トム ヨシダブログ


第134回 お疲れさま。 ありがとでした。 元気でね。

旅立ちの時が来た。
鈴鹿サーキット、富士スピードウエイ、筑波サーキット。それと和歌山マリナシティ。
2013年4月からユイレーシングスクールが開催したほとんどのドライビングスクールに大量の荷物を積んで駆けつけ、デモカーとしてリードカーとして走り回り、操作を説明する教材として大活躍してくれたルノー トゥィンゴ ゴルディーニ ルノー・スポール。
ルノー・ジャポンに戻ってからも、誰か運転好きの人が、あの気持ち良さを味わってくれると嬉しい。なんたって、回るようにしつけた1.6リッターエンジンは今が絶好調なんだから。

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YRSのデカールとともに走りに走り回った

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朝起きたらこんなことになっていたことも

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駐車場の雪かきを手伝いなんとか脱出したけれど。

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桜は単純にイイ !

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富士スピードウエイ近くの古木の前でとか

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湖西の桜の下とか

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筑波サーキットへの道すがらにパチリとか

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毎年出迎えてくれる富士スピードウエイ近くの枝垂桜を背景にとか

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筑波サーキットへ向かう時に寄り道した川岸でとか

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守谷市で桜吹雪の下にたたずんだり

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富士スピードウエイの東ゲート脇に寄り道したりして。

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富士山と菜の花とトゥィンゴを愛でたり

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訪れるたびにいろんな顔を見せてくれる富士山にニンマリしたり

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太陽が高くなると富士山の周りに雲が湧くことを知ったり

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ある日コース作りを終えて帰ろうとして神秘的な光景に出会ったり

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箱根の山から太陽が顔を出すころに富士山が染まることを知ったり

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ドライビングスクールの片付けが終わり見上げれば富士山の陰がたなびいていたり

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富士山が雲の中でも振り返れば水墨画のような光景が広がっているのを見つけたり

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富士山から立ち上る、富士山自身の影に圧倒されたり

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富士スピードウエイから富士山が見える日はなぜかハツラツとしているのに気がついたり

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湖西の秋色に思わずトゥィンゴを止めてみたり

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和歌山のリゾートタウンでスクールをやったり

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トゥィンゴで雪を蹴散らし箒で掃きながらコースを作ったり

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夜更けのSAで給油した時にフューエルリッドにキャップを引っ掛けるフックがあることを教えてもらったり

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オイル交換に行ったら同級生も来ていたり

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鈴鹿サーキットのピットで舌なめずりしたり

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鈴鹿サーキット南コースでデモランをやって見せたり

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駐車場にあつらえたパイロンコースで自慢の足を披露したり

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トゥィンゴにカメラを積んでYRSオリジナルビデオを撮影したり
(写真はYRSオリジナルビデオからキャプチャー)

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1速から4速までレッドゾーンの手前まで回したり
(写真はYRSオリジナルビデオからキャプチャー)

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FSWショートコースでカメラカーを追いかけたり
(写真はYRSオリジナルビデオからキャプチャー)

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FSWショートコースでカメラカーに追いかけられたり
(写真はYRSオリジナルビデオからキャプチャー)

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鈴鹿国際レーシングコースを駆け抜けたり
(写真はYRSオリジナルビデオからキャプチャー)

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トゥィンゴを教材に具体的な操作を説明したり

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筑波サーキットのインフィールドから走行中のクルマにアドバイスを飛ばしたり

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エンジンドライビングレッスンに岡崎から来てくれたTさんが乗るいとこと記念撮影したり

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YRSトゥィンゴに刺激されて購入に踏み切ったIさんと写真に収まったり

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増え始めたルノー・スポールユーザーのWさん、Nさん、Hさん(右から)とトゥィンゴの前でポーズしたり

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ルーテシアRSに乗る宮城県白石市のMさんと水戸市から来てくれたTさんのトゥィンゴRSと記念撮影したり

