
第498回 ユイレーシングスクール卒業生が織りなす作品 の2
モータースポーツほど一般的な理解が進まないスポーツはない。早い話、人気がない。
理由はいくつもあるだろう。他のスポーツに比べて使用する道具が高価であるとか、スポーツを行う施設/環境が限られているとか、他のスポーツに比べて潜在的な危険度が高いとか、他のスポーツに比べて取り上げるメディアが少ないとか、等など。思い当たる理由はいくつかあるけれど、それだけではない気がする。最たる理由は、そのスポーツになじみがないということではないかと。
ある統計によると人気のあるスポーツの上位3位は野球、サッカー、相撲らしい。うなずける。実はこの3つ、日本人の誰もが幼少の時に体験しているという共通点がある。野球なら放課後に広場でやった三角ベースボール。サッカーが大きくメディアに取り上げられるようになったのは他のふたつに比べて遅いけど、前回の高校サッカー選手権が98回目というから歴史は長い。ボクも高校時代はクラブで汗を流したことがあるし、ボールを蹴る子供たちは少なくなかったはずだ。相撲というと昔はそこらじゅうにあった土むきだしの地面に大きな円を描いてはっけよいをしていた。大人には勝てないと思ったものだ。
幼少期にスポーツの実体に触れた経験があるかどうかでそのスポーツとの接点が増し、それがそのスポーツを支える動機になり、そのスポーツの人気につながる、という循環が起きていると想像できる。
他にも人気ランキングに載っているスポーツはあるけれど、押しなべて言えば、人間が成長する過程で接する機会が多かったスポーツに人気が集まっている。そしてモータースポーツは今のところ、残念なことに、どの統計にも載っていないという事実。
人気のあるスポーツはもちろん、競技人口が多い。競技人口がアマチュアとそのスポーツを生業にしているプロで構成されているとすると、純粋にスポーツを楽しむアマチュアがいる一方でプロを目指すアマチュアがいて、彼らのお手本となるプロがいる。プロが脚光を浴びる背景にはアマチュアという支持層が欠かせない。いわゆるそのスポーツを下支えする分母だ。ところがモータースポーツにはその分母がない。
我が国のモータースポーツはレースでもジムカーナでもラリーであっても、 第487回 ユイレーシングスクール卒業生が織りなす作品 の1 で触れたようにJAFの規定に則って開催されなければならない。なので、高価な道具を使うスポーツなのにモータースポーツに参加する車両はJAFの規定に合わせなければならない、モータースポーツに参加するにはJAFが発給するライセンスを取得しなければならない、という制約がある。
サーキット走行が楽しくなり、ちょっと腕に覚えがでてきて他人とヨーイドンをしてみようかな、と思いついた人が、実際にレースに参加するまでの道のりは、最後にはあきらめたほうが賢明だと思うにいたるほど長い。分母が容易には増えない環境にある。それが日本のモータースポーツだ。
しかし、レースに参加することがドライビングポテンシャルの向上に効果的なのは明白だし、なによりも自分の経験から言って、秩序ある競争ならば参加した人がクルマとクルマの運転を大いに楽しむことができるのはレース以外にないと確信していたから、スクールレースの開催を視野に入れてドライビングスクールを始めた。モータースポーツの分母の足しに少しでもなればという思い。入り口からずっと先までと。ユイレーシングスクールの名前の由来だ。
最初にYRSエンデューロとYRSスプリントを始めて参加者が増えたところで
次に日本ではなじみの薄いオーバルレースを始めた
YRSエンデューロとYRSスプリントを開催していた期間は
各クラスの上位入賞者に
写真のようなメダルを授与していた
YRSオーバルレースでも渡していたから
10個以上持っている人もいるはず(とってあればの話だけれど)
メダルはユイレーシングスクールオリジナル
金型まで作って仕上げた
もちろん
Designed by Tom Yoshida
手元の資料によると、2001年に始めたYRSエンデューロとYRSスプリントはどちらも延べ39回開催している。YRSスプリントは5クラスが3ヒートレースを、YRSエンデューロは130分(初期は120分)耐久レースをやっていたから、参加した人が経験したスタートの回数、他人と競り合った回数が少なくないことは容易に想像できる。ユイレーシングスクール卒業生は大いに自動車競走を楽しんだに違いない。
YRSスプリントはスタートでエンストなどの混乱が起きないようにとの配慮と、強化クラッチをおごることができた人が有利にならないようにローリングスタートを採用した。YRSエンデューロではピットストップの時間をキッチンタイマーで測って全チーム公平にしする一方、スタートはオリジナルルマン式としてスタートドライバーに偉大な耐久レースの雰囲気を味わってもらった。キーを持ってクルマに駆け寄るのだけど、クルマにスペアキーが刺さっているのを発見して大目玉をくらわしたことが懐かしい。工夫したことはまだまだあるけど、レースをドライビングスクールの延長として開催したかったのと、参加者が公平に争い、何よりも運転を楽しめる環境を用意することに全神経を注いだ。
ある日のYRSエンデューロ
オリジナルルマン式スタート
ドライバーはキーを持って整列したクルマの反対側に
グリーンフラッグでクルマに駆け寄り
ベルトをして鍵穴にキーを差し込む
もどかしい時間
ある日のYRSスプリントのロードスタークラス
2列縦隊のローリングラップで高まる緊張
いつグリーンフラッグが振られるか
透明な気持ちになって感覚を研ぎ澄ます
グリーンフラッグ
先を争って1コーナーに
身体が自然に反応する
生命感の昂揚
