トム ヨシダブログ

第113回 YRS VITAライド


筑波サーキットコース2000では大きすぎるぐらい もっと小さいサーキットでもレースができる

今年から追加したカリキュラムにYRS VITAライドがある。鈴鹿を拠点とする日本有数のレーシングカーコンストラクターであるウエストレーシングカーズが製作したスポーツレーシングに乗って風のあたるマシンを体験する。

VITAと名づけられたそれは、エンジンとトランスミッションこそ中古のヴィッツから拝借したものだが、セミモノコックフレームに前後ダブルウィッシュボーンサスペンションを備える。少しずつ台数を増やし、今や北海道の十勝スピードウエイでもツインリンクもてぎでも筑波サーキットでも、もちろん鈴鹿サーキットでもアマチュアドライバーを対象にシリーズ戦が組まれている。


筑波サーキットのコース1000では同じような動力性能のクルマより1周5秒速い クルマの性格が異なるから

昔。FL500という日本独特のカテゴリーがあった。軽自動車のエンジンを搭載した本格的なフォーミュラカーだった。FL500から育ったトップドライバーは数知れない。常に大きなレースの前座だったが、メインレースに引けをとらないこれこそレースという白熱した争いを繰り広げていた。

全日本選手権がかかったビッグレースはもちろん魅力的だが、純レーシングカーの底辺を担うFL500レースやVITAレースが盛んになると頂点がさらに光り輝くものだ。
ルノーも80年代にはアメリカでスポーツ・ルノーと呼ばれたVITAのような入門カテゴリーにエンジンを供給していた。一時は全米に300台近くが存在したSCCAの目玉カテゴリーだった。


体験した全員が「楽しいっ!」

ユイレーシングスクールでは日ごろ、「ご自身のクルマを自在に操るのもひとつの目標になるとは思いますが、少し目先を変えてどんなクルマでも乗りこなせるようになることを目指してはどうでしょう」と訴えている。

乱暴な言い方になるけれど、4本のタイヤがついていればクルマはクルマ。基本的な動かし方に変わりがあるわけがない。
むしろ、VITAのようなステアリングもブレーキもノンアシストのクルマを操ることを想定して練習をすれば、量産車からは得られない操作の機微がわかるというもの。


姿勢変化をしないのが速さの秘密 だから速く走らせるにはそれなりの操作が必要になる

モータースポーツにはいろいろなカテゴリーがあったほうがいい。妥協のきかないマシンのレースが、ふつうの人(レースにのめり込んでいない人という意)でも、やる気さえあれば手の届く範囲にあるとなお良い。
ボク自身、70を過ぎたらレース活動を再開しようと思っている。YRSの卒業生にもいろいろな体験をしてほしいと思っている。
今までにロードスターパーティーレースや富士チャンピオンレースでシリーズチャンピオンになったYRS卒業生もいる。VITAレースに参加する卒業生が出てきてほしいものだ。

そんなこんなで始めたのがYRS VITAライド。当面はユイレーシングスクールを受講した方を対象としているが、誰でもが体験できるシステムができないか熟考中だ。

一部の限られた人しか乗れないレーシングカーではない


体験すれば笑顔、笑顔、笑顔

興味のある方はウエストレーシングカーズのVITA開発レポートをのぞいてみてはいかがだろう。


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