交差点までに前を走るクルマが何台かいて彼らのストップランプが点いていなくてもまずスロットルペダルを離す。同時に踏み込みはしないけどブレーキペダルの上につま先を動かす。ブレーキラインに油圧がかかりブレーキパッドとブレーキローターが擦れているかも知れないけど、速度の落ち方はエンジンブレーキと同等かそれ以下にする。ブレーキペダルを踏みこむかどうかは次の瞬間に判断する。

ある時、高速道路の料金所を抜けて前のクルマに続いて加速をしていた。前のクルマはある程度の速度に達したら加速をやめて定速走行に移る。車間距離を十分にとって前のクルマに続いていたのだけど、前のクルマが加速を鈍らせた時、車間距離が自分のルールを超えて近づいていた。これが『あれっ!』の正体。

状況を判断するに、前のクルマが加速する率と自分で加速を調整する意識にズレがあったようだ。読み間違えていたのは確かだ。危険な場面にはならなかったし、流れに任せて走っている人なら経験することかも知れないけど、一応ルールに従い自分のペースで運転してきたと自負している自分としては驚きだった。そんなことが3度ほどあった。

で、考えた。これは加齢がなせることなのか。それとも運転に集中していない時間があったのか。危なくは全くなかったし、自分のルールから逸脱していただけだから悩む問題でもないのだろうけど、先のことを考えるととりあえず原因を探ろうと。

そして、自分の問題を棚に上げるわけではないけど、走る環境が変わったのが遠因になっているのではないかと想像した。首都圏の交通はおしなべて車間距離が短い。3車線の京葉道路なぞ多数党がいっせいにガーッって加速する。自分としてはそれに順応していると思っていたけど、あの瞬間だけはのんびりとした大津市街地や遠くまで見渡せる新東名、新名神を自分のペースで走っているいつもの意識が介入したのではないかと。

クルマは安全に走らせるべきだと思う。公道でもサーキットでもだ。そのために自分なりのルールを作ってそれを守る。その範囲で走る目的を達成する。そんな面倒臭いことをと思われるかもしれないけれど、いつも同じことをしているから結果に変化があると直感的に何かがおかしいとピンとくる。それが操作を修正するのに役立つ。ズレがあってもごくわずかなものになっているから、今までの努力が無駄だったとは思わない。その意味では今回、異なった環境での経験は有意義だった。

 

 

※写真はカメラ内臓の眼鏡、アイレコーダーを使って新東名で撮影したものです



第833回 記憶のかなたの2

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少年が育った品川区大井出石町。静かな住宅地だったが近くにPXがあったので、カーキ色に塗られたジープやトラックが頻繁に走っていた。それ以外は八百屋さんのオート三輪とおわいやさんのバキュームカーを時おり見かけるほどだった。

 

法事で浅草のお寺にお参りした後、やっ古で鰻をいただくのが習わしだった。

何歳の時か忘れたが自動車雑誌の仕事を始めていたと思う。親戚一同が集まった席で、車が好きでその道を選んだことを知っていたいとこが「昔からホントに車が好きだったからな。将来何になりたいか聞くと必ず、毎日車に乗れるおわい屋さんだったもんな」と笑った。

別のいとこが「世話を焼かせたよな」と笑う。小学校に上がる前だったと思う。当時、品川駅を出発して原町や荏原町を回って品川駅に戻る循環バスというのがあった。まだトラクターが客車となるトレーラーを黒煙を上げて引いていた時代。トレーラーの一番前の席に座ると目の前にトラクターがあって、長いバスを操る運転手さんの一挙手一投足を見ることができた。車を操る現場を目撃することができた。
ふつうは乗った距離の運賃を車掌さんに払い目的地で降りるのだけど、少年はずっと運転手さんを見ていたかった。原町から乗車し一周し原町が近づくと「もう一周したい!」と駄々をこねたことを付き添ってくれたいとこは覚えていた。いとこが車掌さんとどういう交渉をしたかは知らないけど、一周で降りたことのほうが少なかったように思うのだけど。

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少年は品川区立原小学校に通っていた。小学校に上がる前から身体の弱かった少年は1年生の時に既に眼鏡をかけ、体育の時間の運動を免除されていた。
友達と野球がしたいと親にグローブを買ってもらうのだけど、ボールを上手くさばけない少年はグローブを親分肌に取り上げられ素手で外野の球拾いが持ち場になった。

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運動は大の苦手で今にいたるまで跳び箱と逆上がりは成功した試しがない。それでも少年の小学生時代が俗に言う『暗かった』ということはない。

 

