トム ヨシダブログ


第795回 ドライビングポジションと情報収集

クルマの運転は情報処理のようなもの、と言ってもさしつかえないだろう。

まずクルマを動かす目的があって、それに沿って走らせるために五感で情報収集をしてクルマの状況を把握。ほぼ同時に理論的見地から最適と思われる操作を行う。クルマが動いた瞬間に再度情報収集を行い、クルマの動きが理想値から外れていれば修正のための操作を繰り出す、合致していれば次への探りを入れる。その繰り返し。

だから、クルマを思い通りに動かすのには正確な情報収集が重要だ。正確な情報収集にはクルマの動きに翻弄されずにクルマと一体になり、クルマと同じ速度で同じ量だけ人間もロールする必要がある。それを実現するのが正しいドライビングポジションだ。

6月27日(木)。ユイレーシングスクールでは車載映像にある富士スピードウエイショートコースを終日使ったスクールを開催します。今からでも申し込むことができます。ご自身のドライビングポジションの確認に走りにきませんか。

・6月27日(木)開催 YRSドライビングスクールFSW 開催案内と申込みフォームへのリンク



第794回 YRSドライビングワークショップFSW

ユイレーシングスクールは富士スピードウエイの駐車場で開催するカリキュラムでは、70歳以上の方の参加費を割引きにしているのだけど、今回は2名の方が利用してくれた。いくつになっても運転を楽しみ極みを目指してほしいから嬉しい限り。

今年2回目のYRSドライビングワークショップFSW。午前中にブレーキングとスラロームの練習。午後は2種類のオーバルコースを走り、クルマの運転にやってはいけないこととやったほうがいいことの仕分けを重ねます。

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デモランに先立ち目指すテーマの説明
良い例と悪い例を見てもらうのだが
これが効果てきめん
イメージ作りの大切さ

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2月のYRSドライビングワークショップFSWに続いて参加してくれたSさん
A110を豪快に走らせていました

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半径22m直線60mのYRSオーバルFSWを
時計回り反時計回りと交互に走ります

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YRSオーバルFSWで基本操作を練習した後は
半径22m直線130mのYRSオーバルFSWロングで
3速全開からの減速とターンインの練習をします

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走行中もFMラジオでリアルタイムアドバイスを送ります
オーバルコースでもロードコースでも
周回路は直線よりコーナーの方が遅く
いかにコーンリングを組み立てるかが鍵
クルマを安定させて走ることができれば
日常の運転も楽しくなります

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2月初めのYRSオーバルスクールFSWと
2月末のYRSドライビングワークショップFSWに
メガーヌRSトロフィーで参加してくれたKさん
YRS3回目の今回はクルマが魅力的なA110に替わっていた

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FFからMRに
フルスロットルにするのはこの日が初めてだとか

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A110の良く動く足を堪能していたようです

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次回のFSW駐車場を使ったスクールは
7月6日(土)開催のYRSオーバルスクールFSWです
クルマの動かし方を理解するのにうってつけです



第793回 遠い昔の思い出 4

カリフォルニア州にあるベンチュラレースウエイをミヂェットで走ります

※試乗時はドライスリックトラックだったのでミヂェット本来の速さは実現できませんでした

当時、日本オフロードレース協会の事務局を担当してた関係で、今から48年前の1976年に初めてアメリカに取材に行った。
目的はメキシコの統治地区だったカリフォルニア半島のバハカリフォルニアで行われたBAJAインターナショナルオフロードレースに日本人として初めて出場した池沼純一選手の戦いぶりを記事にすることだったけど、滞在中の経験がその後の自分の人生を大きく変えることになる。

メーカーの広報を通じて手配し現地の日本車を何台かロサンゼルス周辺で試乗した。どのクルマも国内仕様よりパワフルだった。パワーがないとアメリカでは売れないのか、日本国内向けにはパワーがなくてもいいのかね、と思ったものだ。

土曜の夜にはガーデナにあったスコットパークにダートトラックレースを見に行った。少しばかりトイレがビール臭かったけど、ストレートでもカウンターステアを当てたまま轟音を上げてハーフマイルダートトラックを駆け抜ける30台あまりのスプリントカーに頭を強烈に小突かれた。全てが新鮮だった記憶がある。

オフロードレースにしてもダートトラックレースにしても、その実体は日本にいては推し量ることができない。その規模といい迫力といい日本のモータースポーツとは大きな開きがある。本気度と言うか伝わってくる本物度がまるで日本と違う。アメリカの、なんというか活発さというか、ダイナミックさは1974年にしばらく滞在したイギリスでは感じられなかった。使い古された表現だけど、アメリカがまぶしかった。到着した日にハリウッドで食べて虜になったアービーズのローストビーフサンドイッチもアメリカにいればいつでも食べられるのにな。そんな思いを抱いた初めてのアメリカだった。

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CG誌 1994年2月号

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オープンホイールのダートトラックレーシングは基本USACが統括しているが
同様のルールの元で派生したシリーズもある
その主なカテゴリーを列記すると以下のようになる
 
クォーターミヂェット(5歳から参加可能)
ハーフミヂェット(主にバイクのエンジン流用)
スリークォーターミヂェット(1,000㏄のバイクのエンジン流用)
ミヂェット(320馬力:CG誌面のマシン)
スプリントカー(V8の600馬力エンジン搭載)
アウトロー(V8の800馬力エンジン搭載で巨大なウイングを背負う)

 

アメリカのモータースポーツは統括団体(我が国だとJAFにあたる)だけでも7つあってレースカテゴリーに至っては星の数ほどありそうなので、少しばかり古い話になるけど、とりあえずレース場の数を当たってみようと1998年にその年にレースを開催したレース場の数を調べてみたことがある。

