トム ヨシダブログ


第742回 ユイレーシングスクールのススメ

ユイレーシングスクールは今から23年前、1999年12月の開校と前後して、Webサイトで84頁にわたる教科書を公開した。

742a
ユイレーシングスクール教科書 2頁

742b
ユイレーシングスクール教科書 目次

 

クルマは人や物を載せて移動するための道具だから必然的に人間が扱うことになるのだけれど、そこはそれ、それなりの扱い方がある。

クルマは良くできた道具だから、クルマが動きやすい操作をしてあげれればクルマは機能=性能を発揮しやすい。けれど運転者がクルマが動きやすい状況がどのようなものか理解できていない場合が多い。その状況を作り出すための努力をしているという保証もない。
なにしろスロットル、ブレーキ、ステアリングを操れば、とりあえずクルマは動いてくれるけど、サーキット、公道を問わずクルマが性能を発揮しやすい状況を作り出すために適切な操作が行われているか、運転中の運転者自身が検証することが難しいのも事実だ。

そこで、ユイレーシングスクールではクルマが動きやすい操作がどういうものか理論と実践の両面から理解してもらい、スロットル、ブレーキ、ステアリングの各操作が、運転者が意図した加速、減速、旋回と連動しているかをアドバイスすることによって、運転する人が自分の操作を連続して自身で見直せるコツをつかんでもらうようにしている。

あるコーナーへの進入から脱出までのスロットル、ブレーキ、ステアリングの各操作とそれらをまとめた結果をイメージした下のイラストで例えるのなら、イラスト1ではなくイラスト2でもなく、最終的にイラスト3のような操作が常にできるようになってもらうのがユイレーシングスクールが目指すところだ。

742-1
イラスト1
サーキットを速く走ろうとしている時の操作と挙動の関係
 
いわゆるオンオフ操作
人間がクルマより速く走ろうとしている場合に見られます
 
図の黄色い部分ではアンダーステアが発生しているはずです

742-2
イラスト2
サーキットを速く走ろうとしている時の操作と挙動の関係
 
いわゆる間延びした操作
速さに対して慎重すぎるのか
クルマの動きがわかっていないのか
クルマと運転者の距離が遠い場合に見られます
 
図の黄色い部分ではアンダーステアが発生しているはずです

742-4
イラスト3
サーキットを速く走ろうとしている時の操作と挙動の関係
 
クルマの性能を引き出そうとする操作
クルマが動きやすい状態を作ろうとしている
 
操作が重なっていない
クルマが前に進んでいる

 

ユイレーシングスクールはビークルダイナミックスを説明したイラストを使った朝一番の座学でクルマの動かし方を理論的に説明します。実技では理論に基づいたアドバイスをFMラジオを使ってリアルタイムで繰り返し、参加された方の操作と理論との乖離を修正し続けます。

9月のユイレーシングスクールは
・9月16日(土) YRSオーバルスクールFSW 開催案内
・9月17日(日) YRSドライビングワークショップFSW 開催案内
のふたつです。愛車に生き生きと走ってもらう運転を練習しにきてみませんか。

 


第739回 Tさんの場合

今年からサーキットを使ったドライビングスクールの内容を見直しコーナーを区切って反復練習する時間を増やした。8月のYRS筑波サーキットドライビングスクールではコース1000のキンクと外周に出る右コーナーの連携のアドバイスを追加した。参加者が周回を重ねる時間は少なくなるけど、サーキット攻略に大切なコーナーに的を絞っての練習は大好評。参加者全員がクルマの姿勢制御に一皮むけたのが見てとれた次第。

そんな今年2回目のYRS筑波サーキットドライビングスクール。アルピーヌA110Sに乗るユイレーシングスクールは初めてのTさんが参加してくれた。

738-1
ということで
例によって
Tさんに感想分をお願いした

 

先日、トムヨシダ先生主宰のユイレーシングスクールのレッスンに初めて参加しました。

元々こちらを知ったのはネットでサーキットの走り方をなんとなく検索していた時でした。

2022年6月にアルピーヌA110Sを手にしてからA110オーナー向けのサーキット走行会に誘われ参加する運びとなり、初めてのサーキット走行にあたりコースマナーや走り方のポイントなど何か予備知識をと思い情報収集していた時に当スクールのウェブサイトに出会いました。
ページを一通り拝読しのぞんだ初めてのサーキット走行(袖ヶ浦)。実際走ると良く出来たクルマに助けられそれなりに楽しめましたがおっかなびっくりのハラハラドキドキ場当たり運転でもありました。
レッスン会ではないので基本的に各自ラッピングするだけの走行会です。自分で色々考えつつもどこをどうしたら良いのか何がいけない操作なのか実際には全く分からない状態で、ただ場当たり的に周回しているのが現状でした。

もちろんそれでも十分楽しいわけですが完全な我流ですし、基本をしっかりと学ばないと何回走行会を経験しようにもただ走ってるだけであまり進歩しないだろうなと2回目の走行会参加後に痛感しました。
これはスキーで経験済みです。きちんと指導者から教わらないとスキーは何年やろうが検定には絶対合格しません。

