トム ヨシダブログ


第768回 Tさんの場合

先日のYRSオーバルスクールFSWで初めてユイレーシングスクールを体験されたTさんが感想を寄せてくれた。

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一緒に来られたご主人とTさん

 

■■初めてのドライビングレッスン■■
メガーヌRSに乗り始めて約2年、殆ど夫の運転での移動と、近所への買い物で使う程度だった車生活でした。ある時、母と箱根の温泉旅行に運転して行ったら、メガーヌRSの乗りやすさと、バランスの良さを実感。それからもう少し車の運転を楽しみたくなり、夫指導のもと、箱根ターンパイクで何度か走りに行っていました。
でも、コーナーでクルマのコントロールがうまくできず、乗っている人に安心して乗ってもらえない感じがして、運転が上手くなりたいなあ・・、何が悪いのかどうすればいいのかわからない、これは一度正しい運転を教えてもらうしかない、ユイレーシングスクールに行きたい!と思っていました。
そんな中、同じメガーヌRSに乗るKさんに、ドライビングスクールを受けてみると話をしたら一緒に行きたい!!とのことで、早速2人で参加しました。
当日、座学の時に、スクールに参加した目的は?と聞かれて、皆さん、コーナリングでのボトムスピードを上げたいとか、新しく購入した車の特長を理解したいとか、もう何度もスクールに通われているベテランばかり、レベルの高いお話されていて、私は、運転上手くなりたいんですーなんて、ど下手であることを宣言している私・・まずい、ここは別世界・・と感じつつ、練習開始。
普段狭い世田谷の住宅街を時速20㎞ぐらいで走る程度で、【アクセルベタ踏み】をしたことないし、そもそも小心者の私。
ミニオーバル内を35㎞で走りましょう!!と言われても、それすら怖い・・そしてどんどんスピードが上がってきて…皆さんに引き離され、周回遅れになりながら、練習開始。同じ初参加のKさんは、軽快に走っていて、自分のダメさを感じながらのスタートでした。
見かねて、グループを離脱し、恐怖心を徐々に外しての練習、トムさんの横で個人指導も頂き、シートポジション、目線の改善、コースで反復練習をしながら、運転とスピード、ブレーキポイント、イーブンスロットル・・と徐々に慣れていきました。
だんだん、アクセル、ブレーキを強く踏むこともできるようになり、終わるころには運転にも慣れ、コツもちょっと掴み、楽しくなってきて一回目のスクールを、最後まで事故なく走ることが出来ました。
練習中は孤独に一人で悶々と走るのですが、トムさんはじめスタッフの方のカーラジオからのお声がけがタイムリーにいい感じに厳しくて、緊張感をもって練習し続けることが出来ました。(とてもよく見て下さっていて、心の中まで見てるのか??って感じました)
翌朝、2人とも肩がパンパンに凝っていて、徐々に脇腹、背中、右腕と痛くなり、運転はハードなスポーツだということと、シートポジションが悪いことを痛感しました。
またスクールに参加して、反復練習に励みたいです。トムさん、スタッフの皆さん そして、迷惑をかけてしまった皆さん ありがとうございました。またよろしくお願いします。

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午前中は手探りのようでしたが
午後には軽快なエキゾーストノートを響かせて

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一緒に申し込まれたKさんとご主人と



第765回 25年目のユイレーシングスクール その2

<長文です>

第764回 25年目のユイレーシングスクール から続く。

1999年11月中旬にアメリカから一時帰国。同年12月8日に埼玉県にある桶川スポーツランドで初めてのユイレーシングスクールを開催。インターネットだけの募集だったけれど、確か定員いっぱいの16名が参加してくれた。

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ユイレーシングスクールを開校した目的は運転を
理論的に理解してもらい合理的に練習してもらう環境を用意すること
免許取立ての時期にそんなスクールがあればもちろん受講していただろう
そんな運転の正解を伝えるドライビングスクールをやりたかった
運転は一生モノだから一度は運転を教わったほうがいいと思う
だから自分の経験を全て公開するつもりのスクール
 
写真は2000年2月12日に開催した第2回YRSドライビングスクール桶川
スポーツランド桶川の事務所で
ビークルダイナミックスを説明したイラストを配っての座学

 

軽免許も普通免許も公安委員会の試験場で取ったからいわゆる自動車学校には行っていない。運転というものを一切教えてもらったことがなかった。だから自分の運転はまさに我流だった。要するに自分の運転方法が正しいのか確かめる術がなかった。

クルマを運転するからにはうまくなりたいと思っていた。うまくなれば危険な目にあう確率も低くあるだろうし、何よりも楽しいだろうし、鼻が高いだろうしレースに出ればそこそこの成績を修められるはずだと思っていた。だから日常的に運転がうまくなる方法を探していた。

アメリカに渡りSCCAのレースに参加した時、自分の運転のうまさ加減を知ることができた。デビュー1年目でカリフォルニア地区1位、南太平洋地域2位、全米で28人中6位になることができた。それはそれで満足だったが上には上がいた。自分ひとりの努力では限界があることを知った。

ジムラッセルレーシングスクールの実体を知り、こういうスクールを10代後半か20代前半に体験していれば全米1位も夢ではなかったかなと。日本にもこういうドライビングスクールがあればいいのにと思った。

