トム ヨシダブログ


第414回 Mさんの場合

Mさんと初めてお会いしたのは昨年8月に開催したYRSドライビングワークショップ。続いて、昨年9月、10月のYRSオーバルスクールに参加してくれた。
9月のYRSオーバルスクールに久しぶりに申し込んでくれたのだけど車名が違う。今度はルノーだ。仲間が増えた。ならば感想をお願いしない手はないと無理を承知で頼んだら快諾してくれて。Mさんありがとうでした。

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9月1日のYRSオーバルスクールのルノー達
右から2台目がMさんのルーテシアRSトロフィー


9/1のオーバルスクールに参加したMです。今回、中古ではありますが、ルーテシアRS(前期型シャシーカップ)を購入し、初めてオーバルスクールに参加しましたので、前車、BMW 135iと比較をしながら、車の感想を述べたいと思います。

まず、購入前のルノーに対する私のイメージについて触れますと、だいぶ前の話、かつ若干マイナーな話になってしまうのですが、FFの一代目クリオがコルシカのラリーで四駆勢相手に互角に渡り合っていたシーンが有り、この時「FFでも車が軽くて舗装された路面だったら充分戦えるんだな」という印象を強く持ったのをよく覚えています。

さて、月日は経ち、様々な紆余曲折を経てFRのBMW 135iを所有していたのですが、スポーツ走行中にエンジンを壊してしまい、次の候補を探していく中で、いろいろと自分の求める条件にルーテシアRSが一致することに気がつき、同社のFF車に対するイメージにも後押しされ、購入するに至ったというわけです。

今回はじめてこの車でオーバルスクールに参加したわけですが、率直な感想は、下記の点において期待通りか、それを上回るものでした。

1、少なくともYUIレーシングスクールのオーバルコースを走る分には、135iと同等か、むしろ速い
2、コーナーの手前の挙動も安定していて楽しい
3、レースモードが秀逸

まず、1ですが、私の前車135iは3lターボ直列六気筒の公称306馬力で、運転して楽しい車ではあったのですが、よくも悪くもこのエンジンありきの車でした。これまでのオーバルスクール参加でわかっていたのは、135iは少なくともオーバルスクールのコースではそれほど速くない言うことでした。理由ですが、後輪がノーマルではオープンデフであり、LSDに変更するのも容易ではない構造であったため、立ち上がりでトラクションが逃げてしまう事、車が現車比較で250キロ位重く、重心が高く足も柔らかいため、コーナーが遅いこと等々かと思われます。実際、簡易的な測定ではあるのですが、スマホアプリを使った計測でもコンスタントに同等のタイムが出ており、特にコーナーにおいて明らかにルーテシアの方がビシッと安定して速いと感じます。
また2に書いたようにコーナー手前のブレーキングから挙動が安定しており、すーっと頭が緩く回転方向に巻き込まれるような動きで、コーナリング時の挙動に怖さを感じません。その上、レッスン後半でも私の使い方ではブレーキがタレる事はなく、この車で初めてのレッスンであるにも関わらず、気が付けば安心してレッスンを楽しんでいる自分がいました。
なお、前車とは駆動方式の違いがあるのですが、実際乗ってみるとコーナーの立ち上がりでアクセルを踏み込んだ時の挙動位しか私には差が感じられず、個人的には終始、ルーテシアの挙動の楽しさが前車からの変化点を上回っている状態でした。

一方、3についてですが、当初、モードをスポーツモードにして走っていて、二速コーナーで三速にギヤがあげられてしまい、立ち上がりでもたついてしまっていたのですが、レースモードだとそれがありません。後々思い出したのですが、そう言えば同じ事が以前乗っていたオートマ車のマニュアルモードでサーキットを走った時にもあって、その時には対策のしようがなく、レースモードが存在する事は大きな魅力に繋がっていると感じました。
この件はマニュアルトランスミッションであれば考えなくていいポイントではあるのですが、実際はデュアルクラッチトランスミッションである事で、私にとってはその欠点を打ち消して余りある利点があるため、個人的には有難い設定となっています。