そんな思いで参加することにした当スクールのレッスン。私以外は皆様リピートの生徒さんばかりでしたが入りにくい空気感などなく心地よい距離感で迎え入れて下さりました。トム先生のお人柄ですね。すごくお気遣い頂き気にかけて下さいました。

前置きが長くなりましたが結論から申し上げますと

「参加して本当に良かった!!」です。

稚拙ながらもクルマを自分の意思で動かす感覚が分かったような気がします。

「偶然そうなった、たまたま走れた、たまたま失敗した」などそういうことではなく、「あれが出来なかったからこうなった、あれをきちんと出来たからこう走れた」と理屈と因果関係をおぼろげながら理解することが出来ました。もちろん一朝一夕で極めることなど出来ませんが入り口には立てたと思います。

イーブンスロットルやトレイルブレーキなど事前にウェブサイトで読んでいた事も、実際はイメージとかなり異なりダイナミックなものでした。というか積極的にアプローチしていくものだと学びました。イーブンスロットルとは言いながらもコーナー後半に向けアクセルを踏み込んでいかないとイーブンが維持できない事(踏み増して行くからこそイーブンが保てる)を無線を通したり同乗走行時にリアルタイムにご指導頂けたことが大きな収穫でした。
コーナーリング中、ハンドルを敢えて小刻みに動かしさらなる奥を探る、アクセルも「セナ足」よろしく小刻みに煽りより限界を探る。

~クルマ全体の挙動の変化が起こらない範囲の中でクルマを騙す~

これを学んだ後半から自身の走りが激変しました。「クルマを自らの意思で動かしている、怖くない」ことです。

それ以前は「おっとっとっと(冷汗) 」、「コワイコワイ」と そんな心理状態がほとんどでした(笑)。

それともう一つとても印象に残ったトム先生の無線でのアドバイス。「腹にぐっと力を入れてアゴ引いて遠くを見る!」。専門的な知識ももちろん大事ですがこのアドバイスが初心者のワタシには一番変化をもたらしてくれたお言葉でした。

とても暑い晴天の真夏日でのレッスンでしたが楽しく過ごせました。参加して良かったです。仕事の関係で参加機会も限られてはしまいますがあまり間を開けずにまた参加したいと思います。

トム先生はじめスタッフの皆様、有難うございました。

738-2
インフィールドの直線部分に全参加者のクルマを停め
2班に分かれて1コーナーで
イーブンスロットルとトレイルブレーキングの練習

738-3
1班が走るのをもう1班が見学
1コーナーに進入するTさんの走りを見学班が注視

738-4
コース1000のストレートを1コーナーに向けて加速する
TさんのA110

738-5
今回はメガーヌRSトロフィーがラジオカー
Tさんの走りを見ながらリアルタイムアドバイスを送る

738-6
Tさん感想文ありがとうございました
また練習に来て下さい



第735回 Nさんの場合

Nさんは2007年2月のYRS筑波サーキットドライビングスクールにRX-8に乗って初めて参加してくれた。ご自身がロードスターのパーティレースの常連でもあったたから頻繁に通ってくれていたわけではない。それでも2018年7月までエンジンドライビングレッスンを含めていろいろなスクールに合わせて20回参加してくれた。けれど、そのれきり顔を見なくなった。
ところが昨年7月。エンジン編集部から送られてきたアルピーヌ・ドライビングレッスンの参加者名簿にNさんの名前を見つけた。車両欄にはアルピーヌA110リネージとあった。「あ、やっぱり走り屋の虫がうずいたのね!」と。

735
つい最近
A110リネージュからA110Sに乗り換えたNさん
慣らしもそこそこにYDOに駆けつけてくれた
 
そこで例によってNさんにも感想文をお願いした

 

久しぶりにYRSのレッスンに戻ってきました。私にとってトムさんのレッスンは、運転練習の始まりでもありますが、運転に行き詰ったときに振り返る場所という意味で「ふるさと」のようなところです。

今回は新しい車両であることと、サーキット走行も含めて1年以上まともに走っていませんでしたので、あらためて、身体と頭の記憶を呼び起こすことを目的に参加を決めました。
また、今回のレッスンでは、Gセンサーを搭載したデータロガーで、運転の可視化ができるという内容が含まれていました。今まで感覚として捉えていた運転について、どこまでできるのか、またできていないのかを自分の目で見れること、さらにそのデータから、トムさんにしっかり怒られてみようという、密かな期待(?)も参加した理由です。

実は今回まだ慣らし中の車でしたので、FSWに到着するまでは全開走行をどうするか躊躇っていましたが、午前中の最初に行われた加速してフルブレーキングのレッスンから、慣らしのことなどすっかり忘れて全開走行となりました。
さらに、初めての車で初めての全開・フルブレーキングは、身体の目覚ましにはうってつけのレッスンで、ABSの掛かり方や、パドルシフトの使い方を知ることができましたし、そもそも「車の運転ってどうやるんだっけ?」ということ自体を頭から引っ張り出すことにもなりました。

