トム ヨシダブログ


第181回 YRSツーディスクール

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風は冷たかったけど空気が澄んでいて

3月最後の週末に開催したYRSツーディスクール。昨年末のYRSツーディスクールには台湾から2名の参加があったが、今回は中国から二人の方が参加してくれた。ユイレーシングスクールも少しずつインターナショナルになってきた(?)

例の通り、1日目は富士スピードウエイの広い駐車場にパイロンで作った4種類のコースで基本的な操作の反復練習を行い、2日目にショートコースを走り回るというカリキュラム。

メガーヌRSを駆り桑名から来てくれてKさん、千葉から来てくれたHさん、ルーテシアⅢRSで埼玉から来てくれたCさん、ルーテシアⅣRSで東京から来てくれたNさんも休む間もなく走り回っていた。

ちなみに、走行距離は1日目の駐車場だけでも100キロ近く、2日目のショートコースとなると計測ラップだけで143周走った人がいるから、リードフォローや追い越し禁止の慣熟走行を含むと170周以上した計算になる。ユイレーシングスクールが使うショートコースのレイアウトだと全長が880mだから、距離にして150キロ。2日間合わせて250キロを真剣に走るのだから、クルマさんと友達になれないわけがない!

とにかくたくさん走る。とりあえずできる範囲の速いペースでコンスタントに走るように心がける。無理はする必要はない。ユイレーシングスクール開校以来一貫した教育方針だ。

とは言え、RSが4台も集まったんだからと休み時間にちょっとの動画


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RSはサーキットが似合う、なんてね

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HさんのメガーヌRS

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KさんのメガーヌRS

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CさんのルーテシアRS

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NさんのルーテシアRS

サーキットを速く走ることだけが目標ではない。日常では経験できない速度域で、日常では味わえない前後左右の加速度と向き合って、クルマという道具の正しい使い方を身につけてもらうのがユイレーシングスクールの目的だ。そして義務だと思っている。


第179回 YRSトライオーバルスクール

ユイレーシングスクールのカリキュラムのひとつにYRSトライオーバルスクールがある。

トライオーバルとはおむずび形のオーバルコースのこと。NASCARストックカーの聖地デイトナインターナショナルスピードウエイも、
世界で最も長く(2.66マイル=4280.9m)最もハイバンク(33度)のタラデガスーパースピードウエイもトライオーバルだ。

ユイレーシングスクールでは操作の練習に役立つように3つのコーナーを全て異なる曲率にしている。下りきったところにある低速の回り込んだコーナー、3速全開でクルマの向きを変えるキンク、2速に落としながらのターンインが求められる中速コーナー。

ここを走ると上手くなると言うよりも、まず走って楽しい。慣れると、もちろんブレーキングやコーナリングの練習をしてからだが、クルマを動かしている実感がヒシヒシと感じられる。

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4代目ルーテシアRSが走る
雨が降ったらメッケモノ

で、3月6日に開催したYRSトライオーバルスクールに2台のルーテシアRSがやってきた。Uさんの2代目ルーテシアRSとSさんの4代目ルーテシアRS。
お二人とも前にもユイレーシングスクールを受講したことがあるから、イーブンスロットルとトレイルブレーキングがなんたるかはご存知だけど、3速全開でターンインするYRSトライオーバルは初めて。午前中にブレーキング区間の最後で前加重を抜く練習をみっちりやって、次いでキンク後にロールを消して再加速するラインを試していざ全開。

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2代目ルーテシアRSが走る
軽さは武器!

昼過ぎから雨が降り出し路面が濡れてもなんのその。他の参加者ともども走る、走る。ウエットだからと言ってバランスを崩す人がいないのは、ユイレーシングスクールの真骨頂。1日で2度美味しいYRSトライオーバルスクールでした。

179-33代目ルーテシアRSで来れば3代そろって良かったな、と思いながらの記念撮影
右がUさん、左がSさん

ルノー・スポールに乗っているみなさん、愛車を全開で走らせてあげませんか?


