トム ヨシダブログ


第668回 暑い

ルーテシアRSを借りていた時に追加したカーポートには残念ながら、幅の広いメガーヌRSトロフィーは収まらない。かわいそうだけどこんな姿で暑さをしのいでもらっている。室内の熱気を逃がすために4枚のドアウインドを少しずつ開けて。

暑さはまだまだ続きそう。みなさんもお気をつけて。

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第667回 Oさんの場合

過去、
第314回Oさんの場合
第323回YRSツーデースクール
第501回7月のルノー仲間
第502回速さを味わう
第538回Oさんの場合
第621回OKBさんの場合
第656回ルノーを楽しむ
に登場してくれたOさん。このところ5月、6月、7月とYRSオーバルスクールFSWに連続で通ってくれている。期するものがあるのかしらん。今回はちょっとしたハプニングもあったけれどOさんにも感想文をお願いした。

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またお会いしましたねのOさん

 

記念すべき10回目の受講は確かに記憶に残るものになりました。まさか受講中に前タイヤをパンクさせてしまうとは…トム講師ならびに受講生の皆様のおかげで、幸いにも応急手当のうえ自走で帰宅できました。当日は大変ご迷惑をかけてしまい、申し訳ありませんでした。すでにパンクしたタイヤは新品に交換したので、次回参加に向けて準備を進めます。

さて、今回のオーバルスクールですが、実は普段と少しだけ違う点がありました。本来は別プログラム(YRSドライビングワークショップ)で行うブレーキの実習に比較的多くの時間を使ったことです。ブレーキを集中して練習する機会はあまりなかったので、ここでも新しい課題が見つかりました(難しいです)。
まだまだトム講師のような運転には程遠いのですが、受講を続けるうちにパートナーからの運転評価は確実に上がっています。いくつかコメントを紹介します。

①同乗しているときの安心感が増した
②車が揺れない、周りの交通が以前より良く見えている
③ハンドルを全然動かしていないのにスーッと曲がれることが不思議だ

ほとんど運転しない彼女ですから、そこそこ客観的な評価ではないでしょうか。
いずれの評価も、ハンドルやブレーキ操作を早めに始めること、車が走りやすい状況を作ってあげる等、受講中に教わったことを実践した結果です。その実践が、クセ、思い込み、緊張が原因で出来ないのですが…心の軽量化をすることが上達につながるのかも知れませんね。次回もまたよろしくお願いします。

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毎回リズムが良くなっていくOさんが下のコーナーを立ち上がる

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コーナリング速度も目に見えて速くなってきたOさん



第666回 Eさんの場合

申込みフォームの参加車両欄にメガーヌRS、クルマの色欄にイエローとあった。これはトロフィーだなと想像しながら迎えたスクール当日。Eさんは案の定真新しいメガーヌRSトロフィーMTで現れた。スクールが終わり厚かましくも初めてユイレーシングスクールを受講したEさんに感想文をお願いした。

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Eさんと真新しいメガーヌRSトロフィーMT

 

今回初めて参加させていただきました。ユイレーシングスクールのことはたまたま見つけたトムさんのブログで知りました。

メガーヌRSを手に入れ車にも慣れてきて、この車の性能を引き出した運転を楽しみたいと思うようになっていましたが、いきなりサーキットでスポーツ走行するほどの自信はなく、何かよい機会はないかとを探していたところだったので、よい機会と思い参加することにしました。

スクール当日はまず座学から始まります。人気のスクールで常連の方も多いとのことで、初心者の自分が馴染めるか心配もありましたが、講師のトムさんが気さくに接してくださり不安はすぐに解消しました。効率よく上手くなるためには理屈が大切という教えには共感していたところですが、実際には座学もそこそこに実技に移ります。とにかく走り込むのがユイレーシングスクールだそうです。

走行をはじめてみると、頭では理解していたつもりでも実際はほとんど何もできない自分に気づかされます。タイヤの使い方や荷重の掛け方などを座学で習いましたが、それが具体的にどういう運転操作に繋がるのか分かっていませんでした。

