トム ヨシダブログ


第291回 ルノー密度上昇 Sさんの場合

YRS幸田サーキットドライビングスクールに次いで、YRS筑波サーキットドライビングスクールでもルノー密度が上がった。

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写真左から
つい最近インストラクターにそそのかされてルーテシアⅢRSをかってしまったポルシェクラブ千葉のHさん
ポルシェ911、ケイマン、930をに乗り継いできてメガーヌⅡRSに乗り換えたIさん
昨年のYRSツーデースクールに参加して運転がさらに楽しくなったと言う
ルーテシアⅢRSに乗るSさん
末席を汚すのはルーテシアⅢRSでルノーを知ったY


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YRS2回目のSさん
TDSに参加したルノー乗りに感想文をお願いしたら
Sさんだけが送ってくれた
感謝です
全文を紹介します


YRS トムヨシダ様

先日は楽しく参加させていただきました。上達するためにもっと小言(アドバイス)をいただいてもよかったのですが、また次回お願いいたします。YRSを受講すると、運転がますます楽しくなります。

YRSのこと、ルノー車のことを少し書かせていただきました。

イギリスのTopgearという番組で以前、ミカハッキネンがフィンランドにおける気軽に安価に参加できる市民ラリー?が普及している様子を紹介していました。
うらやましく感じました。日本でもモータースポーツがもう少し気軽に参加できる様になるとといいと感じます。こんなに楽しいし、潜在的な愛好者はとても多いだろうと思います。

先日、私はYRSの筑波サーキットドライビングスクールに参加した。2回目のYRS受講であった。午前中は筑波サーキット1000の第1コーナーを題材にして、いかに合理的に速く車を走らせるかを繰り返し練習した。コーナーを曲がるという日常にありふれた動作だが、それを合理的に行うことができなければ速く駆け抜けることはできない。やるほどに課題があり、これが実に奥深く、おもしろい。同日午後はそこで得たものをサーキット周回で発揮するのだが、練習したものがすこしずつでも身についている感覚がとても楽しい。

昼休みは昼食を摂りながら他の参加者の方と談笑するのだが、その中で、車の運転はスキーに似ている、とベテラン参加者の先輩がおっしゃっていた。同感である。正しく加重をかける感覚がなければそもそも安全に滑降することはできない。スラロームする際には両足への加重配分や前後方向への加重移動をスムーズに行うことで美しい弧で無駄なく速く滑ることができる。運転を楽しむ感覚はスキーが楽しいと思う感覚とまさに一緒で、車の運転は奥深いスポーツ性を内包していると改めて感じる。

現在、私の愛車はルノールーテシアIIIRSである。魅力にはまって4台目のルノー車だ。一般ユーザーからするとルノーの車はとてもバランスよくつくられていると感じる。バランスとはメカニカルな難しい話しではない。使い心地や持つ喜び、スポーツ性能等が高次元でさらっとバランスされており、いつも運転が心地よく楽しいと感じる。総合的な印象として乗る人を尊重し大事にする優しさのようなものを感じるバランスの良さなのである。

スキーと同様にドライビングは楽しい。初心者でも楽しいが、上手になればなお楽しい。私を含め、コアなスポーツドライバーでなくとも、運転におけるスポーツ性を尊ぶ人はたくさんいるのだ。様々なレベルの人にとってドライビングがもっと気軽に楽しめるスポーツになればいいと思う。トムさん、YRSの皆さん、これからもよろしくお願いします。

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筑波サーキットコース1000の最終コーナーを回るSさん

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インフィールドから外周に出るSさん

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愛車とおさまるSさん


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YRS筑波サーキットドライビングスクール18年の歴史で同じ練習をしてきました
トランジッションの重要性を理解するために
コース1000の1コーナーでイーブンスロットルとトレイルブレーキングの練習をします
トランジッションで
クルマをフラットにすることができなければクルマの性能を引き出せないからです


今回のYRS筑波サーキットドライビングスクールには、最小年齢19歳から最高齢75歳までクルマを動かすことが好きな人達が集まりました。クルマはロードスターからトヨタマークⅩ、BRZからポルシェ911までさまざまだけど、クルマを改造している参加者が少ないのもユイレーシングスクールの特徴です。

