トム ヨシダブログ


第370回 スクールの合間にいただきました

4月20日に開催したYRSドライビングワークショップ午前中の様子を収めた動画。

画面手前からスラローム、ブレーキング、フィギュアエイトのコースがパイロンで作ってあって、3グループに分かれた参加者はグループ毎にそれらを順番に走って運転操作の基本を反復練習する。昼にコースを大小のオーバルコースに変更して再度座学を行い、イーブンスロットルとトレイルブレーキングの練習。最後には半径22m直線130mコース幅14mのオーバルコースを全開で、というのがYRSドライビングワークショップのカリキュラム。
正確な操作をするためにいかにドライビングポジションが重要か、クルマの性能を発揮するためにいかに視線のもっていきかたが重要か等など、具体的な操作の手順と同様にクルマを意のままに操るのに必要なことを伝えます。


YRSドライビングワークショップの参加申し込みフォームの中に見慣れた名前が。メガーヌ3RSで何年も通ってくれていた三重県甲賀のWさん。ただし車名が変わっている。さては裏切ったなと、当日ステーションワゴンで現れたWさんに聞いてみると、仕事がらみなのと高齢のお母さんを乗せるのために乗り換えたのだとか。なら仕方ないか。

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スポーツタイプではないクルマに乗ることになったWさん
「ちょっと新型メガーヌ乗りたいんですけど・・・」
走り屋の虫がうづくんだろうね

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というわけで
午後からのオーバルコースを走るWさんが駆るメガーヌRSの姿


で、ショートオーバルだけメガーヌRSで走った後Wさんは、「やっぱり走るクルマはいいですよね」、「ありがとうございました」、「あとは新しいクルマに慣れるために練習をします」って。「早まったでしょ」と笑いながら水を向けると、「そうですね」。でも目が笑っていなかったので、それ以上はつっこむのをやめました。
数年前の5月。ルーテシアRSの助手席から阿讃サーキットへの道案内をしてくれたWさん。「今年はどうするんですか」と聞くと、「クルマは換わりましたけど行きますかね」。 良かった。

『 Wさん、そのうちまた速いクルマに乗りましょうね 』


YRSドライビングワークショップは無事修了。初めてユイレーシングスクールに来てくれたUさんも運転が楽しくなったと言ってくれたし、翌日のYRSトライオーバル向けにパイロンを置きなおしたし、さて夕ご飯は何にする?

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たまには
ということで
いつものあそこに
写真右がスタッフのKで真ん中がY

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ごちそうさまでした



第369回 富士山も春だから

白い楚々とした花が咲いている頃かなと、コース作りの日のお昼に須走にある滝口園を訪ねた。

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まずは本付わさびそば
かわいらしいわさびがまるまる1本
自分でおろしていただきます
自家製のわさび漬けと
わさびの茎の三杯酢漬けが味わえます

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続いてわさび茶漬け
わさびがたっぷり乗っていますが
辛くはなく
ひたすら涼しい風味が残ります


「早く食べたい」と焦り
「美味しかったなぁ」と満足してしまって
食べることに一生懸命になって、わさび田の写真もわさびの花の写真もお店の写真も撮り忘れた恥ずかしさを後で感じ…

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なので
お店の写真はGoogleから拝借
お店の上を通るのは東富士五湖道路
お店のまん前が須走入り口のバス停
お店の向こう側の沢にわさび田が広がります



第368回 間に合った

4月上旬のスクールで行った時にはまだ桜が咲いていなくて、次に来るのが2週間後だったものだから、「今年はだめだろうな」と思っていたのだけれど、4月19日に例のところに足を伸ばしたら、満開からまさに散り始めたばかり。間に合いました。幸せな気分になりましたよ。

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第139回でも見た景色

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曇り空だったのがちょっと残念

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でもオランジュ トニックはいい色だ



ところで、第363回で触れた新東名の3車線化工事だけど、2週間経ったらあちこちで始まっていた。

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「新東名は次の章へ」だと
3車線で作ったのだから
最初から3車線として使っていれば無駄遣いをしなくてすんだのに
誰のせいなんだ
工事費もそうだけど
非効率がもたらした経済的損失は計り知れないはずだ

