トム ヨシダブログ


第685回 Oさんの場合

Oさんは2015年春秋両方のYRSツーデースクールFSWに国産のFRで参加してくれた。しばらく顔を見ないなと思っていたら2020年3月のYRSオーバルスクールFSWにメガーヌRSで来てくれた。昨年2月のYRSオーバルスクールFSWと3月のYRSツーデースクールFSWには増車したというS660で、5月のエンジンドライビングレッスンにはメガーヌRSで参加。今年は3月のYRSツーデースクールFSW、9月のYRSオーバルスクールFSW、先日のYRSツーデースクールFSWに来てくれた。

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Oさんにユイレーシングスクールに参加してくれる動機を聞いてみたら、つぎのような答えがかえってきた。

・参加者の方が同年代の人が多く話し易い。
・座学をしっかり受けられドライビングを論理的に考えられる。
・スタッフの方がルノー車に詳しく初めての外車でしたが安心して受講できた。
・開催場所(富士スピードウェイ)が自宅から近く参加し易い。

Oさん、ありがとうございます。また遊びに来て下さい。

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ブレーキング練習中のOさん

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オーバル練習
写真は半径22m直線60mのオーバルをインベタで走る練習

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待機中のルノー軍団
参加10台中2台は走行中

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セッションの開始まで待機中のOさん

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5%の下り勾配のストレートを駆け降りるOさん

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今年2回目のYRSツーデースクールFSWはルノーがいっぱい
スタッフのルノーを入れて13台
記念にパチリ

 
 
※ YRSツーデースクールFSWに参加されたルノー乗りの方。まだ感想文を受付中です。お待ちしています。



第684回 鰻三昧

10月はエンジンドライビングレッスンとYRSツーデースクールFSWを開催。スクールにかこつけて10日間で3回も好物のうな重を食してしまった。

・新東名掛川SAの吉野屋さん
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うな重1枚盛り
なかなかどうして肉厚で食べ応えあり

 

・市原市五井の山一さん
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注文が入ってから捌いてくれる店です
外の生け簀を見せてもらいました

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待っている間にうなぎの骨せんべいを出してくれました

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はるばる食べにいったかいがありました
これまで食した中で最も柔らかかったといっても過言ではありません
 
小鉢はこのお店のご主人の好物だというあさり味噌
サービスしてくれました

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タレはコクがありながら控えめで自分好み
 
ご飯の量は多めです

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肝吸いはミョウガ入り
初めてでしたがやみつきになりそうでした

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お新香はこれで2人前
タクワンの柔らかいのにビックリ
キュウリとカブの漬かり具合もドンピシャ
 
53年続いているお歳をめしたご夫婦がやられているお店です
以前は大きな割烹をやられていたとかで仕事の丁寧さが光ります
事前に電話をしてから行くことをお勧めします

 

・御殿場IC近くの大和田さん
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α-1からさかなや本店に向かう途中に前を通る店
もっと早くに行くべきでした
 
まずは白焼き
柔らかくて絶品
うなぎそのものを味わえます

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かば焼きも好み通り
タレはあっさり目かな
お吸い物はシンプルに

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肝焼きがかば焼きの上に乗っています

 

実はポルシェクラブ東京銀座ドライビングレッスン筑波、YRSオーバルレースFSW、YRSオーバルスクールFSWが9月末に集中していたので、筑波から御殿場に移動してからうな重をいただいていた。結局、22日間に4回うな重を食べたことになり至福の3週間だった。

・御殿場市山の尻の喜多良さん
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板さんが変わったかな

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以前と景色が違う
けれど
ここのタレは好み



第683回 YRSツーデースクールFSW

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お昼休みに記念撮影
楽しいなって顔をして!
元気よく!
の声に全員が照れながら

 

2005年4月の正式リニューアルオープン前から富士スピードウエイショートコースを使ってドライビングスクールを開催してきたユイレーシングスクール。短日のYRSドライビングスクールFSWは2004年から22回開催。YRS卒業生を対象としたYRSエンデューロとYRSスプリントはそれぞれ18戦開催した。

