1周1,039mの筑波サーキットコース1000
限られた敷地にできるだけ長いコースをと
回り込んだコーナーを多くして
コーナーの曲率の割にはコース幅が広く
走行ラインの自由度が高く
練習にはうってつけ
ブログ 第601回 筑波サーキットコース1000の走り方
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ユイレーシングスクールは筑波サーキットコース1000を終日使ったドライビングスクールを開催しています。朝一番の1コーナーだけを使って行うイーブンスロットルとトレイルブレーキングの練習が特長です。先行きサーキットを走るつもりのない方もサーキット走行のベテランもクルマの動きを理解する絶好の機会です。
7月18日(木)開催 YRS筑波サーキットドライビングスクール開催案内へのリンク
今年2回目のYRS筑波サーキットドライビングスクール
メガーヌRSトロフィーに乗るOさんが
5月末の1回目 に続いて受講してくれた
走行は9時から
9時前なのに32.5度
結局昼過ぎでも36度には届かなかったものの
蒸し暑い1日だった
失敬いな!< 湿気いな!
イーブンスロットルとトレイルブレーキングの練習で
参加者全員がインフィールドのストレートに移動
コース1000の外周だけ使って練習
Oさんが最終コーナーを立ち上がる
参加者を2班にわけて
一方が走行しもう片方はその走りを見学
Oさんがストレートを加速する
1コーナーを抜け2コーナーに向かうOさん
1コーナーに向けてブレーキング中のOさん
舗装の継ぎ目あたりがターンインポイント
1コーナーのインをかすめるOさん
エアコンの入っている室内でミーティングをしたいけど
コース1000の教室は2階にあって土足厳禁
その上窓がはめ殺しだから風通しのいいピットで
ユイレーシングスクールではとにかくミーティングとアドバイスを重ねる
走行セッションも短め
その都度テーマを持って走ってほしいのと
走るたびに進歩を見つけてほしいから
だから何でも吸収しようと
他人の走りにも目をこらす
この日の目玉のひとつが外周の逆回りオーバル走行
その後ヘアピンの延長線上にクルマを停めてミーティング
「ね、逆に見ると2コーナーまで登っているでしょ」
下りながらブレーキングするものだからアンダーステアを誘発
ほぼ全員がヘアピンのインにつけない理由を説明
「インにつかないと距離走ることになりますよ」
>>>> ユイレーシングスクールでは次のスクールの参加者を募集中です <<<<
1) 8月20日(土)開催 YRSオーバルスクール参加者募集中
YRSオーバルスクールはユイレーシングスクールの原点です。クルマの性能を発揮させるためのイーブンスロットルとトレイルブレーキングの練習を徹底的に行います。クルマの性能はみなさんが考えているよりはるかに高いものなので、まずそれを味わい操作の良し悪しを検証することによって運転操作に磨きをかけます。公道でもサーキットでも役立つカリキュラムになっています。YRSオリジナル動画をご覧下さい。
・YRSオーバルFSWロング外撮り
・YRSオーバルFSWロング車載映像
・トレイルブレーキングの速さ
・YRSオーバルスクール開催案内&申込みフォームへのリンク
2)8月21日(日)開催 YRSドライビングワークショップ参加者募集中
午後にはYRSオーバルFSWロングを走りますが、午前中は運転操作の基本中の基本、ブレーキングとスラロームを集中して練習します。
制動距離を短くするのはブレーキの性能よりもフロントタイヤのグリップが重要です。どうするとブレーキング中にフロントタイヤのグリップを増やすことができるか理論的に説明し、その後で実際に体験してもらいます。運転で最も重要なのはクルマの動きを感じることです。クルマの動きに合わせた操作が必要だからです。スラロームは左右の連続したステアリングワークが必要で、かつ挙動を利用したスロットルワークが求められます。20m間隔に置かれたパイロンをできるだけ速くクリアする練習を通してスロットルとステアリングの連携を身につけます。運転の基本操作の練習にうってつけのカリキュラムです。
・YRS流ブレーキングの好例と悪例
・YRS流スラロームの好例と悪例
・YRSドライビングワークショップ開催案内&申込みフォームへのリンク
ルノー乗りのみなさんの参加をお待ちしています。