身体を動かすのが得意ではなかった少年だけど、興味のあることには没頭した。それはお絵描きであり工作であり作文だった。

小学1年生の担任だった長身で美人の大塚先生が憧れの的だった。大塚先生に褒められたくて好きなことに没頭した節もある。大塚先生にとっては当たり前のことだったのかも知れないけど、絵や工作を褒めてくれることは少年にとって前に進む原動力だった。

少年は作文で車のタイヤについて書いたことがある。『自動車のタイヤはかわいそうだな。回るたびにへこんでの繰り返しだから』といった内容だった。大塚先生はその作文を読んで、『すごく細かなところにも目を向けているのね。よほど車が好きなのね』というようなことを言ってくれた。学校の先生にも自動車が好きなことをわかってもらえた。たいそう嬉しかった記憶がある。

タイヤは平らな部分があるからこそ自動車を走らせることができる。少年はたぶん、そうイメージできていたに違いない。



第832回 記憶のかなたの1

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少年が育った品川区大井出石町。近くにPXがあったのでカーキ色に塗られたジープやトラックが頻繁に走っていた。それ以外は八百屋さんのオート三輪とおわいやさんのバキュームカーをたまに見かけるほどの静かな住宅地だった。

 

出石町には、地面にボールを置くとちょっとの間をおいて転がりだすほどの坂道がいくつかあった。少年の家の前の細い道も大通りに向かって下っていた。家の前の八百屋さんのお兄さんや近くに住む年上のいとこの手を借りて作った『りんご箱自動車』で坂を下るのが少年の楽しみだった。

それが小学何年生の頃の話だったか記憶が怪しいけど、リンゴ箱に収まったのだから高学年ではなかったろう。それでも少年はみっつの発見をしている。

りんご箱の底に横向きに4枚の板を打ち付け、鉄製の戸車を板を下駄にして取り付けた自動車。何度も繰り返し走らせたのだろう。地上高を稼ぐために本来の使い方ではなく車軸が取り付け面より下にくるように取り付けた戸車は容易にもげてしまった。戸車を取り付ける2本の木ネジにかかる応力が大きいのが原因だった。それ以来、板を2枚重ねて戸車を本来の向きに取り付け車軸とシャーシ=リンゴ箱の距離を縮めて剛性を上げた。

ある時、鉄製の戸車が荒れたアスファルトの路面を転がる音がうるさいので、当時珍しかった樹脂製の戸車を取り付けたことがあった。確かに走行音は低くなったけど、ものの数回でタイヤがちぎれてしまった。自動車の車輪には丈夫さが必要なことを痛感した。

幾度も坂を下っているうちに、本物の自動車のように『舵』が切れるようにしたくなった。丈夫な長い板の両端に戸車を取り付け、その板を太い釘でリンゴ箱の中央に留めた。板の端を両手で持って右や左に回せばリンゴ箱の向きが変わるはずだった。しかし、転がっているリンゴ箱は手を動かしたその一瞬はリンゴ箱の前側がわずかに向きを変えるような動きをするものの、次の瞬間には失速。坂を下ることも動くこともやめてしまった。
車輪の向きを変えれば自動車の向きも変わる。そんな単純な話ではなかった。アッカーマン方式のステアリングなど知るよしもない小学生。それでも「車輪が横を向くと抵抗になる」ということは学んだ。

八百屋さんがくれたリンゴ箱が少年に「移動する楽しさと喜び」を教えてくれた日々ははるかかなたに。



第831回 4コントロールを検証する

ルノー・メガーヌRSウルティムに搭載された4コントロールは従来のステアリング装置と異なるモノなのか、何を目指しているのか。そのコーナリングを運動特性とステアリング操作の両面から検証するために、2025年2月に開催するYRSドライビングワークショップFSWではルノー・メガーヌRSウルティムに試乗する機会を用意しました。

下の図は左が従来のシステムを搭載した前輪操舵車のタイヤ4本の軌跡と、逆位相で4コントロールが機能した場合のタイヤ4本の軌跡のイメージです。比較すると見えてくるものがあります。タイヤのトラベル量と個々のタイヤの回転半径にご注目。


以下はクルマのコーナリングの何たるかと4コントロールの機能に触れているブログのバックナンバーです。

第328回 スリップアングル

第329回 自転軸

第330回 ヨーモーメント

第331回 あ~あっ

第346回 YRSトライオーバルスクールFSW

第340回 逆位相

第347回 4コントロール

第349回 4コントロール 同位相

第389回 Megane de YRS Quad Oval

第403回 足して10を超えないように

第496回 クルマを曲げる

第540回 思いもよらず

第542回 縦Gと横G

第706回 続・クルマとの対話が楽しい

・ 2025年2月開催 YRSドライビングワークショップFSW



第828回 来たぁ~

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検査を経験しているユイレーシングスクールの卒業生やスタッフは
難しくはないですよ
ほとんど受かってますよ
と言うものの
 
そのほとんどではない場合が怖い!