ずいぶんと時間が経ち、現在開催しているスクールレースはYRSオーバルレースだけだけど、ユイレーシングスクールが先鞭をつけたライセンスの必要のないレースが各地で始まり開催されていると聞くと、少しはモータースポーツの分母の形成に貢献できたかなと。
YRSスプリントもYRSエンデューロもライセンスがいらないレースではあるけれど、公認レースに劣らないというより、それ以上にピーンと張りつめた緊張感あふれる内容にまで成長した。Sさんのロードスターに後ろ向きに搭載したカメラでユイレーシングスクール卒業生が繰り広げた作品を見てやって下さい。
動画は2012年6月21日開催のYRSスプリントFSW ロードスタークラス ヒート1
※冒頭にはローリングラップが続きます。お急ぎの方は1分10秒あたりからご覧下さい。
※後半のせめぎあいは見ものです。
第497回 YRSオリジナルビデオ
読売テレビから、ユイレーシングスクールのYouTubeに掲載しているオリジナルビデオを番組内で使いたいと連絡があった。なんでも、回転する物体の回転数が変わると見え方が変わる様子の検証に使いたいらしい。
その動画は2014年に、トゥインゴ ゴルディーニRSのタイヤが路面をつかまえる様子を見てみたいとオーバルコースを左回り、右回りで撮影したものだ。確かに速さの変化でホイールの見え方が変わっている。お役に立てればいいけれど。
番組は金曜日19時からの「 大阪ほんわかテレビ 」らしい。
※最後にカメラがパイロンに激突したのは目測を誤ってしまってのご愛敬
ついでと言っては何ですが、 ユイレーシングスクールのYouTube にアップした動画は222本。クルマと運転にまつわる動画がご覧になれます。
第496回 クルマを曲げる
YRSオーバルスクールFSWは広大な駐車場にパイロンを並べて作った楕円形のコースを走る。現在使っているオーバルコースは3種類。半径はどれも22mで直線の長さだけ60m、130m、160mと異なる。コース幅は全て14mで、イン側もアウト側もコーナーの始まり、頂点、終わりの3ヶ所に緑色のパイロンを置き、その間に15度間隔で5本の赤いパイロンを並べている。
YRSオーバルスクールFSWでインベタで走る練習をしていると、進入の緑のパイロンを過ぎて2本目の赤いパイロンを蹴とばす人がいる。ユイレーシングスクールが使っているパイロンは輸入品なので傷付けてほしくはないのだけど、ターンイン後に極端なアンダーステアを出す人が後輪でパイロンをはねてしまう。
アンダーステアを出さなければパイロンタッチはしないものだ。通常は前輪に舵角が与えられてまず前輪が円運動を始め、ホールベース分遅れて後輪の円運動が始まる。この時、直進運動から旋回運動に移るのが苦手なクルマのことを考えて、ターンインの位置を手前にしてターンインから少しずつ舵角を連続して増やしていけば問題はないのだけど、ペースを上げるとついエイヤッとステアリングをバキ切りする癖がある人がいる。
急に大きな舵角を与えられた前輪には即、大きなスリップアングルが生まれるのでタイヤのグリップが急激に増加する。グリップの増加した前輪は運転手が思う以上に内側に切れ込む。しかしその次の瞬間、クルマを直進させようとする大きな運動エネルギーを受け止めることができずスリップアングルが過大になり、タイヤの向いている方向と実際にタイヤが進む方向に大きなズレが生じる。前輪は回転方向に進むのではなく、舵角がついているのにも関わらず横滑りを始める。アンダーステアが発生する仕組みだ。
バキッとステアリングを切ったまま手が止まっているだろう運転手は、なんとかインにへばりつくために切り足そうとするけど、切り足しても前輪はコーナーの外側に向かって滑りながら円弧を描く。前輪についていかざるを得ない後輪には、前輪に比べて小さなスリップアングルしかついていないから横滑りは起きない。必然的に前輪より小さな円弧を描く。そこに、いわゆる内輪差が生じる。ステアリング操作が荒い人が後輪でパイロンを弾き飛ばす理由だ。
アンダーステア状態のイメージ
バキッとステアリングを切ると4輪に運動エネルギーが働いているから
前輪のスリップアングル>後輪のスリップアングル
前輪の働き>>後輪の働き
前輪の負担>>>後輪の負担
結果として前輪が悲鳴を上げることになる
バキ切りをするから内輪差が大きくなって後輪がパイロンを蹴とばす。パイロンを蹴とばすということは、バキ切りをしていますよ、と証明しているみたいなものだ。
前輪に操舵装置がついているクルマの宿命として、ターンイン直後には多かれ少なかれ必ずアンダーステアが生じる。前輪と離れたところにある後輪は、それがFRだろうとFFだろうとホイールベース分遅れて前輪の後を追いかけて前に進むことになるから、必然的に内輪差が生じるのを避けることはできない。だから、内輪差を少なくする≒アンダーステアを軽微なものにするためには、微舵角のターンインから始まって前輪のグリップの限界を越えないようにステアリングを必要なだけ長く切り足し続けなければならない。
前輪操舵車の旋回イメージ
※旋回中心の位置とタイヤの軌跡に注目
だから、前輪操舵のクルマに乗っていても、内輪差がほとんど生じないコーナリングをすることが理想だし可能だ。つまり、それには前輪に生じるスリップアングルと同等のスリップアングルを後輪にも与えられるような操作が必要で、YRSオーバルスクールFSWではそのあたりのアドバイスを聴いてもらいながら練習する。ぜひ一度アンダーステアを出さない運転に挑戦してみてほしい。その前に、ご自身の操作がアンダーステアを出していないかどうか確認に来てみてはいかがだろう。