80年代後半。当時の日本にも運転をキチンと習いたい人がいるのに違いないと思い、ジムラッセルレーシングスクール・カリフォルニア校に交渉して日本語クラスを創ってもらった。もちろんインストラクターはボク。延べ243名の方が日本からフォーミュラカーで行われる3日間コースを受講しに来てくれた。費用が高かったにも関わらずこれだけの参加をみたことは、日本にも運転が上手くなりたい、運転を習いたい人が確実にいることを確信した。

ツインリンクもてぎの北米代表としてCARTインディーカーとNASCARストックカーの招聘に携わり成功裏に終わった。オープン前、関係者向けに輸入したミヂェットやNASCARストックカーの乗り方講習もやった。次にツインリンクもてぎでドライビングスクールを開校したいと申し出たのだけど、「トムさんはレーシングドライバーでないしホンダの契約ドライバーではないから」と断られた。レーシングドライバーが教え上手だとは思っていなかったが。結局ツインリンクもてぎを辞し、『こういうスクールが自分の若い頃にあればなぁ』的なドライビングスクールを始めることにした。

やるからにはジムラッセルレーシングスクールのように理論と実践をリンクさせたドライビングスクールにしたいと思った。ちなみに当時のジムラッセルレーシングスクールには年間で初級クラス約2,000人、上級クラス約1,600人の参加者があったけどレースに参加する人はごく少数で、ほとんどの人が運転を理解すること、運転の上達を目指して参加していた。ジムラッセルレーシングスクールのカリキュラムはそれに応えていた。

ユイレーシングスクールのWebサイトを立ち上げ全84頁の教科書を公開した。メールマガジンの配信を始めた。教材用のイラストを起こした。運転が上手くなってくれることと運転を楽しんでもらうことをスクールの第一義とし、次のような方針を決めた。

・スクールの始まりには必ず座学を行う。クルマの動き方を理論的に説明して、実際の操作でやってはいけないこととやらなければならないこと、やったほうがいいことを明確に伝える。
・実技は人間の操作がクルマをどう動かすかわかりやすく、かつ反復練習を繰り返せるコース設定とし、できるだけ距離を走ってもらう。
・スクールを通して運転に興味を持ってもらえるようにアドバイスをする。
・将来的にサーキットを走るつもりのない人にも受講しやすく、日常の運転にフォードバックできるようなカリキュラムにする。
・ワンボックスやSUVなどどんなクルマでも参加できること、サーキットを走る際に改造することが必ずしも必要でないことを十分に告知する。
・受講中にはインストラクターのアドバイスで上達するが、その後も自身の解析によって上達し続けられるようなたたき台を提供する。
・サーキットを走ろうとする人には速さを追いかけるのではなくクルマの性能を発揮させる操作を優先するようにアドバイスする。

 

結果、
・一度受講した人が再度受講してくれた。年間21回開催していた筑波サーキット公式スクールに8回参加してくれた人もいる。それ以降リピート率は90%を下らない。
・筑波サーキット公式スクールのある日。朝の座学で受講者に過去サーキットでも公道でもスピンした人に手を上げてもらった。参加32名中30名が経験者だった。しかしその日。誰ひとりスピンすることなく、ほぼ全員がタイムアップを果たした。
・過去24年間。1,000回近いドライビングスクールとスクールレースを開催し延べ18,000人近くが受講した。しかしスクール中のクルマの損傷事故は5指に満たない。
・ドライビングスクールの卒業生で各地のレースに参加した人がレースで優勝したりシリーズチャンピオンになった。
・スズキジムニーや三菱スペースギアでの参加があった。
・現在までの最高齢受講者は78歳。最年少は13歳だった。
・受講した人が娘や息子を連れて参加してくれた。ご夫婦での参加もあった。
・受講した人が知り合いに受講を勧めてくれるようになった。
・ユイレーシングスクールの実績を元に雑誌エンジンがドライビングレッスンの運営を任せてくれた。昨年までに計76回のドライビングレッスンを開催。今年エンジン・ドライビングレッスンは22年目を迎え3回の開催を予定している。
・評判を聞いたアイディングやポルシェクラブ千葉などいくつかのカークラブからワンメイクドライビングスクールの依頼があった。現在はポルシェクラブ東京銀座のドライビングレッスンを年3回開催している。
・ルノー・ジャポン/アルピーヌ・ジャポンのドライビングレッスンを担当させてもらいルノー/アルピーヌユーザーに直接クルマの楽しさをお話しすることができた。

この20年あまりで時代は変わった。いろいろな意味で。向こう数年でまた変化があるかも知れない。開校前に立てた方針がそぐわないことが起きるかも知れないが、スクールを続けることでまだまだ成長している自分を感じることができている。だからスタッフより速く走れるうちは今の路線のまま続けたいと思っている。

 

2月3日(土)。24年間ブレずにドライビングスクールを開催してきたユイレーシングスクールが25年目の活動に入ります。舞台は富士スピードウエイの広大な駐車場。安全に配慮した環境で運転の基本を理論的に解説し合理的に練習するYRSオーバルスクールFSWを開催します。この機会にぜひ運転の正解を探してみませんか。詳しくは以下の頁にあります。
・2月3日(土)開催 YRSオーバルスクールFSW開催案内&申込みフォームへのリンク



