トム ヨシダブログ

第348回 想像力

雪のちらつく朝。湖西道路で工事のための片側交互通行。南行きがストップランプを点けて並んでいる。

かなり長い待機時間の末に車列が動き出した。「このサイクルで行けるかな」と思いながら、前を走るクルマとの間隔をつめる。

赤旗が振られた。2台前のクルマから止まる。もう少しでクリアできたのにと思うがいたしかたない。格別急いでいるわけでもない。

と、反対側の車列をやりすごしてから対向車線に出て赤旗を振っていたか係員が、腰を90度近くに折って誰かに頭を下げている。 『なんだ!』  
そのお辞儀が何度も何度も。何かおかしい。やや間があってまたお辞儀。

何事かと窓を開けると、なにやら大きな声が聞こえる。何をしゃべっているか聞き取れないが。それに応えて係員がお辞儀する。なんなのだろう。考えられるのは、自分を先頭に止められたことに腹を立てているのかな、と。

係員が頭を下げ続けている間、対向車線からクルマがやってくる気配はない !

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写真は対向車が動き出してから撮影した


こういうのは悲しいね。

実は2台前のクルマの前に大型トラックが止まっていた。隊列が動き出してから、大型トラックが視界の中で小さくなっていくのに、前のクルマとその前のクルマのペースは上がらない。車線の端によって前のクルマの前をうかがうと、大型トラックとの車間距離がどんどん大きくなるのにも関わらず悠然と走るクルマが。だから、とりあえず前のクルマとの車間をつめた。
これまた想像だけれど、係員はスペースの空いた大型トラックの後ろで赤旗を振ったのだろう。安全面を考えれば自然な流れだ。

状況が理解できていなかったのは大声を上げていた御仁。あくまでも想像ではあるけれど、片側交互通行で大方の人がやっていることに意識が及ばず、さらには合理的にものを考えたり、流れに乗りながら考える習慣がない方なのかな、と。

たった一人で道路を走っているわけではないのにね。

誰かに見られているからという動機ではなく、自分から交通の一員になる気持ちがあるといいと思うのだけど。



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