トム ヨシダブログ


第751回 YRSオーバルスクールFSWロンガー

11月初め。今年最後のYRSオーバルスクールFSWロンガー。クルマによっては直線の終わり130キロからのブレーキングとターンインとトレイルブレーキングとイーブンスロットルを反復練習できる優れモノ。今回も思い通りにクルマを動かしたい方々が参加。1日中走り回っていました。

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クルマの運転にドライビングポジションは重要
特にスポーツドライビングでは
ドライビングポジションが全てを決めると言っても過言ではない
だからどう座ればクルマと1体になれるかを説明
クルマと同じ量だけ同じ早さでロールするために
 
参加者自身に自分の身体がシートの上で動いていないか確認してもらう
ポジションが修正できた人はこぞって運転が楽になった操作に正確性が出たと

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参加者は1日中ラジオからアドバイスを聴きながら走行する

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走ってはミーティングし
ミーティングで留意点を確認してまた走る
 
初めて参加した人の中には
体育会系ですね!と感想を述べることも
それがユイレーシングスクール流
たくさん走りたい人もいるので合理的な練習を1日中提供します
どれだけ走るかは参加者次第で休むのも自由
強制ではありません

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参加者同士同時に走ると
それまで絶対速度を追いかけていた人が
相対速度を意識するようになり
間違いなく運転がこなれる
 
こなれるということは
運転が無意識行動の範疇に入りかけているということ
これを体験しない手はない

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今回のルノー組
2回目の参加のEさん

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今回のルノー組
前の日のYRSトライオーバルスクールFSWに続いて参加のSさん

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今回のルノー組
クルマを乗り換えて
この日初めて全開にしたWさん

 

ユイレーシングスクール今年最後のスクールが12月17日(日)に開催されます。まだユイレーシングスクールを経験したことのない方はぜひ遊びに来て下さい。どなたでも、どんなクルマでも参加できます。

・12月17日(日)開催 YRSトライオーバルスクールFSW開催案内



第750回 YRSトライオーバルスクールFSW

11月初め。ユイレーシングスクールは新しいカリキュラムを開始した。題してYRSトライオーバルスクールFSW。おむすび型のオーバルコースを走ろうというものだ。

ちなみにアメリカではトライオーバルはポピュラー。有名なところではデイトナレースウエイもそうだしタラデガレースウエイもそう。楕円形のオーバルコースにターン(コーナー)がひとつ加わることで速く走るための要素=あやが増えるので、走って楽しいし見ても楽しい。

実は、ユイレーシングスクールでは過去にもトライオーバルでスクールとレースをやっていたことがある。ただそのコースは駐車場のガードレースに沿った直線を使っていたので安全面から左回りしかできず、右側タイヤの負担が大きかった。そこで今回はYRSオーバルスクールFSWロンガーの直線のひとつを「への字」型に湾曲させてみっつのターンを作ってみた。

次の図は、IさんのメガーヌⅢRSトロフィーRを借りて(借りた理由は改めて)、パフォーマンスボックスを取り付け3速固定で速度と横Gを2周計測した結果。
走行軌跡の直線の中間に緑色の小さな丸が計測開始地点。左側の座標に速度、右の座標に横Gをとったグラフの経過時間のゼロにあたる。

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Gセンサーで見るYRSトライオーバルFSW。1周の間に横Gが3回立ち上がっている。スロットルを開けっぱなしで旋回している部分がキンク。キンクの横Gがそれほどでもなかったのは想定外。

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参加者全員が過去に参加してくれた方々なので
座学を端折って
トライオーバルを使ったスクールを始める理由
トライオーバルの走り方等々を説明

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ストレートを駆け下るルノー軍団

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通称「下のコーナー」を回る

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150度ほどの「下のコーナー」を立ち上がり加速
YRSオーバルFSWロンガーより脱出速度は高い
遠くに見えるキンクを左に回り「上のコーナー」に向かう

 

YRSトライオーバルFSWを走ったルノー仲間

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新しいコースを走るために
はるばる香川県から来てくれたIさん

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微熱が出てYRSツーデースクールFSWを欠席したOさん

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翌日のYRSオーバルスクールFSWロンガーにも参加するSさん