◎動画で2台のルーテシアRSの走りをどうぞ。


以下はYRSオリジナルビデオから

・YRSトライオーバルオンボード映像

・YRSトライオーバル外撮り


第178回 急がば…回せ

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ブログの内容と写真は関係ありません

とある右折車線がある片側1車線の交差点。同じく右折車線がある片側1車線の道路と斜めに交わっている。この交差点を右折する場合にはかなり鋭角に曲がらなければならない。高速道路に乗る前に使ういつもの道なのだが、いつも疑問に思うことがある。

かなり往来があるので右折可の矢印が出てから右折することになるのだが、前のクルマについて右折していくと、ほとんどのクルマが交差する道路の右折車線を「踏んで」右折していく。「踏まない」のは交差する道路の右折斜線に、「右折するのを待っているクルマがいる時」だけだ、と言っても過言ではない。

交差道路の右折車線を「踏むこと」が違反にあたるかどうかは別として、疑問に思うのは彼ら(彼女ら)がどんな意識でステアリング操作をしているか、だ。

あくまでも推測の域をでないのだが、行われている操作は「ステアリングをある舵角がつくまで一気に回してそこで手を止めて、右折してからもう一度切り足す」のではないのだろうか。

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ブログの内容と写真は関係ありません

別に右折車線にクルマがいなければかまわないではないかという意見もあるだろうけど、自分の運転と比較しての話だが、それだと右折を終わる頃に最も舵角を大きくして方向を変えなければならないはずなのだ。つまり、コーナリングの半径が最も、かつ必要以上に小さくなるのが右折して直進に移る地点の寸前になる。ということは、結構な高さのある歩道と車道を分ける縁石に向かう角度が深くなるし、右折を終わってからステアリングを戻す量が大きくならざるを得ない。つまり、右折の最終段階でも運転手の目線はまだ外側に向いているはずで、進行方向の遠くを見通せる情況ではない。それでもいいの?という話。

一気に舵角を与えればそれだけ内輪差が大きくなるから、前輪が大きく向きを変えるのと同時に後輪は前輪のはるか内側を通ることになる。
結果として、直線的にコーナリングしてしまうと立ち上がりでのクルマの向きが十分に変わっておらず、従ってエネルギーの方向もクルマの向きよりも外側にある可能性が高い。なのに…。

ここに、、彼ら(彼女ら)の運転に対する意識がうかがえると言ったら言い過ぎか。

もちろん安全に右折できれば、それはそれでかまわないのだろう。しかしどんな状況であろうと、ある操作の結果どういうことが起きるか想像しながら運転している自分にはできないね、と。

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ブログの内容と写真は関係ありません

同じようなことがドライビングスクールでも見られる。例えばオーバルスクール。ふたつの同じ曲率の180度コーナーを直線で結んだ楕円形のコース。受講者一人ひとりの操作を見直すことが目的だから、最初はイーブンスロットルでブレーキは使わずに走ってもらう。

半径22mのコーナーは時速45キロだとどんなクルマでもパイロンに沿って走ることができる。ところが、「それでは50キロにペースを上げて下さい」と言うと、何人かがパイロンに沿って走ろうとしているのにパイロンから離れるようになる。「次に55キロまで加速してみましょう」と言うと、かなりの人がパイロンに沿って走ることができなくなる。パイロンを後輪で踏んづけて倒す人が出てくるのが、「あと2、3キロ速く走ってみましょうか」と言う頃だ。そう、おわかりだろう。ステアリングを「バキッ」と切っているのだ。内輪差などおかまいなしに。

この時の受講生の操作は、鋭角の交差点を曲がる彼ら(彼女ら)のステアリングの回し方に近い。
最初に大きな舵角を与えるものだから、前輪にだけスリップアングルが生じ、後輪はただ前輪の軌跡の内側をたどることになる。ペースを上げてエネルギーが大きくなればなるほど、前輪は外に逃げようとするし、無意識のうちに逃げるのがわかるからさらにステアリングを切り足すようになる。

YRSオーバルスクールではパイロンを15度ごとに置いてある。コーナーの始まりと終わり、それと頂点に緑のパイロン。その間に5本の赤いパイロン。

見ていると、パイロンから遠ざかる人は赤いパイロンの2本目か3本目でステアリングを回す手が止まっている。止まっている位置、つまり舵角も、既にそのコーナーの最終舵角ほどに大きい。それでは高い速度で自分が思い描いた軌跡にクルマを持っていくことは難しい。速度が低ければ何も起こらずにすむかも知れないが、思い描いたところにクルマを持っていくのが難しい状況にあることには変わりない。低い速度だったとしても、晴れなら大丈夫で雨ならだめかも知れない。