ユイレーシングスクールでは、走行中にラジオで随時アドバイスを受けられるほか、同乗走行といって自分の車で運転のお手本を見せていただけます。これが自分にとっては画期的でした。具体的に何をすればいいのかという疑問に対する答えを隣で見せてもらえるのですから。これがなければ何度も練習する中で自分で答えを発見しなければならなかったでしょう。それに、自分の車はこんな動きができるのだという体験を得られたことも有意義でした。

あとはひたすら練習です。オーバルコースなので何度も自分なりのトライ&エラーを繰り返すことができます。やはり一人で練習していると途中で何度か方向性を見失うこともありましたが、トムさんは何度も快く同乗走行を引き受けてくださり、その都度疑問を解消していくことができました。

一日の終わり頃にはそれまで感じたことのなかったようなGやタイヤの感覚を感じながらの運転ができるようになり、運転が上達した実感がありました。もっと練習してより思い通りに車を操る楽しさを見つけていきたいと思いました。

また機会があれば参加したいと思います。ありがとうございました。

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EさんがYRSオーバルFSWロングの下のコーナーを立ち上がる

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Eさんが下のコーナーに進入する
 
Eさん 感想文ありがとうございました
機会があればまた走りにきて下さい

 

※ Eさんのクルマを何度か運転させてもらったけど、マニュアルトランスミッションもいいね。デュアルクラッチの快適さ(と楽チンさ)は影をひそめるけどそれなりの緊張感を覚える。主体的かつ能動的に運転するならこっちがいいかも。



第665回 Hさんの場合

遠路はるばる姫路市からYRSオーバルスクールFSWに来てくれたHさん。初めて参加されたユイレーシングスクールの感想文を送ってくれた。

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天気予報は大外れ
薄い雲はあるもののドピーカン

 

 このスクールの存在は、数年前に参加したルノー徳島主催の阿讃サーキットで講師をされていたことをきっかけに知っていました。ブログをたまに拝見すると走行会でお会いした方が参加されていたり、実際に参加された方からも大変参考になると高評価を聞いておりましたので、いつか参加したいとは考えておりました。サーキットの走行経験はありますがタイムは遅く、また最近自分の中でリズムに乗って楽しく走れることができなくなってきたことから何かのきっかけになるはずだと考え、遠いですが思い切って参加しました。
 当日会場の駐車場に着くと座学を受ける建物は立派で綺麗なトイレ、自動販売機もあり、もっと簡素な設備を想像していましたが驚きました。 
 座学が終わり、小さい方のオーバルコースでのトレイルブレーキの講習から始まりました。最初こんなに緩くブレーキを掛けるのかと感じましたが、コーナーでブレーキを緩めると確かに外へ膨らみ効果があることを実感しました。
 しかし、自分が走ってみると無意識にコーナーの横Gが増えるのに従ってブレーキの踏力を増やしてしまい、上手く出来ない・・。これでは減速してしまうブレーキで、ストレートに至る加速のエネルギーを殺してしまい脱出速度が遅くなる。だから遅いのかと気付きました。
 次に直線にパイロンを2箇所置き、指定の速度まで加速してからその速度をキープし1個目のパイロンから2個目パイロンを踏力を強めながら止まるというレッスンをしました。ここでも、私は指定された速度を超えてしまう・・。私は右足の踏み込む量のコントロールも難があるのかと気付きました。
 お昼前からは、大きい方のオーバルコースで周回を行いました。アウトインアウトかインベタで走るかを選ぶのですが、同じ速度ではアウトインアウトよりもインベタはコーナーでは距離が短くなる分速くなることが実感して分かり、オーバルレースも奥が深いんだと感じました。
 オーバルの大きい方の周回はこれまでの教わったことの実践になりますが、なかなか思ったように走れず、トムさんに同乗走行もしてもらい悩みながら走行していました。それでも周回を重ねるうちに何度かはこの感じかなと思うこともありました。同じコースを何度も繰り返し走れるので車の挙動を覚えるには絶好の機会では無いでしょうか。リピーターの方も多いのも分かります。思い切って走ってみようと、ちょっと踏み込みすぎてパイロンを跳ね除けてしてしまったことも何度かありました。すいません。
 今回参加したことで、自分が劣っている部分が実感として分かったことが大きな収穫でした。タイミングが合えば、また参加したいと思います。ありがとうございました。