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千葉から参加のSさん親子
受講したのは娘さんで親父さんは道中の運転手
免許をとるのにユイレーシングスクール4回受講が条件で
今回が4回目
積極的にクルマを動かすようになりました



第748回 YRSツーデースクールFSW

今年2回目のYRSツーデースクールFSWは心地良い秋風に吹かれながらの2日間だった。

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ユイレーシングスクールの流儀に従ってまず座学
プラス2日間だからやってほしいこととやったほうがいいことを伝えて

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1日目午前中はスラロームと2種類のブレーキング練習を徹底的に
ということで
岡山から来てくれたYRS初参加のKさんの妙に速いスイフトスポーツを借りて
スラロームのデモラン
20m間隔のコーンを縫いながらも加速できることを見でもらう

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スレッショルドブレーキングのデモランは
東京から来てくれたYRS初参加のMさんのインプレッサを借りて
ブレーキペダルを蹴とばした時とトランジッションを取った時の
減速Gのかかり方の違いを体験してもらう
見学者にはノーマルのブレーキでもマイナス1Gで減速できますよとばかりに
思いっきりノーズを沈めて

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八王子から初めてYRSに来てくれたNさんのクルマがオープンだったので
参加者にわかりやすいようにドライビングポジションで目指すことを説明
クルマと一体になって同じ速さで同じ量だけロールするコツを伝授

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Nさんのバーキンを借りてスラロームのデモラン
同乗中にソリッドアクスルの利点と弱点を説明
車重が軽い分気をつけるべき操作も指摘

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デモランが終わると3グループに分かれた参加者が
3つのコースをゆっくり下見
午前中の動線の確認

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10分弱の間隔で3つのコースを順に
参加者に自主的に走ってもらう
質問がある人は「職員室」(笑)に来てもらい
アドバイスが必要な参加者はクルマを停めて口頭で

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早めに昼休みをとって午後からはオーバル走行
Mさんのインプレッサを借りてデモラン
イーブンスロットルで高い速度を保つ秘訣
トレイルブレーキングでより高い速度からターンインする秘訣を
排気音とクルマの姿勢とストップランプで確認してもらう

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何をしているかというと
本格的にオーバル走行に移る前に巻き尺を持ち出して
高速道路の3車線より広いコース幅を確認してもらう
その上でイン側の人はこうアウト側の人はこう
オーバル走行のルールを確認してもらう

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参加者がオーバル走行に向けて整列

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1周約400mのコースを少ない台数で走るのはもったいない
慣れてきたら同時に走る台数を増やして
他人と走る時は絶対速度ではなく相対速度を意識してとアドバイス

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2日目の朝はFSWショートコースに7時半に集合
1周880mのコースを歩きます
歩きながら地形によるクルマの運動特性の変化
それに対応する方法を解説します

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クルマで走ってしまうと見落としてしまうことも
歩く速度で自分の目と足裏で確かめると
新たな発見がたくさんあります

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2日目はFSWショートコースを終日走ります
参加者をクルマの動力性能でグループに分け
短いセッションを繰り返します

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セッションの間には折に触れてミーティングはさみます
はたから見ていて気が付いた点
もったいないなと思える点
最後まで集中力を切らさずに走り続けられるように対話を続けます

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直前に2名のキャンセルがあって
結局23名の参加があった今回のYRSツーデースクールFSW
うち3名が初めてユイレーシングスクールを受講してくれました
 
この日最も遠くまで走ったのは姫路から来てくれたルーテシアRSに乗るHさん
FSWショートコースを150周!
1日目を含むと200キロ近く走ったと思われ

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そのHさん
遠いところありがとうございました
ぜひまた走りにきて下さい

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YRSツーデースクールFSWとYRS鈴鹿サーキットドライビングスクールの常連
遠くは高松から来てくれるIさん
ぜひまた練習に来て下さい

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上尾市から来てくれたKさんもYRSツーデースクールFSWの常連
 