ジムカーナ場/駐車場とショートコースを組み合わせたYRSツーデースクールFSWは2006年に第1回を開催。29名が参加してくれた昨日のYRSツーデースクールFSWが31回目。秋晴れとはいかなかったけど気持ちの良い気候の中で、23歳から75歳まで平均年齢51.4歳の青年が2日間みっちりとクルマとの対話を楽しんだ。

今回29名中ユイレーシングスクールを初めて受講される方が5名。サーキットを走ったことのない方が3名。ルノー車で参加された方が10名。1周880mのショートコースを最も多く周回したのはSさんで計測周だけで97周。この日のベストラップはYさんの35秒416という内訳だった。



第682回 エンジンドライビングレッスン

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2022年2回目のエンジンドライビングレッスンは終日かなりの雨
エンジンドライビングレッスンは村上編集長の挨拶で始まります

 

2003年秋の第1回は参加者全員がエンジンドライビングレッスン初体験だったのは当たり前なのだけれど、2回目になるとリピーターが定員の大多数を占め、確か新規の申込みは五指にも満たなかったと記憶する。エンジンドライビングレッスンが受け入れられて嬉しかったのも覚えている。
基本となる筑波サーキットジムカーナ場+コース1000のカリキュラムに加えて年に6回開催したり富士スピードウエイで開催したりで19年。10月初めのエンジンドライビングレッスンは73回目の開催となった。

で、村上編集長が言う「クルマは持っていても楽しいけど、走らせるともっと楽しい。うまく走らせられるともっともっと楽しくなる。運転に向き合ってみませんか」が聞こえたのか、今回の初めてエンジンドライビングレッスンに参加しくれたのは参加26名中12名。そのうちサーキットを走ったことのない方が4名。過去どの回をとっても初めてエンジンドライビングレッスンに参加してくれる人は3~4名ぐらいだったから、これは嬉しい驚き。

コロナ禍ということもあって年2回の開催だったけど、来年は3回開催予定です。気が早い話ですが参加をお待ちしています。
あ、ユイレーシングスクールは年内の日程があります。

・11月12日(土)開催YRSオーバルスクールFSW
・12月11日(日)開催YRSオーバルスクールFSWロンガー



第681回 YRSオーバルスクールFSWとルノー仲間

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ユイレーシングスクールのイチオシ
コーナリングが上手くなること請け合いの
YRSオーバルスクールFSWは座学から始まります
どうすると4本のタイヤを使って走ることができるか

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座学が終わると理論と実践とのギャップを埋めるために
半径22m直線60mの小さなオーバルコースをインベタで
イーブンスロットルとトレイルブレーキングの反復練習

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イーブンスロットルとトレイルブレーキングが意識できるようになったら
大きなオーバルコースを走りますがその前に
コース幅が高速道路の3車線より広い14mあることを
実際にメジャーを使って確認します

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半径22m直線130mのオーバルコース
最初は参加者のクルマをインストラクターが運転(オーナーは助手席)して
他の参加者を引っ張るリードフォロー
徐々にペースを上げながらインベタとアウトインアウトで走行
後ろを走る参加者は前のクルマの真似っこをします

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前日の大雨の中のYRSオーバルレースFSWwにも参加してくれたSさんとメガーヌ4RS
YRSツーデースクールにも申し込んでくれています

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Oさんとメガーヌ3RS

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Gさんとルーテシア3RS

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Hさんとルーテシア3RS

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ルノー仲間で記念撮影
左からスタッフY、Gさん、ワタクシ、Oさん、Hさん、Sさん
本当は7月のオーバルスクールに初めて来てくれた Eさん
参加してくれる予定だったのだけど

 

YRSオーバルレースFSWに参加するとクルマの運転が楽しくなります。クルマを思い通りに動かすコツがわかるからです。

いつもより少し速い速度で走ってみるとクルマさんの訴えを聞けるようになります。

次回のYRSオーバルレースFSWは11月12日(土)に開催します。ぜひ愛車に気持ち良く走ってもらって下さい。



第680回 何でしょう?