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YRSオーバルロングの下のコーナーを立ち上がるHさん
エキゾーストノートが魅惑的でした

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Hさん感想文ありがとうございます
また遠いところから来ていただき感謝しています
機会があればまた遊びにきて下さい
秋のツーデースクールなどいかがですか



第664回 新しいルノー仲間

今年5回目のYRSオーバルスクールFSW。初めてユイレーシングスクールに参加してくれたルノー仲間がふたり。このところ毎月参加してくれているルノー仲間がひとり。暑い日差しの中、YRSオーバルロングFSWをグルグル走り回っていました。

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左から
皆勤賞のOさん
千葉県のSさん
ワタクシ
姫路から来てくれたHさん

この写真の撮影後、車列の前で「ありがとうございました。クルマを元に戻して下さい 」と言いつつごく自然な流れでSさんのメガーヌに乗り込もうとして、Sさんに 「あの~、それ~ぇ」と言われて我に返ったというのは内緒です。(笑)(笑)

次回のYRSオーバルスクールFSWは8月20日(土)。ルノー車にお乗りの方はぜひ運転を楽しみにきて下さい。

→ YRSオーバルスクールFSWの開催案内と申込みフォームへのリンクはこちらです



第663回 速報

7月7日。富士スピードウエイショートコースにおいて ENGINE X ALPINE ドライビングレッスンが開催され、抽選で選ばれたエンジン読者15名とこれまた抽選で選ばれたアルピーヌオーナー16名がアルピーヌA110の卓越したハンドリングを堪能した。詳細は7月26日発売のエンジン誌で。

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前日夕刻
本番に向けてたたずむ新型アルピーヌA110

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中身の濃いプログラムが終了
コース上に並べた愛車の写真を撮るオーナー達



第662回 富士山とFSWと食

6月のスクールは2回。第3土曜日にはポルシェクラブ東京銀座から委託されてるドライビングレッスンを、日曜日にはユイレーシングスクールオリジナルメニューのYRSオーバルスクールFSWを開催。

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年に4回開催しているポルシェクラブ東京銀座のドライビングレッスン
今回は散水車で駐車場に水を撒いてのスキッドコントロール練習
準備のために金曜日に御殿場に入ったのだけどちょっと脱線
その足で鋭気を養うために沼津港のむすび屋さんに

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美味しいお魚が食べたかったので
まずはお刺身盛り合わせ

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メインは
ここ数年浮気心が起きないのが不思議なほど虜になってる地アジ丼

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この日は大ぶりで肉厚
生姜、ミョウガ、大葉の薬味が奏でる絶品のハーモニー

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近くのレンタル業者に散水車を借りに行き
場内の給水塔で満タンにして散水準備完了
教室にアルコールを並べ
トイレにハンドソープとペーパータオルを置いて
パイロンを並べて準備完了

今回は伊賀の山の中に住むスタッフのYが珍しく前日から合流
ならば美味しいお魚が口に入らないとなげくYのためにと理由をつけて
慰労会を兼ねて御殿場インター近くのさかなやさん本店に

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ウイスキーの水割りセットを頼みつつ
まずはすぐに出てくるチーズの大葉包み揚げ

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大トロと赤身の盛り合わせ
ピン角の見事なこと

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根ショウガも欠かせない

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肉厚でサクッサクのアジフライには感涙

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口直しのししとう

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茄子味噌

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肉味噌炒め

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あさりバター

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じゃがバター焼き

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懲りずにアジ刺し

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しまホッケもいい

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ごちそうさまでした
またおじゃまします

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朝から濃い霧に包まれたFSW駐車場
雨は落ちてこなかったけど
今回はクラブ員とそのビジターの26名が参加
みなさん初体験の人為的オーバーステアを大いに楽しんでいました

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富士スピードウエイパドックにあるレストランが模様替えしたとかで
この日のお昼はクレインガーデンの松花堂弁当

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翌日の準備を終えて須走の長楽さんで夕食
自分でもワンパターンだなと苦笑しつつのトンカツ定食