今回は同じルノー仲間のOさんがクルマの不具合でOさんは微熱が下がらず
2名ともドタキャン
Kさんまた仲間と一緒に遊びに来て下さい

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メガーヌⅢRS2台が欠けた今回の記念写真
 
来年も春と秋にYRSツーデースクールFSWを開催予定です
ルノーにお乗りの方はぜひクルマの運転を堪能しにきて下さい

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2日間が終わって
「今回は楽に走れた」
「今回は気持ち良く走れた」
そんな声がたくさん聞こえた33回目のYRSツーデースクールFSWでした
 
参加して下さったみなさんありがとうございました



第747回 YRS+エンジンドライビングレッスン

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エンジン村上編集長の挨拶で始まるエンジンドライビングレッスン
午前中は筑波サーキットジムカーナ場に作ったオーバルコースで
イーブンスロットルとトレイルブレーキングの練習

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午後はコース1000に場所を移してサーキット走行
今年3回目のエンジンドライビングレッスンも
みんなの笑顔とともに無事終了
 
 
photo:Sei Kamimura

 

今や20年の歴史を誇るYRS+エンジンドライビングレッスン。来年も3回、次の日程で開催する予定です。3月7日(木)、5月23日(木)、10月3日(木)。



第746回 YRSツーデースクールFSW

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毎年春秋に開催しているYRSツーデースクールFSW
今回で33回目
遠くは岡山、姫路、高松、郡山、佐久、小諸からの参加も

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今回のルノー仲間
前列左からワタクシ、Iさん、Kさん
後列左からHさん、Hさん、スタッフF、スタッフY



第745回 9月の富士山とFSWと食

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9月のスクールはYRSオーバルスクールFSWとYRSドライビングワークショップFSW
 
YRSオーバルスクールFSWの朝一で小さなオーバルをインベタ走行
イーブンスロットルとトレイルブレーキングの感触を確かめます

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走行中の参加者にリアルタイムでアドバイス
 
「前のめりでターンインしています」
「イニシャルの舵角が大きいですね」
「スロットルオフを手前にしてみませんか」
理論的に整合性のある操作を目指してもらいます

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今回の参加者は全員が常連で顔見知り
 
そこで急遽座談会を開催
ユイレーシングスクールから得たものがありますか
運転に対する意識が変わりましたか
 
次から次へといろいろな意見を聞くことができました

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ひと通りオーバル走行の練習が終わり
次のステップへの足掛かりにと
 
最もペースの速い人を最後尾シングルファイルでヨーイドン
全員を抜いたらゴールというルールで
 
それまで見られなかった参加者の走りが随所に

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結局
全車を追い抜いたUさんが1位
チェッカーフラッグをかざしてウイニングランの図

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今回YRSドライビングワークショップFSWに参加したルノー仲間
全員が過去に受講した経験が

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埼玉県から来てくれたSさん

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東京から来てくれたNさん

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顔出しNGのMさん
大阪から来てくれてストレートを駆け抜けます

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走行準備中

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コース上で走行上のアドバイス

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朝風呂を出て
富士山を見上げたら雲の中

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須走の朝はいつも健康
 
アメリカに行く前からお世話になっている扇屋さん

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最近は土日のスクールが終わるとここへ
道の駅富士小山にあるレストランふじおやま?
メニューが豊富です
 
あさりクリームコロッケ定食が逸品です
ご飯は小盛中盛大盛から選べます
写真は小盛

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食事を終えて外に出たら富士山が
 
さぁ西に向かいます

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それにしても…

 

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FSWのスクールの時は金曜日の食事が楽しみで今回のムフフ
 
御殿場にはうなぎ料理店のひろ田が2軒あります
いつもは定宿に近い御殿場駅前のひろ田を利用していましたが
今回初めて駒門のひろ田に
これが大正解
メニューにあった肉厚うな重をいただいたのですが
今まで食べたことのないうなぎの厚みで食べ応えありあり
 
値段ははりますがお勧めです

 



第744回 ブログ記事へのコメント それから

ブログ 第716回 続・人間の操作がクルマを動かす を読まれたユイレーシングスクール卒業生が記事にコメントを寄せてくれていた。気づくのが遅くなってしまったけれど。

  いつもお世話になっております。 スクールだけでなく、ブログの内容もいつも興味深く拝読させていただいています。 今回の比較、とても勉強になります。 前半のブレーキング操作の違い(特に抜き方)も大きいですが、更にコーナリング中のイーブンスロットル操作の差が大きいように感じます。 私もよくやってしまいますが、Sさんの6-7.5秒あたりのGの落ち込みに対して、トムさんはずっと加速Gを保つようにイーブンスロットルから全加速につなげていますが、このような操作の違いを生む要因は何だとお考えですか?