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レース場の総数は1,320ヶ所で内訳は多い順に
オーバルコース1,029ヶ所/ドラッグストリップ242ヶ所/ロードコースがたったの49ヶ所
オーバルコースがアメリカンモータースポーツの根幹をなすことがわかる
 
オーバルコースのうち772ヶ所がダートトラックで257ヶ所がペイブドトラック
そのうち1周1マイル(1.6キロ)以上のオーバルコースは40ヶ所しかなく
ダートにしろペイブドにしろ
クォーターナイルからハーフマイルのダートオーバルトラックが主流だ

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日本のモータースポーツはダートトラックレーシングと縁がないように見えるけど
実は日本にもクォーターマイルダートトラック(400m)と
クォーターミヂェット用の180mペイブドオーバルがあった
今の人は知らないかも知れないけれど
 
日本発アメリカングラスルーツモータースポーツの舞台として
冒頭のビデオで走っているベンチュラレースウエイを完全にコピーした
ダートオーバルトラックが確かにあった
そのインフィールドにクォーターミヂェット用のオーバルがあった

 

当初インディーカーやNASCARストックカーの招聘を見据えていたツインリンクもてぎの立ち上げに携わっていた関係で、小林初代社長に1周2.4キロのスーパースピードウエイだけではアメリカンモータースポーツを標榜するのは片手落ちなのではないか、トップカテゴリーに加えてアメリカのグラスルーツモータースポーツも導入しませんかと訴えて、日本初の本場アメリカのダートトラックのレベルに匹敵するクォーターマイルオーバルが実現した。

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ミヂェットの醍醐味をふつうのクルマの運転と比較するのは難しい
ブレーキをかけてもスロットルを空けてもテールがルーズ(ブレイク)して
カウンターステアを駆使してマシンを前に前に進めるセッティングだから
言うなれば物理学に逆らう運転になる
 
スクールで運転は物理学です
理にかなった操作が大切ですとくどいほどに言うのだけれど
ことミヂェットは物理学に反するというか
あるいは超越した運転が求められる醍醐味がある

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ミヂェットにはダートトラック用とぺイブメント用の2種類があるが
主流はダートトラック
 
鋼管スペースフレームのシャシーに前後ソリッドアクスルを吊るサスペンション
前輪ブレーキは左のみ
ミヂェットの後輪は右側のほうが直径が大きく
試乗車の場合左側タイヤとの外形差は17.5センチもあった
 
だからアクセルを踏むと左向きに進み
ブレーキをかけても左向きに進む

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サタデーナイトレースで知り合ったロン・ブランデルから多くのことを教わった
なぜダートトラックでほこりが立たないのとか
ダートトラックの創り方とか
ミヂェットのセッティングの仕方とか
 
この取材から数年して試乗したミヂェットを日本に送りロンにも訪日してもらい
ツインリンクもてぎの関係者の前でデモラン兼試乗会を開催した
 
車重514Kgに285馬力のマシンで
鈴鹿サーキットの2輪用ダートオーバルや
ツインリンクもてぎのできたてホヤホヤのダートトラックを走ったのが懐かしい

※ CG誌面の写真は過去に幸田サーキットドライビングスクールに参加してくれたFさんの蔵書を撮らせていただいた。



第792回 ローンチコントロール

ルノー・ジャポンのブログを更新するたびにユイレーシングスクールのウエブサイトとメールマガジン、それとFBとXで告知しているのだけど、先日なんと5年前のXのポストが「いいね」されたと通知が来た。そんなこともあるんだと見返して見ると富士スピードウエイのストレートを使ったメガーヌRSのローンチコントロールを扱った回だった。

懐かしいので2019年9月22日の第415回 Megane RS Launch control on FSW’s streightで使った動画だけを抽出してみた。
※メガーヌRSが1コーナーに向かって沈んでいく様はなかなかのものです。できれば大きな画面で見てみて下さい。

で、確かあの日の横位置と車載映像もあったよな、とログを見直したら同じ年の4月22日に第367回 メガーヌRS加速をアップしていたのでこちらも。

※今回映像を引用したオリジナルのブログは、
・2019年4月22日に第367回 メガーヌRS加速
・2019年9月22日の第415回 Megane RS Launch control on FSW’s streight

※この走行は富士スピードウエイの協力のもと、次の条件で行っています。
・加速と減速は直線部分のみで行う
・加速は遅くとも200m看板手前で終了しコース際まで余裕を残して停止する
・機材操作のため2人乗車で行う

※これらの映像はぶっつけ本番で十分に安全に配慮した1回だけの試走で撮影したものです。従ってメガーヌRS本来の性能を表したものでないことをお断りしておきます。



第791回 エンジン7月号

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エンジン7月号表紙

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クルマでスポーツしようぜ!

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「所有欲」から「使用欲」へ
ユイレーシングスクールのバックボーンです
 
2003年エンジン編集部に提出した
ユイレーシングスクールの企画書の表題が
『所有欲から使用欲への転換』でした

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初めてのエンジンドライビングレッスン阿讃も記事に
今回は座学をみっちり
リードフォローに同乗走行
アンケートを拝見する限り参加されたみなさんクルマとの対話が進んだようで
ユイレーシングスクール流ティーチングが功を奏したようでした

 

エンジンドライビングレッスン関連ブログ
・第790回
・第785回
・第772回

 

エンジン7月号にはスポーツするために最適な道具も載っていた
Hマークにも乗ったけれどしっとりとしてて奥行きのあるロサンジュ印が個人的好み
お世辞ではなく

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