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路側帯が完全に閉鎖されているところがあるから注意が必要

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走行車線すれすれのガードレール
ガードレールの向こう側で工事をしているのだろう

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見えにくいかもしれないけど
ポールとポールの間にあるカマボコ
路側帯を通れなくするためにあった?
ほんと無駄だった
既に取り外されているところもあった


新東名の浜松付近では追い越し車線の右側の白線が削り取られ、改めて中央分離帯よりに引かれていた区間があった。車線を全体的に中央よりにするためだろう。思っていたよりも動き出しているようだ。やると決めたのだからできるだけ早く完成させてほしい。



第367回 メガーヌRS加速

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メガーヌRSの潜在性能を解き放つため
富士スピードウエイが誇る
全長1475mのストレートの原点で
ローンチコントロールをセット

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左足でブレーキを踏みながら左右のパドルを手前に引く
ローンチコントロールスタンバイインジケーター点灯
右足を床まで踏み込んでから
左足を横に滑らす


背中を蹴飛ばされる感覚、はない。

自分を包む空気が、瞬く間に平行移動を始める。

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搭載したデータロガーによると
最高速は208.88Km/h
最大加速度は0.581
最大マイナス加速度は-0.973
それにしても
シフトアップで加速度の落ち込みがないというのは
昔からクルマを運転している人間にとっては大きな大きな驚きだ
(グラフは赤線/左スケールが速度で青線/右スケールが進行方向加速度)


※今回の試走は次の条件で行った。
・加速と減速は直線部分のみで行う
・加速は。遅くとも200m看板手前で終了する
・機材操作のため2人乗車で行う

※ここに掲載したデータはぶっつけ本番で十分に安全に配慮した1回だけの試走から得たものです。従ってメガーヌRS本来の性能を表したものではありません。

協力:富士スピードウエイ


※マニュアルシフト編は後ほど


第366回 なんだかなぁ

どうでもいいと言えばどうでもいい話なのだけれど・・・。

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ここは
とある病院の駐車場
雨が降っている
画面右手奥にある照明塔のそのまた奥に駐車場の入り口があって
画面左手のはるか向こうに病院への通路がある
停められる台数は多いけれど通路は広いとは言えず
その上
病院の入り口付近に停めようとする人が徘徊するのでかなり混雑している
病院に近いところはに屋根付きのスペースがあるから混雑に拍車をかける

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予約時間に間があるので目の前を通過するクルマをながめていると・・・。

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画面中央の軽自動車は駐車スペースから出てきたところではない
画面右の黒いワンボックスの右にももう1台分の駐車スペースの列があって
その右に駐車場入り口からの通路がある
かの軽自動車は通路を下ってきて空いているスペースに頭を入れて
その先にもクルマが止まっていなかったから
クルマの間をぬって2列目の通路に出てきたところ
できるだけ病院の入り口に近い空いているスペースを目指すという図

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青いクルマもそう
駐車スペースは本来通路ではないはずなのだけど
通路を迂回するでもなく
空いている駐車スペースを次々に 『 ぬって 』
つまり近道だと思っているのか
できるだけ病院入り口に近いところにクルマを停めようと頑張っている


目の前を通過するクルマ全てではないけど、少ない数ではない。たぶん、20台のうちの4台ぐらい。

なぜ躊躇することなくああいうことをするのか、できるのか理解するのが難しい。

そういう人と関わりになりたくないから聞く気など毛頭ないけど、

「なぜ通路があるのに駐車スペースを走り抜けるのですか?」と聞くと、
「空いているから通ってるんじゃない」「問題ある?」と返ってくる気がして、
たぶん、「ならば通路を使っても問題ないことになりませんか」と言いたいのを飲み込んで、
『 あぁ、この人はいつもこういう運転をしているのだな 』 と再認識することで納得せざるをえないのだろうなと。

