トム ヨシダブログ


第811回 GPSLapsで四者四様

以下に掲げたグラフはルーテシアⅢRS3台にGPSLapsとGPSレシーバーを搭載してYRSトライオーバルFSWを走った時のデータ。例によって上の赤い折れ線グラフは速度を表し、下のグラフは青線が加減速Gで緑線が横Gを表す。

ワタクシ目のルーテシアⅢRSは大津のガレージでお留守番なのでスタッフFのを借してもらって、F自身も走った。スタッフYは自分のルーテシアⅢRS。もう1台はYRSトライオーバルスクールFSWに参加してくれたFさんにご自身のルーテシアⅢRSで走ってもらって、四者四様のデータが収集できたという次第。

男性3人は「YRSトライオーバルのコースをアプリに読み込ませるだけだから…」とか「参考に記録を取るだけだから…」とか言いながらけっこう目が真剣で、セットアップに来てくれたGPSLapsアプリの開発者Kさんも苦笑するしかなかった、はずだ。

ま、将来のYRSトライオーバルスクールで教材に使うためのデータだから遅くては意味がないけれど、結果から言うと速かった順にスタッフY、スタッフF、ワタクシ、参加者Fさん。といううことでシニアインストラクターの面目が、って話になるのだけど、今回はワタクシが走った早い時間は路面コンディションがウエット気味だったとか、ワタクシとスタッフYが4周して3周計測したベストなのに、スタッフFは7周もして6ラップのベストだし、スタッフYは最後の最後に走ったタイムなのだ、と言い訳はしないことにしておこう、と思う。

冗談はさておき、それぞれのルーテシアⅢRSがどのような加速減速旋回を繰り返しているか、グラフから読み取ることができる。加速度の増減の度合や方向に目をやればどういう操作をしたかも推察できる。他人の走り方との比較もできるけど、理論的な走りとの整合性も確認できるのが一番。アンドロイド端末さえあれば、世界中のサーキットとユイレーシングスクールの駐車場コースの走行データが取れるのだからGPSLapsはたいしたものだ。(GPSレシーバーがあったほうがより正確なデータを取ることができる)。

tom
ワタクシ@スタッフFのルーテシアⅢRSのデータ
 
下のコーナーのボトムスピードが遅いのは路面が濡れていた?
下のコーナーの立ち上がりでスロットルを抜いたのはコースアウトしそうだったから?
なぜ3速に上げてから踏んでないのか記憶にない!
上げてから一瞬加速するけど
その後加速も減速もしない時間がある
シフトアップの時に加速度がこれだけマイナスに振れるのは驚き

yam
スタッフY@自身のルーテシアⅢRSでのデータ
 
Yに勧められて乗ったのだけど
スタッフFのルーテシアⅢRSと比べると
格段に足が硬かったのを実感
ルーテシアⅢRS コンプリートだからか

fuk
スタッフF@自身のルーテシアⅢRSでのデータ
 
ワタクシのルーテシアⅢRSの足もこんな感じ

fuj
YRSトライオーバルスクールFSWに
参加してくれたFさん@ご自身のルーテシアⅢRSでのデータ

811
それにしても運転って面白い
狙った通りに事が進めばいいけれど
頑張ったり欲をかくとクルマさんにそっぽを向かれる
 
そんな単純なコースをグルグル回ってどこがおもしろいんだ
という声もあるようだけど
単純だからこそミスが誇張されるから気が抜けない
真剣にクルマさんを操っている自分に対峙するのは至極
この楽しみを知らないのはもったいない

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25年目の活動は、ポルシェクラブ東京銀座のドライビングレッスン2回とエンジンドライビングレッスン、それとユイレーシングスクール独自のプログラム、YRSツーデースクールFSWとYRSドライビングワークショップFSWを残すのみになりました。

YRSツーデースクールFSWは1日目が駐車場での基礎練習で2日目がショートコースを100周以上走る短期集中型のドライビングスクールです。運転はある意味操作に慣れることが大切なので2日間運転にドップリ浸かることは非常に有効です。

9月21,22日に開催するYRSツーデースクールFSWの申し込みは以下のリンクから行えます。
・9月21/22日(土日)開催 YRSツーデースクール開催案内 & 申し込みフォームへのリンク