第764回 25年目のユイレーシングスクール

1999年11月中旬にアメリカから一時帰国。同年12月8日に埼玉県にある桶川スポーツランドで、明確な目標の元に初めてのユイレーシングスクールを開いた。

報道関係者ビザを取得し1979年9月に拠点をアメリカに移す前のこと。いくつかの雑誌に原稿を書いていた。自動車雑誌は嘱託契約があったので八重洲出版のドライバー誌のみに執筆。ワープロもパソコンもなかったし字はうまくなかったけど(笑)取材して原稿を起こす作業は楽しかった。

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当時は印刷媒体全盛の頃
データーマン・アンカーマン編集方法がどうの
クラスマガジンがヒットするとか
これからはムックだとか
なんて話が飛び交っていたの
 
連載をまとめて
店頭に並んだのは渡米後だったけど

 

当時ドライバー誌は隔月刊で5日号と20日号があった。ビレル製のフレームにパリラ製のエンジンを積んだレーシングカートを走らせていたのと少しばかり知識を持ち合わせていたので、2年間に渡り20日号で「トムヨシダのレッツカート」を連載した。5日号の連載は「星野一義のレーシングテクニック」で担当は編集部のYさんだった。そのYさんから聞いた話。

取材の時にYさんが星野さんに「あのコーナーはどうやって曲がるんですか?」と聞くと、「あそこはね、ガーンといってギュッでクルッ、ガーン!なんだよ」と言われたそうだ。その時の情景はわからないけど、速い人は簡単に走り方を教えてくれないものなのかな、と思った記憶がある。

当時、日産ワークスドライバーの先輩を脅かすような走りを見せていた星野選手。Yさんからこんなことも聞いた。チェリークーペのレースカーの開発を担当していた星野さん。タイムを出すことが至上命令だったらしく富士スピードウエイを走り込む毎日だったらしい。想定したタイムが出るまでピットに戻れなかったらしい。それでタイムアップを図るべく走っていて、1月で2台のレースカーをひっくり返したらしい。速く走るのには練習しかないのかなと思ったのと同時に、速い人でも事故は起こすもんだと知った。

ある日、当時の日産のワークスチームが報道関係者向けのレーシングスクールを開催することになった。ドライバー誌のモータースポーツ関係を主に担当していたので、レーシングスーツを片手に筑波サーキットに乗り込んだ。
用意されていたマシンは当時の特殊ツーリングカークラスに分類されるオーバーフェンダーと前後のスポイラーがいかつい連戦連勝のB110サニー。レース仕様らしく5速直結のT/Mを積んでいた。レース時には消火器しかない助手席部分にバケットシートが取り付けられ報道関係者を待っていた。傍らには日産のワークスドライバーの面々。
最初にワークスドライバーが運転するB110サニーの助手席からその性能を体験。確か都平健二が運転するB110サニーに乗せてもらったのだけど、あの時の驚きは今も記憶に残る。一言で言えば速い。ただ速いだけではなく、ねじ伏せているのにクルマがバランスを崩さないと言うか。とにかく第2ヘアピンをカウンターステアを切りながら立ち上がって裏のストレートをフル加速。なんとなんと、最終コーナーに向けて全開のままステアリングを切り始め、それからブレーキング。クルマが旋回を始めて強烈な横Gを感じてからシフトダウン。それらの操作が流れるようにつながっていて乗っていて猛烈なGは感じるけどショックは感じない、クルマを運転するという概念が完全にひっくり返ってしまった瞬間だった。クルマはこんなふうに操ってもちゃんと走るもんだと知った。もっと運転がうまくなりたいと思った。

次に報道関係者が運転する番になり、バケットシートに座ると日産のメカニックの人が4点式ベルトを締めてくれた。重いクラッチを踏んで左手前の1速にシフト。人生初めてのレーシングカーを走らせる。
どこをどう走ったか今となっては定かではないけど、『もっと運転のことが知りたい!』と痛烈に思わせる出来事は記憶に残っている。

報道関係者の中にはレースに参加している人も何人かいて、その人達は嬉々としてクルマを走らせていた。ボクはというとサーキットを走った時間もほとんどなく、ましてレーシングスピードでクルマを走らせるという経験は皆無。それでもクルマを壊さないように、かと言って遅く走っては意味がないからとそれなりに速く走ろうとしていた。しかしRの大きな1コーナーはまだしも、どうしても第1ヘアピンでクルマが曲がらない。クルマの向きが変わらない。
その日はワークスドライバーがコースに散って報道関係者の走りを見てくれていたので、クルマを降りてから当時の日産レーシングスクールの校長だった辻本征一郎さんに曲がらない理由を聞いてみた。すると辻本さんは笑顔で一言。「それは吉田君が速いからだよ」と。冗談めかしておっしゃったのかも知れないけれど、期待していた答えではなかったし問題の解決にはならなかった。

 

当時は運転に対して初心だった。自分の運転に確信が持てず不安があった。運転の仕方は教えてもらうものではなく、練習して自分で見つけなければならないのかも知れないけれど、理論的に裏付けされた運転の仕方を教えてくれるところがあればいいのにな、と。高校の時に教わってからいたく道具の使い方に興味があったので、クルマの動かし方の正解を教えてくれるスクールがあれば真っ先に受けていただろうし、もっと早くクルマの運転を見極められたのではないかと。

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原始的な道具である包丁
その使い方を教えてもらったことが自分の原点
なぜそうするのか
なぜしてはいけないのか
ユイレーシングスクールの思想です
目を通していただけたら幸いです
 
第147回 道具の使い方
第6回 道具を使う

 