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日曜日はうって変わって快晴
朝5時40分の富士山を扇屋さん@須走の屋上から仰ぐ

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毎度のことながら須走の朝は健康

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YRSオーバルスクールFSW最初の走行は
半径22m直線60mのコンパクトなオーバルをインベタで

「コーナリング中にもっと右足を動かしてみて下さい」
「上半身が倒れていないか確認して下さい」
「あと5キロ速い速度でターンインしてみましょう」
ほとんどしゃべりっぱなし

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5月に引き続き参加してくれたOさん
今回の踏みっぷりはみごとでした

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4月のYRSドライビングワークショップFSWに続けて参加してくれたSさん
今回のターンイン速度は十分速かったですよ

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教室に戻ってミーティングをやる時間がもったいないから
セッションの合間に現場で
走る人は100キロ近く反復練習をすることができるのが
ユイレーシングスクールの特長です

今度の日曜日。7月10日に開催するYRSオーバルスクールFSWにはユイレーシングスクールが初めてのルノー仲間お2人が申し込まれています。今からでも間に合います。ルノー車にお乗りの方はぜひ運転を楽しみにきて下さい。

→ YRSオーバルスクールFSWの開催案内と申込みフォームへのリンクはこちらです



第661回 YRSオーバルFSWロングを走る

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ユイレーシングスクールの代名詞とも言えるYRSオーバルスクールFSW。スクールでは広大な駐車場にパイロンで作った半径22m直線130m幅員14mのオーバルコースをあえて、少しばかり速いペースで走り、クルマが思い通りに動かない瞬間を積極的に体験します。

人は自分の意思をスロットル、ブレーキ、ステアリングを通してクルマに伝え走らせていますが、ある状況でクルマが意思とは裏腹な動きをすることがあります。それはクルマの動きを読めていない、操作とクルマの動きとの間にズレがあるなどが理由です。そこで加速、減速、旋回を繰り返す中でクルマの動きを感じる感度を上げ、どういう操作をするとクルマがどういう反応をするかという因果関係をできるだけたくさん積み上げ、操作に多様性を持たせると同時に最適な操作を探す努力をします。これが、人間が行うスロットル、ブレーキ、ステアリング操作とクルマの動きとの間の誤差を少なくする最短の方法だと考えるからです。
楕円形のコースをグルグル回るだですが、実はクルマの運転に欠かせない要素の全てをまとめ上げることができるので、市街地や高速道路はもとより、ワインディングロードやサーキットでも応用が効く運転力の向上にうってつけのカリキュラムになっていると自負しています。

 

次回、富士スピードウエイで開催するYRSオーバルスクールFSWは7月10日(日)に開催します。安全な場所で愛車を思い切り走らせると同時に、ご自身の運転のレベルアップをはかりませんか。

→ YRSオーバルスクールFSWの開催案内と申込みフォームへのリンクはこちらです



第660回 鈴鹿サーキット

第651回で鈴鹿サーキットのコースレイアウトの変遷について書いた。その時にシケインができる前のオリジナルレイアウトのコース図を探したのだけど見つからなかった。その後、鈴鹿サーキットのご厚意で1982年に配布した資料に含まれていた、シケインができる前のコース図のデータを手に入れることができた。オリジナルレイアウトと現在のレイアウトを比較してみると興味深い。

鈴鹿サーキットのオリジナルレイアウト。今でも鮮明に覚えている。1コーナーを抜けると明確な直線があって2コーナーそして曲率の小さくなる3コーナーへと続く。延々と続きいつまでも先の見えず横Gがかかりっぱなしのデグナーカーブ。ひとつ目とふたつ目の下りの区間でしっかり加速する必要があったスプーンカーブ。入り口から出口まで同じ曲率で奥の深い最も通過速度の速い130Rを抜けフル加速。そのままの速度でかなりの角度で下る最終コーナーに飛び込む。類い稀な8の字レイアウトの鈴鹿サーキット。それはそれはダイナミックなコースだった。

