トム ヨシダブログ

第29回 奥比叡ドライブウエイ その2


湖西に雪が降る季節になった。奥比叡は今、どんなヨソオイなんだろ。

昨年。奥比叡ドライブウエイにトゥインゴGTを連れ出した時。せっかくワインディングロードを走るのだからと、データロガーを載せていった。
データロガーと言っても大げさなものではなく、フロントウインドに吸盤で取り付けてシガーライターのソケットに差し込むだけの簡単なもの。ただ、GPSの電波を拾って位置情報からクルマの動きを記録するので、速度はもちろん加減速Gや横G、果ては軌跡や標高など、操作を解析するには十分なデータが残せる。

サーキットでは『なぜタイムがでないのか?』なんて難問を説明する際に役立つデータロガーだが、なにも使い道はクローズドコースに限らない。まして、ワインディングロードじゃなくて市街地でもクルマをどんな風に動かしているかを知ることができる。もっとも、無料のアプリケーションソフトをダウンロードして自分で解析しなければならないが、これはこれで面白く、クルマが『きちんと作られた道具』であることを改めて思い知らされることになる。


ユイレーシングスクールが使うデータロガーのパフォーマンスボックス

自分がどんなイメージでクルマを動かしているのか知るのには、初めて走る奥比叡ドライブウエイは絶好の題材。何度も走って練習すると、学習してうまくまとめてしまうから、今回は、これも初めて走ることになる復路を1回だけ走ってデータを採取。
クルマの運転というものは、つまるところ、いかにクルマを安定させて走るかにつきるわけで、自分が安定させて走っていると確信していても、後からデータを見てみると「あれ~ぇっ」なんてこともある。
今回がいい例で、いささか自信のあった自分の運転を省みるまたとない機会だった。決して操作が間違っているわけではないく、一般的に見ればクルマをきちんと制御している範囲ではあるのだが、『ターンインの手前でノーズを拾った』つもりだったのにまだ前傾姿勢だったり、『ブレーキング区間の最後でマイナスの減速度を限りなくゼロにした』つもりだったのにまだクルマが減速していたり、『初期の舵角を少なくした』つもりだったのに身体には感じないアンダーステアが出ていることがわかったり。自分のイメージと実際のクルマの動きに少なくないズレがあったことはまぎれもない事実。
省みるに、トゥインゴGTのふところが深いサスペンションに気を良くして、ホイールベースの短さを見込まないで操作していたのかも、という結論に至った。安定させることをテーマに操作したつもりだったが、感じられないところで微妙にバランスが崩れていたことになる。正直言って少しばかり落ち込んだが、これもまた勉強。

自慢にはならないし、参考にもならないと思うが、その時のデータの一部を公開。クルマがどんな姿勢で動いていたか想像することはできると思う。
見難いかもしれないが、図は左の座標が加減速Gで赤い折れ線グラフで増減を、右の座標は横Gで青い折れ線グラフで表示している。軌跡上の緑の丸がクルマの位置、グラフの中にある緑の縦線が対応するクルマの加速度を示している。ちなみにグラフでは、加減速Gがゼロを基点に最大0.7Gとマイナス0.6G、横Gは同じくプラスマイナス1.4Gを表示している。


ターンイン手前の減速中。


まさにターンイン。


コーナリング中。


S字コーナーの切り替えし地点。


コーナリング中。

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※ 次回Yゼミは1月28日(土)に開催します。ルノーオーナーの方、ぜひ話を聞きに来て下さい。

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