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ブログの内容と写真は関係ありません

だから、ユイレーシングスクールでは受講生に煙たがられるのを覚悟でこんなアドバイスをしている。

「クルマが抱えるエネルギーは速度の二乗に比例して増減する。45キロから50キロに10%ペースを上げたとしたら、クルマを真っ直ぐに進ませようとするエネルギーは20%増えているんですよ」、「最初の舵角が大きくなる原因は近くを見て操作しているからで、自分の行きたいところに目線を動かしていないからです」、「クルマにとってコーナリングはストレスになります。ストレスを大きくしないためにも、ステアリング操作の最初はゆっくりと、コーナリング中も手を止めることなくコーナーから次の直線が見えるようになるまでゆっくりと回し続けたほうがクルマさんは喜んでくれます」、と。

さて、あなたはごんな運転をしていますか?


第177回 YRSライディングスクール始動

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歳だからと控えていたけど、またバイクに乗りたくなったね

今年4月。ユイレーシングスクールはバイクユーザーを対象としたYRSライディングスクールを始める。ここ5年ほど暖めていた構想がいよいよ実現。

別に「おっちょこちょいのライダー」に正しいバイクの乗り方を教えよう、と思っているわけではない。4輪と同様に、バイクを所有している人にもっとバイクを楽しむ方法を学んでもらい、バイクに乗っていて良かったなぁ、と思ってもらえればと考えてのことだ。

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練習はやはり、再現性のある操作を最優先にする

去る1月。バイクも持っているYRSスタッフとYRS卒業生でバイクにも乗っている人の協力をあおぎ、カリキュラムの検証を行った。
それは、もちろん座学に始まり、両手を離してのスラロームからブレーキングの練習、8の字でバランスを取る練習をした後に定常円をできるだけ速く走る練習へと続く。

試験的YRSライディングスクールに参加したYRSスタッフとYRS卒業生にからは、「今まで気がつかなかった」、「そんなこと知らなかった」、「運転が楽になった」と好評のカリキュラム。

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こんなスクールがあれば若い頃もっとバイクを楽しめたかも知れない

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追いかけっこも面白かった

路面温度が低いと転倒の危険性があるから寒い時期には開催しない方針なので、第1回は4月8日(金)。まもなく募集を開始する。バイクをお持ちの方はユイレーシングスクールのウェブサイトでの告知をお待ち下さい。


◎ 両手離しのスラローム

◎ 最短距離でバイクを止めるブレーキング

◎ 8の字を何回も何回も

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インストラクターはバイクの経験が豊富で理論に基づく操作の重要性を説く田村さんにお願いする

今までもそうだったし、これからも変わらぬユイレーシングスクールのテーマは所有欲から使用欲への転換だ。そして標語が「モータースポーツをもっと手軽に、もっと楽しく、もっとみんなで」であることも変わらない。


第174回 YRSライディングスクール

ユイレーシングスクールは様々なカリキュラムを通じてクルマを意のままに操るコツを学んでもらっているが、今年から2輪のライディングスクールも開催することにした。

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理由は、意外とバイクの乗り方がわかっていないバイク乗りが多いことを知ったからだ。
交通事故統計を集計した時にもバイクの乗り方を教える必要性を感じていたのだが、バイクも持っているYRS卒業生と話していると理にかなった操作方法を教えてくれるところが少ないらしい。

理にかなった操作を教えるには、クルマという機械が動く原理を説明して、クルマがその機能を発揮するために必要な操作と、クルマの性能をスポイルするやってはいけない操作を理論的に説明する必要がある。練習も合理的な方法で行なわないと整合性に欠ける。

クルマがちゃんと機能するように動かすことができれば、それは安全につながるしサーキットでは速さにもつながる。
そんなユイレーシングスクール流の道具の使い方を2輪を対象に公開してみようと思う。

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開催は暖かくなってからになるけれど、既にYRSスタッフとYRS卒業生に協力してもらって基本的なカリキュラムの構成は終わった。
バイクを最短距離で止める方法はもちろん、不安定な乗り物であるバイクだからこそ、両手をハンドルから離して行なうスラロームや、当然のことだけどライディングフォームの確認も行なう。2輪メーカーがやっているライディングスクールとはかなり趣きが異なるスクールになるはずだ。