その後は、
・定速(70キロ)からのブレーキング(同乗あり)
・スラローム練習
・イーブンスロットル
・トレイルブレーキング(同乗あり)
と、途中から雨が降り続き、靄もかかる中、一日中レッスンを楽しみました。

今回のレッスンの収穫として、ブランクがあったからこそ気づいた点がいくつもありました。
一つ目は、「運転は上手くいかないことの方が多い」ということです。
トムさん曰く「だから誤魔化す方法を考える」とのことですが、上手く操作しようとせず、トライ&エラーを繰り返しながら引き出しの数を増やしていくことの重要性を再認識しました。スロットルオフのポイント、ブレーキングポイントやターンインポイントをここと決めてかかると、ポイントがズレてしまうことがある。早めに操作を開始して、クルマの動きに合わせて修正、修正を繰り返すことで理論的な正に近づけることができるという意味でした。

二つ目は、「オーバルのレッスンはサーキットに通ず」です。
私は15年以上レースに参戦していましたが、オーバル練習とサーキットのラップタイム向上にどのような関係性があるのか、今一つ掴み切れていなかったことに気づきました。オーバル練習を行う際、私にはどうしても前の車を追いかけてしまう悪癖?があり、速く走ろうとするあまり、結局遅くなるという悪循環に陥ることがよくあります。
今回はトムさんに何度か同乗していただき、コーナー入口、中、出口での走らせ方の違いを肌で感じ、素人が速く走らせる(=車を前に進める)には、オーバル練習がいかに大事かということを思い知りました。

三つ目は、「やっぱり運転は面白い」です。
トムさんの同乗走行で思ったことですが、操作の仕方次第で、車の動きが大きく変わることで、車が生き生きとしていることに今更ながら驚きました。以前のレッスンでトムさんから「車は公転しながら自転している」と言われたことがありますが、車は宙に浮いている訳ではないので、そこに摩擦が加わります。地面とはタイヤでしか接していない訳ですから、いかに車の性能を最大限利用しつつタイヤの能力を発揮させるかが大事になると思います。勿論そのキモは腕次第なわけですが、残念ながらすぐには「正しく操作できない」ことが、逆に運転の楽しみを増やし、面白味に繋がっていることを興味深く感じました。

このようなことで、久しぶりのレッスンは得るものばかりで、少々お高いレッスン代の元は取ったと思っています(^^♪
後から送っていただいたオーバルの走行ビデオもとても参考になりました。

今度は今回の復習と、更なる引き出し増産のため、あまりブランクを空けることなく参加したいと思います。今後とも、宜しくお願い致します。

735-1
メガーヌRSトロフィーのリードカーに続いて
ブレーキ練習の完熟走行

735-2
1組目のコーンと2組目のコーンの間は30m
この間で踏力を永遠に増やし続ける
前輪のタイヤをひしゃげさせるように
前輪にどんどんどんどん荷重をかけ続ける
 
クルマ固有の制動性能を上回る減速Gを立ち上げるのが目的
これをブレーキング区間の半分までに終える

735-3
写真のピンが甘いけど
NさんのA110がこれでもかっていうほど
ノーズダイブしているのがわかる
 
前車軸ではなく
後車軸を中心にノーズダイブしているから
上昇した前輪のグリップと相まってABSは介入しない

735-4
加速からのブレーキ
定速からのブレーキ
イーブンスロットルでのオーバル走行
トレイルブレーキを使ったオーバル走行
 
各パートを走り終えるたびに教室へ
モニターにiPhoneのデータを再生して
参加者全員で全員の操作の見直し

 

Nさん また走りに来て下さい。待ってます。



第734回 MさんとGセンサ

734
先日のYRSドライビングワークアウトFSWアドバンストコーチング
iPhoneのGセンサーアプリで収集した参加者のデータを
解説を交えながらモニターで再生
巻き戻したり進めたり
モニターを食い入るように見つめる面々

 

最近Gセンサーでデータを取ることが多い。プラスマイナスの加速度と横向き加速度の変化を連続的に見ることができるので、具体的にどのような操作をしているか確認できる。もっとも検証するのに時間がかかるから走行時間が削られるという負の面もあるけれど、自身の操作を俯瞰する癖をつけるのにはうってつけ。

今回は加速性能に優れるクルマで参加したMさんのデータからどのような操作をしているか想像してみたい。当日は雨。滑りやすい路面でタイヤのグリップを有効に使う方法を探ります。
最初の動画は全開加速からトランジッションを意識したフルブレーキング。次の動画は半径22m直線160m幅員14mのYRSオーバルスクールFSWロンガーをトレイルブレーキングを使って全開で走行した時のモノ。

画面に現れる白い丸が運動エネルギーの方向を示しています。バーグラフの増減と白い丸の動きを追うと、操作がクルマにどのような荷重移動を引き起こしているかがよくわかります。結果としてタイヤのグリップに余裕を残した操作を想像することができます。

 

タイヤのグリップを使い切るには摩擦円の円周をなぞればいい、という話もあるようですが、ダイナミックな摩擦円自体が真円ではありませんし、円周をなぞること自体が対角線の荷重移動を伴うことでもあるのでユイレーシングスクールとしては否定的です。

