筑波サーキットコース1000 コースレイアウト
YRSメールマガジン最新号から抜粋
1) YRS筑波サーキットドライビングスクールの勧め その2
サーキットの攻略法 は、直線に続くコーナーの脱出速度を速める(スロットルを早く開けることではない)ことと、速度の高いコーナーを可能な限り速く走ること、このふたつ。筑波サーキットコース1000で言えば最終コーナーと1コーナーがカギになる。特に所要時間の長い1~2コーナーは重要だ。
ところが人間は錯覚におちいりやすく思い込みもあるから、スロットルを開けている時間が長ければラップタイムを短縮できるとばかりにブレーキを遅らせ、強いブレーキング中にステアリングを切ってアンダーステアを出し、1コーナーのインにつくまでに失速している例がどれほど多いか。
ピットから1コーナーへ向かうクルマを見ているとよくわかる。最終コーナーを立ち上がって1コーナーへ向かうクルマ。ほとんどのクルマのストップランプが点くのが遅い。まぁそれはそれとしてターンイン。上手い人だとノーズが右に向いてから徐々にクルマの右側面の見える範囲が多くなり1コーナーをクリアする頃には真横を向いている。
ところが、ドカンブレーキの人のクルマはノーズが右に向いたと思った次の瞬間も右側面の見える範囲が増えない。しかも右後輪が浮きそうになっている。その後コーナリングを始めるのだが、インにつくまでに失速しているのが見てとれる。
そうアンダーステアを出した結果、ステアリングを切っているのにも関わらず瞬間クルマは直進し、走行抵抗で速度が落ちて前輪のグリップ(特に左前輪)が回復してからコーナリングに移るというメカニズムだ。速く走ろうとしてブレーキを遅らせたのだろうけど、ドカンブレーキ>バキ切りターンイン>アンダーステア>失速では目的に逆行することになる。
1コーナーのコーナリングスピードを上げる効果的な方法は、オーバースピードでターンインした時のクルマの動きを経験しておくことだ。クルマは我々が思っているよりも高い性能を備える。オーバースピードでコーナーに入ってもアンダーステアもオーバーステアも出さない方法はある。それがYRS筑波サーキットドライビングスクールで練習するイーブンスロットルでのターンインだ。
言うまでもなく、イーブンスロットルとはクルマが加速もしない減速もしない状態をスロットル操作だけで創りだすこと。結果的に前後均等荷重になるから4本のタイヤを使ってコーナリングを始めることができるから限界が高くなる。
練習方法はこうだ。コース外周を使い、最終コーナーから加速してノーブレーキで1コーナーに進入する。ただしむやみに走っても効果がないので、速度を指示して練習する。最初は70キロ。そんな速度でもステアリングを切る前にスロットルを戻す人がいるけど、戻さないのが正解。次いで75キロ。何度も繰り返す。80キロ。このくらいになるとスキール音を出すクルマと出さないクルマに分かれる。前者はアンダーステアを出している証拠。繰り返すうちにヨーモーメントをホイールベースの中心で発生させることができる場合がある。そうすればしめたものだ。できる範囲でペースを上げていくと、まず前輪が、次いで後輪がズルズルするのを感じることができる。
次に最終コーナー手前から全開で加速し1コーナー手前でブレーキングしターンインする練習に移る。2班に分けて1班が走りもう1班が1コーナーのイン側で見学する。すると、1コーナーのインにつく時の速度がイーブンスロットルで走った時の速度より遅いクルマがあることに気づく。なぜか。突っ込んだ結果のドカンブレーキングでの減速のしすぎ。ターンインでバキ切りしてのアンダーステアを出して失速。1コーナーが遅ければ長い2コーナーを速く走れるわけがない。どれも速さには逆行する走りだ。それを見て自分の走りに生かす。
そんなわけで、ジムラッセルレーシングスクールでもやっていたイーブンスロットルでのコーナリング練習。1度は経験してみて損はないはず。まだ参加申し込み間に合います
・5月26日(木) YRS筑波サーキットドライビングスクール開催案内
※ 5月26日に予定の立たない方は7月28日(木)にもYRS筑波サーキットドライビングスクールを開催予定なのでそちらをご検討下さい。
※ YRSメールマガジン290号から抜粋
1) YRS筑波サーキットドライビングスクールの勧め その1
ユイレーシングスクールは2000年から2003年まで、そのカリキュラムを認められ財団法人日本オートスポーツセンターの委託を受け筑波サーキット公式ドライビングスクールを71回開催した。この間1,600人以上の参加があったからYRS筑波サーキットドライビングスクールでサーキットデビューを果たした方も多い。中には現在もユイレーシングスクールに通ってくれている方もいる。
当時サーキット走行では頻繁に事故が見られた。スピンやコースアウトはざら。速く走るためには実力以上に頑張らないと、という風潮があった。しかし頑張ってもクルマは速く走ってはくれない。クルマはよくできた道具だから、それなりの使い方がある。道具を使うということは道具の仕組みを理解し、道具が機能を発揮しやすいように使って(操作して)あげることだ。勇気や頑張りでクルマが速く走ることはない。
・道具の使い方 その1
・道具の使い方 その2
包丁という物を切るための単純な道具ですら使い方がある。人間を乗せて高速で移動するクルマだからこそ、その使い方を知ることが大切だ。使い方を知ればクルマの運転が楽しくなるし、楽しくなればもっと工夫するから運転が上手くなる。安全に運転ができるし、望めば速くも走れる。米国ジムラッセルレーシングスクールで教えていた経験を元にしたユイレーシングスクールのカリキュラム。エンジンドライビングレッスンは午前中ジムカーナ場で午後コース1000を走るが、YRS筑波サーキットドライビングスクールは終日コース1000を使って、サーキットが初めての人にもベテランの人にも有益なアドバイスをする。どんな内容かは次号で紹介します。これからサーキットを走ってみようという方、サーキットの走り方に迷っている方、ぜひユイレーシングスクールを受講してみて下さい。