トム ヨシダブログ


第473回 ひと区切り (前)

間もなく3年。長いと言えばほんとうに長かった。

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2017年のルノーネクストワン徳島主催のルノークラブ走行会
ここから全ては始まった


2017年5月1日。多少違和感があったので近くの眼科で診察してもらう。眼圧が高いとのことで内服薬と点眼薬を処方してもらう。

同5月2日。午前中に徳島に向けて移動。ルノーネクストワン徳島で一宮さんに挨拶してから三次市へ。午後ホテルに逗留するも右目にもやがかかったよう。前日から薬を飲み点眼薬をさしてきたが効果なし。

同5月3日。早朝から阿讃サーキットに向かう。一番乗り。右目はかんばしくなく視野全体が黄色がかっている。参加者が集まり座学を行い走行が始まる。運転には支障がないからリードフォローと同乗走行。ところが昼前になって右目でモノが見えなくなる。不透明の黄土色の円が視野のほとんどを覆っていて、目を上下左右に動かすと円の周囲の像がかすかにわかる程度。走行会の進行を妨げるといけないのでそのまま夕刻まで。走行会が終わるころには右目の視界を完全に喪失。いつもは最後まで残って参加者を見送るのだけど、一宮さんに事情を説明して早めに山を下りる。

どうしたものかと三次町の眼科医に電話をしてみるが休日で応答なし。その後何をしていたかの記憶が途絶えている。どうしたらよいのか何かをしていただろうことは間違いないのだけど。吉野川SAで暗くなりかけてから三次救急病院に電話したところから覚えがある。もちろん眼科はあるのだけどこの日は担当医が不在。どうしてもだめかと食い下がるも不発。右目が見えないのでなんとか状況だけでも知りたいと訴え続けると、運転できるのならと徳島大学病院に行くことを勧められる。
自分でも片目でそれまでと同じ運転ができることに驚きつつも70キロを走って徳島大学病院へ。休日のこの日だから担当医がいるわけがなく、救急外来受付でなんとか現状を把握したいとお願いすると眼科の先生に連絡をとってくれた。事情を説明すると、自宅にいらした先生が病院に来てくれるとのこと。

先生に診てもらえばなにがしかの結論が出るだろうと、ならば先生を待つ間にできることをしようと片目で合法的に運転できるのかを検索。見えるほうの目の視野が150度以上あって視力が0.7以上ならば運転できるとあった。悪くころんでもスクールは続けられる。身体の力が抜けたのを覚えている。

夜9時半ごろ始まった検査はいろいろな機械を使って行われた。ひとつの検査が終わるとどの結果が出るのを待ってから次の検査。眼科病棟には担当してくれる仁木先生と自分だけ。診てくれるだけでほんとうにありがたかった。検査に1時間ぐらいかかったと記憶している。全ての検査が終わり先生に診察室に呼ばれる。

そこで、右目が見えない原因が細菌性眼内炎だと教えられ、状況としてすぐに手術をしなければ失明する可能性が高いと告げられた。1週間は入院する必要があるとも。そんなたいそうなことだなんてにわかには信じがたく、自分のことではないようなおかしな感覚。失明はむろんのこと避けたいが、不慣れな土地で何の用意もない状況で手術をすることにも展望が開けなかった。滋賀県の大津に住んでいる旨を伝え、手術が必要ならば自宅の近くでやりたいと訴えると、「ほんとは今やるべきなんですよ」と念を押されながらも滋賀医大病院宛の紹介状を書いてくれることになった。そんな事態の推移をどこか他人事のように眺めている自分がいた。