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いつもいろいろな情報をもたらしてくれるスタッフのY
新しい秘密兵器を持ってきた
運転操作が理にかなっているか一目瞭然
やったことが丸裸になるという優れもの

 

「やってみますか」と言うからやってみたら、久々に燃えてしまったね。(笑) で、動画を再生してみると見事に言行一致。有言実行とも言うらしいけどさもありなん。思わずニンマリ。

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このアプリはいい。その場で再生して何が足りないのか、何をやり過ぎなのかがわかる。具体的に言うと、バキ切りもバレるし、ブレーキを蹴とばすのもわかる。どんな使い方をするか鋭意検討中。乞うご期待。



第679回 秋だね

ジョンシリウスメタリック

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第678回 『免許は返納しなくていい』

加齢に伴う身体機能や認知機能の低下によって運転操作を誤りやすくなり、交通事故を起こしてしまう可能性が高くなるので高齢者は自主的に免許証を返納しましょうという空気が蔓延しているように思う。いくつかの調査機関のデータを見るとおおむね返納には賛成で、あちこちのデータを見ると8割弱の人が将来的に返納しようと考えているようだ。

しかし、免許証の返納と言っても住んでいる地域によってクルマの運転に依存する度合いは大きく異なるし、まして運転技術のレベルは年齢によらず人によってまちまちだし、ひとくくりにして高齢になったら返納しろと言うのは少し乱暴だろう。

で、自分だったらどうするか考えてみた。結局、言葉は少々きたないかが 「 くたばる前の日まで運転していたい 」 から返納はしないという結論になるのだけど、そんな気持ちを後押ししてくれるような文章に出会った。

精神科医の和田秀樹さんが書かれた『老人入門』に掲載されている『免許は返納しなくていい』の講だ。1部引用(太字部分)させてもらって紹介したい。

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 まして地方に住んでいて、週に1度の買い物や通院に車を使っているような人は、免許返納をしてはいけません。不便になるだけでなく、生活の自由度が大きく低下して、老いを一気に加速させる可能性があるからです。

 そしていちばん見逃してならないのは、免許を返納することで高齢者が要介護になるリスクが高まるということです。筑波大などの研究チームは、運転をやめた高齢者は運転を続けた高齢者に比べて6年後には要介護と認定される人が約2.2倍になるという調査結果をまとめています。

 言うまでもなく、運転ができなくなることで家に閉じこもりがちの生活になり、運動機能も脳機能も衰えてしまったからです。自発的な免許返納は良識的な判断のように思われがちですが、実際には老いを加速させ、生きる楽しみを高齢者から奪ってしまうことにしかならないのです。

 たかが運転ぐらいでと思うかもしれませんが、それくらい高齢者は危ういバランスを保ちながら生活しています。

 運転をやめることで外出の機会が減り、人と会ったり話したりすることも減ると、活動量もどんどん減ってしまいます。とくに外出の手段が限られる地方に暮らす高齢者ほど、車の運転をやめてはいけません。たったそれだけのことでも、維持できるさまざまな機能や楽しみや意欲があります。免許返納は、それをすべて自分から手放すことになりかねないのです。

 

個人的なことになるけど、ボクはクルマの運転を自分が自立する手段だと思っている。自家用車以外の交通機関では陸海空を問わずその道の資格を持った人が運転する。いわば移動は人任せでかまわない。しかしクルマは誰にも頼らずに、運転中の出来事の全責任を負いながら、誰も助けてくれない状況で運転する。ボク自身の場合は日常生活とは違った緊張感を持ってステアリングホイールを握っている。自分がそういう自覚のもとに運転ができる限り、ボクは、人に頼らず生活を続けられると思っている。

ボクはこう思う。高齢者になって事故を起こす可能性が高くなる人は、もともと潜在的に事故を起こしかねないような運転をしていたのではないかと。スクールでも言う。クルマは機械だけど家電とは違う。使うにはそれなりの知識と覚悟が必要だと。
クルマが発達し運転が特別なことではなくなり操作自体も簡単になったけれど、手軽になったことを気軽に運転できるとはき違えてはならない。実際、運転に真剣味が足りない人もいるだろう。でも、だからこそ、年齢を問わず、クルマを運転する人全員がもっと一生懸命運転すれば事故が減る可能性はある。まずは運転に興味を持つことだと思う。次に運転を楽しむことだと思う。クルマを単なる移動の道具にしておくのはもったいない。考えようによっては自分の人生を拡大してくれる相棒になりうるのだから。