さて、ここまではルーテシアRSの良いところばかりを述べましたが、時間が経つといろいろと気になる箇所が出てくるのも事実で、下記のようなポイントが気になる方はよく考えての購入が必要かと思います。

・シフト操作から実際の変速までにラグがある。
ラグといっても一般的なAT車と同じレベルとは思いますが、これが気になる方で、家庭の事情が許す方は素直にマニュアル車を選択すべきかと思います。

・ハンドルを切っている時に、今のギヤポジションが見えづらい事が多い
これは意外とイラッとしますが、別にシフトインジケータを用意する等で対策できるかもしれません。

・自動ブレーキ等の機能は現状無し
次のルーテシアか新しいメガーヌを選べば解消されると聞いています。

・シャシーカップは足が硬く、乗り心地の悪さが少し気になる

これは試乗した時から分かっていたことではあるのですが、足はだいぶ前車よりも固くて、家族にはたまに不満を言われるレベルです。ただ、個人的な感覚としては我慢できない固さの一歩か二歩前くらいに設定されており、十分許容できる乗り心地かと思います。実際、友人が乗っているシビックタイプR(FD2)よりは固くないです。
また、シャシースポールという選択肢があります。

・純正ナビ等は用意されない
社外品をつけるしかないですが、特にドイツ車以外の輸入車では良くある話だとは思います。

まとめとして、私のような素人でも分かるほどに現行ルーテシアRSは車の走る・曲がる・止まるに関して相当に力を入れて開発された印象が強く、シートの良さやドライビングポジションの決め易さ等含め、ADAS等の装備よりも基本的な車としての出来、挙動に重きを置く人間にとっては本当に良い選択肢だと感じます。また、低くて野太いエンジン音や、どの回転域でもトルクが厚くて扱いやすい事、DCTの素早い変速とその時の音も心地よい事、街であまり見かけず人と被らないため、私のように人と違った選択肢が好みの方にも良い選択肢かと思います。

最後に、YUIレーシングスクールについても触れさせて下さい。私はこれまでにいくつか他のレーシングスクール的なものに参加したことがあるのですが、最も大きな違いと感じるのは、もたらされる内容がどのような車にも当てはめられる内容となっており、また想定される場面(サーキット or 一般道、等々)も出来るだけ限定しない知識や情報をベースとしている事です。これは恐らく、YRSのスタンスが生徒が理論を理解し、かつ実践出来るようになる事を目標としているからだと思います。他の講習では本当の理論の部分は説明しない講師の方や、一回のカリキュラムで走れる量が少なすぎて理解したことを実感するところまで辿り着けないといった状況が散見されていたのですが、YRSではそれがありません。理解と実践を納得できるまで追究出来、例え車や場面が変わっても活用できる知識と技術が身につく、これが私の希望にマッチしていたのだなと改めて感じます。

現車はこれから数年間は乗るつもりでいますが、仮に将来車が変わっても使える知識と技術を身に付けるべく、YRS内の別のスクールにも参加し、せっかく得たこの機会を楽しみたいと思います。

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Mさんと愛車
Mさんまた遊びに来て下さい

※ 写真はMさんに提供してもらいました。



第411回 FSWと富士山と食

9月初めのYRSオーバルスクールに集まったルノー達。
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前列左から
常連のHさん
今回が初参加のOさん
チーフインストラクター
某独製ハイトルクFR車から乗り換えたMさん
今回がYRS3回目のHさん
後列はスタッフのYさん


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コース作りの前の儀式
全国的に天候が荒れているので雨の心配をしながら沼津港
こっちも心配していたら案の定
やっぱり地物のアジは天候不順で入荷なし

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アジ刺しとまぐろの赤身丼でお茶を濁したけど
やっぱりピン角の地アジが食べたかったなぁ

