ユイレーシングスクールでは原則としてその年のシーズンに先がけ予習の意味で春に、そのシーズンのまとめと翌年への課題の整理のために秋に、年2回、2日間にわたるドライビングスクールを開校しています。スクールでは1日目に広大な駐車場を使って基本操作を確認し2日目にはサーキットでクルマの性能を引き出す練習をします。1日目朝の座学でイラストを使って理論的に解説した、『クルマを思い通りに動かす=クルマの性能を引き出して走るためにはトランジッションでクルマをフラットにすることの大切さ』を意識し続けるわけですから、2日間でクルマと運転への理解が格段に進み運転がこなれていきます。ユイレーシングスクールがツーデースクールを続けている理由です。
来年も1回目を3月に開催できるよう日程を申請しています。ドップリとクルマと運転に浸かれる2日間を多くの方に体験してほしいと思っています。
1日目の朝いちばんで座学
クルマを思い通りに動かすためには
具体的な操作を練習する前に
クルマがどうやって動いているか
動いているクルマには何が起きているかを学ぶことが大切
それが正しい操作を行うためのたたき台になります
参加者のクルマを借りて参加者を助手席に乗せてデモラン
今回は最も遠い福岡から参加してくれたKさんのクルマを借りて
正確な操作をするためにドライビングポジションの重要性を説明
事前に送っておいたアンチョコの内容を思い出してもらう
最初のデモランはスラロームの走り方
ダメな例と良い例でクルマの動きが極端に違うことを確認してもらう
次にブレーキングの悪い例と良い例を120キロプラスから
この日は幸いウエットだったので
トランジッションを意識すると蹴とばした場合に比べ
大きな減速Gが発生し半分の距離で同等の減速をしKさん大いに驚く
前もって送っておいたブレーキ練習の仕方を思いだしてもらうため
傍らで見学する参加者に良い例では何をやったのか説明
朝のデモランの最後はフィギュアエイト
ふたつの半径22mの定常円をできるだけ速いペースで回る
円と円の間を直線的に加速できるか
速くなった到達速度を適正に減速して旋回に移れるか
アンダーステアが出やすい状況でどうすればクルマが前に進むか
速く走るためには最短距離を走りたいそのためには何をすればいいか
デモランのあとは3班に分かれ3つのパートを順に練習
手前のコースでスラロームを走るOさんと
向こうのコースでブレーキング練習のスタートに備えるSさん
最初のころは全員がアンダーステアを消せず
大回りしていたし
加速区間が短かったけれど
2巡目になると徐々に
真っすぐ加速できるようになってメリハリが
Yさんがフィギュアエイト走る
スラロームは逆ロールの連続なので
ロードホールディングの低下を防ぐ必要がある
右左にステアを繰り返すとクルマが浮いてしまう
荷重移動を利用して
舵角を積極的に減らして加速したい
との説明を実践するSさん
参加者が昼食をとっている間にパイロンの配置を換え
半径22m直線60mと直線130mのオーバルコースに
初めてのサーキット走行が上手くいかなかったというSさんのクルマを借りて
徐々に速度を上げて小さなオーバルをイーブンスロットルで周る
ウエット路面だからステアリングでタメを作るとオーバーステアに持ち込めた
助手席のSさんが『こんなスピードで周れるんですね』
クルマの限界は我々が思っている以上に高いんです
小さなオーバルコースでのイーブンスロットル練習は
時間の節約のために速度を指定して4台ずつ
動力性能や走行特性がことなっても
基本的にどんなクルマもフラットな状態からなら
60キロからターンインして60キロでコーナリングが可能です
するとヨーモーメントが働いているのを感じます
霧が出てきたイーブンスロットル練習
IさんをOさんが追いかける
運動エネルギーは速度の二乗に比例して大きくなります
操作の開始は手前で終わりは奥です
滑らすなら2輪ではなく4輪を
何度もラジオで話かけます
SさんがWさんを追いかける
このあと大きなオーバルを使ってブレーキタッチの練習をして
小さなオーバルでトレイルブレーキングの練習をしてから
コースを大きなオーバルに移して曲がるのが苦手なクルマを曲げる練習
この頃になると路面が滑るとかは問題ではなく
ムズムズする感覚が楽しめるように
雨があがった2日目は朝7時半に集合
すぐにショートコースを歩きます
ストレートは5%の下りです
歩いて下るとつま先に力が入ります
クルマも同じです
荷重がどこにかかっているか意識します
ヘアピンは8%の上りです
上りはクルマが加速したがりません
スロットルを開ければ余計にフロントタイヤのグリップが減ります
フロントが逃げればステアリングを切り足すことに
アンダーステアから失速につながります
どうすればコーナリング速度を上げられるか
FSWショートコース唯一の長い高速コーナー
平均速度の裏返しであるラップタイムを短縮する鍵のひとつ
サーキット攻略その2
その1はストレートに続くコーナーの脱出速度
スロットルを開ける位置が早ければいいわけではなく
事前に走行ラインを書き込んだコース図を送付
起伏に飛んだショートコースはクルマの特性でラインを変えるのもあり
印刷してきてくれたイラストを前に詳しく説明
徐々に走行ラインのイメージができてきて
最終コーナーから見るピット
ピットロードはかなりの下り
ピットがこんなに下に見えるということは
ストレートはずっと下っているという
ストレートに続くコーナーは大切に走りたい
だからスロットルを早く開けたくなるけど下りだから
余計にアンダーステアが出てラインがはらむ
コースアウトしそうになったら出ちゃいます
できるだけ真っすぐコースに戻ります
すぐに戻ろうとするとクルマのバランスを崩します
コース歩行が終わったら教室で進行の説明と走行の注意