YRSドライビングワークショップFSWはクルマを動かす基本操作の質を高めるのが目的で、富士スピードウエイ駐車場を使って午前中はブレーキング練習を2種類とスラローム練習。午後は加速減速旋回を高いレベルでまとめるためのオーバル走行を行います。全ての練習はFMラジオからリアルタイムでアドバイスを受けながら行います。クルマを思い通りに動かすコツを体験できます。

11月2日(土)に開催するYRSドライビングワークショップFSWの申し込みは以下のリンクから行えます。
・11月2日(土) YRSドライビングワークショップFSW開催案内

ルノー乗りの方はぜひ一度参加してみて下さい。ルノー車の良さを再認識すること請け合いです。



第806回 続々・GPSLapsから見るコーナリング

おさらいをしておきましょう。ロードコースと呼ばれる周回路を速く走るためには、何よりも優先すべき攻略法がふたつあります。
まず長い直線に続くコーナーの脱出速度を上げること。結果的にストレートエンドの到達速度が速まりストレートの所要時間が短くなります。次に高速コーナーをできるだけ高い速度で旋回すること。単位時間あたりの移動量が多い区間を速く走れれば平均速度の向上=ラップタイムの短縮につながます。

このふたつののアプローチを練習するためには筑波サーキットのコース1000がうってつけです。コーナーの曲率の割にはコース幅が広く、なにしろ回り込んだコーナーが多いので操作の工夫次第ではロードスターがポルシェと同じようなタイムで周回することも不可能ではありません。クルマの速さとは別に、セオリー通りに走ることのできる人が速い、ドライバーズサーキットだとも言えます。最高速度は大きなサーキットほど速くはありませんが。

狭い敷地にレイアウトしたミニサーキットはどこも同じような傾向を持ちますが、例えば富士スピードウエイのショートコースはというと、直線が長くしかも5%とかなり下っているので馬力の大きなクルマが明確に有利になります。その点、コース全体がフラットな筑波サーキットコース1000は周回数も稼げるので操作の理論的合理性を追い求めるのに適しています。

コース1000の全体像を俯瞰するために、 1、2コーナーでイーブンスロットルとトレイルブレーキングの練習をして ドッグレッグでコーナーを捨てることの練習 をしたついでにフルラップした時のデータも取ってみました。

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1周1,039mで使うギアは2速と3速のみ
最終コーナーを2速で立ち上がって3速に
1コーナーはブレーキングだけで進入
ヘアピン手前でブレーキングと2速にダウンシフト
インフィードの左を2速のまま薄いブレーキで
インフィールドのストレートで3速に
ドッグレッグまで3速
外周に出る手前でブレーキングと2速にダウンシフト
最終コーナーはボトムスピードを意識して

さて、あなたなら 筑波サーキットコース1000 をどのように走りますか。

ストレートエンドの到達速度を上げる。高速コーナーの通過速度を上げる。どちらもラップタイム短縮には有効ですが、実現するためには常にクルマの性能を引き出す操作が行われていることが前提になります。

例えばコース1000の1コーナーは突っ込みすぎてもバキ切りをしてもコースアウトせずにクリアすることを許してはくれます。しかしながらアンダーステアが出ている状態ではクルマは間違いなく失速しています。前荷重=前後荷重の不均衡=前後輪のグリップの相違はコーナリングスピードを低下させます。速さを追うのならば、クルマの性能をスポイルしていないか=クルマの動きを妨げる操作をしていないか、常に意識しながら操作することが大切です。
どういう操作をしたか、クルマの運動エネルギーが有効に使われていたか、走行後に走行軌跡と合わせて速度とその瞬間の加減速/横向き加速度を検証するにはGPSLapsが有効かも知れません。

8月24日(土)に富士スピードウェイ駐車場で開催するYRSトライオーバルスクールFSWでアプリの開発者を招き GPSLaps の使い方のセミナーを行います。アンドロイド搭載のスマホかタブレットがあれば世界中のサーキットの走行データを収集することができます。ご自身の操作を見直すためにもお勧めです。

当日はトライオーバルの走行データをモニターに出力してご覧いただきます。操作とクルマの動きの因果関係を解明するためにもぜひ参加してみて下さい。

・8月24日(土)開催 YRSトライオーバルスクールFSW開催案内と申込みフォームへのリンク

 