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8月31日
2019年YRSオーバルレース第6戦を前にレーシングマニューバーの確認
YRSオーバルレースは半径22mの半円を160mの直線でむすんだオーバルで開催
コース幅は14m確保しているからスリーワイドや時にはフォーワイドもどきになることも
(クルマ3台ならべてもこの余裕:高速道路の3車線より広い)

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常連のOさんが着てきたTシャツ
ねぇねぇこれって
背中を指差したから
Here I am
って叫んでしまったよ


YRSオーバルレースのルールはアメリカのそれと同じ。予選は2周計測。2列縦隊でローリングスタート。ヒートレースごとにインバートスタートもあり。

今回はヒートレースを8回やった後でファイナルヒート。ファイナルヒート優勝者はチェッカーフラッグを受け取ってウイニングラン。これもアメリカ式。

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一緒に夕ご飯食べるので鋭意片づけ中
左はYRSオーバルレース常連のKさんのルーテシアⅢRS
後ろ向きはYさんのクリオRS


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天気予報がコロコロ変わる
一喜一憂してもしかたがないと腹をくくって仰いだ
9月1日朝5時20分の富士山
御殿場に入ってから笠をかぶりっぱなし
富士山の裏では荒れているのかね

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同時刻の東の空
箱根の山々も見えず

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須走の朝はいつも健康

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クルマの性能を引き出すことができれば
安全に走れるし速くも走れる
YRSオーバルスクールは座学でタイヤの使い方を説明して
イーブンスロットルの走行でピッチングコントロールを練習し
トレイルブレーキングを使った全開走行でヨーイングコントロールに挑戦する
自分が走っていない時は人の走りを見てどんな操作をしているかに思いを馳せる


デモランの後はイーブンスロットルの練習。インベタのラインをノーブレーキで45キロから5キロ刻みに速度を上げていきます。慣れれば60キロで回れます。時間節約のため4台ずつ走行。

イーブンスロットルでクルマを安定させられるようになったらインベタで全開走行。床まで踏み込みます。目一杯加速してトレイルブレーキングを駆使してできるだけ高い速度からクルマを曲げる練習をします。速度が高いので2台ずつ走行。インベタのラインは直線の後に同一半径のコーナーが続くのでアウトインアウトより難易度が高い。

インベタのライン、アウトインアウトのラインに乗せる練習を繰り返した後は、距離を稼ぐために台数を増やして走行。1日が終わる頃には初めての参加者もクルマを乗り換えた人も常連と同じような速さで走ります。ラップタイムの差はストレートラインの速度差でコーナリング速度はほとんど同じになります。

YRSオーバルスクールでは、クルマを動かすための理論を基に、クルマが性能を発揮しやすい状況を連続して作り出すことを目指して練習します。



第404回 六代目相棒

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第397回 ユイレーシングスクールとWさん

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7月6日のYRSオーバルスクールにはユイレーシングスクールが初めての方が6名、13年ぶり に参加してくれた方が1名、ご夫婦での参加が2組、そして18年間通ってくれているベテランが1名走りにきてくれた。嬉しいかぎり。


お昼ごはんが終わって全員の集合写真を撮ろうとしたら、横一列だと人間とクルマが小さくなってしまった。それではというので、急遽ビデオ撮影に変更した結果がこれ。

※ IE(Internet Explorer)でビデオを視聴するのが困難なようです。Chromeやsafari、Firefoxなどのブラウザをご利用下さい

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全員で万歳の静止画がこれ

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ビデオ撮影中の静止画はこちら


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この日
Yさん以外のルノー車はWさんのルーテシアRS
失礼を承知で書いてしまうと
2001年7月に60歳で初めてユイレーシングスクールを受講してくれたWさん
昨年末までに108回もユイレーシングスクールに遊びにきてくれた
ドライビングスクールだけでなくYRSエンデューロもYRSスプリントも
今もYRSオーバルレースで孫ほどの若者を
追い掛け回している