徳島大学病院を出たのが11時。方向性は決まった。滋賀医大病院に行く前に自宅へ、再び暗い高速道路を片目で走り230キロ先の我が家を目指した。

同5月4日。3時間ぐらいは仮眠できたと思う。とにかく朝一番で診察してもらうために早めに家を出る。
それまで入院したこともなければほとんど病気もしたことがないので勝手がわからなかったのだけど、紹介状があるからといってすぐに見てもらえるわけではなかった。ずいぶん待たされ、病人をほっておいていいのかと焦りも感じ、それでも遅い午前中に森先生が検査をしてくれた。ベッドに横になって何かの機械が顔の上に乗っている。そこへもうひとりの先生が入ってきて森先生と話している声が聞こえた。「やっぱり切るか」とか、そんな会話だった。
待合室で待っていると森先生に呼ばれ、「これから手術をしますから入院の手続きをして下さい」と言われる。予想はしていたものの、今日やるんだと自分に言い聞かせなければならなかったのを覚えている。

せっかく入院するのだからと個室に変更してもらい自分の時間と空間を確保して強がる。いよいよ手術。全身麻酔は使わないと告げられ、痛いのはいやだなぁと思いながらも段取りは進み、手術室へ。「私が執刀します」と入ってきたのが森先生と会話していた澤田先生。看護師に促されベッドに寝かされ頭を固定され。その上に重たくて分厚い感じのブランケット様のものが置かれた。右目の部分だけが開いているようで左目は何も見えない。頭は動かない。その間にもおびただしい量の消毒薬をかけられ、最後に目を閉じないようにまぶたを広げる器具が装着された。右目はまばたきができない。手術灯が点灯すると、視野全体を覆う黄土色の膜がパッと明るくなった。

これから何が起きるか全く想像できない。どんな痛みが襲ってくるのかもわからない。深呼吸してこれから起こるだろうことに備えているうちに、ある瞬間右目に痛みを感じた。小刀で指を切った時に感じる痛みのようではなく、頭の中まで到達しそうな勢いのある痛みだった。口を結び痛みに耐えながら、忘れていた2011年にやってもらった白内障の手術と同じ痛みを思い出していた。

<続く>

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昨日の診察で澤田先生が
次は来年の1月で問題ないだろうと
目薬は続けるけどそこまで先延ばしできるということは
とりあえずの心配事はないとの判断だろう
細菌性眼内炎も終息に向かっているのだろう
もうすぐ3年
ひと区切りというところか

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昨日眼科の受付に行くと
問診表を書くように言われた
コロナウイルス対策の一環のようだ
県外に行ったことを丸で囲んだら
何県に行ってどこを訪ねてどんな人とどんな形で会ったかを
かなり詳しく聞かれた



第472回 懐かしきスターレット

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1984年
SCCA Run-Off が開催された
ロードアトランタのパドックで
後にこのスターレットを購入することになったGreg Hotzが
当時撮っていた写真をつい最近送ってくれた


1985年。SCCAクラブマンレースレース参戦4年目に向けて準備をしていた頃。子供を授かったことを知った。

ある日、トーランスの病院に行くと先生が言った。「トム、喜べ、ツインだ」。    一瞬絶句。
頭の中をいろいろな思いが駆け巡る。医療費の高いアメリカ。出産後に手助けしてくれる人のいない環境。展望が開けない。

わずかに、双子なら出産費用が倍にはならないなとよこしまな考えに救いを求めたものの、先生から告げられたのは「トム、お金はあるか? ツインの場合は余計に費用がかかるからな」だった。

2年連続でSCCAカリフォルニアチャンピオンを獲得していたからレース活動を続けるつもりだったけど、2年半の間毎回レースに付き合ってくれて、ラップタイムを記録してくれて、無線で叱咤激励してくれて、夏の暑い日にはトレーラーの中でそうめんを作ってくれた奥さんの一大事。男として腹をくくった。

持っていたトレーラーのロールスロイスと言われる45フィートのシャパラルトレーラーと日本のTRD綱島で作ってもらったスターレットを売却し、いったんレース活動を封印することにした。もちろん後悔はなかった。

今となっては懐かしい思い出。35歳になった息子達はアーバインで元気に暮らしている。



第471回 YRS鈴鹿サーキットドライビングスクール

sds
4月8日に開催する旨を告知したばかりですが
ここ数日の新型ウイルス感染者の1日増の数字をみると
事態が収束に向かう可能性は低いと考えられ
予定通り開催するのは難しいと判断するにいたりました
よって
5月11日(月)に開催を予定していたYRS鈴鹿サーキットドライビングスクールは中止にいたします