秋にも開催する予定なので、クルマを楽しく運転してみたい方はぜひご参加下さい。



第243回 カングーが そそる

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現段階のクルマの使用目的が『A地点からB地点までできる限り速やかに効率良く移動すること』だから、我が国の交通事情を考えれば動力性能があり余るほど高い必要はないけれど、交通の流れを安全にリードしあらゆる状況で高い走行安定性を示すクルマが選択の対象になる。

しかしたまにだけど、時の流れを気にしないでいい立場にななったらどんなクルマを選ぶのだろうかと想像することがないでもない。何度か代車で借り出したカングーもその対象の1台だ。

初めてカングーに乗った時、日本車にはまず見られないサスペンションの味付けに感激したことは忘れられない。
そして、カングーのある景色が、なんかほのぼのとするなといつも思う。もっとも、まだそんな景色に自分が溶け込む歳だとは思っていないのも事実だけど。


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デザインのせいかカングーのある風景は温かみがあるというか・・・


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カングーが持ち込む色もいい


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荷物を運ぶだけじゃないし


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だいいち、ディーラーのショールームが華やかだもの


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で、突然ですが
カングーで一番気に入っているのがここ
このくびれ

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面と面をつなぐ線の存在感も


ひとつの連続した面でもいいはずなのに“へこんでいる”。

なぜへこんでいるのか? なぜへこまさなければいけないのか? と考えるのは無意味。
ここの逆Rがあるからこそのカングー。    色っぽいじゃありませんか?

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だからと言うわけではないし
多少強引な展開ではあるけれど
カングーにインスパイアされたと言えなくもなく
スマホのケースにも  く・び・れ

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もちろんこんな持ち方はしないけど
持った時のこの安心感はゆずれない

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本稿とは直接関係ないけど
ロック画面にはカングーではないけれどルーテシアRS

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ホーム画面にもルーテシアRS

話を戻して、

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くびれ と形容しても異論はないでしょ


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バックドアの面はルーフに続く水平面で始まり
直径の小さな円筒を縦に四等分したような曲面を経て
巨大な半径の凸面を形成しながらくだり
次にリアウインドウ下端あたりでいつの間にか凹面へと逆転し
くぼましたナンバープレートリセスの中間にピークを持ってくる
だけど
くびれた部分に被いをかぶせればバックドアがひとつの大きな凸断面に帰するという
なんという面の使い方
色っぽいと表現する以外の言葉がない

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逆Rと言えばボンネットにも
天井のライトひとつがこんな風に
面の置き方が景色を変える
まさにデザインの妙


カングーにそそられる !



第206回 キャトルその後

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某月某日午後5時少し前
いつものところに いつものように
そこにいるとホッとする

一杯飲みに行く道で目にするキャトルにブログで触れてから1年あまり。あれ以来、なんどとなく赤提灯に行ったのだけど、そこにいなかった時もあってやきもきしたり。それでも大方はそこにいた。

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今回は背中に注目

相変わらずつややかな赤をまとうそいつは、今回、リアにラゲッジラックを背負って目に飛び込んできた。ずいぶん前のことだけど一番最初に目にした時は、確かルーフラックもついていなかったと記憶するから、また装いが新たに。

失礼を承知で駐車場に入ってぐるり。『こういう造形は心が温まるよな』、といつもの独り言。勝手ではあるけれど、ずっとそこにいてほしいと思う。個人的にだけど、無機質なデザインや奇抜なデザイン、これでもかっていうデザインが増殖するクルマ社会にあって、こいつを見ると目尻が下がる思いになるからね。

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こういうのが似合うクルマは少ない
そう思いませんか

また赤提灯に行こうと思う。



※車名を前回はカトルと表記しましたがネット上で多数派と思われるキャトルに変更しました


第194回 ルノーがいっぱい

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ルノーパッションデイズにおじゃました

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ルノーパッションデイズには各地からルノーと、ルノー好きが集まっていた