高校の時にオリンパスという500ccの単コロを転がしていた以外はバイクから遠ざかっていたから、YRSライディングスクールでの仕事は用務員。座学をやってデモランを見せるのは、バイク用のタイヤの開発をしたりレースに参加したこともある、ユイレーシングスクールの思想に賛同してくれたインストラクターが担当する。

詳細は決まり次第お知らせします。


第154回 TさんとルーテシアRS

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今年2回目のYRS筑波サーキットドライビングスクール

2011年10月8日。買ったばかりのルーテシア3RSでTさんがYRSツーデースクールに参加してくれた。
それまで過給器付きのシルビアに乗っていたのだが、面白いクルマだけど運転していて急かされるような気がすることが多くて乗換えを考えていたそうだ。

FFのルーテシア3RSを選んだ理由を聞いてみると、購入を決めたのは勘みたいなもの、との答え。試乗してみてなんとなくいいなと思ったからだそうだ。駆動方式の違いは気にならなかった、と言うよりもFRとFFでどのような違いがあるのかのほうに興味があったと言う。

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インフィールドのストレートを加速するTさんのルーテシア3RS

その後、Tさんはルーテシア3RSともにYRSツーデースクールに3回、YRSオーバルスクールに1回、YRSドライビングワークアウトに2回、鈴鹿サーキットレーシングコースで開催したYRSドライビングスクール鈴鹿や富士スピードウエイのショートコースとレーシングコースで開催したYRSドライビングスクールFSW、筑波サーキットコース1000で開催したYRS筑波サーキットドライビングスクールにも参加してくれた。

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最終コーナーを立ち上がるTさんのルーテシア3RS

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最終コーナーを立ち上がるTさん運転のルーテシア4RS

「実際に所有してみて、選んで正解だったと思います。エンジンを回しても、のんびり走っても、クルマが対応してくれている感じを受けるます」とルーテシア3RSの感想を語るTさんに、12回めのユイレーシングスクール参加になった筑波サーキットドライビングスクールでルーテシア4RSに乗ってもらうことにした。いつもきれいな破綻のない走りをするTさんが、成り立ちが少しばかり違うルーテシア4RSをどう動かすか見てみたかったから。

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Tさんがルーテシア4RSに乗り込み

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インフィールドでいい音を響かせ

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1コーナーに向けてGTRを追いつめる

結果は? セッション毎に3と4を交互に乗り換えることにはなったものの、どちらも同じような、流れるようでいて決して遅くないペースを刻んでいた。

以下は後日、Tさんから届いた感想。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * ここから * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

猛暑のなか有意義な時間を過ごせました。ブレーキのコントロールは前回よりも進歩したのではないかと勝手に思っています。まだ繊細な調整ができるまでには至っていませんが…。

また、現行ルーテシアをお借りして走る事ができたのも貴重な体験でした。私の先代ルーテシアと比較した感想は以下の通りです。

【エンジン】
カタログでの最大出力はほぼ同じですが、現行の方が低~中回転の蹴りだしがずっとよかったです。以前乗っていた車もターボエンジンでしたが低回転域は弱かったのでルーテシア4RSのトルク特性が印象的でした。

【ブレーキ】
効きは十分でした。自分でコントロールしてるつもりでしたが、車のアシスト制御が働いていた様です。

【操舵感】
型が違うので別モノの感覚かと思っていましたが動きに共通性がある印象でした。どちらの車でも同様の操作をしたつもりですが旋回したい方向に巻き込んでいくところは同じメーカーが作っただけあるなと興味深く思いました。(午前中にしたブレーキのトレーニング効果があった、という事でもあるかと思います)

【トランスミッション】
オートマチックでも想像よりスムーズにアップダウンするなと感じました。パドルシフトのマニュアル操作も試しましたが、慣れが要るかなと思いました。

【見た目】
現行の方がスマートな印象ですが、個人的には車幅の広がった先代の方が好みです。

書いてみると、何かありきたりな内容ですね。

異なる車を乗り比べる事ができたのは非常に面白かったです。次の機会にまたいろいろ試せる様、日常でも車の姿勢を意識して操作しようと思います。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * ここまで * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

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ルーテシア4RSとTさんと

Tさんも楽しんでくれたようだし、自分で運転していては見ることのできないルーテシア4RSの走りを拝むこともできたし、とんでもなく暑い日だったけど気分は爽快だったことを付け加えておこう。