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ホントは、ルノー・スポール以外のカングーやキャプチャーにもスクールに来てほしいんだけど・・・

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まっ、まずはRSに乗る人に運転が楽しいと言ってもらえるようにするのが先決かな

※ 写真も思いでもまだまだたくさんあるから載せきれない。大好きな富士山と桜を中心に選びました。


第117回 トゥィンゴRS活躍


Mさん トゥィンゴRSと記念撮影

YRSトライオーバルスクール。楕円形の直線部の1本にキンクを設けて延長し、より速い速度で短いコーナーを回るのと、より高い速度からブレーキングを練習するために始めたカリキュラムだ。
しかも、今年のレイアウトは直線部を伸ばしてターン1の曲率を小さくヘアピン状にして、なおかつ下り坂になってからブレーキングするように仕向けたから、YRSトライオーバル2013より難易度は上がっている。

10月25日に開催したYRSトライオーバルスクール。この日、エンジンドライビングレッスンに参加したことのあるMさんが、スバル プレオに乗って3年ぶりに遊びに来てくれた。間が空いたとは言え、再度運転の練習に来てくれたのは嬉しい限り。
エンジンドライビングレッスンでオーバル走行は経験済みだから、次のステップとしてYRSトライオーバルスクールはうってつけ。エンジンドライビングレッスンで使うオーバルは半径16mの直線48mだけど、YRSトライオーバルは直線が170mもあるし3つのコーナーは全て性格が異なるから、異次元の体験ができる。


Mさんの走りとプレオの動力性能を追走して確認

しかし、元々YRSトライオーバルは120キロ超の速度からのピッチングコントロールを覚えてもらうことが目的なので、動力性能が十分でないと走っても肝心な部分を体験することが難しい。そこでプレオで基本的な操作を覚えて、高速域はトゥィンゴRSで体験してもらうことにした。


トゥィンゴRSに乗り換えるのでまずは同乗走行

Mさんはすごく丁寧な運転をする方で、少しずつペースを上げてトゥィンゴRSの懐深い走りを楽しんでくれた。

そのMさんが、アドバイスを聞きながらトゥィンゴRSでYRSトライオーバル2014を走った時の動画がこれ。

で、トゥィンゴRSが実力の90%ぐらいでYRSトライオーバル2013を走った時の動画がこれ。

YRSトライオーバルスクールと併催のYRSオーバルレース参加者と記念撮影


第112回 YRSドライビングワークアウト


トゥィンゴRSに苦手なコーナーはない

15年目のユイレーシングスクールはいくつかの新しいカリキュラムを追加した。

そのひとつがYRSドライビングワークアウト。参加者にコーンで作ったサーキットを模したコースを走ってもらい、思い通りにクルマを動かすコツを体験してもらおうというもの。

既に2回開催したがどちらも定員いっぱいの12名が参加。少人数制だから走行時間も多いし、アドバイスも細かく行なえる。加えて、同乗走行はもちろん、ユイレーシングスクールでは唯一のインストラクターが助手席に乗る逆同乗走行もするから、ほぼ全方位から参加者の走りを検証することができる。


参加者が悩んでいるなと感じたら即ミーティング

とにかく、参加者の走りを一望できるからアドバイスがしやすいし、参加者も自分が走らない時は他の参加者の走りを間近に見て自分の操作を振り返ることができるし、長年温めてきたアイディアを実行してよかったと思っている。


人の走りを見てイメージを膨らます

YRSストリートと呼んでいるそのコース。参加者は全員がおもしろいといってくれる。操作の反復練習にはうってつけだ。

一方、スタッフや長年通っている口さがない連中は、「さすが、いやらしいレイアウトですね」だと。水割りをなめながら、あーでもない、こーでもないと知恵をしぼったかいがあるというものだ。


簡単なコースではおもしろくないし練習にならない

で、YRSストリートをルノー トゥィンゴ ゴルディーニRSで走った時の動画がこれ。

どうやって走るか考えている時間はない。無意識に身体が動いてくれなければスムーズに走れない。YRSドライビングワークアウトの目的は参加者のドライビングポテンシャルを引き出すことだ。


