第302回 Lutecia de Suzuka Circuit
ユイレーシングスクールでは年に一度、卒業生を対象に鈴鹿サーキットのレーシングコースでドライビングスクールを開催している。卒業生と言っても、 『ユイレーシングスクールのいずれかのスクールで40分ほどの座学を聞き、イーブンスロットルとトレイルブレーキングをやってみた人』 はみんな卒業生になるのだけれど。
鈴鹿サーキットのレーシングコースでドライビングスクールを開催するのは、国内で安全かつ合法的に最もクルマの性能を引き出すことができる場所だから。
2本のストレートではクルマによってだけれど200キロオーバーを体験できるし、3速でスロットルコントロールしながら上るS字はリズム感を養うことができるし、下りながらのターンインが続くスプーンカーブは力を抜かないと上手く走れないことがよくわかるし、130Rはふだんの生活では経験することのない速度でのコーナリングで長い間横Gを感じることができるし。 走り方さえ理解すれば、愛車の性能を限界近くまで引っ張り出すことができる貴重な場所だ。
YRS鈴鹿サーキットドライビングスクールをYRS卒業生対象にしているのは、速度域の高いサーキットだからいったん何かが起きると大事になる可能性が高し、クルマを走らせる方法を理解していないとせっかくの鈴鹿サーキットを走っても面白くないだろうから、一度でもクルマを合理的に走らせる方法を学んだ人にレベルアップを目指して走ってほしいからだ。
実際、誰でも参加できるある走行会では、走行開始5分後にコースアウトしてクラッシュしたクルマを回収するためにセッションのほとんどが赤旗中断だったこともある。実にもったいない。
さらに、ユイレーシングスクールでは2時間の走行枠を、1時間のセッションを2回にして間にインターバルを設けている。遠方から来られる人が多いので、1時間だけの走行では効率が悪いし、かと言って2時間連続では走りを冷静に振り返ることができないし、走り方の構築もままならないだろうから、サーキットに無理を言って一度クルマから降りる時間を作ってもらっている。
事前に長文の『鈴鹿サーキットの走り方』や鈴鹿サーキットのコース図を送り、YRSオリジナルビデオの鈴鹿サーキット編を見てもらうのも、『限られた時間でどれだけの進歩を確信することができるか』 を体験してほしいからだ。
今回は鈴鹿サーキットを初めて走る方が5名おられたが、全員が最終的にかなりのペースで周回することができた。ユイレーシングスクール卒業生だからの速さなわけで、走行時間が2時間あったとは言え、ぶっつけ本番ではとうてい達成できない速さを安全に達成することができた、と言っておこう。
全体を通してコースアウトは皆無。スピンしたクルマが2台あったが、どちらも以前にYRS鈴鹿サーキットドライビングスクールを受講した人だった。(汗)
下のビデオはセッション中に鈴鹿初めての人を引っ張った時のもの。なので全開ではないが、決してラップタイムが遅いわけでもない。
※ IE(Internet Explorer)でビデオを視聴するのが困難のようです。Chromeやsafari、Firefoxなどのブラウザをご利用下さい
※ 他のユイレーシングスクールのオリジナルビデオはユーチューブでご覧いただけます。
第290回 四国高松のIさん
ルノーネクストワン徳島が主催する阿讃サーキット走行会でお会いした高松のIさんが3月のYRSツーデースクールに参加してくれたのだけど、参加者へのアドバイスに夢中になってしまってIさんと彼のメガーヌRSの写真を撮り忘れた。失敗したなと思っていたら、4月のYRS鈴鹿サーキットドライビングスクールに申し込んでくれたので改めて紹介します。
今年も5月に阿讃サーキットに行くので、またIさんに会えそうです。
Iさんが3月のFSWショートコースに続きモータースポーツの聖地鈴鹿サーキットを疾駆
YRS鈴鹿サーキットドライビングスクールも進行やらアドバイスが優先なので写真は少なめ。リードカー役のルーテシアRSの写真はみんなが来る前にパチリ。
第284回 Lutecia RS on FSW short
YRSツーデースクールの合間に
FSWショートコースを
ルーテシアRSシャーシカップで走ってみた
FSWのショートコース。ルーテシアRSシャーシスポールでは何度も走ったことがあるけど、シャーシカップでは初めて。
いや~ぁ、これが悩ましい。街中や低速域ではダンピングは言うことないものの、多少ゴツゴツ感は否めなかった。サスペンションが締め上げられているのとタイヤのハイトが低いためだと思うのだが、これが速いコーナリングをしようとすると、強~ぃ見方になる。
先日YRSオーバルFSWロンガーを走った時にも感じたのだが、回り込んだコーナーで前過重を加減しながらターンインすると、シャーシスポールよりも容易にかつ明確にリアタイヤにスリップアングルがつく。つまり、ヨーモーメントの中心を重心近くに置くのが簡単、ということだ。
固められたフロントサスペンションがほど良い抵抗となって、トレイルブレーキング中に踏力を調整しやすくなった、と言ったらわかってもらえるか。
ショートコースのインフィールドにある3速全開の右コーナーでも、若干オーバースピードで舵角を最小限に保ちながらコーナリングを始めると、リアが外に出ようとする感じすらある。もちろん、スロットルを閉じなければオーバーステアに陥ることはないけれど。背中の後ろに自転の中心があるようだ。
正直、今まであまり足の硬いクルマは ? だったが、この特性を承知しているならばルノースポールがシャーシカップで目指したものは間違いではないなと。
ルーテシアRSトロフィーにはスクールの時に同乗走行して「あ、これはサーキット向けだな」と思ったものだけど、その意味で、同じモデルを3通りのサスペンションセッティングの中から選べるなんて、なんと贅沢な。ルノー・ジャポンからクルマを借りているからお世辞を言うわけではないが、言うなれば、自分の好みの足回りを注文できるようなものだから、ルーテシアRSに興味を持った人は幸せだと思う。市販車市場でこのような選択肢があるなんて、めったにあるものではない。
シャーシスポールでもシャーシカップでもトロフィーでも、買ってからもサスペンションはいじらずに、その懐の深い足を味わってほしいと思う。
ついでにユイレーシングスクールに来てイーブンスロットルとトレイルブレーキングを覚えてもらえれば、ルーテシアRSも喜ぶと思う。
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