既に、参加を申し込まれている方には別途メールで連絡いたします。


第470回 YRS鈴鹿サーキットドライビングスクール

緊急事態宣言が発令されたのを受け、先ほど鈴鹿サーキットおよびツインリンクもてぎは4月10日から5月10日まで休業することを決定しました。
予断は許されない状況ですが、ユイレーシングスクールとしては5月11日(月)に予定しているYRS鈴鹿サーキットドライビングスクールを開催する方向でいますのでお知らせします。もちろん今後状況が変化すればそれに対応することになりますが、現時点では継続して参加募集中です。諸般の状況を踏まえた上でのお申込みをお待ちしています。

◎ YRS鈴鹿サーキットドライビングスクール開催案内

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昨年は
鈴鹿サーキットを初めて走る人もベテランの人も
1時間+インターバル+1時間の走行を大いに楽しみました
今年もみなさんの笑顔が見られることを願っています



第469回 4月開催予定のYRSxエンジンドライビングレッスン中止

緊急事態宣言が発令されることを受け、筑波サーキットは4月9日からゴールデンウィーク明けまでの活動を休止します。これにともない4月23日(木)に開催を予定していたYRSxエンジンドライビングレッスンは中止になります。ご了承下さい。

中止した分の扱いについては現在協議中なので、決まり次第お知らせします。

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写真は昨年4月25日に開催されたYRSxエンジンドライビングレッスン
早くまたみんなの笑顔が見たい!



第468回 富士山とFSWと食

ドライビングスクールでクルマの楽しさをさらに加えて知ってもらったり、新しい発見をしてもらうことはホントに幸せなことだ。クルマが全てだった70年に渡る人生を現在進行形で集約し、集大成につなげられているのだから。これ以上の時間は得られない。感謝以外の何物でもない。だから、できるだけ自分でしてきた、一般的に見れば得難い経験や広範囲に渡る知識を参加者に積極的に伝えておきたいと思っている。

そんな気持ちが醸成された結果なのか、昔は好き嫌いはあったもののあまり食べ物に執着がなかったけれど、ユイレーシングスクールを始めてから少し食べるものにも欲がでてきた。自分が何を望んでいるか確認したくなってきた、ということだろううか。決して食通だとは思わないけど、素朴で素材がそのまま感じられるモノを食べたいという主義が明確に。あちこち当たってみて、ここはと思うお店をみつけるとそこしか行かないワンパターンだけれど、感激できるうちはそれで良しとして幸せを感じている。

そして、FSWのスクールは富士山に逢えるのが嬉しい。FSWが2005年4月10日に正式リニューアルオープンする前にお願いして、2004年3月から最初に完成したジムカーナ場を使って特別にドライビングスクールを開催させてもらっていた。それ以降、富士山と顔をあわせた日は果たしてどのくらいにのぼるのか。逢えない日ももちろんあったけど。FSWに行くたびに見せてくれる、二度と同じであることはない富士山の表情も幸せにしてくれる。

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3月19日
快晴
御殿場市山之尻から朝5時50分の富士山を仰ぐ

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沼津魚市場第一市場前にあるむすび屋さん
残念ながら地アジはまだみたい
駿河湾に春よ早く来い
なので今回は本マグロ定食を
トロもおいしかったけど赤身もたまらなかった

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須走の街並みから少し外れたところにある滝口わさび園で
本付きわさび蕎麦を

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お店の横にわさび田がある
ここのわさびはそれほど辛くはないけれど香りがなんとも言えない
わさびの花の時期なのに写真を撮り忘れたのが✖

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欲張って
わさび茶漬けも
わさびの葉っぱの上の本わさびがたまらない
お出汁も最高
お腹いっぱいに


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19日
YRSツーデースクールのコースを作っていたら
富士山の方向になにやら神秘的な光が
夕暮れで曇っていたから暗いはすなのに
富士山の裾野が明るいのが不思議