Tさん、また遊びに来て下さい。


第135回 ルノー・スポールそろい踏み

3月15日。ユイレーシングスクールの目玉(?)プログラムのYRSオーバルスクールFSWを開催。
今年から走行時間を増やすために定員を20名にしぼったのだけれど、前日のYRSトライオーバルスクールを受講した人がどうしても続けて練習したいと言うので、カリキュラムを工夫して計22名で開催。

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今回は教室で記念撮影

最近ルノーユーザーの参加が確実に増えてきていて、今回は4台のルノー・スポールが参加してくれた。

クリオに乗るHさんはサーキット走行の経験が10時間。1月のYRSオーバルスクールにも参加してくれた。
ルーテシアⅢに乗るKさんはサーキット走行は未経験でユイレーシングスクールも初体験。
ルーテシアⅣに乗るYさんは1年前のYRSドライビングワークショップに来てくれた。
メガーヌに乗るIさんは欧州車を対象としたレースに参加した経験をお持ちだが、ユイレーシングスクールは初参加。

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3兄弟と先輩といとこが
※スピダーはスタッフの愛車

みんなそれぞれ経験値は異なるけど、不思議なことに、YRSオーバルスクールで1日中楕円形のコースを走り回ると最後にはほとんど同じレベルに達する。
とにかく、午前中の半径22m直線60mのオーバルだと9秒に1回コーナーが現れるから、数えたことはないけれど相当な回数の加速→減速→旋回→加速をこなしているはずだ。
午後の半径22m直線130mのオーバルは3速に入るほど速度域が高く、なおかつ集団で走るものだからいつも理想のラインを通れるわけではないから、それはそれで練習になる。

最終的には1日でかなりの距離を走るのだが、タイヤがボロボロになるとか、ブレーキがフェードするとか、そんな話は全くない

なにしろアンダーステアを出したり突っ込みすぎるとすぐに指摘されるから、クルマが痛む前に間違った操作を修正することができる。

2月ぶりのオーバルを走るHさん。前回より良くなったでしょ、と。
もちろん格段の進歩です。午前中エンジンのかかるのが少し遅かったけど。

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クリオとHさん

クルマを全開で走らせるのが初めてのKさん。難しいですね、と。
でもキチンとできていましたよ。難しいと思うのは、今まで理論的にクルマを動かす機会がなかったからだけなんです。次回はもっと楽しくなると思いますよ。

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ルーテシアⅢとKさん

1年ぶりに来てくれたYさん。やはり、難しいですね、と。
走りは悪くないんです。ただ日ごろからもう少し積極的に運転しようという意思を持つと、もっと楽に運転ができると思います。

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ルーテシアⅣとYさん

初めてYRSに来てくれたIさん。頭を使って走るのは初めてなんで、と。
レースの経験があるだけにスムースに走ってました。でも少し走りがおとなしいかなと。次はもっとメリハリのある運転をされるとクルマの動きが良くわかると思います。

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メガーヌとIさん

クルマはその性能を味わってあげなければもったいない。特にルノー・スポールに乗る人はユイレーシングスクールに遊びに来てほしい。どれだけすごいクルマかがわかります。

※ ユイレーシングスクールのプログラムはどんなクルマでも、サーキット走行の経験がなくてもあっても参加できます。
※ あなたもクルマとの対話の糸口を探しに来てみませんか?


第134回 お疲れさま。 ありがとでした。 元気でね。

旅立ちの時が来た。
鈴鹿サーキット、富士スピードウエイ、筑波サーキット。それと和歌山マリナシティ。
2013年4月からユイレーシングスクールが開催したほとんどのドライビングスクールに大量の荷物を積んで駆けつけ、デモカーとしてリードカーとして走り回り、操作を説明する教材として大活躍してくれたルノー トゥィンゴ ゴルディーニ ルノー・スポール。
ルノー・ジャポンに戻ってからも、誰か運転好きの人が、あの気持ち良さを味わってくれると嬉しい。なんたって、回るようにしつけた1.6リッターエンジンは今が絶好調なんだから。

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YRSのデカールとともに走りに走り回った

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朝起きたらこんなことになっていたことも

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駐車場の雪かきを手伝いなんとか脱出したけれど。

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桜は単純にイイ !