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当日。ゲートオープンの5時に合わせるかのように強い雨が降る。それでも続々と集まるルノーユーザー。

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写真は雨が小降りになった6時前のルノーカップ出場車待機場所

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現行生産車が主流だけどあまり見かけないモデルも

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手馴れた感じで出走準備。

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山あいに排気音がこだまするころコースをはさんだ駐車場もほぼ満車

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かってF1GPも開催されたことのあるコースを走る

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走り終わるとボンネットを開けてエンジンを冷やすのはお約束

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この日ばかりはピットサインエリアが特等席

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こちらはファミリー向けのオールルノーランの待機場所
カングーやメガーヌエステートも

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オールルノーランはサーキットのペースカーに先導されて走る

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1周3700mのコースに50台の様々なルノー

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中には懐かしいクルマも

◎ オールルノーランの様子

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観戦に来られた人は家族連れやカップルが多かった

194-15どんなクルマでも参加できる走行会を走るルノーの1
(ルノーオンリーはルノーカップとオールルノーランのみ)

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その2

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その3

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その4

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その5

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パドックには屋台も

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ルノーユーザー専用の駐車場には当たり前だけどルノー車ばかり

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昼近くになって雨の心配がなくなると1コーナー奥の駐車場も満車

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雨が上がったルノーブース

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ルーテシアRSトロフィーと新型トゥィンゴがお目見え

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商品説明中のブレンさん

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雨が上がったので屋根を開けて

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トゥィンゴを写真に収める方が多かった

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たぶん、これはいい

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懐かしいアルフィンドラム

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ルノーグッズの販売も

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ルージュ フラムのルーテシアRSはなかった

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ルノー・ジャポンが展開しているルノータコツボチャレンジ

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挑戦中

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小さい回転半径の秘密

◎ ルノー タコツボチャレンジの様子

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ステージではブレンさんがルノーのモデルについてふだん聞けない話を

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参加者の中にはこんな方も
「もと国王」さんとか

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ルノーカップ参加車の中にはこんな硬派なクルマも
個人的好み

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正規輸入車だとは知らなかった

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お茶目ですね

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自動車雑誌2誌がメガーヌRSをベースに競い合ってチューニングして紙面を飾ってるとか

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速さを競うのはそれぞれの編集長だとか

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朝一番の豪雨が嘘みたいに晴れわたった

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この日はルノー密度が高くて◎

楽しい一日でした。


第142回 ルノークラブ走行会

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全員集合

5月4日。阿讃サーキットでルノーネクストワン徳島とルノー松山が共催するルノークラブ走行会が開催された。

この走行会、20数年前にルノーユーザーの事故がきっかけになって始められたそうで、今回で30回目になるという。
「経験不足に起因する不慮の事故からお客様を守りたいので始めた」という一宮さんのお話を聞いて、何かお役に立てればと押しかけることにした。

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まずはルノーネクストワン徳島に表敬訪問

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予報は外れで日焼けが痛い

せっかくだから座学もやろう、という話になって、集合時間を例年の午後1時から朝10時半にしたのだけれど、座学を始める前にルノーユーザーとその仲間が26名集まった。

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どの顔も真剣そのもの

座学ではいつもの通り、タイヤのグリップの話に始って、運転操作でやってはいけないこととやっていいこと、やったほうがいいことを説明して、参加された方々の質問にもお応えした。

本州以外で初めてのスクールではあったけど、みなさん真剣に話を聞いてくれてとても嬉しかった。

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小さいサーキットだけど設備は万全

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最短距離でクルマを止めるコツを披露

昼食をはさんで、走行は1時から5時まで。走行時間をそぐといけないので、実技はスレッシュホールドブレーキングを体験してもらうことだけにした。全員をお乗せすることはできなかったが、ブレーキペダルの踏み方によって制動距離が大きく変わることははたから見ていてもわかったそうだ。

その後は好きな時に走って、好きな時に休むといういつものルノークラブ走行会。

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合間にコースを歩いて損得勘定の仕方を説明

サーキット走行のベテランから、この日初めてサーキットを走る方まで経験値はバラバラ。大丈夫なのかな、と思っていたけれど、心配する必要はなかった。みなさんご自分のペースを守ってサーキット走行を楽しまれていた。