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御殿場ICに近いさかな屋さんで一杯
焼き物に焼き魚に好物に水割り
いつも何にするか悩むのが悩み
後になってあれを食べれば良かったと後悔したり

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3月20日朝6時5分
YRSツーデースクール1日目
FSWに向かう途中
山之尻から仰いだ富士山
19日の写真と比べて裾野あたりの雪が減ったと思いませんか

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3月21日朝5時40分
YRSツーデースクール2日目
朝風呂から出て
須走からの富士山を仰ぐ
もう少し待てば赤みを帯びたのだけど
見る方位によって姿を変える富士山に目を奪われる

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3月21日
YRSツーデースクール2日目が終わって
ショートコースから東ゲートに向かうと正面に
17時35分の富士山が

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FSWで3日間のスクールを終えていつもの場所に
3月22日17時55分
山之尻から富士山にさよならをして西に向かいます


3月20日。YRSツーデースクール1日目午後。身体が持っていかれそうな強い風の中。参加者がオーバルコースを走ります



第467回 Spring has come

4月5日日曜日朝。湖西にも春が。

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第466回 YRSツーデースクールと動画

今回のYRSツーデースクールはスタッフのTさんが神出鬼没の大活躍。静止画と動画を撮影してくれました。

※YRSツーデースクールの進行については第464回をご覧下さい。

◎ スラロームのデモラン(良い例です)

◎ ブレーキングのデモラン(小さくて見えにくいですが良い例です)

◎ フィギュアエイトのデモラン(良い例です)

◎ オーバル走行(YRSオーバルFSWロング右回り)

◎ FSWショートコースストレート
ストレートが下り勾配なので前荷重でターンインすると右前輪に過大な負担がかかり大きなスキール音が発生します。しないということはブレーキング区間の最後にクルマがフラットになっている証拠です。ブレーキングは遅らせるものではなく、それよりもブレーキング終盤の姿勢のほうが速さには結びつきます。

◎ FSWショートコース1コーナーからヘアピン
午前中の早い時期の動画なのでまだ前荷重でターンインしているクルマがあります。荷重がどこからどこに移動しているか想像してみて下さい。

◎ FSWショートコース俯瞰
アップダウンがあるので全コースを見渡せるわけではありませんがショートコースの全容がうかがえます。



第465回 YRSツーデースクールとルノーの仲間

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風はとても強かったけど天候に恵まれた2日間
仕事の都合で土曜日だけで帰られた方を除く24名が
これでもかってFSWのショートコースを走り回りました
最多ラップされた方は計測周だけで146周
1日目にも相当練習しているわけですから
運転がこなれるわけです

 

今回は10名のルノー仲間が参加してくれました。これだけのルノーがショートコースを走り回るのを見るのは楽しいことです。
仲間を紹介しましよう。(車名の後は改造の有無/改造の度合い/サーキットの走行時間)

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毎年2回YRSツーデースクールに四国は高松から駆けつけてくれるIさん
今度は5月の阿讃サーキットで会いましょう
メガーヌRS273トロフィー2
無/0/11

464-01a
Iさんフィギュアエイトを走る

464-01b
Iさん ストレートを駆け降りる


464-02
長野から来てくれた元自動車メーカーのエンジニアのOさん
シフトメカニズムを交換していたりステアリングホイールの位置を変更していたり
クルマをハードとソフトの両方から堪能されています
ルノーメガーヌ3 RS Trophy2
有/5/01

464-02a
Oさんフィギュアエイトを走る

464-02b
Oさんストレートを駆け下る


464-03
ユイレーシングスクールが初めてのKさん
サーキットを10時間ほど走っているだけあってスムースに走っていました
メガーヌRS
無/0/10

464-03a
フィギュアエイトを走るKさん

464-03b
1コーナーにアプローチするKさん


464-04
兵庫県からユイレーシングスクールに初めて来てくれたKさん
後日スクールが大いに役立ったとメールをもらった
嬉しいことです
ルノー ルーテシアRS トロフィー
有/1/05