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富士スピードウエイ近くの古木の前でとか

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湖西の桜の下とか

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筑波サーキットへの道すがらにパチリとか

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毎年出迎えてくれる富士スピードウエイ近くの枝垂桜を背景にとか

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筑波サーキットへ向かう時に寄り道した川岸でとか

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守谷市で桜吹雪の下にたたずんだり

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富士スピードウエイの東ゲート脇に寄り道したりして。

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富士山と菜の花とトゥィンゴを愛でたり

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訪れるたびにいろんな顔を見せてくれる富士山にニンマリしたり

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太陽が高くなると富士山の周りに雲が湧くことを知ったり

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ある日コース作りを終えて帰ろうとして神秘的な光景に出会ったり

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箱根の山から太陽が顔を出すころに富士山が染まることを知ったり

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ドライビングスクールの片付けが終わり見上げれば富士山の陰がたなびいていたり

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富士山が雲の中でも振り返れば水墨画のような光景が広がっているのを見つけたり

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富士山から立ち上る、富士山自身の影に圧倒されたり

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富士スピードウエイから富士山が見える日はなぜかハツラツとしているのに気がついたり

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湖西の秋色に思わずトゥィンゴを止めてみたり

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和歌山のリゾートタウンでスクールをやったり

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トゥィンゴで雪を蹴散らし箒で掃きながらコースを作ったり

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夜更けのSAで給油した時にフューエルリッドにキャップを引っ掛けるフックがあることを教えてもらったり

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オイル交換に行ったら同級生も来ていたり

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鈴鹿サーキットのピットで舌なめずりしたり

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鈴鹿サーキット南コースでデモランをやって見せたり

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駐車場にあつらえたパイロンコースで自慢の足を披露したり

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トゥィンゴにカメラを積んでYRSオリジナルビデオを撮影したり
(写真はYRSオリジナルビデオからキャプチャー)

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1速から4速までレッドゾーンの手前まで回したり
(写真はYRSオリジナルビデオからキャプチャー)

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FSWショートコースでカメラカーを追いかけたり
(写真はYRSオリジナルビデオからキャプチャー)

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FSWショートコースでカメラカーに追いかけられたり
(写真はYRSオリジナルビデオからキャプチャー)

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鈴鹿国際レーシングコースを駆け抜けたり
(写真はYRSオリジナルビデオからキャプチャー)

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トゥィンゴを教材に具体的な操作を説明したり

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筑波サーキットのインフィールドから走行中のクルマにアドバイスを飛ばしたり

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エンジンドライビングレッスンに岡崎から来てくれたTさんが乗るいとこと記念撮影したり

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YRSトゥィンゴに刺激されて購入に踏み切ったIさんと写真に収まったり

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増え始めたルノー・スポールユーザーのWさん、Nさん、Hさん(右から)とトゥィンゴの前でポーズしたり

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ルーテシアRSに乗る宮城県白石市のMさんと水戸市から来てくれたTさんのトゥィンゴRSと記念撮影したり

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ホントは、ルノー・スポール以外のカングーやキャプチャーにもスクールに来てほしいんだけど・・・

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まっ、まずはRSに乗る人に運転が楽しいと言ってもらえるようにするのが先決かな

※ 写真も思いでもまだまだたくさんあるから載せきれない。大好きな富士山と桜を中心に選びました。


第133回 YRSツーデイズスクール体験記

2月に富士スピードウエイで開催したYRSツーデースクールを受講してくれたNさん。このブログでユイレーシングスクールのことを知って申し込んでくれたと聞いたものだから、あつかましくも感想文をお願いした。
初めてのサーキットにも関わらず小気味いい走りをしていたNさんの体験記をお届けします。