今年の春。Wさんから突然の電話。「トムさん 巷で騒がしい高齢運転者向けのドライビングスクールはできないものかね?」、「知人と会うとそんな話ばかりだよ」と。ボク同様に加齢による運転力の低下を決めつけられることに抵抗がある。あくまでも個人の資質なのに。高齢者向けスクールやりたいね、Wさん。

そのWさん。今だからバラしても怒らないと思うから書いてしまうけど、古希を前に電話をかけてきたことがある。
W:トムさん これからはスクールに行けなくなるかも知れないよ
T:なんでですか
W:家族が運転することに反対してるんだ
T:え~ 運転はやめないほうがいいですよ
W:そうれがねぇ
T:そうだ 息子さんをスクールに来させて下さい
W:息子はいない 娘だけでね
T:ならば娘さんのだんなさんを
そんなやりとりがあって、Wさんの娘さんのご主人がスクールにきてくれた。

ふだんどおりの進行でスクールを進めたのだけど、折にふれ「歳をととったからといって運転が下手になるわけではない」、「クルマの動かし方は一度覚えてしまえば一生ものになる」、「危険なのは年齢に関係なくクルマの扱い方を知らないからだ」というようなことを丁寧に説明した。Wさんの娘さんのご主人が運転を楽しんでくれるようになった。そして、スクールの終わりに『実はですね。家族会議を開いて歳をとったからといって運転が下手になるわけではないということを訴えてもらえると嬉しいのですが』とお願いした。

しばらくしてWさんから電話があった。「トムさん ありがとね」と。

YRSオーバルスクールでブイブイ走り回っていたのに、予定していなかった7月7日(日)のYRSオーバルレースにも参加したWさん。予選以外に12ヒートレース計122周を走りきり、一時はトップを走るほど元気いっぱい。

昨年現役を引退して奥さんと旅行に行くようになったWさん。2台所有していたポルシェの1台を、奥さんが乗り降りが楽な箱型に換えようと思うと相談を受けた。それまでの流れでヤワなクルマはWさんに似合わないから、手ごろな大きさで速いルーテシアRSを勧めた。Wさんは現在、18年前にスクールを受けるために買ったFF車以来久しぶりの前輪駆動と元気いっぱい格闘中だ。



第388回 HさんとルーテシアRSトロフィー

先日開催したYRSクワッドオーバルスクールで初めてユイレーシングスクールに参加したHさんが感想文を送ってくれた。クルマが好きで自動車会社に就職するだけのことはあって、飲み込みが早かったのが印象的な好青年です。

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YRSクワッドオーバルのストレートを加速するHさんのルーテシアRSトロフィー


今回YRSクワッドオーバルスクールで初めてのスポーツ走行デビュー致しました。元々、私は運転することが好きでレンタルカートやドライブなどはしていたものの、スポーツ走行経験はありませんでした。この度、自動車会社に就職しクルマを作る側になり、更にクルマのことを理解したいと思い参加致しました。
スクールを通じて感じたことは2つあって,1つめは思っていた以上に良い意味で自由だと思いました。午前の部の後半からひたすらコースを走り続けるのですが、何度も繰り返し練習するので各回で色々試すことができ、スポーツ走行が初めての私でも楽しく、自分のペースでステップアップ出来たのが良かったです。
2つ目はドライビング上達・理解のためのフォローがしっかりしていることです。目標が良く分からなくなって集中力が切れてきた時、先生の鋭い指摘がラジオから飛んできたり笑、自分の車を運転してもらい (圧巻、こんなに違うのね...) 目標を再確認したりと、理解を深めることができました。
スクールでは計100km近く走行し大満足。楽しい一日を過ごしました!また参加したいと思っています!