第822回 25年目が終了

1週間前から天気予報を見続けて今回は雨かなと。でも晴れ男だからなんとかなるさ、と思っていたらおお間違い。1,000回近いスクールをやってきたけど初めて経験するほどの豪雨。新幹線は止まるし東名高速は通れなくなるし、FSWの駐車場は半端ない雨の量とモビリタから流れてくる水で冠水するし。そんな中でユイレーシングスクールとしての25年目の日程が、昨日のYRSドライビングワークショップFSWで全て終了。
あと1回。ポルシェクラブ東京銀座からの依頼で開催しているクラブ員向けのドライビングレッスンが残ってはいるけど。

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それにしてもよく続けてきたものだと思う。四半世紀だものね。

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1999年12月8日。すごく寒かったのを覚えている。埼玉県の小さなカートコースで始めたユイレーシングスクール。それ以来、何百回開催して何万人の方が参加してくれたかの集計はまだまだ先になるけど、今は純粋に長い間何事もなく無事にドライビングスクールを続けてこられたことに感謝したい。

ルノー・ジャポンにも心から感謝したいと思う。このブログを書かせていただくようになってからまる14年。スクール用の車両を貸してもらえるのはもちろんのこと、あれこれ好きなことを書きながらユイレーシングスクールとしての情報を発信する場を提供してもらっていることは望外の喜びに他ならない。

 

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そうそうEさんが今年5回目のユイレーシングスクールに参加してくれた。大雨の中、悪戦苦闘していたけど感想文を頼んでおいたので年内には紹介できると思う。

 

今日日曜日はうって変わって快晴。気温も29度まで上がった。昨日が遠い日のように思えたりして。

さてさて、 ルノー・ジャポンの公式ブログ2010年11月17日号 第1回 ユイレーシングスクール を読み返して改めて虚心坦懐。初心を忘れずにユイレーシングスクールの26年目に向かっての策を練ろうとするかな。

 



第821回 人間 or コンピュータ

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ブログ 第819回 カングー ヴァリエテ
第820回 続・カングー ヴァリエテ
をアップしたことをFBに書いたら
ユイレーシングスクールの卒業生のMさんから書き込みがあった

 

『 私も次の通勤車は所謂dctといわれるツインクラッチ式のミッションにしました。ホンダがかつてつくってたハイブリッドです。フィーリングを楽しみにしています 』

『 Mさん ツインクラッチTMには驚かされっぱなしです。機械が人間の領域に入り込んでくるような錯覚を感じます。個人的にはまだまだ現役ですけど。(笑)820回の続編もどうぞ 』

『 カングーは車自体も現代の車として良くできてるのですね。でも現代の車は良くはできているのだけど、ドライバーは、車をコントロールしているのでなく、車のコンピューターに指令を出していて、車自体はコンピューターが操ってるのかなぁ~と。。。』

『 Mさん 考えさせられる表現ですね。その通りですね。今度使わせてもらいます 』

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Mさんは2001年5月のYRS筑波タイムトライアルに初めて参加
以降YRSスプリントやYRSエンデューロYRSオーバルレースなど
速く走る&競争をテーマにしたプログラムに参加してきて
最近は年いちでYRS鈴鹿サーキットドライビングスクールに
 
Mさんは走るだけでなくクルマへの造詣も深く
今回のやり取りも以下のようなMさんの書き込みに
ボクがコメントしたのがきっかけ

 

『 通勤車を乗り換えることにしました。これまで使っていたプリウスは、14年12万キロ走ってますが、まだまだ使えそうで、今後も親戚が使用することになってます。実用車としては、素晴らしい車でした。そこでプリウスという車のハイブリッド機構を振り返ってみます。
一番の特徴は、THSの動力分割機構でしょう。電気式cvtとうたっていいますが変速機構を持たない、つまり減速させた分によってトルクを増大させる概念でなく、エンジン回転上げた分は発電機を回しその電気でモータを駆動させトルクを補う考えであってると思います。たぶんね。そして、トルコンもクラッチもありません。発電機を回す抵抗を変化させてるんじゃなかったかな。
で、この機械的に見ると世紀の大発見と言ってもいい分割機構により、シームレスな加速、スロットルをラフに扱ってもあまりギクシャクしないので、妻には大好評でした。通常のcvtが好きな人にはあってるでしょうね。じゃぁ自分はどうだったのかと言うと最初は違和感ありましたけど、慣れれば問題無しですかね。パワーモード使えばレスポンスもいいし、ゼロ発進のモータトルクは強大であの加速は結構病みつきになりますね。
次の車にかわるまでもう少しの間あのトルクを味わいたいと思います。そして次の車はハイブリッド機構が対極の車ですので、その違いが楽しみだなぁ 』