クルマの性能を引き出す操作ができれば、結果的にクルマを走らせている時の安全率を高めることができるし、望めば速く走らせることもできる。だから運転操作の検証は誰もがしたほうがいい、というのがユイレーシングスクールの考え。で、自分の操作がクルマの性能を引き出せているかどうかを検証するのには、少しばかり短絡的かも知れないけれど、サーキット走行がうってつけ。適切な操作ができなければ速くは走れないから、速さを軸に自身の操作のブラッシュアップができる。それに、クルマの運転は速く走ってみないとわからないことがたくさんある。
というわけで、YRS筑波サーキットドライビングスクールでは座学でクルマを正確に動かす方法を解説した後、1~2コーナーを使ってイーブンスロットルとトレイルブレーキングの練習を徹底的に行う。その後コース全周を使って走るのだけど、みんなの走りがどんどんスムースになっていく。
参加者全員がインフィールドのストレートに移動して
イーブンスロットルとトレイルブレーキングの練習の手順を再確認
参加者を走行組と見学組に分け
走行組にはFMラジオを通してアドバイス
見学組には直接アドバイスを聴いてもらう
参加者から質問があれば
走行組の走りをサンプルにして応える
この練習の効果はてきめん
参加者は4本のタイヤを使って走れるようになるから
クルマのバランスを崩す可能性が加速度的に減少する
今回参加したルノー仲間は3人
Oさんとメガーヌ3RS Trophy2
Hさんとメガーヌ3RS
Kさんとルーテシア3RS
YRS筑波サーキットドライビングスクールでは短いセッションを何回も走る
クルマの動きを感じることに集中して走り
冷静に走りを振り返り仮説を立て
仮説が正しいか検証するために走るを繰り返す
22名の参加者が午後の計測ラップだけで合計1051周
最後のセッションの3分前までノースピンノーコースアウトだったのに1台がスピン
スピンやコースアウトはしないほうがいいけれど
それも練習のうち
そうなる操作を経験するわけだから
2度とそれをしないようにすれば進歩がある
次回のYRS筑波サーキットドライビングスクールは7月28日(木)に開催します。ルノー仲間の参加をお待ちしています。
開催案内と申込みフォームへのリンクはこちらから
筑波サーキットコース1000は2000年9月28日に報道者関係者向けに公開された
この日筑波の代名詞だった1周2キロのコースはコース2000という呼称に
限られたスペースにできるだけ長いコースレイアウトを組み込んだ
新たに作られた全長1キロのコースはコース1000と呼ばれることが発表された
写真から見てとれるようにコース1000は回り込んでいるコーナーが多いけど
ストレート以外のコース幅が11m確保されているので
コーナーの曲率に対して幅員が広いコースレイアウト
高速道路の1車線の幅が3.5mだから高速道路3車線以上の幅のある
のでコースアウトする可能性は少ないと言えるけど
どこを走ってもなんとかなってしまうので
速さを追求するには繊細かつ大胆なアプローチが必要になる
さて、
・使うギアは2速と3速だけ
・最終コーナーを2速で立ち上がり3速へ
・コースレイアウトではわずかに右にキンクしてるけどまっすぐ1コーナーを目指す
・1コーナー前の到達速度がそれほど高くないので強いブレーキは必要なし
・むしろブレーキングポイントを早めてしっかりとトランジッションを
・1コーナーは曲率が小さく2コーナーは大きいからターンインの速度が重要
・3速のままターンインしコース幅の半分までトレイルブレーキングを活用
・インの縁石に近づくまでにスロットルに足を移しイーブンスロットル
・1コーナー先右にある退避路の先までステアリングを回し続ける
・2コーナーは速度の低下に注意しながらイーブンスロットル
・ヘアピン手前の短いストレートに向かってステアリングを戻した分スロットルを開ける
・舵角ゼロでフル加速し直進状態でブレーキングし2速に落とす
・ターンイン手前でしっかりブレーキを抜いてヘアピン頂点までトレイルブレーキング
・コーナリング中は速度の低下に注意しながらスロットルコントロール
・ヘアピン立ち上がりのラインを延長させて自然にコース右側による
・コース右側の白線のどこかでインフィールドの左コーナーへターンイン
・ブレーキングすると車速が落ちるし加速もできない
・右足をブレーキペダルに置くだけで減速度はエンジンブレーキ程度に
・右に退避路が来る前にイーブンスロットルで高い速度を維持
・ステアリングを戻した分だけスロットルを開ける量を探る
・舵角ゼロになったらフル加速して3速にアップ
・外周にある信号機を目指して左ドッグレッグに向けターンイン
・コース1000のタイムアップのキモになる最終コーナーの所要時間を短くしたい
・ドッグレッグより最終コーナーにいる時間の方が長いからドッグレッグは捨てコーナーに
・ドッグレッグのインにつくタイミングでスロットルをわずかに緩めると