昨年暮れの調査で免許証返納義務化に反対する人が23.9%いたらしい。それぞれが反対した動機は定かではないけれど、その人達はいつも覚悟を持って運転しているから返すことに抵抗があるのではないだろうか。

 

現状を認識するために改めて年齢層別に交通事故の数字をまとめてみた。左の表が交通事故件数で右が死に至った交通事故件数でともに令和3年度の数字だ。

事故発生件数から見れば決して高齢者の事故が多いわけではない。参考のために全人口に占める年齢別構成比と交通事故総件数に占める事故件数を調べてみた。30~59歳が人口の38.9%を占め交通事故の48.1%を起こしている。一方60~89歳は人口の32.8%で起こした事故は30.8%だ。
ただ、表からはいったん事故が起きた場合に亡くなる人の数は圧倒的に高齢者が多いのが読み取れる。重大事故に至る例が多いのだろう。高齢者の安全を考えるなら免許返納を促す流れは間違いではないかも知れないが、返納すれば片付く問題でもないだろう。運転の仕方によっては事故を防げる。免許証返納問題を機に、免許保有者の多くが運転を見直す風潮が生まれるといいのだが。

 

※数字は公益財団法人 交通事故総合分析センター発行の交通統計令和3年版より引用した



第677回 視界

1979年にアメリカに渡り、日本にいてはできないような仕事を広範囲に渡ってさせてもらってきた。例えば日系メーカーのモータースポーツ部門を立ち上げたのが2社。公共放送で6年間デトロイトモーターショーのコメンテーターもやった。アルミホイールメーカーの商品開発もやった。インディカーレースを日本に招聘する交渉役もやった。コマーシャルフィルムのドライバーをやったのは1度や2度ではない。ジムラッセルレーシングスクールで日本語クラスを創設しインストラクターもやった。でもこれらはごく一部。まだまだあるけどとてもここでは全てを書ききれない。
2017年に永住権を返納するまで40年あまり、日米をちょうど100往復した記録がある。今思えばアメリカでの経験は本当に得難いものだった。その経験を活かして自分のクルマ人生を集約しようと1999年暮れに始めたユイレーシングスクールも24年目を迎えている。これだけ長く同じことを続けたことはなく、スクールの合間にアメリカ時代に経験した類い稀な思い出がよみがえる。歳のせいか。 (笑) ほとんどが楽しかったことや嬉しかったことなのだけど、実はあの時ほど悔しくて情けなかったことはないという 『1日』 もある。我が人生で最大の汚点、と言っても過言ではない。

アメリカに仕事を求めたのには他にも理由があった。中学生のころに貪り読んでいた自動車雑誌に載っていたアメリカのモータースポーツに直に触れてみたいというのもあったし、クルマが好きというより運転するのが大好きだったから、日本人では誰も乗ったことのない速いクルマに乗りたいと思っていた。
ある日フロリダにあるフランク・ホウリ―・ドラッグレーシングスクールのスーパーコンプ・コースに申し込んだ。ゼロヨンを9秒台で走るいわゆるレールというマシンのクラス。座学に始まって反射神経の計測とかコクピットドリルが終わりスタートの練習になったのだけど、リアタイヤをホイールスピンをあまりさせないようにスタートの練習をするうちはまだよかった。ところが純ドラッグレース用のマシンはリアタイヤを派手にホイールスピンさせないと速くは走れない。ATトランスミッションがエンゲージした瞬間、リアタイヤが倍ぐらいの直径になったシーンを見たことがあるだろう。間近で見るとタイヤのサイドウォールに皺がよっているのがわかるほど。ロケットスタートの秘密。
しかし、しかし。ボクはスロットルを瞬時に全開にすることができなかった。おそるおそる開けようとすると、開け方が中途半端なのでリアタイヤがホイールスピンしない。しないから後輪が路面を捕まえて前輪が浮いてしまう。コンクリートウォールに挟まれたドラッグストリップ。どっちの方向に飛んでいくのかわからない。NASCARストックカーでもIMSAのGTPマシンでもそれなりに乗りこなしてきた自負はあるものの、次に何が起きるのか想像できない。生まれて初めて運転で身体がすくんだ。これはやってはいけない、と理性が語りかける。大げさではなく、クルマの運転で初めて自分にできないことがあることを自覚した。同時に受講していた人達はドラッグレースの経験者ばかり。できて当たり前。はでなスモークを上げてタイムを競っていた。乗りたいというだけで申し込んだ自分の判断が無謀だったことを痛感した。フランクにリタイヤする旨を告げ、傷心のうちに西海岸行きの飛行機に乗った。飛行機の中でもう1度自分の運転を見直そうとしみじみ思ったものだ。