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クルマの進化は止まらない
進化の方向性も多様化を重ね続ける
だからクルマの進化は使い手に
さらなる多岐にわたる選択肢をくれる
 
Mさんの感じるところもわかるけど
いつの時代も人間が主体となってクルマと付き合えば
クルマはずっと相棒でいてくれるはずだ

せっかく登場してくれたのだから、今年のYRS鈴鹿サーキットドライビングスクールに参加した時の Mさんの車載映像 をご覧下さい。



第818回 YRS + エンジンドライビングレッスン

2003年。「所有欲から使用欲への転換」を合言葉に始まったエンジンドライビングレッスンの79回目が終了。今回は編集部からの2名を含み25名が参加。うち4名がエンジンドライビングレッスン初参加。

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いつものように村上編集長の挨拶に始まって
午前中はジムカーナ場で徹底的に
イーブンスロットルとトレイルブレーキングの練習
 
午後はコース1000に移動して
1周1キロ強のコースをできる限り速く走ります。
 
みんな一生懸命運転した
エンジンドライビングレッスンの22年目が終了
どの顔も笑顔、笑顔

※ エンジンドライビングレッスンは2025年も3月、5月、10月の3回開催する予定です。



第812回 視線と視野

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昔から
どんな場合で
最右車線を走り続けることはない
その必要も感じない

 

高齢者の逆走が頻繁に起きているからか、ドライブレコーダーが普及したからか、ニュースで逆走しているクルマの映像が流れることを目にする機会が増えた。

逆走は交通体系を根本から覆すものだから、してはいけないし防ぐための対策も必要だ。しかし個人的にニュースを見て暗澹たる思いになるのは、高速道路で逆走車を避けたクルマの動きだ。幸いにして事故にはいたらなかったようなのだが、手放しで喜んでいいものでもない。

まず走行車線にクルマがいないのに追い越し車線を走り続けているクルマが多い。逆走車の運転手は自分にとっての走行車線を走っていると勘違いしている可能性が高いのだから、逆走車が向かってくるのは順送車の追越車線。追い越し車線の走行は必要最低限にするべきだ。

次に追越車線(逆走車にとっての走行車線)を向かってくるクルマを認識して回避するタイミングだ。定点カメラは焦点距離が長いからよせ効果で一概に距離感を断定することが難しいけれど、いくつか見たニュースでは追い越し車線を走るクルマが直前まで回避行動をしていないように見える。どこを見て、何を視界に入れて運転しているのか疑いたくなる。自分に置き換えた場合もそうだけれど、もっと早い時点で逆走車を認識してもよさそうにと思う。

ニュースではわざと逆走する人もいると言っていた。言語道断だけど逆走するクルマが現実にいることには変わりがない。それでもクルマを運転するのだから、クルマの動かし方を再考して、どう運転すべきなのか熟慮する必要があるのではないだろうか。

ある意味クルマの運転がどんどん楽になったから、そして運転する側の認識が薄っぺらくなってもクルマを動かすことができるから、逆走が起きるべき事象として起きているのならば、これほどやるせないことはない。

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どこを見て運転しているか
 
正確に表現しようとするならば
どこも見ないで運転している自分がいる
 
あなたは
どこを見て何を見て
運転していますか

視線:眼球の中心点と見る対象とを結ぶ線で目で見る方向
視野:一点を凝視したときに見える外界の範囲

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先週末開催した
ポルシェクラブ東京銀座から委託されて開催している
ドライビングレッスン
今回で12回目
次回は12月
FSWショートコースで開催します

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掛け値なしに言って
会員のみなさん
すごく上手くなりました
クルマさんも間違いなく喜んでいるはずです。

 

※ 走行中の画像はウェアラブルカメラで撮影したものです



第811回 GPSLapsで四者四様

以下に掲げたグラフはルーテシアⅢRS3台にGPSLapsとGPSレシーバーを搭載してYRSトライオーバルFSWを走った時のデータ。例によって上の赤い折れ線グラフは速度を表し、下のグラフは青線が加減速Gで緑線が横Gを表す。