ちなみに、4輪操舵のクルマがアンダーステアを出しにくいのは、前輪操舵車の旋回中心が後車軸の延長線上にあるのに対して、4輪操舵車では旋回中心がホイールベースのほぼ中心を通り旋回中心に向かう線上にあるように躾けられているからだ。4輪操舵車のメカニズムは本来、理想のコーナリングを目指そうとする運転手の意思と操作を補完することを目的としている。
端的に言えば、ユイレーシングスクールが目指しているのは、前輪操舵車に乗っていても4輪操舵車のようなコーナリングができるようになることだ。
4輪操舵車の旋回イメージ
※旋回中心の位置とタイヤの軌跡に注目
現代の4輪操舵メカニズムが運転手に与える恩恵は大きい。同じコーナーを回るにしても逆位相の範囲なら前輪操舵車に比べて舵角が少なくてすむとかステアリングを切っている時間が短くてすむとか、同位相の速度領域ならターンイン直後に後輪にも前輪と同じようにスリップアングルが生じてグリップが高まるから4輪で安定したコーナリングができるとか。4輪操舵の恩恵を受けられる人は、コーナリング中に前後のタイヤのスリップアングルの変化を想像しながら運転するのが楽しいと思う。横Gを受けても上体がシートバックとズレないドライビングポジションを探し、ステアリングを思いっきり軽く握って。
と言うことで ユイレーシングスクールでは7月11日(土)と12日(日)の両日、富士スピードウエイでYRSオーバルスクールロンガーを開催します。YRSオーバルスクールFSWロンガーの直線は160m。YRSオーバルFSWロングに比べて30m長く到達速度が高まるので、ターンイン時の姿勢を作るためにブレーキもシビアになります。半径22mのコーナーと高速道路の3車線より広い14mの幅員があるオーバルコースでご自身のクルマを存分に走らせてみませんか。どなたでもどんなクルマでも参加できます。詳しくは YRSオーバルスクールFSWロンガー開催案内 をご覧下さい。
第494回 Iさんの場合
先日のYRSオーバルスクールに来てくれたIさん
都合が合わなかったり
4月のYRSオーバルスクールFSWロンガーを中止にしたから
最初の申し込みから3か月目に受講してもらうことができた
今回は Yさん 以外の走りの写真がなしで申し訳ないけれど
左の列に並んでるノートNISMOがIさんの愛車
そのIさんからの感想文です
6月21日オーバルスクールでお世話になりましたIです。遅くなりましたが、感想を送らせて頂きます。
久しぶりのロングライド&屋外活動は、週末はほぼ家に引きこもっていた体にこたえました。と言ったら、二日間の日程をこなしていたトムさんは呆れてしまうかもしれませんね。
トムさんの隣に同乗して、微動だにしない運転姿勢の良さと、滑らかで安心できる荷重のかけ方や、運転操作などに圧倒される一方で、自分の車の面白さも感じることができ、また一つ車が楽しくなりました。
アドバイスも沢山頂きましたが、自分で考えて、工夫して、直していく! ということと、トムさんに言われた 「出来ないのは諦めているから!」 この言葉が、心にずーん!と響き、自分に足りないものを見つけた気がします。 なぜ、アンダーが出て曲がらないのか、タイヤが鳴いているのか。。?
以前から、カーブの後半になると、タイヤが向く方向とは違う方向へ車が向かっている!という事は、薄々気がついていました。切っても切っても曲がらないし、ストレートに出てハンドルを戻すのも大変です。また、速度が遅いときはごまかしが効いても、速度が上がると破綻するのも、いつもの流れです。
トムさんのブログに運転を見るとその人のなりが分かる! とありましたが、まさに普段の姿が浮き彫りになってしまうのですね。
今回はとても多くの事を教えて頂きました。知り合いもトムさんのスクールが原点だと言っています。参加して本当に良かったです。是非、またどこかで、参加したいと思います。(次回はパイロン轢きません!)ありがとうございました!
Iさん、また近いうちに遊びに来て下さい。待ってます。
第493回 富士山とFSWと食
スクールを自粛している間
沼津市の要請で沼津港エリアも休業していたみたい
けれど5月18日に営業再開と小耳にはさんで安心して
スクール前日コースを作る前に勇んで駆けつける
沼津港のあちこちのお店を制覇していろいろ食べたけれど
お腹がひとつしかないので
やはり現時点ではむすび屋さんの地アジ丼を選ばないという選択肢はありえなくて
以前は青魚に食指が動かなかったのがもったいなくも
あればいいなと大雨の中を速足で
3月に行った時 はまだ時期じゃなかったようで
アジのお刺身やアジフライはメニューにあったけど
ご主人がこだわる駿河湾産のアジだから作るという地アジ丼はなくて気落ちしたけど
今回は
お店に入ってまず左手に下がっているメニューに目をやると
はたして地アジ丼の文字が躍っていて歓喜
411回 ではアジ刺でお茶を濁したこともあったし
最後に地アジ丼を食べたのは 昨年の7月 だったし
思いが通じた
しつこいようだけど
むすび屋さんでは他にも食べたいモノはあるものの
今のところこの景色が最高に気に入っている
いつも出てくるシジミのおみおつけも美味しいし
肉厚のアジの上に刻んだ大葉と茗荷が乗っていてその上に針生姜
小皿にのってるすった生姜に醤油をたっぷりそそいでかけ回せば
もう口元がゆるんできます
沼津港に行く機会があったら
ぜひ食してみて下さい
念のためですが
むすび屋さんの回し者ではありません
3月22日のYRSオーバルスクールFSWを開催したままで
4月10日のYRSオーバルスクールFSWロンガー
5月16日のYRSオーバルレースFSW
5月17日のYRSオーバルスクールFSWを中止にしたから
まるっと3か月ぶりの富士スピードウエイ
変わってなくてひと安心
6月20日朝6時の富士スピードウエイ東ゲート