<続く>

 

2月3日(土)。ユイレーシングスクールは25年目の活動に入ります。舞台は富士スピードウエイの広大な駐車場。運転の基本を理論的に解説し合理的に練習するYRSオーバルスクールFSWを開催します。この機会にぜひ運転の正解を探してみませんか。詳しくは以下の頁にあります。
・2月3日(土)開催 YRSオーバルスクールFSW開催案内&申込みフォームへのリンク



第761回 YRS25年目始動 Nさんの場合

昨年暮れのYRSトライオーバルスクールFSWに参加してくれたルノー仲間に感想文を頼んでおいた。全員分が揃ってからと思っていたけれど届いた順に。

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次はNさん
顔出しNGなのでYRS流に後ろ向きで

 

昨年の夏に参加させて頂いてから、およそ1年半ぶり、2回目の参加となりました。前回はオーバルコース、今回はトライオーバルコースにルーテシア3で参加です。しっかり3速に入るコース、かつ、久しぶりのアクセル全開!、い0やぁ楽しかったです。

以下、走ってみて自分なりの感想です。(思い違いもあるかと思います。また次回の自分に向けた備忘録的なところもありますのでご容赦ください。)

まず事前にトム・ヨシダさんのブログを読んでいたのですが、キンクのコースを想像出来ていませんでした。実際、走ってみると、キンク以外のコーナーの地面の傾きやキンク付近がややゆるい丘のようになっているように感じました。(自分はその辺の感覚が鈍いので間違っているかもしれません。)

朝の走行、早速スピンをやらかしました。シフトダウンが苦手なので、キンクでないコーナーを試しに3速でゆっくりまわったつもりだったのですが、コーナー中盤からリアがでて止まらなくなりました。タイヤ冷えているとこんなにもグリップしないものなのね0。
一緒に走っている方々にはご迷惑をお掛けし失礼しました。

今回、話題のキンクを全開することを特に意識しました。ハイパワー車ではないですが、それでも左回りでキンクから次のコーナの侵入が怖かったです。全開でゆるい丘を乗り越えたようなキンクの後、1番スピードが出ていると思われるところからすぐ減速です。少しロールが残る中、姿勢を乱さないように直線的なブレーキを心がけていましたが、ついつい減速しすぎて、次のコーナーにむけてロールを再び作るのが遅れスピードが遅くなったように思います。

また、もう一つのキンクの前のコーナーは、直線からのアプローチですが、ツッコミ過ぎ、かつ、シフトダウン時のブレーキが強すぎて失速していました。コーナーでシフトダウンして2速で4000から5000回転で走っていました。3速のままでまわってみたら4000回転近くで回れていたので、ギア比から考えると2速5000回転以上でコーナリングができたらいいなぁと思いました。
実際、失速しているので、割と小回りして立ち上がり、そのままキンクをアクセル全開でぬけます。それでも小回りしすぎてキンクが全開で抜けれなくなるのは避けたつもりです。(そもそも失速しなければ小回りしないでいいはずなのですが、、、)

またキンク前のコーナーを割と大きくまわってキンクへの侵入を楽にすることを試みてみましたが、コーナリングしている時間が長く駆動輪が空回りするのでなかなかアクセルが踏めません。(コーナーリングスピードが乗っていればいいのでしょうが、失速してかつ大回りになってしまいました。)

立ち上がりの駆動輪の空転を抑えるため、ロールをなくす位置を探りたかったのですが今回それはできませんでした。次回、できれば立ち上がりラインとともにロールをなくす位置を変えて、どれぐらいタイム差が変わるか確認し、自分の中の時間感覚を補正したいと感じました。

今回、複数の講師の方々に同乗頂く機会があり、普段得られることがないような貴重なアドバイスと体験をいただいたのがありがたかったです。大変お世話になりました。
また、トム・ヨシダさんはじめ講師の方々のドライビング操作は、スムーズであり、何事もなかったかのように楽してコーナリングしているように見えつつも、実はスピードが乗っているというのが印象に残りました。ある一方のタイヤのグリップが急に破綻することなく、スキール音も急に発生したり収まったりするような雑なものではありませんでした。

前回の参加から間が空いてしまったのでツッコミ過ぎて失速し、車の姿勢変化を待つ余裕を作ることやトレイルブレーキ、特にイーブンスロットルを忘れていて、ラジオからの指示があってもなかなかできなかったのが反省です。また、スムーズで繊細な操作を意識する必要があると感じました。

自分の走りとそのイメージを少しでもアドバイスに近づけるべく、次回ぜひまたよろしくお願い致します。

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Nさん 思い切りのいい走りはなかなかのものでしたよ。また全開しに来て下さいね。

 

※ ユイレーシングスクールの25年目は2月3日(土)開催のYRSオーバルスクールFSWで始まります。ルノー乗りの方はぜひ走り初めに来てみませんか。
2月3日(土)開催 YRSオーバルスクールFSW開催案内&申込みフォームへのリンク



第760回 YRS25年目始動 Fさんの場合

昨年暮れのYRSトライオーバルスクールFSWに参加してくれたルノー仲間に感想文を頼んでおいた。全員分が揃ってからと思っていたけれど届いた順に。

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まずはFさん
運転大好き主婦さん

 