次の画像がコメントで指摘のあった2人の操作の違い
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以下がコメントへの返信。
  無意識に身体が動いてくれるのでどういう操作をしているかあまり認識はしていないのですが、強いてあげるのならば、
・スロットルペダル(ブレーキペダルも)を戻すことを前提に踏んでいる
・オンオフのオフ時に100%オフにしないで、スロットル一定でも回れる位置までしか戻さない、でしょうか。
トレイルブレーキングが終わった時点で、それ以降マイナス加速度が発生しないようにすることがイーブンスロットルの目指すところだと思います。

 

改めて読み返して、回答がありまいで中途半端だったような気がする。自分でどのような操作をしているか、ホントに無意識というか条件反射的に身体が動いているので流れが止まることはなく、行動そのものを認識してはいないようだ。ただ、振り返って自分の操作を俯瞰するとこんなことではないかと。
・スロットル、ブレーキ、ステアリングの各操作がON/OFFにならないように意識している
・ボリューム(可変抵抗器)を回したり戻したりするようなイメージの操作をするように意識している
・具体的には各操作において操作の開始から操作の終了まで同じ速度で行わない
・操作の速さから見た場合に操作の最初は遅くその後クルマの動きを感じながら加速度的に速くする
・クルマの動きを細大漏らさず感じることができるようなドライビングポジションをとる
・走行中に身体がシートの上で少しもズレないようなドライビングポジションになるよう修正を続ける
・加減速Gでお尻が前後にずれないように床の上に置く踵を意識して座る
・横Gに負けて背骨がシートバックの中心からずれないように膝を開いて座る
・下半身だけで上半身の動きを制限して上半身の力を抜く
・ステアリングホイールはにぎらず手のひらの摩擦で重さを感じながら回す
・ステアリングホイールを左右の手の力五分五分では回さない

以上、「操作の違いを生む要因」に対する回答になっているかどうかは?だけど、自分なりに思いめぐらせてみた。

あと付け加えるなら、敢えて操作の開始を早めて常により効率的=理論的に理想だと思われる操作を過不足なくできるように心掛けているのと、どんな場合でも100%ではなく手を抜いて走った上で速さを得ることを目指す、くらいだろうか。
要は、速さに対するイメージより早めに操作を開始しすることを躊躇せず、その代わりにできるだけ速度を落とさないことに集中する。なにしろ加速度から見れば、クルマは減速より加速のほうが苦手なのだから。

頑張ってしまうと、クルマさんの言っていることを聞き逃しかねないことを経験的に知っている。だから、アメリカでレースをやっていた頃を含めてサーキットを走る時に必死になった覚えはない。なにしろ臆病なもので。でも、それが奏功しているのかも知れない。だからスピンもしたことがなかったのが自慢だ。



第742回 ユイレーシングスクールのススメ

ユイレーシングスクールは今から23年前、1999年12月の開校と前後して、Webサイトで84頁にわたる教科書を公開した。

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ユイレーシングスクール教科書 2頁

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ユイレーシングスクール教科書 目次

 

クルマは人や物を載せて移動するための道具だから必然的に人間が扱うことになるのだけれど、そこはそれ、それなりの扱い方がある。

クルマは良くできた道具だから、クルマが動きやすい操作をしてあげれればクルマは機能=性能を発揮しやすい。けれど運転者がクルマが動きやすい状況がどのようなものか理解できていない場合が多い。その状況を作り出すための努力をしているという保証もない。
なにしろスロットル、ブレーキ、ステアリングを操れば、とりあえずクルマは動いてくれるけど、サーキット、公道を問わずクルマが性能を発揮しやすい状況を作り出すために適切な操作が行われているか、運転中の運転者自身が検証することが難しいのも事実だ。