だから須走に宿をとるのも3か月ぶり
だいぶ雪が溶けて縞模様になってきた富士山
6月20日朝5時30分
宿の屋上から仰ぎます
ところで、ユイレーシングスクールでは7月11日(土)と12日(日)の両日、富士スピードウエイでYRSオーバルスクールロンガーを開催します。
YRSオーバルスクールFSWロンガーの直線は160m。YRSオーバルロングに比べて30m長く到達速度が高まるので、ターンイン時の姿勢を作るためにブレーキもシビアになります。半径22mのコーナーと高速道路の3車線より広い14mの幅員があるオーバルコースでご自身のクルマを存分に走らせてみませんか。どなたでも参加できます。詳しくは YRSオーバルスクールFSWロンガー開催案内 をご覧下さい。
第492回 ルノー仲間が増えました
2010年5月のエンジンドライビングレッスンでルーテシアⅢRSに出会ってひと目惚れするまで、正直あまりクルマ自体には興味がなかった。4つタイヤがついていて動けばそれでいい、なんて気持ちが頭のどこかにあった。実際に乗って、どうやって操るかということのほうがよっぽど大切だと思っていたし、運転こそ我が興味の対象だった。だからユイレーシングスクールの申込みフォームにNA6ロードスターとかNB8ロードスターと記入されているのだけど全部ロードスターとしてくくっていた。オーナーは不満だったみたいだけど。ポルシェ911にしても、参加した人は●●●ポルシェ911ですと言うのだけど、自分の中ではリアエンジンのポルシェはみんな911だった。その意味で、ルーテシアⅢRSはクルマの価値を見直すきっかけを与えてくれた、と言っても過言ではない。
それはさておき。ルーテシアⅢRSを手に入れてそのまじめな作り方に感銘を受けたり、代車で借りたカングーに乗ってスレッショルドブレーキングの真似事をしたらフロントだけでなくリアも沈む感じがして「 この足はただ者じゃないな 」と思ったり、ルノー・ジャポンがルーテシアⅣRSの3タイプ全てに乗せてくれてそれぞれの躾けに微笑んだり、借りたメガーヌRSの先進性に驚いたり。これはもう、ルノーユーザにどんどんスクールに足を運んでほしいぞ、と思っていたら。
先日のYRSオーバルスクールにユイレーシングスクール初参加のルノーユーザ、Yさんが来てくれた。乗っているクルマはルーテシアⅢRS。なので、ダブルアクシスストラットがどういう効果を生んでいるか、それを操るにはどこに気を付けたらいいかを 「先輩として」 伝えておいた。
Yさんと愛車
ルーテシアⅢRSは全くのノーマル
初めてのオーバル走行をそつなくこなしていたのが印象的
それでいて速く
そんなYさんからYRSオーバルスクールFSWの感想が届きました
『 昨日はありがとうございました。21日のオーバルスクールに参加させていただきましたルーテシアⅢのYです。
私はここのところ、悩んでいることがありました。
それは、ルーテシアという車の出来があまりに良いため、どんな操作をしてもある程度、言うことを聞いてくれてしまい、どういう運転が正しいのかが分からなくなってきていたのです。そして、運転操作もだんだん雑になっているような気がしていました。
そこで、運転の基礎をあらためてきちんと学びたいと思い、ルノーブログで存在を知って以降ずっと気になっていた貴スクールに参加させていただいた次第です。
結果、悩みのかなりを解消することができました!
オーバルコースを何十周と周回する中で色々な操作を試せたことで、イーブンスロットルやトレイルブレーキングの理論を実体験を通して学べ、正しい運転をイメージすることができるようになったと思います。また、このように車の限界領域を使う走りをすることで、ルーテシアという車の素晴らしさをあらためて感じることもできました。
次はこのルーテシアと共に、サーキットを走るスクールにも参加してみたいです!今後ともよろしくお願いいたします。以上、取り急ぎご報告と御礼まで。 』
参加されたかいがあったようでうれしい限り。Yさん、また遊びに来て下さい。
YさんがYRSオーバルFSWロングのヘッドクォーター前を駆け抜ける
YさんがYRSオーバルFSWロングの上のコーナーを立ち上がる
YさんがYRSオーバルFSWロングの下のコーナーにアプローチ
Yさんが半径22m直線60mのYRSオーバルFSWでトレイルブレーキングを使って全開で走った時の映像です。
スキール音が出ていないのに注目です。アンダーステアを出すとアウト側前輪が悲鳴を上げてスキール音が出ます。Yさんの場合は後輪にもスリップアングルがついていて、アウト側2輪がほぼ等しく荷重を受けているのでアンダーステアが軽微でタイヤが鳴きません。
※ ユイレーシングスクールでは7月11日(土)と12日(日)の両日、富士スピードウエイでYRSオーバルスクールロンガーを開催します。
YRSオーバルスクールFSWは直線130mのオーバルコースを使いますが、YRSオーバルスクールFSWロンガーの直線は160m。30m違うだけで到達速度は高まり、ブレーキもシビアになります。高速道路の3車線より広いYRSオーバルコースでご自身のクルマを存分に走らせてみませんか。どなたでも参加できます。詳しくは YRSオーバルスクールFSWロンガー開催案内 をご覧下さい。
第491回 YRSオーバルスクールFSW
高速道路の休日割引料金適用が再開された週末。富士スピードウエイ駐車場でYRSオーバルレースFSWとYRSオーバルスクールFSWを開催した。
クルマの中で座学を聴いてもらいなぜタイヤのグリップが変化するかという話に始まり
4輪それぞれのタイヤのグリップが変化すると何が起きるかを説明し
グリップを変化させない走り方があることを知ってもらい
練習すればどんな状況でもスピンしない運転操作を会得できるからと