先日はありがとうございました。トライオーバルスクール楽しかったです。会いたい仲間やスタッフさんにも久しぶりに会えて非常に嬉しかったです。

リニューアル前のトライオーバルはルーテシアの前の相棒車で2度?参加させていただいて、楽しかったと記憶していて、今回も参加させていただきました。
少しコンパクトになって右回り左回り両方できるようになったと伺い、後で思い返すと確かにコンパクトになった気がしましたが、結果、走る方としては、今までの要素がギュッと凝縮されて、より次々と手順を踏まねばならないし、今までに増して全てが繋がって来るので、それを自分のイメージ通りこなせるか、そのイメージで良いのかを一層試される…という事になるのでは?ある意味今回の方がチャレンジング。帰宅後、自身の後半の走行と他の(自分よりもっと速い)参加者の方々の走りを見せていただいたのを思い返し、そう考えます。

キンクは好きです。なのでトライオーバルはリニューアル前から好きでした。ターンイン前の姿勢を整えればある意味車は他のコーナー程傾かないので、私にとっては深いコーナーよりも恐怖感が少なく爽快感もあります。
ただ、そのためにはキンク前のコーナーをきっちり立ち上がる必要がありますし、キンクで全開で行けたとして、その先にはすぐに次の深めコーナーが迫っているので、そこをまとめないと先がありません。その中でコーナーでリヤにもスリップアングルがつく様に走る…ということはどういうことなのか…

キンクが楽しい、というのは今回の参加後も変わりません。でもその「楽しい」の中に余裕がありすぎるのも自覚があって、どうやってそこから抜け出せば良いのか。ただがむしゃらになれば良いというものではないことも、これまでの参加で理解してきているので。やることをちゃんとやれば、ムキにならなくとも自然と車が走りたがるはずです。

頭ではそう思っていますが、先日の私の走行スタートは、例えていうならお散歩に行きたがらない犬のリードを引っ張る飼い主の様で。とにかくアンダーステアとその予感の感触が強くて踏み込めません。(犬がお散歩に行きたがらないのは犬なりの理由があるとは思いますが…)壊れてもいない車がお散歩を嫌がる筈がないので、これは飼い主、いや、ドライバーの操作に問題があるのだろうと、まずそこを考え探して修正して、車が嫌がらず前に進むようになり始め、その分踏めるので、実感として少しタイヤの垂直荷重が増えてきました。

ちょうど良いタイミングで(運転もイケメンスタッフさん達の)同乗走行をお願いできて、ポイント説明&体感でコーナリングの感覚&操作手順の見直し提案を受け、実行。操作が整い始め、積極的に踏み込める様になり、加減速ともに踏み込めるので速度落差と姿勢変化が増えてタイヤに垂直荷重がかかるのがわかる。車を傾けても大丈夫。グリップしてる!

という所まできて、ようやく冒頭の方に書いた、コースの感想が生まれて来るわけで。まだまだキンク全開には遠いかなという気がしますが、参加頻度が上げられない中、積極的に走りを組み立てよう、という段階に足先を踏み入れられたこと、修正、吸収に関しては、以前よりは、速くなって来ている実感はあります。3歩進んで2歩下がってる気もするのは、参加頻度のせいもあるかなと言い訳しときます…。

トライオーバルの感想とは関係のない事ですが…。初参加から9年くらいでしょうか。今でも参加前日から緊張して、当日は開始から1時間は口がカラカラです。みんな優しいし取って食われる訳でもないのになんでだろう。(笑)車に関しても、物理に関しても、運転に関しても、その場に来る道中のことも、本当に経験のないことだらけで、いろんな失敗を繰り返しながら来ています。

知らないことを知る。自分ができないこと、知らない事を悟る。できるにはどうすれば良いかを考えて実行する。を諦めずにやって来ました。悔しい思いや恥ずかしい思いもしますが、最終的にはとても晴れやかで充実感のある経験となります。

スクールの途中トムさんスタッフさんの言う事には必ず意味や理由の裏付けがありました。時には言葉の意味はわかっても、すぐに腑に落ちない事もありますが、自身の腑に落ちるまでの過程にも意味があります。たまにダジャレもあるけど(笑)。

私は普段普通に2世帯6人家族(1人は高齢者施設に入所中)で主婦業をしています。私がユイレーシングスクールに行ってどういうことをしているのか、夫以外の家族は実際を見たことがありませんし、家族がどう思っているか詳しくは分かりませんが、実感してくれているのが、「日常の運転の上達」です。これは子供(初参加当初は中高生)も爺や(父)もはっきり言うてくれます。

「私、車のやつ(ユイレーシングスクールの意)行って来ていい?」

大方行ける算段で問いかけるのですが、いつも家族から疑問や異論は出ません。主婦業はマルチタスクでもあるので、田舎に住んでいるせいもあって車の運転が上達して楽になる事で、できることの幅が広がります。(時には夜間に父を乗せて、施設にいる母が救急車で運ばれた救急に駆けつける、なんて事もあります。有事の冷静さは不可欠です)

車に対する概念と経験がないことは、忙しい日々の中で、車大好きな周囲に追いつこうとすると難しい(ロマン含めて追いつくのは不可能に近いので自分のペースでよし)部分がありますが、今や用語はネットで調べられる時代です。
何を調べればいいのか、自分が何を知らないのかは、最初はユイレーシングスクールのサイトのコンテンツを読み漁って必死で考えて見つけて来ました。それが現場で指導をより理解する手助けになっていると今回改めて実感しました。