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YRSオーバルを走るKさん

464-04b
1コーナーのクリッピングポイントを目指すKさん


464-05
昨年10月のYRSオーバルスクールに初めて来てくれて
その後2回連続で参加してくれて走るのが楽しくなったと言っていたTさん
初めてサーキットに挑戦です
ルーテシアRS
有/3/01

464-05a
Tさんフィギュアエイトを回る

464-05b
Tさんストレートを駆け下る

464-05c
Tさんのお連れ
娘さんと息子さん
3人とも2日間いい子にしていました
Tさんはすごい子煩悩でした


464-06
ユイレーシングスクールの常連でトゥインゴRSもお持ちのHさん
ユイレーシングスクールで得た情報を他の参加者に惜しげもなく開陳してくれます
メガーヌRS
有/5/11

464-06a
ストレートを駆け下るHさん

464-06b
スタッフが同乗走行中のHのメガーヌRSが最終コーナーを立ち上がる

464-06c
YRSツーデースクール1日目に仕事で来れなかったHさん
翌日のYRSオーバルスクールにも参加してくれました


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昨年春に某自動車メーカーに就職したHさん
昨年オーバルスクールにお父上と一緒に参加してくれて
今回もお父上と一緒にサーキットデビュー
ルノー ルーテシアRS トロフィー
有/5/00

464-07a
Hさんがストレートを駆け下る

464-07b
最終コーナーを立ち上がるHさん


464-08
ユイレーシングスクールは初めてサーキットも初めてのHさん
探りながら走っていましたが
午後には1秒強短縮していました
メガーヌRS カップ
無/0/00

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フィギュアエイトを走るHさん

464-08b
ストレートで全開にするHさん


464-09
速い某独社からルーテシアに乗り換えたMさん
初めてのFSWショートコースに挑んでいました
ルノールーテシアRSシャシーカップ前期
無/0/10

464-09a
フィギュアエイトを回るMさん

464-09b
ストレートを駆け下るMさん


464-10
一時は某独社の旦那クルマに走ったのに虫が騒いで
「しんぼうたまらん」って新車のルーテシアを増車したWさん
ルノールーテシアRSトロフィー
有/2/99

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声高のエキゾーストノートを残してフィギュアエイトを走るWさん

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スロットルオフの時のバックファイアが官能的なWさんのルーテシアがストレートを下る

 

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ルノー仲間全員集合
もっと集まるといいね

 


第464回 YRSツーデースクールFSW

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参加者のルノーが10台でスタッフのが2台だから
横4台で3列だなと並べたら1台余るのでおかしいなと思ってたら
自分の分を数えてますかと聞かれて初めて自分を勘定に入れてないことに気づき (笑)
苦笑いしながらのルノー車13台の記念撮影


今回のYRSツーデースクールには25名の方が参加してくれました。うち7名が初めてユイレーシングスクールを受講される方で、5名が初めてサーキットを走られる方でした。

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駐車場で行うYRSツーデースクール1日目は8時に集合
参加者全員の自己紹介の後で40分ほどの座学を行います
クルマが動いている時に何が起きているかを説明します
操作とクルマの挙動の因果関係を説明します
やってはいけない操作やらなければならない操作やったほうがいい操作を説明します
イーブンスロットルとイーブンブレーキングの概念も説明します
換気のために窓は全開なので風が強くても晴れで助かりました

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座学の次はデモランです
土手にそって並べた参加者のクルマのそばから
まずスラロームのデモランを見学します
最初に悪い例を示して次にクルマが走りやすい操作をして比べてもらいます
走りやすい操作をするとクルマが失速しません
パイロンを縫うように走ることができます
なぜそうしたほがいいのかの説明もします

464-c
自身のクルマに乗り込んでもらって移動します
次のデモランはブレーキングです
できるだけ短い距離で速度を落とす練習をします
最初にABSが働くような雑なブレーキングを見てもらい
続いてスレッショルドブレーキングを見てもらいます
車速を短時間短距離で落とすには
前輪のグリップを最大限に利用する必要があることを確認してもらいます
するとクルマはつんのめらずに車速を落とします