その代わり、とりあえずクルマの高い性能を味わうことを目的に操作を重ねない運転を勧めています。加速、減速、旋回のそれぞれを単機能で扱い、次の操作に移る前にいったんクルマをフラットな状態にします。言ってみれば円周をなぞるのではなく、摩擦円の縦軸横軸の限界に達するように操作し、次の操作に移る前に原点に戻る。イメージ的には荷重を十文字に動かす、とでも言いましょうか。とりわけ、今のタイヤのグリップの高さとクルマの自己収れん性の高さからすれば、運転の上達には欠かせないアプローチだとユイレーシングスクールは考えています。



第732回 Oさんの場合

「第412回Oさんの場合」「第573回OさんとYRSオーバルスクールFSW」に登場してくれたOさんが先日のYRS筑波サーキットドライビングスクールに来てくれた。例によって終日雨の中をどうやって走ったかOさん自身の走りについて感想をお願いしたのだが、感想文を紹介する前に後日Oさんと交わしたメールのやり取りを。

Q:Oさん、クルマを運転するときに注意していることがありますか?
A:
1) タイヤからのフィードバックをつかみ取る(グリップの様子、滑り出しの感触)
2) 車の挙動を体で感じる(ヨー、ピッチング、ロールの大きさ、回転の中心位置)
3) 自分の操作に対する車の反応の速さと遅れ(反応が遅いときは操作に無理がある)

インストラクターの同乗走行だと、自分の操作幅よりもはるかに大きな操作に驚きますが、自分で真似しようとするとなかなかメリハリのついた操作ができません。ほんのわずかなタメの後の操作のスピードと量が大きいのに対して、自分の場合はタメを意識すると、そのあとの操作のスピードが遅くて挙動変化がダラッとしているのが原因だろうと思いますが、この課題をなかなか克服できずにいます。

732-2
写真は昨年5月26日のYRS筑波サーキットドライビングスクールから
 
 
 
 
 
 
以下Oさんの感想文

2018年夏にメガーヌを手に入れてから、20ン年ぶりのMT車の運転を楽しむようになった一方で、なかなか車の能力を活かせていないことが大きな悩みとなってきました。しばらくあれこれと自分で試行錯誤を繰り返していましたが、一度ちゃんと教わってみようと情報を探したときにユイレーシングのことを知りました。
40年以上前、アメリカの情報を伝える雑誌に、当時カリフォルニア州のシアーズポイントを拠点としていたジム・ラッセル・レーシングスクールの紹介記事が強く印象に残っていたのですが、ユイレーシングの主宰者トム・吉田さんがもともとジム・ラッセルで教えていたということも、このスクールを選択する大きなポイントでした。

2019年のオーバルスクールに初参加して以来、年に数回は必ず顔を出して練習を重ねています。年齢が年齢なので、なかなか体得するのは難しく、同じことを繰り返しながらなんとか体に覚えこませていきますが、次回のスクールでは前回身に着けたと思っていたことがなかなか定着せず、時間をかけて思い出しながら少しずつは進歩しているのだろうと思っています。
ユイさんのスクールで一番いいと感じるのは、しっかりと理屈を教わったうえで、時間をかけて自分なりにわったことを反復練習できる点です。じっくり繰り返すという点ではオーバル、ツーデイズと並んでお気に入りなのが今回参加した筑波のスクールです。ほかの走行会では経験できない、外周をオーバル的に使ったイーブンスロットルとトレイルブレーキングの練習が、ユイさんのカリキュラムの特色を強く出した部分でもあります。

今回は練習開始直前から雨が降り始め、終日雨というコンディションでした。タイムアップという点では残念な部分はありましたが、練習という点ではまたとない機会となります。これまでと少し違い、イーブンスロットルやトレイルブレーキングの練習時に、「最終コーナーを舵角一定で回ることを意識してストレートに入るように」という課題が出されましたが、これが今回はとても大きな収穫につながりました。
イーブンスロットルの練習では、1コーナーのターンインから2コーナーの立ち上がり前まで、4輪にしっかりと均等に荷重がかかる姿勢を意識していきます。フロントに舵角を与えると走行抵抗が増えて必ず減速するので、その分をスロットル操作で補い同時にリアの荷重をしっかりかけてあげることをつかんでいきます。
トレイルブレーキングではストレートで少し早めにアクセルオフをして、減速のやや強めのブレーキングをしてからリリース。ブレーキを引きずりながらステアリングを操作していきますが、クリップに直線的に向かっていきがちなことを無線で指摘されました。練習の合間でインストラクターの方と議論をする中、ターンインの速度に気をとらわれすぎず、1コーナーを過ぎたあたりで全体減速せずに逆に加速するような意識で回ってみてはどうかというアドバイスをもらったところ、より強くイーブンスロットルを意識してのコントロールが少しずつできるようになっていきました。
午前中に2セッション、午後もたっぷりとコース周回を重ね、毎回課題を設定しながら走りこみます。最初のセッションでヘアピンの進入時のコントロールがうまくいかずにアンダーが出てクリップに着けなかったので、進入時の減速に注意しながら早めに減速のブレーキを完了させることを徹底すると、少しずつタイトに回ることができるようになりました。
そのあとのインフィールドセクションはラインどりが悩ましいポイントですが、今回は徹底してコンパクトに回ることに専念しました。
これまで、なかなかうまくまとめることができなくなった最終コーナー進入から立ち上がりの部分ですが、参加者が皆悩んでいるということもあって、トムさんの運転による同乗走行でラインどりをしっかり体感したのちに、自分の運転でそれをトレースしていきます。最終コーナー侵入の手前にステアリング操作でロールを消してからブレーキングをすることは今までもやっていましたが、トムさんが「その前に一度アクセルオンで加速してからブレーキングしている」と教わり、実践してみると直前の緩い左コーナーで生じたロールがアクセルオンで早めに戻り、少しあわただしい操作にはなりますがブレーキングからの進入も安定してくるようになりました。肝心の最終コーナーからの立ち上がり部分ですが、インストラクターの方から「だんだんとクリップからの立ち上がり時点でしっかり車が内側に向いてきた」と言っていただいたのが大きな自信にもつながりました。