数年前に体調を崩して、スクールへの参加はしばらく間が開いて、今はお金も時間も余裕はないし、今後続けられるかどうしようか悩む事もありますが…、楽しいんですよ。

できない自分
できない理由を探す自分
自分よりできる人を見て、教えてもらって目からウロコ体験をする自分
できるようになりたいと前進する自分
きっと同じ種類の体験を各々のレベルでしているであろう仲間
悔しくて楽しくて爽快なんです。

また行きます。走りたいです。

相変わらず車の実力は自身の能力より上ですが、3RSを思い切って買って良かった。スピードというより、コーナーでステアリングをつい回しすぎてしまうくらいクリアなところが好きですね。焦らず、でも常に現状より上を目指して走りたいと、雄大な富士山を眺めながら改めて思う師走でありました。

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Fさん やりくりしてまた走りに来て下さいね。



第759回 さぁ 25年目に向かって

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25年目のユイレーシングスクールは来年2月に始動。4月までの開催日程は以下の通りです。

2月3日(土) YRSオーバルスクールFSW(富士スピードウエイ駐車場)
2月22日(木) YRS筑波サーキットドライビングスクール(筑波サーキット コース1000)
2月24日(土) YRSドライビングワークショップFSW(富士スピードウエイ駐車場)
3月7日(木) YRS+エンジンドライビングレッスン(筑波サーキット ジムカーナ場+コース1000)
3月31日(日) YRSドライビングワークアウトFSW アドバンストトレーニング(富士スピードウエイ駐車場)
4月27/28日(土日) YRSツーデースクールFSW(富士スピードウェイ駐車場+ショートコース)

※ 3月31日(日)のスクールはYRSトライオーバルスクールFSW(富士スピードウエイ駐車場)に変更になりました。



第756回 予習をしてみませんか

世の中が活気を取り戻しつつある2023年もまもなく終わり。そろそろ来年に向けてクルマさんとの付き合い方に思いを馳せてはいかがでしょう。
4年前にしたためたブログが参考になると思います。もっと運転を楽しむために。ユイレーシングスクールがお手伝いします。

ルノー・ジャポン公式ブログ 第403回 足して10を超えないように
※ ブログに挿入した動画でメガーヌRSの4コントロールの動きもご覧になれます

graph2
クルマの運転は科学です
ユイレーシングスクールは正解に至る公式と解き方をわかりやすく説明します

 

1999年12月に開校したユイレーシングスクールは来年25年目を迎えます。四半世紀の経験を元に現時点では次のドライビングスクールの開催を予定しています。詳細が決まりましたら改めてお知らせします。

2月3日(土) YRSオーバルスクールFSW
2月22日(木) YRS筑波サーキットドライビングスクール
2月24日(土) YRSドライビングワークショップFSW
3月7日(木) YRS+エンジンドライビングレッスン
3月31日(日) YRSドライビングワークアウトFSW アドバンストトレーニング
4月27/28日(土日) YRSツーデースクールFSW

 


第754回 Wさんとユイレーシングスクールの22年間

ブログ第397回ユイレーシングスクールとWさん 第656回ルノーを楽しむ に登場してもらったWさん。11月頭に初めて開催したYRSトライオーバルスクールFSWに、今回はルーテシアRSトロフィーではなかったけど、半年ぶりに来てくれた。もっとも、折に触れメールでやり取りはしていたからお互いの無事は承知していた。

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高齢者と後期高齢者が
メガーヌRSトロフィーに貼った
高齢者マークを指さすの図

 

Wさんが初めてユイレーシングスクールに参加したのが2001年7月。もう22年も顔を合わせていることになる。参加された回数は延べ110回をゆうに超えている。そんな運転の先輩と話すのはいつも高齢者の交通事故のこと。交通事故など起きなければ起きないほうがいいに決まっている。しかし高齢者の事故が増えているのも事実。加えて高齢が事故の要因になっているとする風潮にはボクにしてもWさんにしても歯がゆい思いをしている。

その反動なのかもしれないけど『一生懸命運転して事故を起こさないようにしたい』、『高齢者の運転の模範たりたい』 と思っている。おそらく、間違いなくWさんもそう思っているはずだ。その意味で、ユイレーシングスクールがWさん自身が行う技能点検の場になっているのならば幸いだ。

※高齢者と事故の関係についてユイレーシングスクールの思想を裏付ける知見を見つけた。本文では長くなるので文末に。

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今回のYRSトライオーバルスクールFSWでの写真は
みんないつもより欲出して走り回っていたのでナシ
 
なので以下の写真は昨年5月
YRSオーバルスクールFSWでのWさん

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ルノー仲間の前を疾走する
ユイレーシングスクールの大先輩Wさん

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ルノー仲間と

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無理はしないけれど
踏むところは踏むのがWさん流

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昨年12月のYRSオーバルスクールFSWでWさんと

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御年80ウン歳のWさんは
認知症テストのベテラン
 
都合3回受けたのかな?

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前々からWさんは
高齢者が事故を起こすことに心を痛めていた
ユイレーシングスクールで高齢者講習ができないものかと
 
ユイレーシングスクールとしてはやりたい気持ちはあります
25周年の記念行事にしますか?