次はオーバルスクールに参加しようかと父と計画中です。その際は宜しくお願い致します

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ユイレーシングスクールに初めて参加したKさんのメガーヌRSカップを率いて
最終コーナーを立ち上がる


Hさん、早いうちにクルマさんの声を聞く習慣を身につけるといいと思います。応援しますよ。



第383回 YRSオーバルスクール

異例の暑さの中でドライビングスクール二連ちゃん。土曜日にYRSオーバルスクールをやって日曜日にYRSクワッドオーバルスクール。

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朝一番で50分程度の座学をやって
運転する人間の身体のどこも地面とつながっていないことや
クルマはタイヤ4本でしか地面と接していないことを改めて確認して
動いているクルマにどんな力が働いているかを説明して
クルマの性能をより引き出すための操作を解説

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イーブンスロットル、イーブンブレーキ、トレイルブレーキングを練習して
パイロンで作られたコースを全開で走ります

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土曜日には常連のHさんがトゥィンゴRSゴルディーニで来てくれた
メガーヌRSと記念撮影

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Hさんが下のコーナーを立ち上げる
NAの音もいいもんだ

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日曜日にはユイレーシングスクールが初めてのKさんとHさんが来てくれた
KさんはメガーヌⅣRSカップで
今年新卒で某自動車会社に就職したHさんはルーテシアⅣRSトロフィーで
常連のKさんは今回はルーテシアⅢRSで
お約束のメガーヌRSと記念撮影したけど
Kさんのアップの写真を忘れました

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3年前まではメガーヌⅢRSでサーキットも走っていたKさん
しばらくお休みしていたけど
新世代メガーヌで復活

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某外車に乗る父君と一緒に参加してくれたHさん
お父さんともどもふだんはできないクルマの限界を探る走りを楽しんでくれました

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HさんとKさんが連なって
YRSクワッドオーバルの最終コーナーを立ち上がるの図


ルノー乗りのみなさん、ルノーの足の良さを味わいにユイレーシングスクールにおいで下さい。


※6月に予定していたドライビングスクールは今年、来年とイベントめじろおしの富士スピードウエイに日程を譲ることになりました。
次回のスクールは7月6日(土)のYRSオーバルスクールFSWです。
来年6月から9月まではオリンピック/パラリンピックの自転車競技の舞台になるので富士スピードウエイのスクールはありません。



第306回 初めての遭遇

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スクールにはかなりの台数のルーテシアⅢRSがやってきたし、Yさんも手に入れたし、比較的出会う機会が多い。けれど、スクールの時以外はあまり出歩かないせいもあるのだろうけど、街中や高速道路を走っていてルーテシアⅢRSに遭遇することは皆無だった。

ところがある日。買い物からの帰り道。車列の10台くらい前に銀色のハッチバックが走っていた。間にダンプカーやらいろいろなクルマがいるので定かではなかったが、額縁のないリアウインドとその形状、テールライトの形状と配置から 『あれ? ルーテシアⅢRSかな?』と。

前のクルマがコンビニの駐車場に入ったり、湖西道路真野インターチェンジで京都方面に向ったりしたものだから、ついにその銀色のホットハッチの真後ろにつけた。

思わず 『やったぁ!』。ルーテシアⅢRSとの遭遇は初めて。自分のルーテシアⅢRSをすごく愛おしく感じるから、同じクルマに乗っている人と出会うと嬉しくなる。

つい、その人はどんな理由で選んだのかとか、運転を楽しんでいるのかとか、お節介ではあるけれど、あれこれ想像してしまう。

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信号が変わり対向車が来なくなると、けっこうな勢いで発進したルーテシアⅢRS。横に並ぶ機会がないからどんな人が運転しているかはわからないけど、元気に走らせているのを見てニンマリ。


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敦賀方面に向って湖西道路を北上する。

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『 前を走るルーテシアⅢRSはどんな使われ方をしているのかね 』。
『 できるだけ長くルーテシアⅢRSを走らせてくれるといいのだけどね 』。



第305回 進化・深化・真価

今さらながら、ではあるけれど、ルーテシアⅢRS、ルーテシアⅣRSシャシースポール、マイナーチェンジ後のルーテシアⅣRSシャシーカップと最近のルーテシア・ルノースポール全てを味わうという贅沢から見えること。