第805回 続・GPSLapsから見るコーナリング

ブログ 「第804回 GPSLapsから見るコーナリング」 でイーブンスロットルとトレイルブレーキングを駆使した時のクルマの動きが確認できる。

筑波サーキットコース1000攻略の第1歩は1、2コーナーだから、トレイルブレーキングとイーブンスロットルはこの区間のタイム短縮に欠かせない。

2番目の攻略ポイントは最終コーナー。2コーナー同様の長いコーナー区間=所要時間の長いコーナーをできるだけ速く駆け抜けたい。そのためにはインフィールドから外周に出た時の速度を高く保つ必要がある。高い速度で外周に飛び出すためには手前のブレーキングとクルマの姿勢制御が鍵になる。

で、スクールで「ドッグレッグ」と呼んでいるインフィールドのストレートエンドにあるゆるい左コーナーから外周に出る右コーナーまでのデータもGPSLapsで押さえておいた。この区間は左から右への切り返しがあるS字コーナーのようなもの。鈴鹿サーキットレーシングコースではS字の走りがラップタイムに大きく響くように、筑波サーキットコース1000ではドッグレッグの抜け方が速さにつながる。

そこでドッグレッグを2種類の方法で走ってみた。1つはドッグレッグを全開で回り、もう1つはドッグレッグを「捨てコーナー」とみなした走り方。

コース図上の色のついた走行ラインの始点・終点がグラフの左端・右端と対応。走行ラインの色は赤が減速で緑が加速で黄色系はその中間。グラフの赤線が速度。青線が加減速Gで緑線が横Gを表している。

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ドッグレッグを全開で抜けてからブレーキング
到達速度は速いが直後のブレーキングで大きな減速G
右に切り返して外周に出て
横Gは立ち上がるが加速Gはマイナスのまま
速度は低下し続けボトムスピードは60キロ/時を下回る
※外周に出てからのラインが橙色は減速を表す

805-1
インフィールドのストレートを全開で加速
3速でドッグレッグにアプローチしながらスロットルを抜いて
左コーナーの横Gを早めに消して直線的にブレーキング
減速区間が長くなるので減速Gを大きくせずにすむ
外周に出てアウト側縁石の最後にクリップする頃
加減速Gはプラスに転じそれ以降
最終コーナーの通過速度は60キロ/時以上を維持

 

ここでおさらい。
・コーナーは直線よりも速度が低いからコーナーに入る前には減速が必要になる
・ターンインまでの減速に加えターンイン後は走行抵抗が増えるのでクルマはますます速度を低下させる
・ブレーキを遅らせてより高い速度からターンインすることも可能だが効果は疑問
・切り返しのあるコーナーは切り返し地点で瞬間でもいいからクルマをフラットにする
・コース1000の場合はゼロロールにしてから加速→ブレーキングが理想
・ブレーキをできる限り抜きながら外周へ
・前後輪とも外荷重になったら間髪を入れずにイーブンスロットル
・コーナーを速く走るのにはコーナリングのボトムスピードを高く維持することが鍵になる
・コーナリングスピードを上げるためにはコーナリング中のクルマの前後輪のグリップバランスが均等であることが望ましい

切り替えしのあるコーナーや所要時間の長いコーナーほど手前から走り方を構築する。ターンイン時の前荷重を可能な限り少なくし、高い速度からターンインした時にヨーモーメントが発生しやすいようにトレイルブレーキングを使い、コーナリング中に前後輪のスリップアングルが均等に近くなるようにイーブンスロットルの状態を維持する。ユイレーシングスクールが教えるコーナリングのセオリー。

 

8月24日(土)に富士スピードウェイ駐車場で開催するYRSトライオーバルスクールFSWでインストラクターの走りをGPSLapsでデータ取りし、教室に戻ってモニターに出力し参加された方とデータを共有したいと考えています。加えてGPSLapsの開発者でYRS卒業生でロードスターパーティレースに参加していたKさんのセミナーも行います。

いつもの減速してターンインするコーナーが2つだけのオーバルと違って、加速しながらステアリングを切るコーナーが加わるおむすび型のオーバル。クルマの動きを理論的に理解し合理的な走らせ方を知るためにも、みんさんの参加をお待ちしています。