464-d
再度移動してフィギュアエイトのデモランを見てもらいます
ふたつ並んだ半径20mの円を速く走る時に必要な操作を確認してもらいます
クルマはふたつの操作が重なることを嫌います
メリハリをつけて円と円を直線的に結ぶとクルマの性能を引き出せることを説明します
どうすると直線的に走れるか説明します
最初に人間が速いと思うだろう操作で周回して見せます
次にクルマが速く走れるような状態を作って周回します

464-e
YRSツーデースクールに限らず
ユイレーシングスクールのドライビングスクールはどれも
座学で説明した理論と運転のコツを練習で生かせるようにミーティングを繰り返します
風が強いので富士山に積もった雪が舞っているのが遠目に見えます

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1日目午前中の駐車場全景
手前からスラロームで次がブレーキングのコース
奥に見えるのがフィギュアエイトのコース

464-g
FSWの駐車場で食べ物を外に置いておくのは危険です
過去何人もの犠牲者が出ています
コンビニの袋を狙っていて
500㏄のペットボトルが入っていても袋ごと持って行ってしまいます
SFWのカラスは太っています

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昼休みにコースを変更して午後はオーバル走行の練習をします
最初は半径22m直線60mのYRSオーバルFSWを使います
まずオーバル走行が初めての方のクルマを借りてデモランを行います
オーナーは助手席から見学します
最初にイーブンスロットルで周回します
ストレートが50Kmならコーナーもずっと50Kmで走ります
半径22mのコーナーだとどんなクルマでも60Kmでコーナリングできます
次にトレイルブレーキングをつかってより高い速度からターンインします

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イーブンスロットルの練習は速度を指定して徐々にペースを上げながら走ります
速度が上がると操作開始の位置と操作量を変える必要があることを説明します
トレイルブレーキングを使うと速い人はYRSオーバルFSWを1周16秒で回ります
8秒に1回コーナリングができるので操作の良し悪しの仕分けが進みます
ステアリングを切ってタイヤのグリップを横方向に使い始める時
タイヤのグリップを縦方向に使っていてはクルマは曲がりません

464-k
小さなYRSオーバルFSWでイーブンスロットルとトレイルブレーキングに慣れたら
半径は同じ22mですが直線が130mのYRSオーバルFSWロングで練習します
コース幅は14mあるので3速まで使って
アウトインアウトのラインとインベタのラインと
どちらでもコーナリング速度を落としすぎない練習をします
インベタのラインは突然コーナーが始めるのでアウトインアウトより
長めにブレーキを引き摺ります


スラローム、ブレーキング、フィギュアエイト、オーバル走行で反復練習をしながら、ミーティングでドライビングポジションの話とか視線の持って行き方の説明を行い、クルマと一体になってクルマが動きやすい状況を作り出せるようになります。

464-m
YRSツーデースクール2日目の朝はFSWショートコースパドックに7時半集合
すぐにコースを歩きます
ショートコースのストレートは5%の下りでかなりの傾斜
そこで加速し減速するクルマのタイヤのグリップがどう変化するか説明しながら歩きます

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FSWショートコースの1コーナーは下りから曲がりながら上りに転じる難コーナー
ピッチングを起こすクルマのグリップの変化に対応するために
やらなければならないことを説明します
奥に見える左コーナーがヘアピンで8%の上り勾配です

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ヘアピンを立ち上がってインフィールドに
速く走るためには傾斜が変わり奥へ行くほど曲率が小さくなる右コーナーが重要ですが
攻めすぎるとアンダーステアを出してタイムロス
最悪の場合はスピンやコースアウトにつながるので注意が必要です
コースを歩くと走っている時は見落としているコースの特性がわかります
何よりも足の裏で路面を確認し歩いているうちにコースの全体像が把握できます
写真奥の道路様のものが昔使われていた富士スピードウエイ名物の30度バンクです