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Wさんは11月20日が誕生日
2年前には家族にお祝いされた時の写真を送ってくれました

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Wさんが先週送ってくれたメール
北海道を元気に走り回っているようです
 
先だってのスクールの時も
若い人を追いかけまわしていたのに
翌週には北海道に飛んで雪道を
 
先輩の行動力には脱帽です

 

※あるニュースで見かけた高齢者と交通事故についての知見の要約

高齢が果たして事故の要因であるかどうかを検証するのを目的に、免許証更新時に行う認知症検査の結果に心身機能の低下を認識しているか否かの筆記テスト結果を加味し、高齢者を以下の4つのグループにわけた上で全員の運転技術を教習所の検定員が評価した。
a)心身機能の低下なし/機能の低下を認識している
b)心身機能の低下なし/機能の低下を認識していないあるいは認識しようとしない
c)心身機能の低下あり/機能の低下を認識している
d)心身機能の低下あり/機能の低下を認識していないあるいは認識しようとしない

結果はd)のグループが他のグループに比べて格段に運転がおぼつかなかったという。逆にc)グループは心身機能が低下しているにも関わらず、機能が低下していない2つのグループにそん色ない運転技術を示したという。機能の低下を認識することで機能の低下をに対応できていたからだという。
つまり、高齢であることがすなわち危ない運転をすることにはつながらず、むしろ危険な運転をするのは年齢に関わらず自身の心身機能の低下を把握せず、また自身の運転を振り返ることをしない人だと記事では結論づけている。そして免許証の返納を検討するのは主にa)からc)に該当する人たちであって、d)の心身機能が低下していてもそれを認識していない人は運転を続けることになり、潜在的に事故を起こす可能性が高くなる。よって、記事では 「高齢者は免許を返納せよ」 ではなく 「危ないドライバーは免許を返納せよ」 と呼び掛けるべきではないかと結んでいる。

個人的にはd)グループの先行きが心配だけど、そういう人はまずユイレーシングスクールには来てくれないだろうな。



第752回 ロールをコントロールする

JR湖西線志賀駅から湖西道路志賀ICをつなぐ道路がある。志賀駅は湖面とほぼ同じ高さだけど志賀ICは比良岳の山麓のかなり高い位置にあるから、志賀ICまではけっこうな登り区間になる。

湖西道路の手前の側道を左折すれば京都方面。湖西道路をくぐってから右折し側道に入れば敦賀方面に向かう志賀IC。今回は志賀IC直前にあるブラインドの左コーナーがテーマ。コーナーを抜ける時にどうすればクルマの性能を生かしながら敦賀方面に右折できるかというお話。ボク自身はこの道を通るたびにこのコーナーを大いに楽しんでいる。

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県道558号線志賀駅口交差点から志賀ICまでのルートを俯瞰
 
 
 
 
 
 
ルート全体を収めてこの画像をキャプチャしたのが19日昼過ぎ

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これには驚いた!
 
もっといい絵がないかと
今日(21日朝)再度Google Mapを開いたら
なんと、地図の表示方法が変わっていた!
こんなことがあるんだね

 

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志賀駅口交差点からの登りが最もきつい

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このあたりかな
瞬間燃費計の数値が激減

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右手に見える看板から先で勾配はゆるくなる
けれど結構な登りには変わりない

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しばらく直線が続き

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やがて直線の終わりに
ゆるやかな右コーナーが見えてくる

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右コーナーに向けてターンイン

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右コーナーが終わるころに
湖西道路の行先案内

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またしばらく直線が続いて
その先にブラインドの左コーナーが

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左コーナーにターンイン

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左コーナーを旋回中

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まだ旋回中だけど
 
湖西道路がチラッと

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まだ旋回中だけど
 
湖西道路が認識できてきて

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やがて志賀ICの全容が
 
ブラインドの左コーナーを抜けてまさに直線にさしかかる
ここに来るまでの操作が後の状況を激変させる!

 

人間はクルマの性能より速くは走れないのだから、運転に関しては理論的にクルマの性能を理解しクルマの性能をできるだけ高い次元で発揮させられるような操作を習得することが重要になる。

そう考えた結果が、「対角線に荷重移動させるとクルマがイヤがるよナ」、「できれば前後輪のスリップアングルを均一にするのが理想だよネ」、「トランジッションは省いてはいけないネ」、「加速、減速、旋回は分解してやったほうが効率がいいはずだ」等々。自分の運転の指針になってきた。

で、ブラインドの左コーナーを抜ける時に、意図的にステアリングを操作して旋回と減速を分解してみようというわけだ。

左コーナーを視覚に頼ってダラダラと立ち上がると、ステアリングを戻しているとは言えいつまでもロールが残っている=ステアリングが切れた状態が続く。しかしその先には右折のためのブレーキングが待っている。
速度にもよるけど、場合によってはステアリングを完全に戻す前にブレーキペダルに右足を乗せるはめになるかも知れない。ブレーキングは直進状態=ロールゼロの状態で行うほうが効率が高いのだから、ロールを早く消してしまってブレーキングまでの間に人為的に直進状態を作ったほうが正解だという結論に達する。ステアイングを戻すのが遅れればコーナリングが終わるのも遅れると考えるのは早計で、ロールを維持したからこそロールを消す速度を早めることができる。

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上下とも同じ位置で撮影
左コーナーを抜けて直線に出たけどまだロールが残っている状態
 
上の写真は正面を見据え
視覚に頼ってステアリングを戻して始めている状態
下の写真は視界がこのあたりに変位するまで
ステアリングを戻さずホールドし
次の瞬間舵角ゼロまで一気に戻し意図的にロールを消す