ワタクシ目のルーテシアⅢRSは大津のガレージでお留守番なのでスタッフFのを借してもらって、F自身も走った。スタッフYは自分のルーテシアⅢRS。もう1台はYRSトライオーバルスクールFSWに参加してくれたFさんにご自身のルーテシアⅢRSで走ってもらって、四者四様のデータが収集できたという次第。

男性3人は「YRSトライオーバルのコースをアプリに読み込ませるだけだから…」とか「参考に記録を取るだけだから…」とか言いながらけっこう目が真剣で、セットアップに来てくれたGPSLapsアプリの開発者Kさんも苦笑するしかなかった、はずだ。

ま、将来のYRSトライオーバルスクールで教材に使うためのデータだから遅くては意味がないけれど、結果から言うと速かった順にスタッフY、スタッフF、ワタクシ、参加者Fさん。といううことでシニアインストラクターの面目が、って話になるのだけど、今回はワタクシが走った早い時間は路面コンディションがウエット気味だったとか、ワタクシとスタッフYが4周して3周計測したベストなのに、スタッフFは7周もして6ラップのベストだし、スタッフYは最後の最後に走ったタイムなのだ、と言い訳はしないことにしておこう、と思う。

冗談はさておき、それぞれのルーテシアⅢRSがどのような加速減速旋回を繰り返しているか、グラフから読み取ることができる。加速度の増減の度合や方向に目をやればどういう操作をしたかも推察できる。他人の走り方との比較もできるけど、理論的な走りとの整合性も確認できるのが一番。アンドロイド端末さえあれば、世界中のサーキットとユイレーシングスクールの駐車場コースの走行データが取れるのだからGPSLapsはたいしたものだ。(GPSレシーバーがあったほうがより正確なデータを取ることができる)。

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ワタクシ@スタッフFのルーテシアⅢRSのデータ
 
下のコーナーのボトムスピードが遅いのは路面が濡れていた?
下のコーナーの立ち上がりでスロットルを抜いたのはコースアウトしそうだったから?
なぜ3速に上げてから踏んでないのか記憶にない!
上げてから一瞬加速するけど
その後加速も減速もしない時間がある
シフトアップの時に加速度がこれだけマイナスに振れるのは驚き

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スタッフY@自身のルーテシアⅢRSでのデータ
 
Yに勧められて乗ったのだけど
スタッフFのルーテシアⅢRSと比べると
格段に足が硬かったのを実感
ルーテシアⅢRS コンプリートだからか

fuk
スタッフF@自身のルーテシアⅢRSでのデータ
 
ワタクシのルーテシアⅢRSの足もこんな感じ

fuj
YRSトライオーバルスクールFSWに
参加してくれたFさん@ご自身のルーテシアⅢRSでのデータ

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それにしても運転って面白い
狙った通りに事が進めばいいけれど
頑張ったり欲をかくとクルマさんにそっぽを向かれる
 
そんな単純なコースをグルグル回ってどこがおもしろいんだ
という声もあるようだけど
単純だからこそミスが誇張されるから気が抜けない
真剣にクルマさんを操っている自分に対峙するのは至極
この楽しみを知らないのはもったいない

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25年目の活動は、ポルシェクラブ東京銀座のドライビングレッスン2回とエンジンドライビングレッスン、それとユイレーシングスクール独自のプログラム、YRSツーデースクールFSWとYRSドライビングワークショップFSWを残すのみになりました。

YRSツーデースクールFSWは1日目が駐車場での基礎練習で2日目がショートコースを100周以上走る短期集中型のドライビングスクールです。運転はある意味操作に慣れることが大切なので2日間運転にドップリ浸かることは非常に有効です。

9月21,22日に開催するYRSツーデースクールFSWの申し込みは以下のリンクから行えます。
・9月21/22日(土日)開催 YRSツーデースクール開催案内 & 申し込みフォームへのリンク

YRSドライビングワークショップFSWはクルマを動かす基本操作の質を高めるのが目的で、富士スピードウエイ駐車場を使って午前中はブレーキング練習を2種類とスラローム練習。午後は加速減速旋回を高いレベルでまとめるためのオーバル走行を行います。全ての練習はFMラジオからリアルタイムでアドバイスを受けながら行います。クルマを思い通りに動かすコツを体験できます。

11月2日(土)に開催するYRSドライビングワークショップFSWの申し込みは以下のリンクから行えます。
・11月2日(土) YRSドライビングワークショップFSW開催案内

ルノー乗りの方はぜひ一度参加してみて下さい。ルノー車の良さを再認識すること請け合いです。