参加18人中17名がサーキット経験者
スピンしたことのある人はホーンを鳴らして下さいと言ったら
うるさいことうるさいこと(笑)
それではと説明をしながらみんなの前でデモランです
加速と減速でクルマの姿勢が大きく変化することを見てもらい
ブレーキを蹴とばすと何が起きるかを確認してもらい
ブレーキのかけ方によっては大きな減速Gを発生させられることを披露し
オーバルコースに場所を変えて
イーブンスロットルでの周回でクルマを安定させると
速く走ってもクルマがバランスを崩さないことを見てもらい
トレイルブレーキングを使った全開走行で
とんでもない速度でターンインしてもアンダーステアが出ないことに驚いてもらう
デモランのあとは受講者自身がクルマを安定させて走る練習
まずはイーブン走行で45キロから55キロまでノーブレーキで
速度を上げてアンダーステアが出るのを体験してもらい
クルマには大きな慣性力が働いていることを認識してもらい
次に全開から薄いブレーキを引き摺ってターンイン
最初は半径22m直線60mのオーバルで次ぎに直線が130mのオーバルで
頭と身体が心地良い疲れに見舞われるまで走りました
ユイレーシングスクールに初参加のルーテシアⅢRSのYさんが走ります
ユイレーシングスクールが主宰する
YRSオーバルスクールFSWのヘッドクォーターはこんな感じ
この日のYRSオーバルスクールFSWには35歳から74歳までの車好き男女が集まり
少しでも思い通りにクルマを操れるように走り込みました
参加していただいたみなさんありがとうございました
ユイレーシングスクールでは7月11日(土)と12日(日)の両日、富士スピードウエイでYRSオーバルスクールロンガーを開催します。
YRSオーバルスクールFSWは直線130mのオーバルコースを使いますが、YRSオーバルスクールFSWロンガーの直線は160m。30m違うだけで到達速度は高まり、ブレーキもシビアになります。高速道路の3車線より広いYRSオーバルコースでご自身のクルマを存分に走らせてみませんか。どなたでも参加できます。詳しくは YRSオーバルスクールFSWロンガー開催案内 をご覧下さい。
第490回 YRS FJ1600ライド
今回は長文です。
折に触れ、ドライビングスクールに参加した人に言っている。「機会があったらいろいろなクルマにのったほうがいい。タイヤが4本ついている限りFRだろうがFFだろうがMRだろうが基本的な操作は同じ。ただクルマによって求めるものが異なるから、その違いを見つけようとすることが上達につながるから」と。
今回は速く走るために作られたフォーミュラカーに乗る機会を用意した。速く走るためのメカニズムは速く走ろうとする時に求められる操作を機械的に具現化したものだ。なぜそうするかを想像するだけでドライビングポテンシャルは向上するはずだ。FJ1600については第477回を参照して下さい。
以下はYRS FJ1600ライドに参加した方から寄せられた感想文です。
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Mさん
今回は素晴らしい機会をつくっていただき、本当にありがとうございました。参加できて、乗れて、本当によかったです。
年末のアルピーヌもでしたが、「違うクルマに乗る」は本当に勉強になりますね。フォーミュラカーに乗ってみた後で、911と自分の関係も、良い方向に変わったように思います。あの後雨だったのですが、911が訴えてくるものをより注意深く聴き、いっそう理にかなったドライビングが出来たように思います。以下、感想文です。
—–
ここ数年、お正月に「今年は本格的なレーシングカーを一度は体験する」という目標を立ててきました。以前YRSでVITAの試乗がありましたが、仕事の都合がつかず泣く泣く見送りました。以来「今年こそは、どこかで、なんとか」と思い続けて数年、今回、ついに叶えることが出来ました。すばらしい機会を作っていただき、本当にありがとうございました。
当日朝、シート合わせで対面したWEST04Jは、ものすごく小さく見えました。ドライバーがかろうじて入るスチールのハコに4輪とエンジンをつけた、みたいな乗り物。スタッフの近藤さんからは「入りますかねぇ、あ、頭が無理かも」と散々な言われようです。でも、この小ささなら、それもあながち、と不安が募ります。
午前中のプログラムが進み、いよいよ自分が乗る順番に。両足を何とか収め、両肩まで収めると、四方八方から手が伸びてきて4点式のシートベルトで締め上げられます。ハコ車では下ろさなかったヘルメットのシールドも下ろすように言われました。すべてが初めての体験。フォーミュラカーってやっぱりすごいんだな…
キルスイッチON、スターターを回すと、ほぼ一発でエンジンに火が入ります。ちょっとアクセルを開きながらクラッチをつなぐと、想像していたよりもずっとスムーズに動き出しました。エンストせずに走り出せてよかった…
コースイン、1コーナー手前でブレーキを踏んでみると、鉄板みたいなブレーキだけど、ちゃんと効いてくれます。何とかなるかな?それにしても、お尻の両サイドが、ものすごく痛い。お尻の肉が、じゃなくて、骨盤の幅がシャシフレームよりも少し広いようで、それを無理して収めてシートベルトで縛り付けられて走っています。ヘッドレストも前すぎるようで首が上がりません。上目遣いで1コーナの出口を捉えます。シフトは右足と干渉して、3速4速、手を前後させるのも一苦労です。苦しくて気が遠くなりそう。これで与えられた10分、本当に走り切れるんだろうか?これほど酷い、拷問のような身体状態で、こんなスピードでぶっ飛んでいるなんて、これは現実なんだろうか?
