第472回 懐かしきスターレット
1984年
SCCA Run-Off が開催された
ロードアトランタのパドックで
後にこのスターレットを購入することになったGreg Hotzが
当時撮っていた写真をつい最近送ってくれた
1985年。SCCAクラブマンレースレース参戦4年目に向けて準備をしていた頃。子供を授かったことを知った。
ある日、トーランスの病院に行くと先生が言った。「トム、喜べ、ツインだ」。 一瞬絶句。
頭の中をいろいろな思いが駆け巡る。医療費の高いアメリカ。出産後に手助けしてくれる人のいない環境。展望が開けない。
わずかに、双子なら出産費用が倍にはならないなとよこしまな考えに救いを求めたものの、先生から告げられたのは「トム、お金はあるか? ツインの場合は余計に費用がかかるからな」だった。
2年連続でSCCAカリフォルニアチャンピオンを獲得していたからレース活動を続けるつもりだったけど、2年半の間毎回レースに付き合ってくれて、ラップタイムを記録してくれて、無線で叱咤激励してくれて、夏の暑い日にはトレーラーの中でそうめんを作ってくれた奥さんの一大事。男として腹をくくった。
持っていたトレーラーのロールスロイスと言われる45フィートのシャパラルトレーラーと日本のTRD綱島で作ってもらったスターレットを売却し、いったんレース活動を封印することにした。もちろん後悔はなかった。
今となっては懐かしい思い出。35歳になった息子達はアーバインで元気に暮らしている。
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