・8月24日(土)開催 YRSトライオーバルスクールFSW開催案内と申込みフォームへのリンク



第804回 GPSLapsから見るコーナリング

先日のYRS筑波サーキットドライビングスクールの時にスタッフFのルーテシアⅢRSにGPSLapsとGPSレシーバーを取り付けて走行データをとってみた。
このアプリの良さは、タブレット上のコース図をなぞるとその地点その地点の速度と加速度の推移を見ることができるから、カーソルを動かすことにより操作がクルマの動きにどう反映されているか連続的かつ視覚的に確認できること。走行中に「突っ込み過ぎは損ですよ」、「ボトムスピードが落ちすぎですね」とラジオでアドバイスしてもイメージしにくいかも知れないけど、このアプリを活用すれば操作の結果クルマがどう動いていたかが明白になりそうだ。

そこでYRS筑波サーキットドライビングスクールの売りでもある1コーナーだけを使ってコーナリング速度の向上を狙ったイーブンスロットルとトレイルブレーキングの練習でデータを収集。今後のスクールの時に活用できないか理論的合理性を検証した。

・コーナーは直線よりも速度が低いからコーナーに入る前には減速が必要になる
・ターンインまでの減速に加えターンイン後は走行抵抗が増えるのでクルマはますます速度を低下させる
・減速量を少なめにしてより高い速度からターンインすることが理想だがターンイン後にアンダーステアやオーバーステアを誘発しては意味がない
・コーナーを早く抜けるのには早くスロットルを開けるのが理想だが、重いクルマは減速から加速へと瞬時には移らない
・コーナーを速く走るのにはコーナリングのボトムスピードを高く維持することが鍵になる
・コーナリングスピードを上げるためにはコーナリング中のクルマの前後輪のグリップバランスが均等であることが望ましい

高い速度からターンインした時にヨーモーメントが発生しやすいようにトレイルブレーキングを使い、コーナリング中に前後輪のスリップアングルが均等に近くなるようにイーブンスロットルの状態を維持する。ユイレーシングスクールのコーナリングのセオリー。

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イーブンスロットル(ノーブレーキ)で
1、2コーナーを回った時のグラフ
 
グラフからはイーブンスロットルの効果が見てとれる
 
赤線が速度で青線が加減速Gで緑線が横G
コントロールライン付近が座標0
走行ラインの始点・終点がグラフの左端・右端と対応

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1コーナーに全開でアプローチして減速
トレイルブレーキングを使ってターンインした時のグラフ
 
グラフからはトレイルブレーキングの効果が見てとれる
 
赤線が速度で青線が加減速Gで緑線が横G
コントロールライン付近が座標0
走行ラインの始点・終点がグラフの左端・右端と対応

 

スタッフないでは評判上々のGPSLapsだけど、スクール参加者の意見も聞いてみたいので、8月24日(土)に富士スピードウェイ駐車場で開催するYRSトライオーバルスクールFSWで走行データを収集し、教室に戻ってからモニターに出力して参加者と一緒に検証してみたいと思う。
いつもの減速してターンインするコーナーが2つだけのオーバルと違って、加速しながらステアリングを切るコーナーが加わるおむすび型のオーバル。クルマの動きを理論的に解釈し合理的な走らせ方を知るためにも、みんさんの参加をお待ちしています。

・8月24日(土)開催 YRSトライオーバルスクールFSW開催案内と申込みフォームへのリンク



第798回 GPSLaps

Kさんは2003年9月の筑波サーキット公式ドライビングスクールで初めてユイレーシングスクールを体験してくれた。その後本職が忙しくなる2019年までYRSエンデューロやYRSスプリント、YRSオーバルレースなどをメインに延べ80回近く走りに来てくれた。

そのKさんが開発したのがラップタイムと加減速/横Gと速度に加えて走行ラインが記録できるアプリのGPSLaps。サーキット走行をする人の間で高い評価を得ている。ユイレーシングスクールに来る人の中でも装着率は高い。

先日のYRSオーバルスクールでスタッフFがGPSLapsとGPSレシーバーを持ってきたので、トレイルブレーキングとイーブンスロットルがキチンとできているか検証することになった。そこでFのルーテシアⅢRSでFと、GRヤリスに乗っているスタッフMとラップタイム勝負をしてみた。
結果は。もちろんどちらもボクの勝ち。ただし彼らの名誉のために付け加えると、ボクのデータを見てから再度走ったら、ふたりとも遜色ない速さを見せていた。速度と加速度を照らし合わせると、クルマがどこでどう失速しているかどうかが検証できるので、その部分を意識して操作をするとクルマが前に進むようになる。下の画像はルーテシアⅢRSで半径22m直線130mのYRSオーバルFSWロングを4周したうちのベストラップ。