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視覚に頼ってステアリングを戻すと
この地点でもロールが残っている可能性がある
 
意図的にステアリングをホールドしている時間を長め
意識的にステアリングを舵角ゼロまで戻せば
経験的にも
この地点でロールは完全にゼロになる

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ステアリングとブレーキが重なっていないか
 
or
 
横荷重ゼロでブレーキングできているか

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直進区間が長ければ
全てのタイヤをマイナスの縦向加速度の発生に使える
 
踏力を抜く余裕も生まれるから
ピッチングコントロールができる

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結果的に
4輪均等荷重からターンインができる
 
つまり旋回と減速そして旋回を分解することができる
 
それはロールコントロールをしたから

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コーナリング中はイーブンスロットル
前後輪で受ける遠心力を均等にして
前後輪のスリップアングルの均一化を図る

 

※ 今回の左コーナーで実現したプロセスは、YRSトライオーバルスクールFSWで参加者に練習してほしいことに通じる。そこで1回目の新生YRSトライオーバルスクール開催を終えてユイレーシングスクールのメールマガジンに掲載した一文を紹介したい。

1) YRSトライオーバルスクールFSW 始動
11月初旬。新装になったYRSトライオーバルFSWで初めてのスクールを開催した。座学で開催を目指した理由とトライオーバルの走り方を説明。その後の参加者の走りを見るにつけ開催した意義があったことを確信。初めのうちはキンクの抜け方がぎこちなかったが、慣れるうちに、アドバイスを聞くうちにスムースに。

・YRSトライオーバルFSWの走行軌跡と速度/横Gのグラフ

実はYRSトライオーバルFSWを開催した目的はひとつ。コース取りによるロール制御の習得だった。

コーナーの脱出してアウトいっぱいに出た時、ロールが残っていると感じた人は多いだろう。ロールが残っているのはまだ舵角が当たっていて、厳密に言うとクルマはまだコーナリング状態にある。コーナーを抜けた段階で加速に移るのだが、ロールが残っているとフルトラクションがかけられない。つまり加速を鈍らせる結果になっている。例をあげればFSWショートコースの最終コーナーや筑波コース1000の最終コーナーにその傾向が見られる。ではどうすればコーナリングの終わりをゼロ舵角のフルトラクションにつなげることができるかと言うと、アウトに出た時にロールがゼロになっていればいい。
そのためにコーナリング後半アウトにはらむラインを、視覚的にはステアリングを戻せると思っても、少しタイトなラインを進みロールが減少を始める位置を先にずらせばすむ。わずかにロールが減り出すのが遅れても、そこから先は通常のラインより早くステアリングを戻せる=ロールを消せることになるから、操作次第ではクルマがアウトに出たと同時にロールをゼロにすることができる。つまりフル加速に移れることになる。

ユイレーシングスクールとしては視覚的に得られる情報だけにとらわれず、その瞬間にどのような姿勢変化が求められているかを判断し、意図的かつ積極的にコントロールしてクルマの性能をより引き出してほしいと考えている。そのために開催したYRSトライオーバルFSWが役に立てばと思っている。

 

ユイレーシングスクール今年最後のスクールが12月17日(日)に開催されます。まだユイレーシングスクールを経験したことのない方はぜひ遊びに来て下さい。どなたでも、どんなクルマでも参加できます。

・12月17日(日)開催 YRSトライオーバルスクールFSW開催案内



第751回 YRSオーバルスクールFSWロンガー

11月初め。今年最後のYRSオーバルスクールFSWロンガー。クルマによっては直線の終わり130キロからのブレーキングとターンインとトレイルブレーキングとイーブンスロットルを反復練習できる優れモノ。今回も思い通りにクルマを動かしたい方々が参加。1日中走り回っていました。

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クルマの運転にドライビングポジションは重要
特にスポーツドライビングでは
ドライビングポジションが全てを決めると言っても過言ではない
だからどう座ればクルマと1体になれるかを説明
クルマと同じ量だけ同じ早さでロールするために
 
参加者自身に自分の身体がシートの上で動いていないか確認してもらう
ポジションが修正できた人はこぞって運転が楽になった操作に正確性が出たと

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参加者は1日中ラジオからアドバイスを聴きながら走行する

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走ってはミーティングし
ミーティングで留意点を確認してまた走る
 
初めて参加した人の中には
体育会系ですね!と感想を述べることも
それがユイレーシングスクール流
たくさん走りたい人もいるので合理的な練習を1日中提供します
どれだけ走るかは参加者次第で休むのも自由
強制ではありません

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参加者同士同時に走ると
それまで絶対速度を追いかけていた人が
相対速度を意識するようになり
間違いなく運転がこなれる
 
こなれるということは
運転が無意識行動の範疇に入りかけているということ
これを体験しない手はない

751e
今回のルノー組
2回目の参加のEさん

751s
今回のルノー組
前の日のYRSトライオーバルスクールFSWに続いて参加のSさん

751w
今回のルノー組
クルマを乗り換えて
この日初めて全開にしたWさん

 

ユイレーシングスクール今年最後のスクールが12月17日(日)に開催されます。まだユイレーシングスクールを経験したことのない方はぜひ遊びに来て下さい。どなたでも、どんなクルマでも参加できます。

・12月17日(日)開催 YRSトライオーバルスクールFSW開催案内