第98回 タイヤは動く

鈴鹿サーキット国際南コースでドライビングスクールを開催した。

もともとはカートコースとして作られた通称南コース。全長は1,264mで、筑波サーキットのコース1000(1,039m)や富士スピードウエイのショートサーキット(ユイレーシングスクールが使用しているレイアウトは880m)よりは長い。

しかしカートレースを前提としたレイアウトなので、ここを4輪で走るとなるとかなり忙しい。ひとつひとつのコーナーは単純な形だから理論通りに走ればいいはずなのだが、特に前半のテクニカル部分ではコーナーが連続しているので最適な走り方を探すのが難しい。だから練習しがいがある。
速いクルマでも平均速度が70キロ/時にやっと届くぐらいだから絶対的な速度は速くない。速く走るためには『加速できない』区間であるコーナーをいかに速度を乗せて走るかが肝心なので、加速から減速、そしてターンインへの流れの中で、その時の状況に合わせ、かつ速度を高く維持するための操作を見つけ出す必要がある。その意味でドライビングスクールを開催するにはうってつけのレイアウトだ。

で、午前中が雨、午後が晴れという理想的なコンディションで開催できた今年のYRS鈴鹿サーキットドライビングスクール南。参加者が走るセッションの合間にビデオの撮影をした。
今回のテーマは動く足。ほんとうはサスペンションアームの動きを撮りたいのだが小さいトゥィンゴにはカメラを収めるスペースがない。それで前輪の動きから想像してみることにした。

結果はと言うと想像通り。縁石に乗るとかの大きな入力を受けない限り、そしてトランジッションを意識して走る限り、バウンドもリバウンドも最小限。足を締め上げたルノー・スポールだからとも言えるが、上屋を支える足が安定している様は感動モノ。
やっぱり、クルマはスムーズに、途切れなく走らせることが大切なのだなと。

同じラップの外撮り、車載、前輪アップをまとめた動画がこれ

※今だからこそドライビングスクールにうってつけだと思えるけれど、来日中の1989年7月に南コースのオープンに招待されて鈴鹿サーキットが用意したノーマルのシビックで走った時には奥のヘアピンがいやでいやで仕方なかった。なんのことはない。当時は単に低速コーナーが嫌いなだけ!?だったみたい。そんなことを思い出しながらの撮影だった。
※外撮りの動画は東京から参加された中沢 隆さんが撮影してくれました。
※カット写真は大阪から参加された目代英一郎さんが撮影してくれました。


第96回 タイヤは回る

クルマは4本のタイヤでしか地面に接してはいない。
つまり、クルマの性能はタイヤを介してしか発揮することはできない。
と言うことは、人間の行う操作もタイヤを通じてしかクルマに伝わらないということでもある。
だから、タイヤの使い方はクルマを動かす上では非常に大切だ。

クルマの性能が高くてもタイヤの使い方が間違っていればその恩恵にあずかることはできない。
逆に、タイヤのグリップがそこそこでもキチンと使いさえすればクルマはその性能をフルに発揮することができる。

な~んてことを考えているからタイヤがどんな具合に働いているのかをいつも知りたい。なかなかこれといったアングルにたどり着かないのだけれど、今回はタイヤを正面からとらえてみた。

今いちばんの夢。コーナリング中にタイヤのコンタクトパッチがどう変形するか動画で見ること。もちろん不可能な話だろうけど。


第94回 桜、さくら、サクラ

1週間ばかり留守にしていたら、地元の桜は見ごろを過ぎていて残念

1週間かそこいらの短い期間のために、残りの莫大な時間を準備のために費やしこれでもかと咲き誇る桜。いいなぁ。

桜の木の下で。この時ばかりは白いトゥィンゴ ゴルディーニ ルノー・スポールで良かったなと。

– – – – ここから追記 – – – –

4月第2週の週末。富士スピードウエイ近辺の桜が満開。13日はポルシェクラブ千葉のメンバー向けドライビングスクールだったのですが、参加された方もあでやかな桜を満喫されていました。ー