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ルーテシアⅢRSでのベストラップで上段の赤線は速度
スタート後100m付近がYRSオーバルロングの下のコーナーで
330m付近が上のコーナー
下段の加減速度を表す青線の同じ区間でイーブンスロットル
コーナーのボトムスピードを維持している
緑線は横Gでどちらのコーナーでも瞬間的に1Gを記録している

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画像右が下のコーナーで進入が下りで脱出が上り
走行ラインを見るとクルマの動きがわかる
緑色の部分が加速で黄色が定速で赤色が減速
2本のストレートの真ん中あたりで
瞬間的に黄色になっているのは3速へのシフトアップ
トレイルブレーキング区間の色が赤ではない

 

時間が許せば7月18日のYRS筑波サーキットドライビングスクールで、将来的に開催したい参加者の走行データを解析してアドバイスするスクールのベースラインを作るためにGPSLapsを使ってみようと思う。

7月18日(木)開催 YRS筑波サーキットドライビングスクール開催案内へのリンク



第788回 我が愛しき相棒

今日は風も穏やかで澄んだ空気が気持ち良い。久しぶりに終の相棒を引っ張り出した。

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比良山系の緑のグラデーションを背景に
も少し前には若緑がもっと鮮やかだったのだけど

 

やっぱりイイ! このエンジン。7,500回転まで回せばゾクゾクするし、4速約1,250回転30Km/hからでもよどみなく加速するし、右足のつま先の感覚が鋭くなった気がする。

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湖面を渡る風が気持ち良く
湖東の山並みを望む湖畔にて

 

先日、無事後期高齢者の仲間入りをした。これまでのようにスクールを続けて我が身が傘寿を迎えたら、そのころ19歳になっている相棒をサーキットに連れ出そうとたくらんでいる。スクールは30歳になっているのかな。

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近江平野のただ中に

 

もちろん最近のクルマの良さはちゃんとわかっている。特に一生懸命作られたルノー・スポールのクルマ達は大いに賞賛されるべきだと思っている。でも、59年前、10インチのバイアスタイヤを履いた軽自動車で轍にハンドルをとられて焦ったことのある経験者としては、根源的なクルマとしては個人的に究極だと思っているルーテシアⅢRSを、可能な限り長く走らせ続けたいと思っている。

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遠く大津市堅田の街を望む琵琶湖畔で

 

プロローグ: ブログ第623回 我が終の相棒



第779回 スタッフYとルーテシアⅢRS

全くもって個人的な好みではあるのだけれど、ルーテシアⅢRSはいいぞ、いいぞと言いふらしたものだから、卒業生もスタッフも感化された人は少なくない。スタッフYもその1人。通勤に使うかたわらスクールカーとしても大活躍で現在のオドメーターは22万キロを超えていると言う。そのYからのメール。

 

いつもメンテナンスでお世話になっているルノー滋賀栗東での車検時に、レギュラーメニューに加えて経年劣化していた部品をリフレッシュしました。

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ステアリングホイール交換:表皮が擦れて傷んでいました。交換後はサラリとした感触になりステアリングを操作するのがより一層楽しくなりました。センターのステッチは黄色から赤色になっています。

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旧ステアリングホイール

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旧ステアリングホイールのアップ

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イグニッションコイル交換:アイドリング時に微妙なエンジン回転数の変動があったので、もしかすると効果あるかもと期待して交換に踏み切りました。結果、大正解でした。アイドリングはより一層静かになり、中間域から高回転域は今までよりもスムーズに且つパワフルになりました。

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旧イグニッションコイル

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スパークプラグ交換:イグニッションコイル交換時に同時交換を勧められたので予定外でしたが交換しました。取り外したプラグを見ると、錆が発生している物もあったので交換して良かったと感じています。