筑波のTC1000で一番気持ちがいいのは1-2コーナーで4輪がわずかにスライドする感覚を経験できることです。今回は雨というコンディションで、より微妙なスライドを感じやすかったのも楽しく練習できた部分です。1コーナーから2コーナーの間で軽いアンダーがたときにアクセルオンでリアに仕事をさせることでスッと回り込む感覚は何とも楽しい瞬間です。

トムさんをはじめインストラクターの方がしっかりと見てくださっていて、要所要所で的確なアドバイスをしてもらえるのがユイレーシングスクールの一番のポイントです。ドライビングスキルの維持のためにも、スクール参加を続けていきたいと思っていますので、次回以降もどうぞよろしくお願いします。

732-1
写真は2020年3月のYRSオーバルスクールFSWから

732-3
写真は2021年5月のYRS鈴鹿サーキットドライビングスクールから

 

Oさん また練習に来て下さい。



第731回 YRS筑波サーキットドライビングスクール

梅雨のさなかの先週木曜日。今年1回目のYRS筑波サーキットドライビングスクールはやはり朝から終日雨。時に雨量が多く部分的に冠水する部分も。それでもこの日参加した13名の方はウエット路面をモノともせず、滑りやすい路面でのコントロールを大いに楽しんでいた。
何故って? 滑りやすいから操作の間違いが即クルマの挙動に表れる。操作と挙動の因果関係を感じることができる。理論的に修正する方向は理解しているからギャップを埋める努力が楽しくなる。

座学の後は外周だけを走りながら1コーナーを使ってイーブンスロットルとトレイルブレーキングの練習。トランジッションで何故イーブンスロットルが必要なのか、ターンインで何故トレイルブレーキングが有効なのかの説明を身をもって体験してもらう。

イーブンスロットルの練習では70キロから徐々にペースを上げて最終的には85キロプラスまでノーブレーキで1コーナーへターンイン。トレイルブレーキングの練習ではデモランを見てもらい、スロットルオフから瞬間的なハードブレーキングとブレーキリリース、そしてターンインからのトレイルブレーキングのイメージを作ってもらう。ここまでで筑波サーキットコース1000のタイムアップに大切な1コーナーの攻略法が参加者にとって明確な根拠となる。
あわせてヘアピンを曲がらずに真っすぐ通過し直進状態から最終コーナーに向けてターンイン。実際は3つのRからなる最終コーナーをひとつの大きなRで、しかもイーブンスロットルを維持する練習を繰り返し、同じくタイムアップに重要な直線につながるコーナーの脱出速度を上げることと、長いコーナーの通過速度を上げる練習を繰り返してもらう。

外周を使っての練習が終わり、フルコースの最初のセッションはコースの確認のため追い越し禁止。2回目からは全開で。この日、午前中のセッション、午後の走行時間を半分に分けたセッションを2回。各セッションの参加者の周回数、ベストラップ、ベストラップを記録した周をまとめたのが下の表。数字から各人各様の走り方が見えて興味深い。

731

 

ユイレーシングスクールでは周回数を稼げるミニサーキットを使ってクルマを速く走らせる方法をアドバイスするドライビングスクールを開講しています。いわゆる走行会とは異なります。サーキットを走った経験のない方も安心して受講できるカリキュラムになっています。各ドライビングスクールの開催案内をご覧の上、速く走る=クルマの性能を引き出せる=安全に運転できる、を目指すユイレーシングスクールに参加してみませんか。

・7月20日(木)開催 YRS富士スピードウエイドライビングスクール開催案内
・8月3日(木)開催 YRS筑波サーキットドライビングスクール開催案内



第730回 コーナリング考察

クルマはコーナリングが苦手だ。直進状態から旋回に移る時に起きる荷重移動。それは直進方向の加速度をコントロールすることに集中できる加速や減速とは異なり、それらに加えてターンインの瞬間から横方向の加速度もコントロールする必要が生まれるからだ。しかもクルマは巨大な運動エネルギーを抱えて走っているからその向きを変えることは容易ではない。ターンインの速度が速くなると、かかる横Gの大きさは速度の上昇の二乗に比例して大きくなるからさらにやっかいだ。