それでも、コースを一周する頃には、恐ろしくクイックな運転感覚に夢中になっていました。手首を5ミリか1センチか動かすだけでノーズは瞬時に向きを変えます。乗用車ならリアが動き出すまで一瞬の「タメ」を待つ必要があるけれど、フォーミュラカーはフロントが動き始めると瞬時にリアタイヤにもスリップアングルが発生する感じ。最終コーナーを注意深く立ち上がり、横方向の動きが消えたのを確認してフルスロットに。30年以上前のスバル製のエンジンは軽い車体を気持ちよく加速させてゆきます。指定された5500回転を前に、5300回転で4速にシフトアップ。身体に風が当たるのが気持ちいい。ブレーキング。アシストがなくてブレーキは重いけど、分かりやすく調整しやすい。ブレーキを抜きながら、操作を重ねる量に気を付けながら、少しずつステアリングを動かし始めると素直に向きを変えてくれます。ものすごく運転しやすい…と思い始めました。
チェッカーが振られるまでの時間、コース1000の各コーナーで、フロントとリアに同時にスリップアングルが発生するコーナリングを楽しみました。もう少しドライビングポジションがマトモなら、この常時ケツ責めの痛みさえ無くなれば、1コーナーで、前輪後輪を同じ量だけ滑らせるコーナリングに持ち込みたかった。そんなドライビングに手が届きそうなほどに多くの情報を与えてくれましたが、同時に、理にかなわないドライビングに対する許容度もゼロと感じました。タイヤの摩擦円の外側は深い崖、という感じ。滑らせるドライビングは、ドラポジを合わせることが出来た時の楽しみにとっておくことにします。
サスペンションとシャシーをつなぐ部分のゴムブッシュはクルマの快適性には不可欠、でも、ゴムは弾性があるので、複数のゴムブッシュが作り出す動きの遅れや振動は大変に複雑であり、タイヤの荷重を変化させて不安定さを発生させる、と理解しています。途中にブッシュが介在しないクルマの運転感覚はこれほどにビビットなのか、と強く印象に残りました。
この体験を、普段のブッシュ満載のクルマでのドライビングにどのように還元してゆくのかは難しい課題ですが、考え、トライを続けたいと思います。トムさんが常々指摘されている「一旦イーブンを経て次にトランジションする」ことの必要性を、違う角度から見せてもらったように感じました。
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Kさん
先日ありがとうございました。また、FJ1600の貴重な体験走行の機会を頂き感謝申し上げます。
さて、FJ1600の体験走行の感想ですが、MTシフトと3ペダルの操作にてこずり、あっという間に時間が来てしまってレーシングカーを走らせた感はありませんでした。またこのような企画がありましたら、是非もう一度チャレンジしてみたいと思います。今後とも宜しくお願い申し上げます。
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Wさん
前日はご指導どうもありがとうございました。FJ1600とても楽しくてハマっちゃいそうです!笑 こんな素晴らしい世界があるんだなと感動しました。また機会がありましたら参加させていただきます。
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Tさん
感想です。これまでいろいろな車を所有したり試乗したりしましたが、先日のFJ1600試乗はとりわけ鮮烈な体験で有り、人生経験でした。
体のすぐ後ろにあるむき出しのエンジン。低い位置の乗車ポジション。路面情報のダイレクトさ。等など、市販スポーツカーに対しては自分の言語力では筆舌に尽くしがたい違いがあります。
事前のレクチャーの甲斐も有り、どうにかスピンはしないで完走しました。ステアとブレーキが重なってはいけないというのは車から濃厚に伝わってきました。トムさんの言ったとおり、普段の運転の仕方が変わるなと思っております。わずか10分の試乗ですが慣れるにつれて強いブレーキングや高速でのコーナーリングになり、フォーミュラカーの性能のほんの一部ですが感じられたかと。
これは機会があればまた乗りたいなと真剣に思います。どうもありがとうございました。
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Tさん
FJ1600はハマりそうです。シフトミスのリベンジをしたいと思っています。一方、自分は昨年後半カートの練習をしていたので、カートの経験があったのでFJのダイレクトさを更に深く実感できたと思います。同様の企画があれば、絶対に参加したいです。今後ともよろしくお願いします。
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Oさん
先日はありがとうございました。FJ1600ライドは本当に楽しかったです。クルマの姿勢がフラットなら幾らでもハンドルを切った分曲がってくれそうな感触。一方前荷重気味だと簡単に回りそう、後ろ荷重だと曲がらない。姿勢変化が小さい分その見極めが難しいが慣れてくると、より慎重なブレーキ・アクセルワークによって思いのままに操れそうでした。
1本だとまだまだ走り足りない感じでした。機会があればまた乗りたいです。その後自分のクルマに乗り換えると、よりクルマの姿勢変化を敏感に感じ取れるようになったと思います。大変有意義な体験でした。ありがとうございました。
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Yさん
11日は大変お世話になりました。コロナ騒ぎで、結構長いブランクがあった後でのスポーツ走行でしたが、一日楽しんでリハビリ?することができました。
FJ1600体験は、、素晴らしい!! の一言です。是非また開催して頂きたいです。そして、自分自身でも他の体験走行があれば申し込んでみたいとも強く思いました。それほどに、楽しく、また勉強になる、、ということがハッキリ判りました。これまで箱車以外では、レーシングカートに何度か乗ったことがある程度でした。今回のFJ体験、ぶっつけ本番のコースインで、最初ちょっとあたふたしましたが、最後には物足りなさ一杯で車を降りました。順を追って感想を書いてみたいと思います。
・シート合わせ0スタート