ユイレーシングスクール独自のブラックフラッグの意味も説明します
コーションライトの位置の確認も
計測器を渡して走行の準備
最初はリードフォローで徐々にペースを上げて
コースに慣れながらリズムを作っていくことを確認
参加者を所有車の動力性能と走行経験を元に3グループに分けて
リードフォローの次は
追越禁止の単独走行
ヘルメットとグローブ着用で運転席の窓全閉で
コースの確認をしながら
やってはいけない操作とやった方がいい操作の仕分けをします
次からは全て追越が可能なセッション
その前に正しい追い越しの仕方を説明
追い越しにはルールがあります
ねじ込むのは禁止です
例外はありません
最も動力性能が高い車両のグループを走るIさんとOさん
1~2周リズムを構築する意味でウォーミングアップ
前の周より次の周を速く走れるようにペースをあげていきます
インストラクターがやったほうがいいと思った場合と
参加者から希望があった場合には同乗走行を行います
ショートコースを一度だけ走ったことがあるというSさんを助手席に
各ポイントのキモを説明しながら走ります
ステアリング操作を目で確認してもらい
スロットルとブレーキの操作を加減速Gで感じてもらいます
FSWショートコースの難所のひとつ1コーナー
前荷重を十分に抜いて
ターンインでフロントが逃げないようにしないと
クルマが横に動いてタイムロスにつながる
下り=前荷重からのステアはアンダーステアに陥りやすく
直後が上りなので前荷重だとバランスを崩します
サーキットのスポーツ走行は25分とか走りますが
ユイレーシングスクールのセッションはインアウトラップ入れて7分前後
進行は複雑になりますが集中力が切れるのを避けたいのと
セッションごとに新たなテーマを持って走ってほしいからです
各グループが3セッションをこなすか必要と感じた場合はミーティングを行います
ミーティング以外は誰かが走っているので密度の高いドライビングスクールです
ルノー軍団が1コーナーを抜けヘアピンに向かいます
2コーナーに向かってスロットルを開け
2コーナー手前で軽くブレーキングで2速にシフトダウン
トレイルブレーキングでフロントを押さえて2コーナーをクリア
瞬間スロットルを開けて運動エネルギーを溜め
薄いブレーキを引きずりながら勢いでヘアピンにクルマを乗せます
セッション終了のチェッカーフラッグが振られると
走行中のクルマは確認の意味でハザードランプを点灯し
クールダウンしながらピットロードに向かいます
前のグループがヘヤピンをクリアすると
次のグループのコースインが始めるので効率よく走行時間をかせげます
FSWショートコースのストレートは下っているので
最終コーナーをアウトにはらみながら加速するのと
小さく回ってフルトラクションの位置を手前に持ってきて加速すると
どちらも同じような到達速度を得ることができます
コースレイアウトの妙
Wさんが1コーナーをクリアします
Yさんが1コーナーをクリアします
Sさんが1コーナーをクリアします
Hさんが1コーナーをクリアします
Wさんがヘアピンを駆け上がります
Oさんがヘアピンを駆け上がります
2日目の昼休みに全員で記念撮影
ユイレーシングスクールでは
人も数を合わせるために
写真NGの人には後ろを向いてもらって記念撮影に入ってもらうことにしてるけど(笑)
今回は全員がOKで
全員の顔に熱意を感じます
Oさん、Kさん、Yさん。3人合わせて225歳。まだまだ。クルマの楽しみ追及はこれからです。OさんとKさんは前夜の懇親会にも出席。クルマの運転を肴においしくいただきました。Oさんは2003年5月のYRSドライビングスクール筑波が最初のユイレーシングスクール。以来80回参加。今年6月にサーキット走行を始めたのKさん。少し重くてトルクのあるクルマで難儀しているなと思っていたら、タダモノではないクルマで登場。Yさんは奈良からはるばるやって来てくれたユイレーシングスクール初体験。いたく気に入ってくれたようで、また参加しますとメッセージが。
昼休みにルノー車の記念撮影をしましょうと声をかけて
ルノー乗りの参加者とルノー乗りのスタッフがコース上に
配色はこれで良かったかな
撮影は某イタリア車に乗っているスタッフT
四国高松から毎回YRSツーデースクールFSWに参加してくれているIさん
今年は四国の阿讃サーキットで会えなかったから
3月のYRSツーデースクールFSW以来
来年5月に阿讃サーキットでルノークラブ走行会ができるといいですねIさん
Oさんも毎回YRSツーデースクールFSWに参加してくれている
1日の長があるIさんより速く走りたいと鋭意努力中
Oさん時間を作ってYRSオーバルスクールFSWに来て下さい
特訓しましょうよ
2013年8月のYRSオーバルスクールFSWで
初めてユイレーシングスクールに来てくれたHさん
以後たびたび顔を出してくれている
YRSツーデースクールFSWも毎回だし
9月のYRSドライビングスクール筑波でFJ1600のも乗りました
その上ルノーの走行会でSさんにユイレーシングスクールを勧めてくれた本人
そのHさんの誘いに
初めてユイレーシングスクールに来てくれたSさん
いろいろと目から鱗と高評価をいただきました
操作はすごく丁寧でした
クルマの挙動が遅滞なく感じられるようになったら
メリハリをつけてもう少しクルマを積極的に動かすといいかと
以前乗っていたメガーヌⅢRSを手放し
軽快さを求めてルーテシアⅢRSを手に入れたと言うYさん
ターンインでの姿勢作りはさすがでした
NAエンジンを楽しんでいる様子がうかがえました
サーキット走行の誘惑に勝てず
ルーテシアRSトロフィーを増車した三重県から毎回参加のWさん
Wさんは6月のYRSドライビングスクール筑波に
遠路はるばるFJ1600に乗りに来てくれた
毎回仕様が進化しているのは知っています