けれど負け惜しみではなく、収穫がなかったわけではない。

座学でフランクの言った「運転は芸術だ」という言葉。運転の極意は無意識行動で操作ができるようになることだとも。それでなければドラッグスターは乗りこなせないと。ジムラッセ・レーシングスクール・カリフォルニアのジャック・カチュア校長も同じようなことを言っていたけど、目指すのはそこなのだろう。ただ運転するのではなく、どこへ向かおうとしているか、より深く考えるようになった。どうすればその域に到達できるかずっと考え続けてきた。身の回りにその域に達するためのヒントがないか、ずっと探し続けてきた。むろん今もだ。

ある日のこと。公道をかっ飛ぶラリーにはあまり興味がないのだけどWRCの動画を見ることがあって、目が釘付けになったことがある。現在はトヨタのドライバーで今年ランキング3位につけているエルフィン・エバンスの車載映像だった。これを芸術と言うのだろうか。 目からの情報がどうやって、どんな経路をたどってあのような速さで手足を動かしているのか想像できない。あの狭いダート路を思い通りにクルマを動かせるのかも、自分の経験からは推し量れない。あの日と同じ。口は開いたままだから身体は緊張していないはず。無意識行動だからこうしたいと思う通りに自然と身体が動くのか。

  果たして、彼の視界には何が映っているのだろう。
  どこにも焦点を合わせず、口を開けて脱力して無心に走ってみれば想像できるのかも知れない。

 

運転しているWRCドライバーの映像をYoutubeで探してみてはどうですか。現在ポイント1位のカッレ・ロバンペラ21歳のドライビングも運転という枠に収まらないほど刺激的です。

動画はWRCオフィシャルサイトから



第676回 交通統計令和3年版から

免許人口の増加や車両保有台数の多さを考慮すると、発生した交通事故件数から見た我が国の道路交通はずいぶんと安全な方向に向かっていることが資料8-01の数字から読み取れる。
しかしながら交通事故総件数に対する単独事故件数が4%未満なのに、死亡事故件数からみると実に4分の1、つまり25%以上が単独事故によるものだというのは悲惨と言う以外にない。繰り返しになるが、単独事故とはすなわちひとり相撲をとったわけで第3者の関与はないのだから、事故原因がどうであれ運転していた人が避けようと思えば避けることが可能だった事故であることに間違いはない。
資料8-02には類型別の単独事故件数とその割合、資料8-03には類型別単独死亡事故の件数とその割合をまとめてある。車両の安全性が高まったことや、交通環境が整備されつつあることも要因なのだろう。時とともに単独事故の形態も変わってきてはいる。しかし原因がうっかり運転なのか操作ミスなのか、あるいは技量不足なのかは不明だが、事故を起こす前にできることはなかったのかと他人事ながらに悔やまれる。このブログに目を通していただいている方は単独事故とは無縁だと思うけれど。

自分は事故を起こさないと思っていても、事故を起こさないように運転していても、クルマを運転している限り人対車両、車両相互の事故の当事者になる可能性がゼロになるわけではない。交通法規を守っていれば安全なのではなく、ゆっくり走れば安全というわけでもない。クルマという便利な道具の恩恵を被るためにも、運転そのものを楽しむためにも自身の運転を俯瞰する習慣をつけ、また運転技術の向上を怠らないようにしたいと思う。

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資料8-01
全ての交通事故に占める単独事故の割り合い
および総死亡事故件数に対する単独死亡事故件数の割り合い
<資料8-01 pdfファイル>
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資料8-02
単独事故件数の推移および類型別単独事故の割り合い
<資料8-02 pdfファイル>
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資料8-03
単独死亡事故件数の推移
および類型別単独死亡事故の割り合い
<資料8-03 pdfファイル>
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