そこで、ユイレーシングスクールではクルマが動きやすい操作がどういうものか理論と実践の両面から理解してもらい、スロットル、ブレーキ、ステアリングの各操作が、運転者が意図した加速、減速、旋回と連動しているかをアドバイスすることによって、運転する人が自分の操作を連続して自身で見直せるコツをつかんでもらうようにしている。

あるコーナーへの進入から脱出までのスロットル、ブレーキ、ステアリングの各操作とそれらをまとめた結果をイメージした下のイラストで例えるのなら、イラスト1ではなくイラスト2でもなく、最終的にイラスト3のような操作が常にできるようになってもらうのがユイレーシングスクールが目指すところだ。

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イラスト1
サーキットを速く走ろうとしている時の操作と挙動の関係
 
いわゆるオンオフ操作
人間がクルマより速く走ろうとしている場合に見られます
 
図の黄色い部分ではアンダーステアが発生しているはずです

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イラスト2
サーキットを速く走ろうとしている時の操作と挙動の関係
 
いわゆる間延びした操作
速さに対して慎重すぎるのか
クルマの動きがわかっていないのか
クルマと運転者の距離が遠い場合に見られます
 
図の黄色い部分ではアンダーステアが発生しているはずです

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イラスト3
サーキットを速く走ろうとしている時の操作と挙動の関係
 
クルマの性能を引き出そうとする操作
クルマが動きやすい状態を作ろうとしている
 
操作が重なっていない
クルマが前に進んでいる

 

ユイレーシングスクールはビークルダイナミックスを説明したイラストを使った朝一番の座学でクルマの動かし方を理論的に説明します。実技では理論に基づいたアドバイスをFMラジオを使ってリアルタイムで繰り返し、参加された方の操作と理論との乖離を修正し続けます。

9月のユイレーシングスクールは
・9月16日(土) YRSオーバルスクールFSW 開催案内
・9月17日(日) YRSドライビングワークショップFSW 開催案内
のふたつです。愛車に生き生きと走ってもらう運転を練習しにきてみませんか。

 


第739回 Tさんの場合

今年からサーキットを使ったドライビングスクールの内容を見直しコーナーを区切って反復練習する時間を増やした。8月のYRS筑波サーキットドライビングスクールではコース1000のキンクと外周に出る右コーナーの連携のアドバイスを追加した。参加者が周回を重ねる時間は少なくなるけど、サーキット攻略に大切なコーナーに的を絞っての練習は大好評。参加者全員がクルマの姿勢制御に一皮むけたのが見てとれた次第。

そんな今年2回目のYRS筑波サーキットドライビングスクール。アルピーヌA110Sに乗るユイレーシングスクールは初めてのTさんが参加してくれた。

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ということで
例によって
Tさんに感想分をお願いした

 

先日、トムヨシダ先生主宰のユイレーシングスクールのレッスンに初めて参加しました。

元々こちらを知ったのはネットでサーキットの走り方をなんとなく検索していた時でした。

2022年6月にアルピーヌA110Sを手にしてからA110オーナー向けのサーキット走行会に誘われ参加する運びとなり、初めてのサーキット走行にあたりコースマナーや走り方のポイントなど何か予備知識をと思い情報収集していた時に当スクールのウェブサイトに出会いました。
ページを一通り拝読しのぞんだ初めてのサーキット走行(袖ヶ浦)。実際走ると良く出来たクルマに助けられそれなりに楽しめましたがおっかなびっくりのハラハラドキドキ場当たり運転でもありました。
レッスン会ではないので基本的に各自ラッピングするだけの走行会です。自分で色々考えつつもどこをどうしたら良いのか何がいけない操作なのか実際には全く分からない状態で、ただ場当たり的に周回しているのが現状でした。

もちろんそれでも十分楽しいわけですが完全な我流ですし、基本をしっかりと学ばないと何回走行会を経験しようにもただ走ってるだけであまり進歩しないだろうなと2回目の走行会参加後に痛感しました。
これはスキーで経験済みです。きちんと指導者から教わらないとスキーは何年やろうが検定には絶対合格しません。

そんな思いで参加することにした当スクールのレッスン。私以外は皆様リピートの生徒さんばかりでしたが入りにくい空気感などなく心地よい距離感で迎え入れて下さりました。トム先生のお人柄ですね。すごくお気遣い頂き気にかけて下さいました。