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走行予定のない方はYRSルーテシアの助手席と後席から

何人かの方を助手席に乗せてオーナーのクルマで走って『理にかなった操作』というものを見てもらったけど、「目から鱗」と言ってくれた方もいたから参考にはなったはずだ。

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ビデオの撮影もしたし

かの一宮さんが0.9ターボのルーテシアを持ち込んでいたから、定員乗車で模範走行(?)を披露した。ちっちゃなエンジンなのに上り坂でも痛痒を感じなかったのは大きな驚き。

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0.9ターボが思いの外速いのに驚いたり

とにかく、コース上にクルマが走っていない時間がないほど、1周40秒台後半~50秒台前半のコースを入れ替わり立ち代わり走ること走ること。 「今日がサーキット初めてなんです」と言ってた方々が、目を三角にするでもなく周回を重ねる。それも初めてにしては大したペースで。 ちょっともったいないところがあったのでアドバイスしたら、その方はベストラップを更新。 カングーも走っていたから速度差は大きかったけど、譲るところは譲り、譲られるまでは待つという秩序あふれる、それでいて楽しさ満点の時間が5時まで続いた。

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定員乗車のカングーが走っていたり

一宮さんも出て行ったら戻ってこないほど運転が好き。なんか、とてもステキな走行会でした。帰りの渋滞が少しばかり苦痛だったけど、それを差し引いても余りある得がたい体験をさせてもらいました。
自宅に戻り、四国が近くなったように感じています。

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見たことのない色のメガーヌRSが走っていたり

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一宮さん お世話になりました。
ルノークラブ走行会 ずっと続けて下さい。

※掲載した写真はYRS卒業生の和田康之とルノーネクストワン徳島に提供してもらいました。


第119回 見た。触った。乗った。

来春発売されるメガーヌ ルノースポール トロフィーRに乗る機会があった。

当日は助手席にゲストを乗せてトロフィーRのパフォーマンスを体験してもらうのが目的だったのだけれど、楽しくて楽しくて、白状すると、その目的を忘れるぐらい本当に久しぶりに「気持ちの良い時間」を過ごすことができた。

パフォーマンスを体験してもらうために最初から最後まで手を抜かずに4時間、富士スピードウエイのショートコースを200周近く走ったのだけれど、トロフィーRはもちろん音を上げなかった。中盤から水温が少し上がりぎみだったがその後は安定していたし、ブレーキフィールも変わらなかった。そんな任務をまじめに遂行しながらの個人的インプレッション。

たぶん、軽量化がトロフィーR最大のアドバンテージだと思っていたから、走行の初めにスレッシュホールドブレーキングとダブルコーンスラロームを体験してもらった(白状すると、自分でそれを試したかったという気持ちが大きかったのだが)。

これが大正解。

タイヤトレッドがかなり磨耗していたのでスレッシュホールドブレーキングではABSが介入する場面もあった。しかし確かめてはいないけど、その介入の仕方がメガーヌRSより少ないというか、細かく制御されているように感じた。その領域に入っても減速度は変わらなかったし、その領域から抜け出すことも簡単だった。
ゲストに「今介入した」と説明はしたけれど、おそらくその違いはわからなかったと思う。

一人目のゲストを乗せてダブルコーンスラロームを抜けた時、思わず「やったぁ」と声が出そうになった。トロフィーRならではの動きが明確にわかったからだ。

軽量化がクルマにもたらす恩恵はレーシングシーンでも日常でも同じ。が、それはあくまでも一般論に近く、相対的な感覚では計ることが難しい。しかし今回はメガーヌRSという物差しがある。
もともと懐の深い足回りを備えるメガーヌRSに対してトロフィーRがどんなそぶりを見せたか。言葉で表すのが難しいけれど、走っていて笑顔にしてくれる、そんな感じ。
それでは説明にならないので、感じたことを文字にすると、
・操作に対してクルマの動きに遅れがない
・ヨーモーメントの中心がどこにあるかわかりやすい
・『おつり』をもらうことが想像できない
・パワーがあるからピッチングの制御が簡単
ということになる。

