第567回 千分の1秒
ユイレーシングスクールの卒業生で、おそらくユイレーシングスクールのスクールレースにOさんに次いで最も多く参加したTさんが教えてくれた動画がしびれる。タイトルをつけるとするならば、The closest finish ever! になるだろう。なにしろ1位と2位の差が0.001秒なのだから。
※1分の動画です。ぜひ最後まで見て下さい。モーターレーシングがクルマを使ったスポーツだと納得できます。
アメリカのレースはいい。参加する人も見る人も大いに楽しめる。規則の設定が絶妙なんだな。ひょっとすると、最も楽しんでいるのは主催者かも知れない。
話は飛ぶけれど、1996年のデイトナ500マイルレースの時にインタビューした当時NASCARマーケティングディレクターのブライアン・フランス元NASCAR CEO兼会長にインタビューした時の話が忘れられない。
「トム、我々は単に自動車レースを開催しているのではないんだ。クルマを使ってはいるが、ボールゲームズを上回るエンターテイメントを提供できるように努力しているんだ」。アメリカのスポーツと言えばフットボール(NFL)、バスケットボール(NBA)、野球(MLB)にアイスホッケー(NHL:球技には含まれない)が人気だけど、当時すでにNASCARが統括するウィンストンカップ(現モンスターエナジーカップ)はそれらボールゲームズの視聴率を凌駕していた。「事故が起きてもいいんだ。ドライバーが怪我さえしなければ。それを見に来る人が大勢いるのだから」とまで言い切る迫力にタジタジだったことを覚えている。
ユイレーシングスクールのスクールレースはエンターテイメントとは呼べないけれど、どこを目指してどういう仕組みを作るか、アメリカから学んだことは多い。
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