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2010年秋
一目ぼれして手に入れたルーテシアⅢRS
運転歴50年の目は節穴ではなかった
稀に見る作り込み
全てがナチュラルなホットハッチ
運転が好きで良かったと思わせてくれる
まさに人間能力拡大器
終の相棒


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2015年春
ルノー・ジャポンがルーテシアRSを貸してくれることになった
仕様を決めさせてくれたので
足回りはシャシースポールを
エクステリアカラーはルージュフラムMを選ばせてもらった
ルーテシアⅢRSとは異なる路線に踏み込みながら
ルーテシア・ルノースポールの世界を広げてみせた
さすが

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比良山系の麓
琵琶湖畔にたたずむ

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桜の名所琵琶湖バレーに登る

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晩春
山中湖畔にたたずみ富士山を仰ぐ

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初夏
湖西が緑色に染まる

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小山町に稲穂育ち雲たなびく

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厚い雲が垂れ込める琵琶湖東岸を望む

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琵琶湖の朝

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晩夏
海ほたるでひと休み

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小山町が黄金色たわわに

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緋色まぶしく


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2017年秋
新しいルーテシアⅣRSがやってきた
シャシースポールからシャシーカップへと靴を履き替えて

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マイナーチェンジ後のルーテシアⅣRS

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マイナーチェンジ後のルーテシアⅣRS


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と言っても外観は
フロントはランニングライト回りの意匠が変わったのと

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リアではLuteciaのバッジがなくなったことと
RENAULT SPORTの文字が独立したことを除けば
マイナーチェンジ前と後で相違点はない


で、マイナーチェンジ前のルーテシアⅣRSのディテールを撮影していなかったのであいまいな部分もありそうだが、マイナーチェンジでの深化の記録。

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アイドリングストップ機能が追加された
バックソナーが追加された
両方ともデフォルトでON
ステアリングホイール右のスイッチで解除できる

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シフトノブの形状が変わった
少し角ばったかな

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ドアミラーのコントロールパネルが一新
ドアミラーがドアの施錠開錠に連動して収納展開するようになった
デフォルトでOFF
もちろん常時ONにできる

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ルームライトの意匠が変わった

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バニティミラーに夜間点灯するライトが追加された

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ヘッドレストにRSの文字が

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フォグライトとコーナリングライトが追加された

他にもあるかな。見落としていたらゴメンナサイ。


あと、
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シャシーカップになってホイールが18インチに

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エアコンのコントロールユニットはそのまま
ここは変わらなくて良かった部分

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燃費などディスプレイに表示される項目から
車載温度計がなくなったのは唯一の残念


新機軸の紹介ビデオ
※ IE(Internet Explorer)でビデオを視聴するのが困難のようです。Chromeやsafari、Firefoxなどのブラウザをご利用下さい

◎ 施錠から開錠へ(開錠後30秒ほど点灯しています)


◎ 施錠から開錠へ(開錠後30秒ほど点灯しています)


◎ コーナリングライト(ステアリングの据え切りはすべきでないけど一度だけ)


◎ 施錠と連動するドアミラーの収納はいたって便利


クルマは人間に利便性をもたらしてくれる無機的な道具であるけれど、同時にクルマ好き、運転好きの人間にとってはこの上ない相棒でもある。だから、クルマは感性に訴える存在であってほしい。

セクシーな外観はもちろんのこと、1.3トン以下の車重でこの動力性能と走行性能を備えているルーテシア・ルノースポールはまさにそんなクルマ。今までもこれからも。


” Emotional crutch ”




第302回 Lutecia de Suzuka Circuit

ユイレーシングスクールでは年に一度、卒業生を対象に鈴鹿サーキットのレーシングコースでドライビングスクールを開催している。卒業生と言っても、 『ユイレーシングスクールのいずれかのスクールで40分ほどの座学を聞き、イーブンスロットルとトレイルブレーキングをやってみた人』 はみんな卒業生になるのだけれど。