自動車技術の進歩はクルマに速さを与えた。レーシングカーもアマチュアドライバーが持ち込むクルマも走行する速度域が上昇。それに合わせてコースの各所に修正が加わったものの、その流れ。鈴鹿サーキットの豪快さは今でも変わらない。今でも海外のメディアが鈴鹿サーキットをオールド・スクール・トラック ≒ 古く佳き教育的サーキット と呼ぶことでも想像できるだろう。走れば何かを学べる。走るだけでも楽しいから、クルマ好き運転好きの人は一度、今年60周年を迎える鈴鹿サーキットを走ることを視野に入れてみてはどうだろう。  おそらく、 否、 間違いなく人生が変わると思うから。

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1962年9月に完成した鈴鹿サーキットのオリジナルレイアウト

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1982年から数々の改修を経てFIAグレード1を獲得した現在のレイアウト

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比較のために鈴鹿サーキットが配布したコース図を加工させてもらいました
上がオリジナルレイアウト
下が現在のレイアウトです



第659回 想像力

ある日。テレビをつけたままキーボードをたたいていたら、「 人の限界は能力で決まるのではなく想像力で決まると思った 」という声が聞こえてきた。思わず振り返って画面に見入ってしまった。一瞬、運転の話かと思ったものだ。

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「人の限界は能力で決まるのではなく想像力で決まる」と思った

 

遠い昔から運転が上手くなるために必要なものは何だろうかとか、不可欠なものは何だろうと考えるのが常だった。けれどあれこれ考えても、運転という行為が人間の営みの広範囲に及ぶものだからこれといった答えは出ずじまいだった。時間が経ち、クルマを動かす操作そのものが重要なのはもちろんだけど、どのようにクルマを動かすか、どう動かしたいかという思想のほうが大切なのではないかと考えることに比重が移ってきた。
けれど、確かに思想があってもそれに見合った操作ができなければ、クルマの性能を引き出し、目的に沿ってクルマを動かすことは難しいことも認識してはいた。 ある時。はたと気が付いた。人間が抱く概念である思想と、人間の行動の結果である操作の溝を埋めることができるのは想像力ではないかと。想像力を働かせれば運転手の思いをクルマに伝えやすいのではないかと。それがいつ頃だったか覚えてはいないけれど、想像力が豊富なほど運転が上手くなると思い始めた。だからテレビから流れる「 人の限界は想像力で決まる 」というフレーズに思わず反応したのかも知れない。

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「想像できることは実現できる」

 

自分の運動神経が標準より劣るであろうことはたびたび触れてきた。隠す必要もない。だけど自分の運転が下手だとは少しも思ってはいない。想像力を比較する術があるのなら話は別だけれど。
スクールで「 遠くを見て 」、「 物を点で見ないで 」、「 景色の中に入っていくようなつもりで 」 とアドバイスするのは、動くモノを操るには1秒後、2秒後、3秒後、10秒後にクルマがどうなっているかを想像する必要があるからだ。「 はい、何も考えないで走ってみましょう 」、「 ちょっといいかげんに走ってみましょう 」 と言うのは、何かに固執していると全体の絵が見えにくくなるからだ。「 透明な気持ちになって運転してみて下さい 」 と助言するのはかって自分がそうした時にクルマを動かしやすかったからだ。そう、全ては想像力を高めるのための試み。
逆に「 行き当たりばったりの運転はダメです 」、「 直前の路面を見て運転するのはやめましょう 」 と口を酸っぱくして言うのは、それでは想像力が働く暇がないし、先行き想像力を豊かにすることにつながらないからだ。

オーバルコースを走る延べ15,000人以上の運転をこの目で見て来て、誰しもが想像力を豊かにするほど無意識行動でクルマを動かせるようになり、やがてクルマを手足のように操る領域に近づいていったのを目撃してきた。

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「想像できるようになったらいりいろなことを変えられる」

 

ワタクシの思想? それは実現できるかどうかの問題は置いておいて、駆動方式に関わらずクルマが動き出してから止まるまで、前後輪それぞれについたスリップアングルの合計が限りなく等しくなるような運転を絶え間なく目指すことだ。それがクルマさんが望むことだと長年の経験が教えてくれた。だから、今でも運転中の自分の頭の中を覗くことができれば、想像力がワンワンと飛び交っているのが見えるはずだ。