3周目からタイヤとガソリンのことだけ頭に入れて可能な限り速く走り、その動きを体験してもらった。すると、ダブルコーンスラロームで感じたことがまさにドンピシャ。

3速と4速の加速度が同じだから4速で傾斜5度のストレートを駆け下り、ブレーキングしながら3速に落としコース幅の半分ぐらいまでトレイルブレーキングを使って1コーナーのイン目がけてステア。操縦性がシャープ、という表現はあたらない。とにかくフロントを押さえている限り、舵角とクルマの向きにズレが生じない。言葉を探せば忠実。その一言。

下のヘアピンを登ってインフィールドに入って切り返すところでも、思ったところにクルマを持って行くことができる。なんと言うのかな、前後左右に荷重は移動しているのだけど、4本のタイヤがずっと地面に張り付いていてくれる感じ。

最終コーナーのアプローチでトレイルブレーキングを使った時。意識的に踏力を強めてみても後輪の滑り出しはホントに穏やか。破綻する気配もない。トレイルブレーキングをあえて短くしても、瞬間、エネルギーの方向とクルマの進む方向がズレるように感じるけど、次の瞬間には前後均等に外荷重になる。

大人2人分軽くなるということはこういうことなんだな、と自分自身すごく勉強になった。おそらく、軽量化の過程で高いところの重量が削がれた結果、重心が下がって相乗効果もあるんだろうなと想像もしたり。

走行中、かなりのゲストに「安定してますね」と言われた。「そうですね。すごくいいクルマです」と正直な気持ちを伝えたけど、すぐに「運転手がいいからでもあるんです」と付け加えることも忘れなかった。みなさん、「そうですね」と運転の仕方にも興味を抱いてくれたようなのが嬉しかった。

どんなに性能の高いクルマでも性能をきちんと引き出す方法を知らなければ、速さは即危険とイコールになるし、第一楽しくない。実際、限界を試すことなど無意味なほどトロフィーRのポテンシャルは高い。

運転を教えている立場の人間のあくまでも個人的な意見なのだが、トロフィーRは運転の仕方を教えてくれる良き先生になると思う。だから、ずっとノーマルのまま乗り続ける覚悟があって、クルマの動かし方をずっと模索し続けようと思う方にピッタリ。飾っておくだけじゃもったいないし、限界を超えて走ろうとしても楽しくないし、トロフィーRの良さはわからない。たぶん、トロフィーRの良さは長い付き合いができる方にしかわからないと思う。

昔からクルマに乗っているせいか機械にお世話になるのを好まない。ルーテシアRSを買ったのも、おせっかいでないクルマがなくなってしまうという危機感からだ。今回、トロフィーRに乗せてもらって、今の時代にしてみればおせっかいではないクルマ、自動車の本質をついたクルマを作るルノーの潔さに拍手を送りたいと思った。そして、こんな得がたい時間を与えてくれたルノー・ジャポンに感謝したい。


第104回 ホットハッチ考 3


エンジンが官能的でM3はいいクルマだった

クルマは動けばいいと思っているし、特にLAでの生活ではクルマはあくまで移動の道具。好きな人はスポーツカーを買ってマリブに走りにいったりするが、個人的には無目的にクルマをころがすのは好きではないから、もっぱらクルーキャブやサバーバンを足に使っていた。
ただ奥さんは乗用車がないのが不満だったので、アメリカではほんとうに貴重なE30型のM3も所有していた。日本でドライビングスクールを始めてからは子供の足になっていたが、そのうちにMTは面倒くさいという理由でクルマ好きにもらわれていってしまった。なんという親不孝。

M3はハッチバックではないけど、乗用車に乗るのならこういうクルマ以外は考えられない、という自分のポリシーに則って選んだ。
要するに、コンパクトで、交通の流れを安全にリードできる動力性能を備えていて、全ての操作に対してリニアに反応するクルマ以外には食指が動かないのだ。
ついでに言えば、E30以降のM3は自分の中ではM3ではない。もちろん世の中が変わっているのだから受け入れるのがふつうなのだろうけど、だんだんと大きくなってきたM3にはもはや触手が伸びることは絶対にない。