前置きが長くなりましたが結論から申し上げますと

「参加して本当に良かった!!」です。

稚拙ながらもクルマを自分の意思で動かす感覚が分かったような気がします。

「偶然そうなった、たまたま走れた、たまたま失敗した」などそういうことではなく、「あれが出来なかったからこうなった、あれをきちんと出来たからこう走れた」と理屈と因果関係をおぼろげながら理解することが出来ました。もちろん一朝一夕で極めることなど出来ませんが入り口には立てたと思います。

イーブンスロットルやトレイルブレーキなど事前にウェブサイトで読んでいた事も、実際はイメージとかなり異なりダイナミックなものでした。というか積極的にアプローチしていくものだと学びました。イーブンスロットルとは言いながらもコーナー後半に向けアクセルを踏み込んでいかないとイーブンが維持できない事(踏み増して行くからこそイーブンが保てる)を無線を通したり同乗走行時にリアルタイムにご指導頂けたことが大きな収穫でした。
コーナーリング中、ハンドルを敢えて小刻みに動かしさらなる奥を探る、アクセルも「セナ足」よろしく小刻みに煽りより限界を探る。

~クルマ全体の挙動の変化が起こらない範囲の中でクルマを騙す~

これを学んだ後半から自身の走りが激変しました。「クルマを自らの意思で動かしている、怖くない」ことです。

それ以前は「おっとっとっと(冷汗) 」、「コワイコワイ」と そんな心理状態がほとんどでした(笑)。

それともう一つとても印象に残ったトム先生の無線でのアドバイス。「腹にぐっと力を入れてアゴ引いて遠くを見る!」。専門的な知識ももちろん大事ですがこのアドバイスが初心者のワタシには一番変化をもたらしてくれたお言葉でした。

とても暑い晴天の真夏日でのレッスンでしたが楽しく過ごせました。参加して良かったです。仕事の関係で参加機会も限られてはしまいますがあまり間を開けずにまた参加したいと思います。

トム先生はじめスタッフの皆様、有難うございました。

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インフィールドの直線部分に全参加者のクルマを停め
2班に分かれて1コーナーで
イーブンスロットルとトレイルブレーキングの練習

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1班が走るのをもう1班が見学
1コーナーに進入するTさんの走りを見学班が注視

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コース1000のストレートを1コーナーに向けて加速する
TさんのA110

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今回はメガーヌRSトロフィーがラジオカー
Tさんの走りを見ながらリアルタイムアドバイスを送る

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Tさん感想文ありがとうございました
また練習に来て下さい



第735回 Nさんの場合

Nさんは2007年2月のYRS筑波サーキットドライビングスクールにRX-8に乗って初めて参加してくれた。ご自身がロードスターのパーティレースの常連でもあったたから頻繁に通ってくれていたわけではない。それでも2018年7月までエンジンドライビングレッスンを含めていろいろなスクールに合わせて20回参加してくれた。けれど、そのれきり顔を見なくなった。
ところが昨年7月。エンジン編集部から送られてきたアルピーヌ・ドライビングレッスンの参加者名簿にNさんの名前を見つけた。車両欄にはアルピーヌA110リネージとあった。「あ、やっぱり走り屋の虫がうずいたのね!」と。

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つい最近
A110リネージュからA110Sに乗り換えたNさん
慣らしもそこそこにYDOに駆けつけてくれた
 
そこで例によってNさんにも感想文をお願いした

 

久しぶりにYRSのレッスンに戻ってきました。私にとってトムさんのレッスンは、運転練習の始まりでもありますが、運転に行き詰ったときに振り返る場所という意味で「ふるさと」のようなところです。

今回は新しい車両であることと、サーキット走行も含めて1年以上まともに走っていませんでしたので、あらためて、身体と頭の記憶を呼び起こすことを目的に参加を決めました。
また、今回のレッスンでは、Gセンサーを搭載したデータロガーで、運転の可視化ができるという内容が含まれていました。今まで感覚として捉えていた運転について、どこまでできるのか、またできていないのかを自分の目で見れること、さらにそのデータから、トムさんにしっかり怒られてみようという、密かな期待(?)も参加した理由です。