交差点で信号が青に変わった途端、直進車の目の前を右折するクルマ。駐車場に入ろうと速度を落としたクルマを、対向車線に出てまで迂回するクルマ。対向車線を逆走してコンビニの駐車場に入るクルマ。例を挙げればきりがないけれど、いつからこんな光景が繰り広げられるようになったのだろう。

クルマが好き、運転が好きな人間としてはいたたまれない気分になってしまう。



第365回 ひょっとして

クルマの特性は速く走らせてみないとわからないことがある。運転操作が正しいかどうか判断するのも速く走ってみないとわからない場合がある。

速く、と言っても、個人的にはタイヤを酷使してまで速く走ろうとは思わない。タイヤのコンタクトパッチが常に同じ形状を維持し続け、そしてタイヤが常に回転方向に転がり続けるのが理想だ。

スクールの進行を邪魔しない範囲で走らせるだけなので、まだメガーヌRSの持ち味を堪能できたとは思っていないが、みぞれ混じりの雨が降るとんでもなく寒い日に開催したYRSオーバルレースの休憩時間に走ってみて、『 ひょっとして 』 と思うところがあった。この日のコースはYRSクワッドオーバル

クルマはコーナリングを開始すると走行抵抗が増えるので失速する。速度の低下は減速と同じだから、ブレーキをかけた時のように前輪に荷重がかかる。もしタイヤの限界付近を使って走っているとしたら、前後輪のグリップが均等ではないのでクルマがバランスを崩す可能性がある。だからスクールでは、コーナリング中はイーブンスロットルを保つようにアドバイスする。スロットルをアンダーステアが出る手前まで開けて速度の低下を防ぐ。クルマが加速も減速もしていないフラットな状態でコーナリングすれば、バランスを崩す確率が大幅に減る。

ところが、タイヤが全くと言っていいほど温まらず、路面に冠水しているところがあるというのに、ある瞬間、イーブンスロットルより多めにスロットルを開けたのにも関わらずアンダーステアが出なかった時があった。
『 ひょっとするとこれが逆位相の効果か 』 と思ったものだ。ならば、イーブンスロットルでコーナリングスピードを維持するのではなく、コーナリング中に加速できるのではないかと。もちろん程度問題ではあるけれど。

もう少し奥深くまでメガーヌRSの特性を試してみたくなった。

※ IE(Internet Explorer)でビデオを視聴するのが困難なようです。Chromeやsafari、Firefoxなどのブラウザをご利用下さい



第364回 湖西の桜と雨

冷たい雨が降っている。4月だというのに車載温度計の数字は6℃。

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小山町の桜といい、今年はタイミングが合わなかったようだ。抜けるような青空と満開の桜の競演が見たかった。

でも、話は変わるけどオランジュ トニックはいいね。



第363回 富士山とFSWと食と飲

YRSオーバルスクールFSWとYRSオーバルスクールFSWロンガーを開くため東に向う。

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5時30分
清水IC付近で富士山を見かけて

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ここからだと宝永山が右に見えるんだよな
と改めて確認して

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朝6時15分
御殿場に着いたら
まずいつもの場所で挨拶して

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時間を見つけて桜の名所に行ってみたけれど
今年はちょっと早すぎて

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遠目には赤っぽいし
近くで見ればつぼみはふくらんでいるのだけれど
ひと枝に咲いているのは1輪か2輪で

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YRSオーバルスクールFSW開催日
朝5時55分
快晴に恵まれて
まずは富士山にご挨拶

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YRSオーバルスクールFSWロンガー開催日
朝5時28分
またもや快晴で
小山町須走から富士山にご挨拶

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289回 に登場してもらったHさんが
名古屋の隣町からYRSオーバルスクールFSWロンガーに来てくれて

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294回 で紹介したYRS卒業生でスタッフのYさんとも記念撮影
写真を撮るのを忘れたけど
HさんもYさんもバッヂが CLIO で


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4月7日朝6時45分
富士スピードウエイ沿いにある桜はまだまだまだだな
と思っていたのに