自分の目に狂いはなかった

2010年5月21日。その年2回目のエンジンドライビングレッスンにルノー・ルーテシアRSに乗ったIさんがやってきた。その日、日常ではほとんど縁のない所有欲が顔をのぞかせた。
実はその日まで、ルーテシアRSの存在を知らなかった。と言っても、ルノーのモデルだけではなくNA型とNB型のロードスターだってごちゃまぜにしてたし、ポルシェにいたっては何型だろうとGT3以外はポルシェ911と参加者名簿に記入してしまうぐらいのクルマ音痴だから他意はない。

が、この日はルーテシアRSを同乗走行する機会がなかったものの、かなり気になった。
「え、NAで200馬力」
「このルーバーってダミーじゃないの」
あちこちから見回すと、いかにも踏ん張りそうなタイヤの配置が気に入った。


足としての完成度は抜群

聞けば、近い将来、日本への輸入が途絶えるという。「じゃ急がなくちゃ」というわけで筑波サーキットから注文を入れてしまった。試乗もせずに。
結論から言うと、これが大当たり。自分の思想にピッタリ。昔から『狼の皮をかぶった羊のような』クルマがお気に入りだったけど、それを現代のクルマで達成できたことがすごく嬉しかったし、FRとFFの違いはあってもM3を走らせていた時のような気持ちの良さを感じることができた。


こんなシーンもあった

ルーテシアRSの購入を期に、ルノー・ジャポンのサイトでブログを書かせてもらうことになった。これにはおまけがあって、ルノー トゥィンゴGTを貸してくれるという。トゥィンゴGTの活躍は今までのブログに書いてきたが、この弟分も、低速トルクが少しばかり細いのとトラクションコントロールを解除できないのを除けば、個人的な要求を満たす立派なホットハッチだった。


トゥィンゴGTが収まる好きな景色


トゥィンゴRSを教材に

トゥィンゴGTの販売終了にともなってやってきたのがトゥィンゴ ゴルディーニ ルノー・スポール(以下トゥィンゴRS)。トゥィンゴGTより少しばかりこわもてでタイヤがさらに突っ張っているトゥィンゴRSは、その軽快さにおいて、自分の歳を考えなければルーテシアRSに劣らない現代版ホットハッチの雄だった。
その活躍もブログにつづったけど、とにかく乗っていて思わずにやけてしまうほど。


購入前にAさんから相談を受けた
もちろん、買わないと後悔しますよと勧めた


トゥィンゴRSは走りにこそ価値がある

これはずっと昔からのことなのだけど、クルマを運転する時には荷重の移動を強く意識している。荷重の移動がクルマの姿勢変化に大きく影響しするので、クルマの性能を引き出すのもスポイルするのもひとつに荷重移動のさせ方にあると思っているからだ。

目指すのは、いかなる場合もトレッドとホイールベースが作り出す長方形の範囲に移動を続ける重心をとどめておくことだ。クルマに求めるのもこの1点。間違った操作をしていないのに、重心が長方形からはみでようとするクルマは好きになれない。どこかで、いずれbeyond controlになる。
クルマを走らせる時。いつもトランジッションで重心がホイールベースの中心に位置するように、「タメ」を作ることにしている。そうすることで、次の操作に移る前に4本のタイヤを均等に地面に貼り付けておけるし、タイヤが路面をとらえている状況がわかりやすいから操作の過不足を回避できる。

ルノーの3台は、決してお世辞ではなく、自分が目指す運転に完璧に応えてくれる性格の持ち主で、まぎれもないホットハッチだった。


ルノーの足を受け継ぐカングー

代車に借りたカングーは、ホットハッチではないけどルノーの思想を垣間見ることができた貴重な足の持ち主だった。
以前にも書いたと思うが、ホットハッチ3台と同様にノーズダイブの際の振る舞いがいい。多分リアサスペンションの伸び側に秘密があるのだろうが、荷重が前に移動する時に長方形の前端を超えるような動きを一切見せない。背の高いクルマとしては、実にしつけが行き届いている。