第93回 新しい靴


すごく感じのいいお店だった

トゥィンゴ ゴルディーニ スノー・スポールのオドメーターが31,000キロを超えた。

先代のトゥィンゴGT同様、スクールの機材を積んで飛び回り、カメラカーとして活躍したり、ビデオの題材になったり、デモランで使ったり大車輪の活躍。まさに、これだけ使い倒せばクルマさんも幸せだろう状態が続いた。
もちろんその間、トラブルは皆無。4,500回転を超えてからの吹き上がりは今もってするどくなりつつある。

しかし、サーキットを含め一般のユーザーよりずっと速いペースで走ることが多かったからだろう、タイヤの硬さが気になってきた。トレッドの溝はあるしスリップサインが出るまでには今までと同じ距離を走れると思うのだが、トレッドの硬さがサスペンションに直接的な衝撃を与えているような気がしてタイヤを交換することにした。


まだ溝は十分残っているのだが


タイヤのイン側とアウト側の減り方が違う


アウト側のエッヂ部分の磨耗が激しい

トゥィンゴ ゴルディーニ ルノー・スポールが履いているタイヤは、コンチネンタル製のコンチスポーツコンタクト3でサイズは195/40R17であちこち探してみた。
で、BSにプレイズ、ヨコハマにSドライブというこのサイズのタイヤがあることは突き止めたのだが、ふと思いついて、最近YRSスクールレース参加者に評判のアジアンタイヤを試してみることにした。

結局、いわゆるハイグリップタイヤと呼ばれるものには興味はないが、トレッドエッジが立っているタイヤが好みなので、ある通販サイトで見つけたインドネシアで作られているPINSOのKスピードというタイヤにした。価格は1本5,290円。これに1本1,050円の送料が加わりタイヤ代は25,360円。

卒業生に通販でタイヤを買いましたと聞いても、そうなるとどこかに持ち込んで組んでもらわなければならないのではと少しばかり気が重かったのだが、この通販サイトでは持ち込みタイヤを組んでくれる全国の整備工場やガソリンスタンドが紹介されていたから大助かり。しかも事前に連絡さえしておけばその店舗にタイヤを送ってくれるという。新しい物流の形なのかなと感心した。

最も近い仰木にあるガゾリンスタンドを指定し、結局、予約した日にクルマを持って行くだけですむことになった。


こんな荷姿でタイヤは届いていた


Kスピードのサイドウォールとトレッドデザイン


リフトアップされ新しい靴を待つ


ボルト装着のホイール脱着の常套手段

扁平率が小さいタイヤは組むのにコツがいるようで作業は小1時間。事前に聞いていた作業工賃15,120円の内訳は、タイヤ組み込み料が8,400円、バランス取りが4,200円、廃タイヤの処分費が2,520円。タイヤを買ったお店で組んでもらうのよりも工賃自体は高めだが、どんなタイヤでも組んでもらえるという利点を考えればむしろ合理的かなと。

最終的に40,480円の出費でトゥィンゴ ゴルディーニ ルノー・スポールに新しい靴を履かせることができた。


出発準備完了

春の予感がする来週からはスクールが続く。人生初のアジアンタイヤがどんな振る舞いをするか、機会があれば報告したい。


第87回 富士スピードウエイレーシングコースを走る

鈴鹿サーキットや富士スピードウエイといった大きなサーキットでドライビングスクールをやってほしいという要望が前々からあった。

長いストレートならクルマの最高速付近のスピードを体験できるから走っても気持ちがいいに違いない。ドライビングテクニックにしても、高速コーナーや長いストレートの後のブレーキングで正確な操作ができて初めて本物と言えるのも間違いではない。