乗り込んで驚いたのが、足元のスペース。確かに、普通のスニーカーではアクセル・ブレーキ両方踏んでしまいそうな間隔です。
床から直立したオルガン式のペダル。踵を軸につま先側できっちりとペダルを踏むために、ポジション合わせが非常に重要という事を感じました。
ペダルへの踏力を確実に伝えるために、パッドを入れていただきました。
そして、車と身体を一体化させるほどのシートベルトの締め付け。キツイ!と思いましたが、コースインしてこれが非常に重要なことを改めて感じました。
エンジンを始動し、アクセルレスポンスの鋭さに感動し、そして発進時の繊細なクラッチ操作に驚き、、全てが新鮮でした。
・コースイン0周回
コースインして最初の数周、車の動きを感じ取ろうと、恐る恐るアクセルを入れ、ブレーキを踏み、、してみます。
当初、大丈夫かな、、と思ってた、右手シフトのMTも、意外と違和感無く操作してる自分に気付きます。
エンジンのレスポンスと、車重の軽さからか、車の動きが全身に伝わって来ます。
アシスト無しのブレーキはしっかり踏力を伝えないと、減速Gが立ち上がってきませんし、ラフに踏み込むと、リアの動きが心もとなくなるのを感じます。
ここで、ギチギチに締め上げたシートベルトの効果で、車の動きを腰で、背中でしっかり感じ取ることが出来ていることに気づきました。
段々速度を上げていきます。1コーナーでは、朝一のレッスンで受けた、イーブンスロットルを心がけ、時にはブレーキを長めに引きずってみたり、
短くギュッと減速してみたり、色々試してみます。そして、操作を変えると、車の動きがちゃんと違うものとして感じ取れることに、改めて感動しつつ楽しさが更に高まります。
操作に対し、車がわかりやすく動きを変えるので、自車での走行よりも、遥かに頭を使えますし、またそれが非常に楽しくもありました。
そんな事を考えながら周回しているうちに、あっという間にチェッカー。スピンは元より、危なっかしい挙動に至ることも無く、無事にチェッカーを受けられて何よりでした。
ただ、最後まで慣れなかったのは、左右の位置が判りにくいシフト。
3→4、3→2へのシフトで、本当に入れたいギアに入ったのか、毎回右手に結構神経が向きながらのシフト操作でした。まぁ、結局は「慣れ」なのでしょう。
・全体を通して
欲を言えば、自車での周回走行をしたあとに、(自車での走行時間を減らしてでも)もう一度乗ってみたかったです。(11日は雨になっちゃいましたが)
FJとメガーヌ、全く違う形の乗り物ではありますが、同じコースを走りながら、運転手に対して、それぞれが違う言葉で車の動きを語りかけてくれてる様に感じました。
それらを再度、自分の中でシンクロさせる為にも、もう一度乗り換えて走る事ができたら、更なる気付きもあったように思いました。
昨年、A110の体験に参加させていただきました。同じ箱車でありながらも全く違った動きを体験できましたが、今回のFJ体験は、更に輪をかけて多くの気付きを与えてくれる場だったように思います。
そう頻繁にできる事ではないかとも思いますが、機会があれば、またこうしたチャンスの設定を期待したいです。そして、その際は、是非とも参加させていただきます。
改めまして、11日は大変お世話になりました。非常に楽しい一日を過ごすことができました。ありがとうございました。
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Yさん
筑波の帰りは大雨でしたが、無事に帰宅してます。今回もありがとうございました。
FJ1600の感想です。
ロール感が無く、腰というか自分のみぞおちを中心に真横に遠心力(横G)を感じます。
視覚に頼りすぎないようにして、YRSの教え・理論をもとに想像力をフル回転させて各タイヤの荷重を探りますと操作、反応、操作、反応と状況は刻々と変わりますが車との対話が楽しいです。素晴らしい体験でした。
以前VITAを体験させていただいたのが役に立っているのかもしれません。その経験を踏まえて予習してきたせいか、VITAよりもFJ1600の方が乗りやすいと感じました。
改めて運転技術の向上心・探求心に刺激を大いに受けました。ありがとうございました。
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Tさん
簡単ですが、感想を。
・スマートな人しか乗れないよ!って感じで172cm/90kgの私には想像を絶するほど狭すぎるコックピット
・シート無しでF1ドライバーみたいな姿勢で乗り込んだので、走行中に何度も腹筋が釣りそうになった
・車で一番重要なパーツはシートだろ!と確信(笑)
・そんな状態での乗車でも、Vitaよりも車の状態がわかりやすく、すべての情報がダイレクトで癖がない
・エンジンは市販車とは比べ物にならないレスポンスで操作がシビア
・アクセルのわずかなオンオフでヘルメットをフレームに打ちまくるし、荷重も動きまくる
・車重が軽くて遊びをそぎ落とした車は操作を重ねるのはダメということを嫌というほど体感
一度、過剰な方向に動いたら修正できないから、徐々に積み上げていくというか切り詰めていくのが重要なこと体で覚えられる教育的な車で、無理して参加して本当によかったです。
VitaやA110で満足したいた私にさらに上のものを体験する機会を与えてくれて感謝です。あらためて、F1やIndyのドライバーがばけもの度合いがわかる体験をできました。
帰宅後、風呂に入ったらフレームに当たっていた肩にフレームの後が残っているのに驚きました(笑)
ボクが主に日本語クラスのインストラクターをしていた時期、ジムラッセルレーシングスクールでは初級クラスでもフォーミュラフォードを使っていた。大きさも動力性能もFJ1600に似ていた。と言うより、FJ1600が入門用フォーミュラとしてフォーミュラフォードをお手本に作られたというのが事実。
今回YRS FJ1600を開催するにあたり最も気がかりだったのが、雑な操作をしてスピンしたりコースアウトすることだった。実際、何台かはスピンしたけど筑波サーキットコース1000のコース幅は最低11mあるのでまずクラッシュはしない。スピンした人はスピンした理由がわかったはずだけど。と言ってもスピンしないに越したことはない。なにしろブレーキを蹴とばせばストレートを走っていてもスピンするのがフォーミュラカーだから。