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コースを歩いた後は2日目の進行の説明と走行の注意点の説明をします
新型ウイルスの拡散に備えてFSWが教室から机を撤去していました
この日も窓は全開でアルコール消毒液も準備しました

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コース歩行とミーティングの次はリードフォローです
参加者を3グループに分けて走行します
FSWショートコースを走ったことのない方のクルマを借りてオーナーは助手席から見学
リードフォローでは徐々にペースを上げます
後続のクルマの参加者に
前のクルマのリアウインドを通してその前を見るように
前のクルマのストップランプが点く前にブレーキをかけるようにアドバイスします

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リードフォローのあとは参加者自身に走ってもらいます
リードフォロー直後のセッションは追越禁止
各自自分の目で確認しながら自分のペースを作ってもらいます

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ユイレーシングスクールでは8分未満の短いセッションを繰り返します
今回は1回目のセッションで1コーナーのブレーキングが十分でなかった人が多く
急遽1コーナーのブレーキングに特化したデモランを
サーキットが初めての方を助手席に乗せて
どんなブレーキングがクルマの姿勢をフラットにするかを見てもらいます
ピットロードの参加者にはスタッフがアクセルオフのタイミングと
最も重要な大きな踏力で短いブレーキングとイーブンブレーキングの説明をします

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今回のYRSツーデースクールにはルノー仲間が10名参加
ルノー車が元気よく走り回っているのを見るのは嬉しいことです
カングーが来てくれるともっと嬉しい

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1日目も2日目も風は強かったものの終日富士山が見える快晴
日向はポカポカなのでスタッフは外で昼食です

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午前中のフリーセッションが終わるとラップタイム表を配ります
速さはクルマによってもドライバーの経験によっても異なります
速いのが偉いのではなく遅いのが恥ずかしいのではなく
クルマの扱い方を知らないまま速さを求めるのは幼稚だと伝えます
速さはあくまでもきちんと操作ができたかどうかの結果だと伝えます
ラップタイムは平均速度の裏返しです
ストレートの速さはクルマの性能で決まります
ならば人間にできることが何かを考えてもらいます

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FSWショートコースの走行は速度はそれほど高くないのですが
その割に運動エネルギーの大きさと向きの変化が大きいコースです
ユイレーシングスクールでは不必要な交錯を避けるため走行上のルールを設けています
走り出すとドライバー同士のコミュニケーションもとれません
安全に追い越すための場所とルールも説明します

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1周880mのコースは短いセッションでも10周以上できます
セッションごとにテーマを持って走ってもらいます
安全を確保できている限りはできるだけ速く走ることを勧めます

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2日目になると参加者はみんな顔見知り
同じ座学を聴いて同じデモランを見て同じアドバイスを聴いて
共通認識としてクルマの性能を引き出すためにやることがわかっているので
お互いを信頼し全員でクルマの運転を楽しみます

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ユイレーシングスクールではクルマの運転で目指してほしいところを繰り返し伝えます
クルマの運転というものはクルマに動いてもらうという作業なので
人間の独りよがりではクルマにそっぽを向かれる可能性があります
自分が移動しながらもれなくクルマの状態を把握し
目的のために必要な操作を遅滞なく過不足なく行うことができれば
安全も速さも得られますと伝えます

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2日間ホントにたくさん走り回りました
スロットルペダルを床まで踏んだことのない方がストレートをベタ踏みで走っていました
ブレーキを蹴とばしていた方がクルマをフラットにしてターンインしていました
フィギュアエイトでアンダーステアを消せなかった方が
クルマを横に流さず1コーナーへターンインしていました
午前1回と午後2回計測結果を配りました
YRSツーデースクール2日目にFSWショートコースを走った24名の方全員が
午前中のタイムを上回って走行を終えました


次回は参加されたルノー仲間を紹介します。

※今年2回目のYRSツーデースクールは10月17、18日(土日)に開催します。ルノー仲間の参加をお待ちしています。