鈴鹿サーキットのレーシングコースでドライビングスクールを開催するのは、国内で安全かつ合法的に最もクルマの性能を引き出すことができる場所だから。

2本のストレートではクルマによってだけれど200キロオーバーを体験できるし、3速でスロットルコントロールしながら上るS字はリズム感を養うことができるし、下りながらのターンインが続くスプーンカーブは力を抜かないと上手く走れないことがよくわかるし、130Rはふだんの生活では経験することのない速度でのコーナリングで長い間横Gを感じることができるし。    走り方さえ理解すれば、愛車の性能を限界近くまで引っ張り出すことができる貴重な場所だ。

YRS鈴鹿サーキットドライビングスクールをYRS卒業生対象にしているのは、速度域の高いサーキットだからいったん何かが起きると大事になる可能性が高し、クルマを走らせる方法を理解していないとせっかくの鈴鹿サーキットを走っても面白くないだろうから、一度でもクルマを合理的に走らせる方法を学んだ人にレベルアップを目指して走ってほしいからだ。

実際、誰でも参加できるある走行会では、走行開始5分後にコースアウトしてクラッシュしたクルマを回収するためにセッションのほとんどが赤旗中断だったこともある。実にもったいない。

さらに、ユイレーシングスクールでは2時間の走行枠を、1時間のセッションを2回にして間にインターバルを設けている。遠方から来られる人が多いので、1時間だけの走行では効率が悪いし、かと言って2時間連続では走りを冷静に振り返ることができないし、走り方の構築もままならないだろうから、サーキットに無理を言って一度クルマから降りる時間を作ってもらっている。

事前に長文の『鈴鹿サーキットの走り方』や鈴鹿サーキットのコース図を送り、YRSオリジナルビデオの鈴鹿サーキット編を見てもらうのも、『限られた時間でどれだけの進歩を確信することができるか』 を体験してほしいからだ。

今回は鈴鹿サーキットを初めて走る方が5名おられたが、全員が最終的にかなりのペースで周回することができた。ユイレーシングスクール卒業生だからの速さなわけで、走行時間が2時間あったとは言え、ぶっつけ本番ではとうてい達成できない速さを安全に達成することができた、と言っておこう。
全体を通してコースアウトは皆無。スピンしたクルマが2台あったが、どちらも以前にYRS鈴鹿サーキットドライビングスクールを受講した人だった。(汗)

下のビデオはセッション中に鈴鹿初めての人を引っ張った時のもの。なので全開ではないが、決してラップタイムが遅いわけでもない。

※ IE(Internet Explorer)でビデオを視聴するのが困難のようです。Chromeやsafari、Firefoxなどのブラウザをご利用下さい

※ 他のユイレーシングスクールのオリジナルビデオはユーチューブでご覧いただけます。






第300回 Nさんの場合

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YRSオーバルスクールFSW開催日は朝8時集合だけど
ゲートオープンの7時半を過ぎると続々と参加者が
今回は富士山がお出迎え

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今回はYRSオーバルスクールはもちろんのこと
ユイレーシングスクールに初めての参加する方が5名
そのうちの紅一点がメガーヌRSに乗るNさん


NさんのYRSオーバルスクールの参加申込みフォームのコメント欄には、『 スポーツ走行の基本を学びたいです 』 とあった。

丸一日楕円形のコースを走り続けるYRSオーバルスクール。後日届いたメールには、『 最後の走行ではメガーヌをストレートで踏み抜いて全開、タイヤが今どうなっているか考えながらカーブを曲がることができて大変楽しかったです 』 とあった。