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オルタネータ交換:夜間アイドリング時にヘッドライト光量や室内灯光量が若干ゆらぐのを感じていました。取り外したオルタネータを手で回すとスムーズに回転しましたが、やはり経年劣化していたようです。交換後は光量のゆらぎがなくなり、アイドリング時の
ヘッドライトは明るくなったように思います。

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旧オルタネータ

 

そのうち中古でルーテシアⅢRSを購入してからのメンテナンス履歴を披露してほしいと思っているけど、YのルーテシアⅢRSはすこぶる調子がいい。Yがまめに情報を仕入れ彼のルーテシアⅢRSの元気さを保つために払っている努力には頭が下がる。

かく言うワタクシは、まだ3万キロも走っていない箱入り娘を傘寿を迎えたらサーキットに連れ出そうとたくらんでいて、とりあえず人間のメンテナンスにいそしむ今日この頃ではあるのだけれど。



第694回 祝 二十万キロ

ある日、写真を添えてスタッフのYからメールが届いた。

トムさん
日常のパートナーとして、時にはトムさんに操られてスクールでのデモ走行披露にと大活躍の愛車です。12月を迎えてスタッドレスタイヤに交換する前に、いつもお世話になっているルノー滋賀栗東でエンジンオイル交換です。作業の間にコーヒーをいただきながら帰り道の距離を調べてみると、今日の帰り道のドライブ後が節目になりそうな予感です。オイルとオイルフィルターを交換後にお店の前で記念撮影。もちろん帰り道のエンジンはすこぶる快調。

そして達成!

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先週末のスクールで
スタッフYとその愛車

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送られてきた写真を加工

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お祝いの意味をこめてさらに加工!
 
ルーテシアⅢRS万歳!



第675回 YさんはFR or FF

Yさんは2020年6月のYRSオーバルスクールFSWで初めてユイレーシングスクールに参加してくれた。当時の模様とYさんの感想文がブログの492回に載っている。サーキットを走ってみたいと言っていたYさんはその年の10月、YRSツーデースクールFSWに参加してくれた。6台のルノー車が2日間走り回った様子はブログの528回に掲載。
昨年も3月のYRSツーデースクールFSW10月のYRSツーデースクールFSWに来てくれたのだけど、10月の申込みフォームのコメント欄に「このルーテシアで何回か参加させていただきましたが、このたび手放すことになりまして、この車での最後の参加となります」とあった。何にするのかなと当日聞いてみると、FR車に換えると言う。メガーヌⅢRSからルーテシアⅢRSに乗り換えたぐらいだから、てっきりルノー車を乗り継ぐと思っていたのだけど。だからボクが率先して愛を込めて『裏切者!』。で、Yさんを除くルノー乗り5名全員が唱和。

閑話休題。先日YRSオーバルスクールFSWを開催していたら駐車場を見下ろしている人がいる。よく見るとあのYさん。クルマがルーテシアⅢRSじゃなかったので瞬時には気が付かなかった。聞けばショートコースを走ってきたと言う。FRをどう感じどう操っているのか聞きたかったから降りてくればと誘う。

この日は参加者が少なかったのでカリキュラムの合間にYさんにも走ってもらった。クルマはノーマルでフロントに少しだけマイナスキャンバーをつけただけというFR車をYさんが走らせる。ルーテシアⅢRSの時もそうだったけど、なめらかでそれでいてメリハリのきいた走り。コーナーをドリフトアウト気味に立ち上がる。失速はしていない。『あぁ、これがやりたかったのね』と納得。
せっかくだからYRSオーバルスクールFSWに参加していた、トランスミッションをマニュアルに載せ換えたマークXに乗るNさんを助手席に乗せて走ってもらう。Nさん「大いに参考になりました」。

カリキュラムをこなしながらあれこれ話しているとリアの落ち着きがルーテシアⅢRSのほうが良かったという話になって。FRなのに、と聞くとムニャムニャと。走りを標榜しているFRでもそう感じるらしい。その上で、もう少しFRに乗ったらルーテシアⅢRSに戻るのが正解かなと思っていると。それを聞いていたスタッフのYが、『FRに乗ったことで、ルーテシアⅢRSの記憶が「良かったなぁ」という成功体験として美化され過ぎているかもしれません。直後に乗り比べることで検証してみてはどうですか。その感想文をお願いします』と水を向け、Y自身のルーテシアⅢRSの提供を申し出。ということで、Yさんは贅沢にもFRとFFの乗り比べ。もちろん通常のカリキュラムに影響のない範囲で。