ユイレーシングスクールがトランジッションにこだわるのは4輪を使ってできるだけ高い速度からターンインしたいから。コーナリングを始めたクルマは前輪の舵角が走行抵抗になって速度を殺がれる傾向にあるから、速く走ることが目的ならばターンイン時の速度はできるだけ高いほうがいい。しかしながら、高い速度でターンインをしても次の瞬間にアンダーステアを出したりオーバーステアに陥っては本末転倒だ。そこでターンイン時のクルマの姿勢=4本のタイヤにかかる荷重=タイヤのグリップをコントロールすることが重要になる。

次のふたつの動画は加速から減速、ターンインからコーナリングに移る加速度の変化をGセンサーで可視化したものだ。

最初の動画はトレイルブレーキングを使ってターンインをする時に、可能な限り前荷重にならないように。そしてコーナリング中に失速しないように明確なイーブンスロットルを心がけている。

次の動画はラップタイムの向上を狙ってスロットルオフを遅らせ強いブレーキをかけ、踏力を抜きながらターンインをした場合。走っていてアンダーステアは感じないものの、クルマの向きと運動エネルギーの方向が一致していない瞬間がある。つまり現象としてはアンダーステアの手前にあるのも事実。

速く走るためにはタイヤのグリップを有効に使う必要があるのは事実だとして、グリップの限界を維持するために摩擦円の円周をなぞることを目指すのがいいのかどうかは検証してみる必要がある。     【参考リンク】YRS教科書 37頁摩擦円回答

最初の動画はブレーキング後に極力前荷重を抜きターンイン時に前輪に負担がかかっていない状態を実現しようとしている。前後輪のグリップが均等な状態からターンインすることによって、ターンイン後はブレーキを引き摺っているにも関わらず減速Gは発生せず横Gだけが増えることになる。タイヤのグリップをコントロールする際に摩擦円の円周をなぞるのではなく、操作と操作の間に4本のタイヤに均等に荷重がかかっている状態を挟んでいるため、結果的に荷重は摩擦円の内側で十字型のように移動することになる。クルマの性能を引き出しやすいように、ユイレーシングスクールが進めているトランジッションを設ける=挙動と挙動の間でクルマをフラットにする、がこれに当たる。

次の画像は最初の動画に対応していて、横Gが立ち上がる瞬間にクルマが加速も減速もしていない状態にあることを示している。
730-1

 

下の3枚は2番目の動画からキャプチャーしたもの。ターンインのはるか手前で強く瞬間的なブレーキングを行い、直進状態にあるうちに踏力をゆるめる。
730-2

ブレーキをリリーズするタイミングが遅れた結果、前荷重のままターンインすることになる。
730-3

踏力を減らしているのに前輪の舵角が抵抗になって再度減速Gが増加。ステアリングを切るほどに横Gは増えるものの、グラフ上の白い丸が示しているように加速度=運動エネルギーの方向は斜め前に。摩擦円の円周をなぞってタイヤのグリップを確かめようとする時に見られる対角線上の荷重移動だ。
730-4

 

クルマは重いからヒョコヒョコとは動かない。減速に続いて加速をすることが速さにつながる保証はなく、減速と加速の間にコーナリングがあるのが普通で、コーナリング中は速度を維持するためにイーブンスロットルの状態=加速も減速もしない状態を高い速度で実現することが求められる。画像はコーナリング中に横Gを受けながらスロットルを小刻みに開けて前荷重になることを避けた瞬間。
730even

 
クルマにどういう荷重移動を起こさせるのが速さに結びつくのか。クルマによってもタイヤによっても運転手によっても正解はマチマチだろう。ただ、ユイレーシングスクールではまずクルマの高い性能を見極めるためにも、摩擦円の中で直線的に限界に近づくことができる十字型の荷重移動を練習してもらっている。それがタイヤのグリップ限界をさぐりやすくするからだ。速さを手に入れることができれば、速度が低ければそれだけ安全性が増すことになる。タイヤのグリップを探りながらクルマの限界特性を経験する。それがユイレーシングスクールがオーバルスクールを続けている理由だ。

 

ユイレーシングスクールではいわゆるミニサーキットでこれからサーキットを走る方にうってつけのドライビングスクールを開催します。イーブンスロットル、トレイルブレーキングの練習を徹底しクルマの性能を引き出すコツをお教えします。ワンボックスカーでなければどんなクルマでも参加できます。事前に資料をお送りしますしサーキットを走る際のアドバイスも豊富です。愛車でサーキットを走ってみませんか。

・6月22日(木)開催 YRS筑波サーキットドライビングスクール開催案内
・7月20日(木)開催 YRS富士スピードウエイドライビングスクール開催案内



第727回 YRS+エンジンドライビングレッスン

2003年。ユイレーシングスクールとしてしたためた『所有欲から使用欲への転換』と題した一冊の企画書からエンジンドライビングレッスンは産声を上げた。20年目を迎えた今年。先週開催された2回目が通算74回目。ずいぶんと続いたものだ。