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同日
4月7日午後4時50分
富士スピードウエイ沿いにある桜が華やかになっていて
自然ってすごいね
と改めて思ったものだ


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スクール前日のルーティンで いつものお店
ニュースで駿河湾の桜海老が不漁で漁を中止すると言っていたので心配してたけど
やっぱり 桜海老のかき揚げ定食 がメニューから消えていた

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ないものねだりじゃなく桜海老のかき揚げ定食が食べたかったけど
まだ地あじの季節ではないみたいだったけど
今回はあじのお刺身と生シラス
春よ早く来い

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お行儀の悪いのは承知しているけど
あの 地あじ丼 の味が忘れられなくて
店主には心の中であやまりながら
自製あじ丼
生しらすも涼しくて美味しかった

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夜は夜で いつものお店

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まぐろの赤身に始まって

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いくらおろし

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ししとう

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懲りずにあじのお刺身

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アサリのバター蒸し


ヒールアンドト-がうまくできなかったKさんとTさんがタイミングが合わせられるようになったし、400馬力の4駆セダンを手にいれたMさんも前過重でステアリングを切ることのデメリットを理解してくれたし、今回もスクールは大成功。

スクールにかこつけて美味しいものをいただくといういつもの試みも大成功。満開の桜は見ることができなかったけれど、上出来な新年度の始まりでした。


※ 新東名の2車線区間で路側帯がふさがれているところがいくつも目についた。3車線区間では見なかったので、確認はしていないけど、全線3車線化 が始まったのかも知れない。



第362回 YRSクワッドオーバルFSW

ユイレーシングスクールに来てくれる人に、次は何を楽しんでもらおうかと考えて、今年からコーナーが4つあるオーバルコースでスクールレースとオーバルスクールをやることにした。
ドライビングスクールをやる場合には安全の確保が最も優先されるけれど、それではゆっくり走れば危なくはない、という意味ではない。クルマを運転しているほとんどの場面で人間の能力を超えた速度で走っているのだから、運転そのものに危険は潜んでいる。
だから、安全なのは、運転している人が絶対に事故を起こさないと覚悟してクルマを走らせることだ。そのために何をすればいいかを考えれば考えるほど安全率は高まる。これは公道の運転でも同じだ。

安くはない受講料を払って参加してくれる人に、せっかくなのだから難題を、とデザインしたのがYRSクワッドオーバルFSW。富士スピードウエイの広大な駐車場にパイロンで作った1周約650m、幅14mで、4つの異なるコーナーがあるコース。

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初めてのYRSクワッドオーバルレースはあいにくのみぞれ混じりの雨。小降りになることもあったけど、路面は終日ウエット。それでも初めてのコースを全員が探りながら走っていた。「 あそこはこうだ 」「 あっちはこうだ 」そんな会話が途絶えない。

何ヒートかやったところで、ポルシェ911に乗る常連のIさんがどうやって走るか見せてほしいと言ってきた。滑りやすい路面でのブレーキペダルの踏み方と、ターンインの時に前後輪の荷重が均等になっているか確認したいと言うので、何周かしてみた。下の画像は、Iさんのクルマに取り付けられていたスマホのアプリに記録された走行データ。なんでも、走行ラインで真っ赤になっているところは横Gが1.1を超えている区間だとか。ベストタイムは25秒5。

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スピードを出すことが危ないのではなく、どんな場合でも、技術的にも精神的にも速度をきとんとコントロールできることが安全につながる。雨だから滑るのではなく、路面が滑りやすいのだから常に4輪が路面を捕まえていられるように操作することができれば、クルマがバランスを崩すことはない。

クルマがどんな乗り物なのか確認するために、そして自分の運転操作を確認するためには、速く走ってみることも必要だと思う。それを安全に試せる場所と、速く走るためのコツを提供するのがユイレーシングスクールの役割だと思っている。


下の動画はYRSメールマガジン読者向けに作成したYRSクワッドオーバルFSW紹介ビデオです。