実は今回まだ慣らし中の車でしたので、FSWに到着するまでは全開走行をどうするか躊躇っていましたが、午前中の最初に行われた加速してフルブレーキングのレッスンから、慣らしのことなどすっかり忘れて全開走行となりました。
さらに、初めての車で初めての全開・フルブレーキングは、身体の目覚ましにはうってつけのレッスンで、ABSの掛かり方や、パドルシフトの使い方を知ることができましたし、そもそも「車の運転ってどうやるんだっけ?」ということ自体を頭から引っ張り出すことにもなりました。

その後は、
・定速(70キロ)からのブレーキング(同乗あり)
・スラローム練習
・イーブンスロットル
・トレイルブレーキング(同乗あり)
と、途中から雨が降り続き、靄もかかる中、一日中レッスンを楽しみました。

今回のレッスンの収穫として、ブランクがあったからこそ気づいた点がいくつもありました。
一つ目は、「運転は上手くいかないことの方が多い」ということです。
トムさん曰く「だから誤魔化す方法を考える」とのことですが、上手く操作しようとせず、トライ&エラーを繰り返しながら引き出しの数を増やしていくことの重要性を再認識しました。スロットルオフのポイント、ブレーキングポイントやターンインポイントをここと決めてかかると、ポイントがズレてしまうことがある。早めに操作を開始して、クルマの動きに合わせて修正、修正を繰り返すことで理論的な正に近づけることができるという意味でした。

二つ目は、「オーバルのレッスンはサーキットに通ず」です。
私は15年以上レースに参戦していましたが、オーバル練習とサーキットのラップタイム向上にどのような関係性があるのか、今一つ掴み切れていなかったことに気づきました。オーバル練習を行う際、私にはどうしても前の車を追いかけてしまう悪癖?があり、速く走ろうとするあまり、結局遅くなるという悪循環に陥ることがよくあります。
今回はトムさんに何度か同乗していただき、コーナー入口、中、出口での走らせ方の違いを肌で感じ、素人が速く走らせる(=車を前に進める)には、オーバル練習がいかに大事かということを思い知りました。

三つ目は、「やっぱり運転は面白い」です。
トムさんの同乗走行で思ったことですが、操作の仕方次第で、車の動きが大きく変わることで、車が生き生きとしていることに今更ながら驚きました。以前のレッスンでトムさんから「車は公転しながら自転している」と言われたことがありますが、車は宙に浮いている訳ではないので、そこに摩擦が加わります。地面とはタイヤでしか接していない訳ですから、いかに車の性能を最大限利用しつつタイヤの能力を発揮させるかが大事になると思います。勿論そのキモは腕次第なわけですが、残念ながらすぐには「正しく操作できない」ことが、逆に運転の楽しみを増やし、面白味に繋がっていることを興味深く感じました。

このようなことで、久しぶりのレッスンは得るものばかりで、少々お高いレッスン代の元は取ったと思っています(^^♪
後から送っていただいたオーバルの走行ビデオもとても参考になりました。

今度は今回の復習と、更なる引き出し増産のため、あまりブランクを空けることなく参加したいと思います。今後とも、宜しくお願い致します。

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メガーヌRSトロフィーのリードカーに続いて
ブレーキ練習の完熟走行

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1組目のコーンと2組目のコーンの間は30m
この間で踏力を永遠に増やし続ける
前輪のタイヤをひしゃげさせるように
前輪にどんどんどんどん荷重をかけ続ける
 
クルマ固有の制動性能を上回る減速Gを立ち上げるのが目的
これをブレーキング区間の半分までに終える

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写真のピンが甘いけど
NさんのA110がこれでもかっていうほど
ノーズダイブしているのがわかる
 
前車軸ではなく
後車軸を中心にノーズダイブしているから
上昇した前輪のグリップと相まってABSは介入しない

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加速からのブレーキ
定速からのブレーキ
イーブンスロットルでのオーバル走行
トレイルブレーキを使ったオーバル走行
 
各パートを走り終えるたびに教室へ
モニターにiPhoneのデータを再生して
参加者全員で全員の操作の見直し

 

Nさん また走りに来て下さい。待ってます。