でも、ある程度の速さで走って遊びのないクルマの醍醐味を味わってほしいとも思う。ホント。自分が機械を操るということはこういうことなのだ、と実感できる。スピードを上げないとレーシングカーは乗りにくくもある。けれど、時間が経つと無節操に速さを求めるのが人間の性。ユイレーシングスクールの卒業生であってもだ。悩ましい。ま、全員の走行が終わるまで胃痛に耐える覚悟ができたらまた開催することにしよう。
ジムラッセルレーシングスクールの模様は 第116回 で触れています。
第489回 YRSドライビングスクール筑波とルノー仲間
まるっと2か月ぶりのドライビングスクール。YRSドライビングスクール筑波が開催出来て良かった。同日併催を予定していたYRS FJ1600ライドも無事に終了したし。参加者全員が久しぶりに走るサーキットを楽しみにしていたみたいでパドックの雰囲気も上々。
それでもまだ世の中は油断できない状況にあるから、できるかぎりの対策をしながらいつも以上の内容にしようと工夫した。
参加確認はドライブスルーで
まず検温をしてそれを伝え
座学で使うイラストと問診表とボールペンを手渡し
ガレージで荷物をおろしてもらって問診表に記入してもらってから
クルマを並べてもらった
問診表は全て回収してから筑波サーキットコース1000事務所に提出
受付にはアルコール
トイレには消毒用ハンドソープとペーパータオルを用意
駐車場の両側にお互いが見えるようにクルマを停めてもらって参加者はクルマの中
走る時以外はマスクを着用してもらう
参加者のクルマが並び終えたところでスタッフの紹介と進行の説明
今回ばかりは参加者同士の自己紹介は割愛しました
今週末のYRSオーバルスクールFSWでも参加者に同様に並んでもらう予定です
いつもはホワイトボードがある事務所棟2階の教室で座学をやるのだけれど
今回はクルマに乗ってもらったまま
イラストを見てもらいながらFMラジオを通して座学
座学では荷重とタイヤのグリップの関係や
なぜブレーキを蹴とばしてはいけないかを話すのだけど
今回は初参加のKさんのクルマを借りていい例と悪い例を実際に見てもらった
説明したことを直後に目の当たりにするのだから効果はありそう
今週末のYRSオーバルスクールFSWもクルマに乗ったまま座学を受けてもらいます
筑波サーキットコース1000の走行時間は9時から
座学が終わったら参加者全員にインフィールドのストレートに移動してもらいます
2班に分け最終コーナーから発進して1コーナーでイーブンスロットルの練習をします
ベテラン組が最初に走ってお手本を
初参加組はその走りをインストラクターのアドバイスを聴きながら見学します
ほんの10mほど先をノーブレーキで1コーナーに進入するクルマ
イーブンスロットは75キロから始めて5キロ刻みで90キロプラスまで
速度を上げていくとアンダーステアが顔を出します
FMラジオからは
○○さんステアリングを切る前にスロットルを戻す癖がありますね
××さんペース上げたのですからターンインはもっと手前からですよ
と聞こえているはずです
何度も何度もノーブレーキでターンインしてイーブンスロットルコーナリングを練習します
一方の班が走っている時はもう片方の班が見学
ターンインで初期アンダーステアを出さないステアリング操作と
コーナリング中に前のめりにならないようにイーブンスロットルが使えるようになったら
次は全開で1コーナーにアプローチしてブレーキングからターンインの練習
ブレーキを使うようになると前荷重がそのままで前のめりのターンインになりがち
前荷重のままステアするとアンダーステアになり失速してコーナリング速度が落ちる
FMラジオでもっとクルマの姿勢に集中するようにあれこれアドバイス
ユイレーシングスクールのコーナリング練習には情報があふれています
イーブンスロットルの時はまだ良かったのだけど
ブレーキを使うようになったら前荷重を抜けないままステアする人が続出
本人達は踏力を緩めてからターンインに移っているつもりなのだけど
ドライビングポジションのせいかブレーキペダルの踏み方のせいかフロントを拾えない
今回16名が乗るFJ1600は前荷重でステアするとまず回るし楽しくないから
再びKさんのクルマを借りてKさんを助手席に乗せて
ブレーキング区間の最後でクルマをフラットにするイーブンブレーキのデモラン
姿勢変化の流れを確認してもらう
筑波サーキットコース1000は回り込んだ(長い)コーナーが多く直線は長くない
そんなコースを速く走るのにはクルマが旋回している時間を短縮することがキモになる
コースの長さは変わらないのだから
ターンインでアンダーステアを出さないこととコーナリング中に失速させないことが肝心
だからイーブンスロットルの練習とイーブンブレーキの練習が終ったら
それを意識してあとはひたすら走りこむのがユイレーシングスクール流
この日の午後はとんでもない豪雨に見舞われたけど軽いコースアウトが2件だけ
スピンは皆無でした
メガーヌⅣRSのYさんが
4コントロールと対話しながら走ります
メガーヌⅢRSからダンナグルマからルーテシアⅣRSトロフィーにもどったWさん
クルマがどんどん進化していて
今回はスペシャルインタークーラーがおごられていたとか
「知り合いからとても有意義なスクールと伺いました」とコメント欄にありました
ユイレーシングスクール初参加でルーテシアⅣRSに乗るOさん
1周1,040mのコース1000をこの日最多の66周
午後の豪雨でも安定していました
次はYRSオーバルスクールでお会いしたいと思います
Oさんのクルマもあちこちがノンスタンダードでした
TさんがルーテシアⅢRSで初めてユイレーシングスクールに来てくれたのは
2011年10月のYRSツーデースクールFSW
途中転勤になってこれなかった年があるけど
それ以外は毎年最低2回は顔を見せてくれます
ユイレーシングスクールを支えてくれているスタッフのY
今回はFJ1600に乗りたいからと参加者の立場で
ルノー仲間の記念撮影が終わったら
みんなそれぞれに写真が撮りたくて臨時撮影会に
どういう内容を付加するかはこれから検討するのだけど、長年続けてきたYRSドライビングスクール筑波は今年あと1回、9月6日(木)に開催します。
と、その前にまだ今週末のYRSオーバルスクールFSWに余裕があります。コーナリングのなんたるかを知りたい方はぜひ遊びに来て下さい。