だから、ルノーがそばに来てからの3年半でますます運転がうまくなった、と実感できるのがとても嬉しい。

ホットハッチ考 続く


第63回 必要にして十分

東名鮎沢SAからの富士山

昔も今も「羊の皮をかぶった狼」と形容されるクルマが好きだ。
軽自動車免許を取って公に運転できるようになってからまもなく48年になるが、その間、乗用車を手に入れるなら絶対に羊の皮をかぶった狼のようなクルマにしたいと思い続けてきた。

小山町からの富士山

初めてそのフレーズを目にしたのは、免許年齢前のこと。自動車雑誌を読みながら妄想にふけっていたころ。確か、英国フォードが作っていたフツーのセダンのコルチナにツインカムエンジンを搭載し、レースやラリーで大排気量のクルマを相手に奮闘していたことから形容されたと記憶する。なんてことのない外観をしながら内に秘めた実力は本物。いざという時には身の丈を超えた力を発揮する。そんなクルマに憧れていた。

誤解のないように付け加えよう。羊の皮をかぶった狼的なクルマが好きなのは、それを手に入れれば自分が狼になれるからではないし、狼になりたいと思っているわけでもない。まして、狼になることを羊の皮をかぶることで正当化しようとしているのでもない。それはさておき、

小山町からの富士山

昔、八重洲出版が発行するドライバー誌の嘱託をしていた頃の話。カローラレビンが憧れだった。初代の27レビンだ。そのレビンがモデルチェンジをして37になった時、試乗して大いにがっかりしたことが記憶の片隅にある。試乗記の担当ではなかったので原稿にはしなかったが、編集部で「これは改悪だな」ともらしたものだから大論争になったことがあった。
確かに37レビンは27に比べて高級感が漂うクルマに仕上がっていた。しかし大きくなって重くなりバネ下がドタバタする37は自分の尺度で測ると、二歩も三歩も憧れの存在から遠のいてしまっていた。
ところが、編集部では37レビンの評価が高かった。クルマの進化はかくあるべし、という論調が多数を占めていた。硬めのサスペンションで乗り手に「クルマに合わせろよ」と強いていた27から、「あなたにも乗れますよ」ともみ手しているような37になったというのに、だ。
「だったらレビンである必要はないだろ」と心の中で軟派な編集部員達に毒づいたものだ。それはさておき、

小山町にて

ユイレーシングスクールを始めるために日本に来た1999年。足がないと困るだろと、某自動車雑誌の編集長がサーブ900をくれた。サンルーフ付きのマニュアル。かなりくたびれてはいたが、ターボチャージャーで過給されていたし、屏風のようなウインドシールドのおかげ(?)で、それなりに羊の皮をかぶった狼的ではあった。それはさておき、

富士スピードウエイで

日本に来てからしばらくは、ユイレーシングスクールと掛け持ちで茨城県にあるカート場でモータースポーツファンを増やすことに没頭していた。そのカート場には軽トラックがあって、これが楽しくてしかたがなかった。カート場の周囲は田んぼであぜ道というか簡易アスファルトの細い道が縦横に走っていた。ここを軽トラックで走るのは本当に気持ちが良かった。
なにしろ空荷だと極端なフロントヘビー。そこにオーバーハングするように運転者が乗るものだから、右前輪の過重は増えるばかり。あぜ道を快適に走ろうとすると正確な姿勢制御が必要だった。幸いリアがソリッドアクスルで常に対地キャンバーが不変だったから、ひんしゅくをかわない速度でも面白いようにスリップアングルをコントロールできた。

軽トラックは軽トラックで狼が中に住んでいるわけではない。しかし荷物を満載しても走るように作られた軽トラックは、空荷の時ならば乗り方によって羊の皮をかぶった狼の息子ぐらいに変貌した。