135-321日目を終えてルノー・スポール仲間と
右からメガーヌのWさん ルーテシアのNさん 左はメガーヌのHさん

133-1b2日目 ストレートを駆け下るNさん

133-2bルーテシアⅣRSで参加してくれたNさん(中央)
左は毎年YRSツーデースクールに来てくれるTさん

============================ NさんのYRS体験記 ===========================

・1日目
免許取得から40年以上の運転暦を重ね、その間15台程の車を乗り継いでそれなりにカーライフを楽しんできたつもりですが、還暦を過ぎてもう一度車好きの原点に立ち返り、運転を楽しみたいと思っていました。
若い頃は見よう見まねで運転技術を習得しマニュアルシフトを楽しんで峠道を走ったりしましたが、家族を持ってからは車種の選択や仕様にも制限がありました。漸くその呪縛から開放され自分が欲しい車種を探し始めた時、目に入ったのがルノー・ルーテシアでした。もともと小型で小気味よく峠道を走るタイプが好きなので、雑誌等で以前から気にはしていましたがニューモデルが発表され、『まさに自分はこれが欲しかったんだ!!』と思いました。
それから購入に向けて情報収集する中で見つけたのがルノー・ジャパンのサイトに掲載されていたユイレーシング・スクールのブログです。『ルノーをサーキットで思い切り走らせたい!』と言う思いが強くなり、ついに富士スピードウェイで開催されたYRSツーデースクールに参加しました。
1日目、富士スピードウェイ駐車場端の教室で受付を済ませ、最初にトム校長の挨拶と白板を使って基本的な理論の説明。講義の中では車の動きとタイヤにかかる荷重の変化について説明されました。車を上手に運転し、効率良く安全に走らせる操作の基本を教わりました。ブレーキングの重要性について説明されましたが、特に印象に残ったのは今回初めて聞く言葉で『トランジション』、車が加速から減速への移行や直進からターンへの姿勢変化の際、移行を十分意識して運転操作をしないと、車は思う通りには走らないと言う事でした。

教室講義の終了後、参加者は3グループに分かれて駐車場内に設定された、スラローム/ブレーキング/8の字セクションでいよいよ運転スキルの練習がスタートしました。受講生はFMラジオで校長から飛ぶアドバイスに従って、それぞれの課題に臨みます。私の最初は8の字から、スタッフのグリーンフラッグの合図で勢いよくスタートあっという間にパイロンが迫りタイヤを軋ませながらコーナリングそして直進のタイミングを計りアクセル全開、ブレーキング、今度は反対方向にステアリングを切りコーナリング、あっという間にフラッグが振られセッション終了。
そして他のグループメンバーの走りを待ち、次の順番に臨みます。同じセクションを何度か繰り返しながら、自分なりに工夫を加えて望みます。最初は恐る恐るアクセルを踏み込んでいましたが、回を重ねると、思い切りべた踏みです。ところが車は自分が思ったようには動いてくれず、アウト側に膨らんだりスムーズな動きになりません。すかさずFMラジオからは校長の大きな声のアドバイス、あっと我に返り冷静さを取り戻し再挑戦。

なかなか難しいなと思っていると課題チェンジの指示、次はスラロームでした。等間隔に並べられたパイロンの間を出来るだけ早く走り抜けます。
ここではステアリング切り方が難しい、素早く左右に切ればいい訳ではなく、切るスピードにポイントが、操作を間違うとコース終盤で車のロールが増幅されて怖い思いをしました。校長からは肩に力をいれずハンドルをゆっくり切り始めるように指導を受ける。何度かスラロームを繰り返しまわりの参加者に比べレベルは低いけれど最後まで崩れることなく走りきれるようになりました。

そして最後が重要課題のブレーキング練習。アクセル全開であっという間にスピードは100キロ近くに達し目印のパイロンで急制動、前方のガードレールが目に入りスリル満点。普段の運転では考えられない急発進、急制動、タイヤが悲鳴を上げている。自分なりには精一杯のつもりだが、校長からはまだまだと厳しい指導の声。それならお手本をとお願いすると、さっと運転席に乗り込んで同乗走行の模範操作をしていただいた。さすがにその違いは歴然、制動距離は半分近く短く、ABSも作動しないのに緊急停止の為ハザードが自動的に点滅、これには本当に驚いた。単純なトレーニングながら夫々の難しさを実感して午前中の基礎練習があっという間に終了した。