・信号機までに長い直線ができるからいったんフル加速
・スロットルオフの挙動を利用して直進状態でブレーキングし2速に落とす
・インの縁石をなめながらアウト側縁石の先端から3分の1とところに出て
・アウト側に追加されたパッチに出ないようにしながらいったんアウトへ
・舵角一定でイーブンスロットルで速度を維持
・クルマにヨーモーメントが働いていれば
・最終コーナーインの縁石付近からスロットルを開けても立ち上がりでコースをキープできる
・積極的にステアリングを戻し少しでも早く舵角ゼロにしてフル加速し3速に
どんなサーキットにも共通する攻略法がある。優先順位と言ってもいい。それは、
① 長い直線に続くコーナーの脱出速度を上げること。クルマは直線でこそ性能を生かすことができる。脱出速度が速ければ到達速度も速くなるから、直線に向けてコーナーを立ち上がり舵角ゼロのフル加速からブレーキングのためにスロットルオフするまでの時間を短縮することができる。
※そんなことわかってるわい、という人がいるけど、そんな人に限って脱出速度を上げる=スロットルを早く開ければいいと勘違いしてトラクションを逃がしてしまい、加速を鈍らせてしまっている現実がある。あげくに、スロットルを開けている時間が長ければタイムが縮まると思い込みブレーキを遅らせてドカンとブレーキをかけて前のめりのままステアリングを切る人もいる。本人は速いと思っていても、減速しすぎでターンイン時の速度が落ちすぎたりアンダーステアが出て失速したり、思い込みでは速く走れない現実がある。
② 高速の長いコーナーの通過速度を上げること。言うまでもなく高速で走ると単位時間あたりの移動量が増える。サーキットの長さやコーナーの長さは不変だから、高速で走るコーナーの速度をさらに上げることができればその区間の所有時間を短縮することができる。
※そんなことわかってるわい、という人がいるけど、そんな人に限ってコーナリング中にスロットルを開けすぎるものだから、アンダーステアが出てステアリングを切り足すはめになって失速している現実がある。フロントタイヤからしかスキール音が聞こえないのは失速のきざし。4輪を使っていればスキール音はほとんど聞こえないはず。
③ サーキットのラップタイムは平均速度の裏返し。ストレートはクルマ任せに走るので構わないけど、あらゆるコーナーを速く走る努力をする。それはブレーキングを我慢することではなく、コーナリングしているのにやみくもにスロットルを開けることでもない。クルマは重たいからバランスを崩すと簡単に軌跡から外れてしまう。前に進まないということは失速に他ならない。その時その時でクルマが走りやすい状況を作ってあげることが肝心だ。
第600回 で触れたプライベートレッスン。ベストタイムをマークしたIさんの42.408秒は十分に速いけど2番手のSさんの42.695秒も遅くはない。それぞれを平均速度に直すと88.200Km/hと87.607Km/h。ベストラップの周を比較するとタイム差が0.287秒で速度差が0.593Kmあることがわかる。
単純に1周43秒と44秒で比べてみると、平均時速は86.986キロと85.009キロで2キロ近い差が生じる。だから1キロのコースであれば、まず全てのラップタイムの差をコンマ3秒以内に収められるような走りを目指すことが大切だ。初めのころはペースが速くなくても再現性のある操作を繰り返し、タイム差を少なくすることができれば先が見えてくる。
Google Mapのストリートビュー を使えば
筑波サーキットコース1000を1周できる
一見フラットなコースに見えるけど
微妙な起伏があって走行ラインに影響を与えます
筑波サーキットコース1000コース図ダウンロード
9月16日(木)に筑波サーキットコース1000でより速い速度からターンインを実現するための練習、イーブンスロットルとトレイルブレーキングに特化したプログラムYRS筑波サーキットドライビングスクールを開催します。クルマを安定させてから4輪を使ったコーナリングを会得するために参加してみてはいかがですか。
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・ユイレーシングスクールの感染対策
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【撮影データ】
日時:7月1日 12時9分
コース:筑波サーキット コース1000
路面状況:セミウエット
周回数:5周(アウトラップ/インラップ含む)
車両:ルノー メガーヌRS
走行距離:4852Km(走行開始時)