しかし、ユイレーシングスクールは小さなサーキットや駐車場に設けたコースでドライビングスクールを開催し続けてきた。それは第一義に反復練習の回数が多ければ多いほど練習になると考えているのと、高速で走らなくても基本的な操作は十分に習得できると思うからだ。
と言うのも、高速で走ると単位時間あたりの移動量が大きくなるから、操作の間違いは増幅されて結果に表れる。それは、慣れるまでは危険につながるし、「とにかく速くなくてもいいですから再現性のある操作を身につけて下さい」というユイレーシングスクールのポリシーにも反することになる。もちろん、教える立場からも1周にかかる時間が短いほうがアドバイスしやすい事情もある。

それでも、スピードを出したいという誘惑もわからないでもないので、今年は富士スピードウエイのレーシングコースでドライビングスクールを行うことにした。事前に参加者に配る資料を作っているのだが、その一部を先行公開。クルマが速く走ると、速くなればなるほど不安定になることを知ってもらうための表だ。
人間にしてみれば単にスロットルを開けるだけで達成できることなのだが、タイヤのコンタクトパッチでしか路面と接していないクルマにとって、高速で走る時になぜ繊細さが必要かという数字だ。少しばかり想像すると、なぜ高速域でクルマを安定させることが難しいのかがわかる。

とまぁ、それはそれとして、富士スピードウエイのレーシングコースでドライビングスクールをやるのだからコースを知らないではすまされない。トゥィンゴ ゴルディーニRSを連れ出してある走行会で初体験した時の動画がこれ。『いやぁ、広すぎてどこを走っていいのかわからない』の巻。

※30分のセッションの2周目以降を収めてあるので長編です。


第84回 久しぶりの鈴鹿レーシングコース

実は、アメリカでレース活動を始める前に一度だけレースに参加したことがある。

あれは1982年1月17日。打ち合わせで日本に戻って来ていた時のこと。無謀にも練習なしのぶっつけ本番で新春鈴鹿300キロレースに参加することにした。予選で初めて乗るクルマと初めてレーシングスピードで走るコース。
鈴鹿サーキット自体はコースオフィシャルとして旗を振っていた経験があるからレイアウトは熟知していたし、走るクルマを客観的に見ることには慣れていた。
が、クルマで走った経験はというと、配置につくためにマイクロバスに乗せてもらっただけ。常識的に考えればレースに出て他人と争う状況にはなかった。

けれど、個人的にはそんな状況が嫌いではない。

条件が揃わなければやらないのではなく、条件を整えるために時間を使うのでもなく、その時、自分に何ができるかを確認することが、より良い結果を得ることよりも大切なことだと思っていた。

だから、もちろん上位でフィニッシュできるはずもなく、ただただファーストドライバーから受け継いだ時の順位を守り、できればさらに上位を目指せれば上出来と考えていた。

50周レースの半ば。予選21位から何台か抜いて戻ってきた大竹君からステアリングを引き継ぎ、自分との勝負が始まった。ピットアウトして1コーナーに入るころ、競り合いながらストレートを駆け下っている数台の集団が見えた。これ幸いとS字入り口までに先に行ってもらい、まずついて行けるかどうかを確かめることにした。
で、1周もしないうちに懐疑は確信に変わった。単独で走れば速いドライバーも競り合っていると自由が利かない。速さを殺がれていた。十分に未経験者が集中できる速さだった。

しかもシビックはとてもスリップストリームが効いた。スプーンカーブを立ち上がって裏のストレートの半ばで、スロットルを戻さないと、前を行くクルマに追突しそうなほどだった。
競り合っているクルマはストレートではもちろん、コーナーでもラインを変えてお互いをけん制していた。目の前には何人もの先生が走っていた。ダンロップブリッジを駆け上がる時にも、スリップストリームが効いているのか確かめるために異なるラインを試すことができた。

チェッカーまで数周を残したところで23番ポストでイエローが振られていた。集団の最後から130Rにさしかかると、エイペックスを過ぎたあたりのコース上で1台のシビックが横転していた。