余談ながら、そのカート場にはラジコンカー用のオーバルコースがあった。カート2台を横に並べればあまり余裕のないコース幅ではあったが、そこを使ってレンタルカートでレースをやった。「こんなところで抜けるわけがない」、「レースにはならない」との声をよそに、オーバルレースの走り方を説明しながらカートではベテランの連中に試してもらったら、見事レースになった。追い抜きにはみんなが歓声を上げた。残念なことにかなりのスキルがないとレースにならずパレードになってしまい、日本初のグラスルーツオーバルレースがお蔵入りになってしまったのが悔やまれる。それはさておき、

琵琶湖を背景にマキノ町で

2010年の春だったか、エンジンドライビングレッスンにルノー ルーテシアRSで参加された方がいた。不明にも、その時までその存在を知らなかった。しかし聞けば、リッターあたり100馬力で車重1.2トンちょっと。この日はルーテシアRSの同乗走行をする機会がなかったから、結局その走りを体験することはできなかった。

それでも、『その匂い』がプンプンするルーテシアRSの魅力には勝てず、その日のうちに購入を決めた。まだ乗ってもいないのに、だ。自分用に買った人生2台目の乗用車が終生の伴侶となった。それはさておき、

マキノ町ではこんな低いところに虹が

クルマを選ぶ時はそんなもんだ。理屈はいらない。要は、自分の主張に合うクルマに出会うことができるかどうかだ。その意味では、あの日ルーテシアRSでエンジンドライビングレッスンに参加してくれたIさんに感謝しなければならない。それはさておき、

もっと緑が濃くなるころに来たいマキノ町で

筑波サーキットでルノー トゥィンゴ ゴルディーニRSを受け取った帰り道。兄貴より小さくて力もないけど、その勝るとも劣らない狼度を満喫しながら670キロを走った。

もちろん個人的な気持ちではあるのだが、ルーテシアRSを所有していながら弟に惚れた。確かに長距離を走るのならばルーテシアRSのほうが楽ではある。歳を考えればルーテシアRSのほうが似合っているかも知れない。絶対的な性能も弟を上回るのも事実。

しかし選んだクルマがそういうものだと覚悟を決めれば、弟ではいけない理由はなくなる。大きさもいい。足もよく動く。第一、4,000回転回っていれば自分の気持ちを抑えることが必要になるエンジンがいい。

どんなクルマでも性能を『満喫する過程』が楽しいものだ。絶対的な速さと快適さ同時に求めるのならばそれに応えてくれるクルマはたくさんある。でも、大切なのは等身大の自分を表現できるクルマに出会うことだ。

それは、数値には表れない感覚的なもの。自分が使いきれるか使い切れないかのギリギリで操ることができるクルマに乗りたい。
それは、クルマを走らせる時、常にクルマに対する畏怖の念を抱いていたいからなのだと思う。


第62回 これはいい

ルノー トゥィンゴ ゴルディーニ ルノー・スポール走る。

新たにYRSフリートに加わったトゥィンゴ ゴルディーニRS。
まだその持てる実力を全て引き出したわけではないが、この工業製品はクルマ好きにとって『買い』だと直感した。もちろん個人的な感想ではあるのだが。そして悔しいことに、生涯の伴侶として選んだルノー ルーテシア RSを上回るほど官能的。

クルマを意のままに操りたいと思う、あるいは思ったことがある方は、すぐにでも手に入れる算段をしたほうがいい。そしてユイレーシングスクールのオーバルスクールに参加してほしい。間違いなく『人車一体』を味わえるから。


第61回 新・相棒の名前は

少し長くて、ルノー トゥインゴ ゴルディーニ ルノー・スポール。

ルノー ジャポンがトゥィンゴGTに換えてユイレーシングスクールに貸してくれることになった。4月からユイレーシングスクールの活動を牽引していってくれるトゥィンゴ ゴルディーニ RS。ブログや動画に登場することになる。

まずは富士山にご挨拶

枝垂桜や

紅梅や

桜と

湖西の桜には間に合った

1週間前にはまだ蕾だったのに

少しばかりトゥィンゴGTよりいかめしいけど、昔の人間にとっては嬉しいNAエンジン。これからじっくりと付き合っていこうと思う。