FRならぬFFを小気味よく走らせていたYさんは、ルーテシアⅢRSから降りるなり『やっぱりいいですね』。スタッフYのルーテシアⅢRSは16万キロも走っているのにねぇ。

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Yさんが味わってみたかったというFR

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どんな気持ちでFRを走らせているのやら

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スタッフYとYさん

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何を感じながらFFを走らせているのか

 

FRの走りを楽しみたくてGR86への乗り換えを決め、ルーテシア3RSを手放してから9ヶ月。久々にルーテシア3RSを運転する機会をいただきました。しかもオーバルコースで!
GR86で走行した直後にルーテシア3RSの運転席に乗り込むと、あまりにファミリーカー然とした着座位置の高さとクラッチストロークの長さに驚きを覚えます。

しかしひとたび走り出すとすぐに、ルーテシア3RSの素晴らしさを思い出しました。

直進性の良さ。剛性感がありコントロールしやすいブレーキと、ブレーキング姿勢の素晴らしさ。微小舵角から立ち上がる手応えと応答。GR86だと情けなくリアが流れ出してしまう領域でも、しっかりと路面をつかまえるスタビリティの高さ。
動力性能は、プラス400ccの余裕とファイナルの低さからGR86に分がありますし、ルーテシア3RSの電子スロットルの扱いにくさも少し気にはなります。
しかし、いかなる状況でも常に最高のロードホールディングを提供してくれるルーテシア3RSには、自動車としての圧倒的なレベルの高さを感じます。
今回の試乗であらためて、GR86で数年遊んだ後には再度ルーテシア3RSに乗ろうという決意を強くしました。その頃、程度のいい車両が出てくるといいなぁ。

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3台のルーテシアⅢRSがYRSオーバルFSWロングを走る

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ルーテシアⅢRSの集合写真
左からYRSオーバルスクールFSW皆勤賞のOさん
初めてYRSオーバルFSWロングを走ったNさん
スタッフのY

 

YさんルーテシアⅢRSのいい出物があったら手に入れちゃって下さい。置き場所は提供しますから。



第667回 Oさんの場合

過去、
第314回Oさんの場合
第323回YRSツーデースクール
第501回7月のルノー仲間
第502回速さを味わう
第538回Oさんの場合
第621回OKBさんの場合
第656回ルノーを楽しむ
に登場してくれたOさん。このところ5月、6月、7月とYRSオーバルスクールFSWに連続で通ってくれている。期するものがあるのかしらん。今回はちょっとしたハプニングもあったけれどOさんにも感想文をお願いした。

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またお会いしましたねのOさん

 

記念すべき10回目の受講は確かに記憶に残るものになりました。まさか受講中に前タイヤをパンクさせてしまうとは…トム講師ならびに受講生の皆様のおかげで、幸いにも応急手当のうえ自走で帰宅できました。当日は大変ご迷惑をかけてしまい、申し訳ありませんでした。すでにパンクしたタイヤは新品に交換したので、次回参加に向けて準備を進めます。

さて、今回のオーバルスクールですが、実は普段と少しだけ違う点がありました。本来は別プログラム(YRSドライビングワークショップ)で行うブレーキの実習に比較的多くの時間を使ったことです。ブレーキを集中して練習する機会はあまりなかったので、ここでも新しい課題が見つかりました(難しいです)。
まだまだトム講師のような運転には程遠いのですが、受講を続けるうちにパートナーからの運転評価は確実に上がっています。いくつかコメントを紹介します。

①同乗しているときの安心感が増した
②車が揺れない、周りの交通が以前より良く見えている
③ハンドルを全然動かしていないのにスーッと曲がれることが不思議だ

ほとんど運転しない彼女ですから、そこそこ客観的な評価ではないでしょうか。
いずれの評価も、ハンドルやブレーキ操作を早めに始めること、車が走りやすい状況を作ってあげる等、受講中に教わったことを実践した結果です。その実践が、クセ、思い込み、緊張が原因で出来ないのですが…心の軽量化をすることが上達につながるのかも知れませんね。次回もまたよろしくお願いします。

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毎回リズムが良くなっていくOさんが下のコーナーを立ち上がる

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コーナリング速度も目に見えて速くなってきたOさん