今回の参加者は25名。うちエンジンドライビングレッスンが初めての人が10名でサーキットを走ったことのない方が2名。好天に恵まれ、22歳から64歳までのクルマ好き運転好き青年が経験値に関係なくクルマとの対話を大いに楽しんだ1日になった。

727-1
朝7時半筑波サーキットジムカーナ場
ドライビングレッスン開催の意義などを含め
開会をの辞を述べるエンジン村上編集長

727-2
天気に恵まれたこの日は
胸を張って記念撮影
1日中外にいたスタッフは真っ赤に日焼け
 
photo:Sei Kamimura

727-3
722回で紹介したNさん
趣味のクルマのロードスターでは参加したことがあるけど
メガーヌRSトロフィーでは初参加

IMG_5349
メガーヌⅢRSに乗るKさんは
エンジンドライビングレッスン初参加
それでもサーキット走行の経験が多いだけあって
かなりのペースで走っていた

IMG_5353
コース1000のパドックで
ユイレーシングスクールに参加したことのある顔がチラホラ
見学に来たのだとか
写真はSさん
愛車で午前中の走行を楽しんだのだそう

 

エンジンドライビングレッスンは今年あと1回。10月5日(木)に開催します。午前中にユイレーシングスクールのYRSオーバルスクール、午後にコース1000を使ったYRS筑波サーキットドライビングスクールのエッセンスを凝縮して詰め込んだ1日で2度おいしいドライビングスクールです。みなさんの参加をお待ちしています。ルノー乗りの方はぜひ。



第726回 ルノー仲間再来

726-1
5月のルノー仲間は左から
スタッフのY
Hさん
ワタクシ
Gさん
Sさん
この日は朝から濃霧

726-2
ユイレーシングスクールでは走り方を理論的に説明します
前輪操舵車はなぜ初期アンダーが出るのか
4輪それぞれの軌跡がもたらす影響は
クルマの公転と自転の間に何が起きている
前後輪のスリップアングルを均等にし続けるためには
どうするとクルマが思い通りに動いてくれるか
ホワイトボードに図を描いて説明します

726-3
けっこうな雨量の中
最近はリアタイヤが発熱するようになったSさんが床まで踏みこみます

726-4
ユイレーシングスクールのルーテシア3RSブームに影響されて
購入したGさん
向こうに見える仲間のHさんのほうが早かったかな

726-5
フラッと顔を出したHさん
山中湖に用事があったのか
ちょっと走ってみればと

726-6
かってやっていたトライオーバルはガードレールとの距離がなく
左回りしかできなかった
でも3速全開踏みっぱのコーナリングを体験してほしいから
YRSオーバルFSWロンガーにコーナーをひとつ足してトライオーバルに
4月最後の日曜日に有志に集まってもらい試走会
雨と霧でスロットルを戻す人が多かったけど
次はドライで大きな横Gを感じてもらおう

726-7
試走会に来てくれたKさん

726-8
同じくOさん

 

ユイレーシングスクールが主宰するYRSオーバルスクールFSWはクルマの加速、減速、旋回の3大機能を高い次元でまとめ上げる練習をします。サーキットを走る人も走らない人も1度体験すればクルマとの会話が進みます。次回は6月10日(土)開催。ルノー乗りの方はぜひ参加してみて下さい。

・6月10日(土) YRSオーバルスクールFSW開催案内へのリンク

6月11日(日)にはYRSオーバルスクールを体験された方を対象にYRSオーバルレースFSWを開始します。単独で走って絶対的な速さを追い求めるのも楽しいですが、理論的にクルマを動かそうとする仲間と相対的な速度を追求するのは運転に幅を持たせてくれます。ルノー乗りでYRSオーバルスクールを経験された方は1度ヨーイドンを安全な環境で味わってみて下さい。自分の運転を客観視できるようになりますます運転が楽しくなります。

・6月11日(日) YRSオーバルレースFSW開催案内へのリンク



第725回 Oさんの場合

Oさんは昨年12月に開催したアルピーヌドライビングレッスンに申し込んでくれていたものの間際になってキャンセル。年が明けて、どうしているかなと思っていたら、開催日の2ヵ月半も前にYRSドライビングワークショップに申し込んでくれた。例によってあつかましくも感想文をお願いした次第。

725-1
クルマ屋さんだとは知らなかった

 

私のアルピーヌA110 GTが納車されたのは2022年7月末になるのですが、以前6年ほど所有していたメガーヌ3RSでは、富士スピードウェイ、鈴鹿サーキット、成田モーターランドなどいくつかのサーキットを走行した経験があります。A110は5年ぶりに所有するスポーツカーであること、また、初めてのMRということもあり、この先長く付き合うことになる愛車の特性をクローズドスペースでしっかりと経験しておきたいとの思いから、納車間もない2022年12月にENGINE主催の鈴鹿サーキットでのドライビングレッスンがあることをアルピーヌジャポンのHPで見つけ、すぐに申し込みをしました。その時のプログラム実行者がYRSさんということで、そこで初めてYRSの活動、トム ヨシダさんを知るきっかけとなりました。