車両がコースを外れて止まっている時には、2周イエローフラッグを提示してドライバーに伝えた後に解除するのが鈴鹿サーキットのルールだった。チェッカーまで残りわずか。しかも車両はコース上。イエロー解除はないと見た。
ピットサインを横目に最終ラップに入り頭の中はスプーンカーブの立ち上がりに占領されていた。「130R手前の24番ポストで2周イエローが振動で振られていたから次は静止提示になるはず。ならば23番ではイエロー解除だ」と結論を導き出したところで裏ストレート。これでもかとスロットルを開け、坂を上りきる前に1台。立体交差のはるか手前で2台。それまでは、横に並んでも『いや~ぁ、届かない』振りをしていたけれど、この時ばかりは物理の法則を最大限に利用させてもらった。
イエローが提示されている24番ポスト手前の立体交差にさしかかるころ1台をインから抜いた。直後の追い越し区間でそのクルマはなす術もなし。事実上のレースはここで終わった。あとは、初めて前にクルマがいない最終コーナーを全開で駆け下ることだけだった。

最終ラップまでに前を走る集団のうちの1台を抜いた記憶があるから、大竹君から引き継いだ時の順位は定かではないが、おそらくポジションを上げることはできたはず。なによりも、自分の中で速さに対する確信を得るための引き出しが増えたことが最大の収穫だった。

’82新春鈴鹿300キロ自動車レース結果

そんなことを思い出しながら、トゥィンゴ ゴルディーニ ルノー・スポールで30年ぶりに鈴鹿サーキットレーシングコースを走ってみた。前夜からの雨でコースはウエット。風が強く時折陽がさすものの、気温が低くライン上すら乾かない状態。それでも、自分の原点とも言えるコースを走るのは大変気持ちのいいものだった。

ただ、わがままを言わせてもらえば個人的には昔のコースのほうが良かったと思えたのは残念だった。

あの時、1コーナーから2コーナーまでの間に明確な直線部分があったからスロットルを全開にしていた。デグナーカーブは早めにインにつくと後が大変な、いつまで経っても終わらないブラインドコーナーだった。スプーンカーブ1個目はもっとRが大きかったし2個目までに加速できる区間があった。130Rは高速の大きなひとつのコーナーで自分の意識を確認するにはうってつけの場所だった。シケインのない最終コーナーはラインを間違えるとスロットル全開でもオーバーステアになるほどだったが、立ち上がりながら少しずつ見えてくるキラキラと光る伊勢湾がステキだった。
他にも細かい部分が変わっているようだが、それでも鈴鹿サーキットは鈴鹿サーキット。クルマをキチンと走らせることの重要性がこれほど理解できる環境はない。

※あの時、快くシビックを貸してくれたオフィシャル仲間だったRSヤマダの山田さん、一緒に走ってくれた大竹君。今でも感謝しています。


第83回 2013年全日程終了


最後のスクールの週末。金曜日に仰いだ富士山。

12月8日。ポルシェクラブ千葉のメンバーを対象としたYRSプライベートスクールが終わり、今年予定していた活動の全てが終了した。

今年ユイレーシングスクールに参加されたのは21歳から73歳までの延べ465名。うち86名がユイレーシングスクールを初めて体験された。率で言うと18.5%。ここ10年以上リピーターが9割を超える年が続いていたから、ほんとに久しぶりに新たに参加してくれた方が増えたことになる。

15年目を迎える来年も「モータースポーツをもっと手軽に、もっと楽しく、もっとみんなで」を合言葉に、参加してくれた方々に『クルマの運転って楽しいですね』と言ってもらえるようなドライビングスクールを開催したいと思う。ルノーユーザーを対象としたドライビングスクールも開催できればと思っている。

※クルマの性能を存分に味わうことができるサーキットでのスポーツドライビングも、乗り手に確かな知識と集中力を求めることには違いないのでユイレーシングスクールではひとからげにモータースポーツと定義している。