どこかの雑誌のホットハッチ特集でベタ褒めされていたのを読んで、乗っていたアルファロメオ147をルーテシアⅢRSに乗り換えて、その存在を知ってルーテシアⅢRSコンプリートに乗り換えて、ついにメガーヌRSを追加するというルノー・スポール大好き人間になってしまったNさん。
聞けば運転も大好きで富士スピードウエイのレーシングコースも走るほど。ただ、速く走るのには人間が頑張らないといけないと思われていたようで・・・。

果たして、初めてのユイレーシングスクールと初めてのYRSオーバルスクールでスポーツドライビングの基本を学ぶことができたかはNさんの感想文に。

5月12日にユイレーシングスクール オーバルレッスンに初めて参加しました。

私はサーキットをたまに走っているのですが、どうも自分が回りの方達に比べて遅いみたいで、コーナーの曲がり方もわからないので、速く走らせようとすると運動部の部活のようになってしまって楽しくない。これはスポーツ走行の基本ができていないからだと思い至りました。

スポーツ走行を始めたのは、「わくドキ!サーキットを走ろう!」というイベントに参加したのがきっかけでしたが、それからは手探りでした。
富士スピードウェイの走行ライセンスを取ったその日の午後に2時間の走行枠があったので走ってみるという無謀なこともしました。今から考えると冷や汗ものです。

今回のユイレーシングスクールでは、走りの技術もさることながら、基本的な概念、車とお友達になって車の状態を知り、思う通りに動いてもらう、ということを教わりました。これは目からウロコが落ちるような新鮮な考え方でした。

座学で理論を学び、始めにショートオーバルコース、次にロングオーバルコースでひたすら直線とカーブを走り込みます。直線は全開→ブレーキ→イーブンスロットル→ハンドルを切って曲げる、の流れで、車の動作と次の動作の間にニュートラルな間があり、一瞬ですが、車が今どのような状態にあるのかを見るのが大事なのだと思います。レッスンの最後の走行では、アクセルペダルをベタ踏みしてスピードを上げ、気持ちよくコーナーを曲がることができました。車との対話ができるようになったのです。

私は、ルノー車を購入してはや7年、メガーヌは3台目になります。ルノー車はボディはしっかりとしておりシートは極上で、しかも操作しやすい。特にRSの足回りはよく調教されていると思います。日常生活でもスポーツ走行でも少し無理をしても破綻することがない。そのかわり、高い限界を越えないように気をつけなければなりませんが。

そんな性能の高いルノー車を自分は乗りこなせているのだろうかと、ふと不安になることもありますが、トム先生の「年をとってもスポーツ走行はできる。頭で(考えて)走るのだ。」というお言葉を励みに、もう少しがんばってみようかと思います 』。


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通称「下のコーナー」を立ち上がるNさん
YRSオーバルの片方のコーナーはかなり下っているので
周回方向や走行ラインによっては逆バンクになる面白さがある

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半径22mのコーナーをアウトインアウトで立ち上がり130mの直線を加速する
2速のままだと吹け切ってしまうクルマが多いが
メガーヌRSは2速のままでも3速のままでも速い

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最初は全開にすることを躊躇していたNさんが
直線で負けじとスロットルを開ける

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YRSオーバルのコース幅は14mで高速道路の3車線より広い
コーナーは半径22mだけども走行ラインの取りかたで
いかようにも曲率を変えることができる
進入重視にするかコーナリング速度重視にするか

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通称「上のコーナー」にブレーキを引きずりながら飛び込むNさん

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加速から減速
減速から旋回へのトランジッションを意識すると
信じられないほど高い速度でターンインができる
コーナリングはクルマを失速させるから
ターンイン速度はアンダーステアを出さない範囲で高ければ高いほど
Nさんも最後は及第点のターンインでした


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Nさん お疲れさまでした
最後はリズム良く走っていましたね
慣れると操作の手続きにかかる時間を短縮することはできますが
クルマが求めている操作を省くのはいつでも×です
まだまだたくさんスポーツドライビングについてお話したいことがあります
運転が楽しいクルマをお持ちなのですから
また練習をかねて遊びに来て下さい


一日中富士山はご機嫌でした。