その後レッスンの2週間ほど前になったところで、自宅近くのコンビニの駐車場でフロントバンパー、ラジエーターコアサポート一式を交換するほどの当て逃げにあってしまい、残念ながら修理のためレッスンはキャンセルせざるを得なかったのですが、2か月ほどして車の修理が完了したところで、改めてYRSのHPから、FSWでのドライビングワークショップの申し込みをさせていただいた次第です。
当日は自己紹介をし損ねましたが、私は日産自動車で車両のレイアウトパッケージを計画する仕事に長く携わっており、これまでY50フーガ、V36/37スカイラインセダン、Z34フェアレディ―ZなどFR系車両の開発を担当してきました。ただし、業務の中でテストコースをハイペースで走行することはあっても、限界の挙動の確認や評価を実施するようなことは専門外であり、私がプライベートでサーキット走行をすること自体は単なる趣味でしかないのですが、そういった経験を積むことで自身の設計業務の糧になっていると自負をしています。

今回、初めてYRSのドライビングレッスンを経験させていただきましたが、車を速く走らせる理論については、社内外でもそれなりに情報を持って、理解、実践をしてきたつもりですが、改めてヨシダさんの理論を拝聴させていただき、以下の点で新たな発見をさせていただきました。

・コーナリング中の速度を一定にすることで、タイヤ4本に掛かる接地荷重を最大化する。
・ステアリングの手ごたえを元にタイヤグリップの限界を使いきれるようにコーナリング中のスピードを最大化する。
上記を実践することで、コーナリングを安定してより速く走れるということに気づくことができました。

と、頭では理解したものの、慣れ親しんだ操作方法がついつい顔を出してしまうこともあり、実践するにはまだまだ練習が必要とも思いました…。

今までは、ブレーキングポイントギリギリまでアクセル全開で来た後、アクセルから素早くブレーキペダルに踏みかえ、ABSが効くほど強く踏みつけ、そこからブレーキを7割程度リリースしつつ、ステアリングを切り込み始め、クリップ手前までさらに減速しつつ舵角を増やしながらコーナリング、のような感じで操作をすることで、タイヤ摩擦円の淵をなめる様にGを回すイメージで操作をしていましたが、プロドライバーならいざ知らず、素人の私がターンインでタイヤのグリップを最大限使えていたかと言えば、そんなことはなく、ましてやギリギリまでアクセルを踏んでいる操作は、ブレーキの開始タイミングが少しでも遅れると、クリップにつけず大回りになってしまったり、そのリカバリーで強めのトレイリングブレーキをしてしまう事でスピンを誘発してしまうリスクがあり、結果、ラップタイムは安定せず、遅くなってしまうということが経験上でもあったのですが、今回ご教示いただいた理論は操作ミスをさせにくいので、結果タイムも安定し、しかも速くなるということで、かなりの衝撃をもって受け止めました。

このレッスンを受けるあたって、レッスン前後で、どのくらいサーキットのタイムが変わるのか確認してみたいと思っていたので、レッスン前に富士のレーシングコースを走行しています。タイムは2分8秒くらいでしたが、ご教示いただいた操作方法を自然とできるようになるまで練習をした後、再度富士を走って、どのくらいタイムが変わるのか確認をしてみたいと思っています。

改めて、今回レッスンを受講できて良かったと思うことは、以下の点です。

・しっかりと理論の講義があること
・サーキットではなくオーバルを使ったコースだったので、何度も反復練習ができること
・今回は特に受講者が極端に少なかったので、さらに走行機会が増えて良かった(終わるころにはヘトヘト…)
・車の限界挙動が雨のおかげもあって、比較的低いスピードレンジで体験できたこと
・A110がMRにもかかわらず、挙動が穏やかで非常にコントローラブルな車であることを確認できたこと
・とにかく、丸一日思いっきり走れたこと

非常に大満足のレッスンであまり物申すところもないのですが、強いて言えば、レッスン前後での自分の成長が測れるように、レッスン前に走った時のオーバルのタイムとレッスン後のオーバルのタイムが分かると良いかな、と思いました。

オーバルコースを使ったレッスンは他にもあると思いますが、コースの走り方をレクチャーするレッスンとは違い、YRSは理論ありきのレッスンなので、理論をしっかり理解して、実践できるようになれば、走るコースが変わってもいくらでも対応が効くと理解しましたので、多くの人にお勧めしたいと思いました。

また私も是非、時間を見つけて、別のレッスンにも参加してみたいと思いましたので、その際はまたよろしくお願いいたします。

725-2
当日は終日ウエット
箱根の山々と小山町にたなびく雲を背景に
A110が滑るように走る

725-3
A110を思い通りに動かす秘訣の第1歩はドライビングポジション
「ボクはこういうところに気をつけて座ります」と説明中

725-5
雨脚は時に強く時に弱く
オーバル走行の最初は小さなオーバルで
直線もコーナーも指定した速度で走る
イーブンスロットルの練習
Oさんのターンイン直後のショット

725-4
けっこうな雨量のFSW駐車場
なのにこれだけノーズをもたげるのは
Oさんの踏みっぷりがいいのもあるけど
やっぱりミッドシップだからだなと