午後はパイロンで走行ラインを設定されたオーバルコースを周回するユイレーシング・スクール独自の走行練習でした。午前同様にチーム分けされたグループが隊列を組んで周回、最初は一定速度を保って走ります。4本のタイヤのグリップを全てコーナリングに使うためのイーブンスロットルの練習です。徐々に指示速度が上げられます。車の反応を確かめながらハンドル操作、アクセル操作を繰り返しました。
オーバルコースの周回練習は次の段階へ進み、ハイスピードの周回となりコーナー手前でブレーキング/ハンドル操作/加速と繰り返されるようになり、トレーニングも難易度をまして行きました。ここでもFMラジオからは校長の厳しい指導の声が飛び、午前中の練習を思い起こしてブレーキングに力をこめました。
チーム毎に周回を重ねながら後半はオーバルコースも拡大され、トップスピードも一段とアップしこれまでの操作にシフトチェンジが加わります。セカンドでコーナーを立ち上がり加速してサードにシフトアップ直ぐにブレーキングとシフトダウン目まぐるしい操作で、高まるエンジン音、コーナーリングの横G、車を思いっきり走らせていることを実感しました。
1日目最後はオーバル走行でチーム内レースでした。速いクルマが後に迫ると校長からの指示でコーナーをアウトに膨らまないように立ち上がったり、周りの車にも注意をはらいサーキットの走行を意識した走行練習でした。駐車場内を走り回って繰り返し続けられたオーバル練習、気が付いたらオドメーターは80キロ程、1日目のプログラムを無事に終了しました。

・2日目
FSWショートコースで念願のサーキットデビューの日。雨はあがったものの路面は濡れた状態で不安な気持ちでした。コースに到着するとまずコースを歩きます。コーナーの状況やCPポイントの説明を受けながらコースを一周、サーキットの勾配が想像以上にキツイ事を実感。特にホームストレッチは5%の下り勾配があり第1コーナーへ入る前の姿勢の作り方とブレーキング操作を重点的に指導された。
次に教室でライン取りや走行上の注意点の説明があり、ラップタイム計測用のトランスポンダーを渡されました。いよいよサーキット走行です。

走行準備を終えヘルメットを被り、グループに分かれてピットロードからコースイン。最初はウォーミングアップ走行でコース状態の把握から始まり、グループ毎の周回走行が繰り返された。初めのうちは路面が濡れていることもあり、恐る恐る先行車の後ろについて走行ラインを確認し、徐々にスピードを上げていきました。グループ毎に区切られた時間で、周回走行を交互に繰り返す。これまでの講習で学んだことを意識し、周回毎に課題に挑戦するが、あっという間に午前の走行が終了した。午後は講師の同乗走行から、受講者が助手席に座り講師がコースを模範走行。私も校長の運転でコースを周回。昨日の模範ブレーキング同様に圧倒的な操作で、ゆっくりながら、メリハリがあり操作の意図が車に伝わっていることを実感、自分の運転とは異次元の世界を体感し、まさにこれが本物のサーキット走行、大変参考になりました。続いて午前と同様にグループ毎の周回走行が繰り返され、路面状況も良くなり周回スピードも上がりました。グループ走行ながら速い車に抜かれたり、先行車に追いついて様子を伺いながらパスすることが出来たり、サーキット走行の醍醐味を満喫し時間を忘れて、周回を重ねました。ベテラン受講生のレベルとは比べ物になりませんが、今日のサーキットデビューは最高に楽しく、『ルノーでサーキットを思い切り走る』夢が実現できた素晴らしい一日になりました。無事にサーキット走行を終了し、オドメーターは150程でした。

・所感
思い切ってYRSに参加してとても良かったと思います。これまでもスポーツの講習等様々な指導を受けて来ましたが、その度に感じることは、自分の目標に挑戦する時、その領域の知識や経験のある人の指導を受ける事が、最も速くて効果的な対策だと思います。車を移動手段の道具としか考えない場合は運転を教習所で教わって免許を取ればそれ以上の必要はないかもしれませんが、上手に運転したい、速く走りたい、車の運転を楽しみたい、と思ったら操作については専門の指導が必要です。今回は吉田校長の永年の指導経験から組み立てられた内容や、受講者に繰り返される熱血指導を体感し、特に2日目には『ルノーでサーキットを思い切り走る』という願いも実現できました。2日間の短い時間でしたが充実した内容に大変満足しています。

また性能が良くていい車だと思っていても、一般道路では性能の一部しか感じることは出来ませんでしたが、駐車場やサーキットで思い切り車を走らせた事で、ルノーが素晴らしい車だと言う事も実感、ルノーにして良かったと思いました。ルノーはサーキットイベントやユーザー同士の交流会等も開催していますが、今後は機会があったら参加したいと思います。

高齢者が年甲斐もなく、サーキットを走りたいと思ったのは、これまで様々なスポーツを経験し楽しんできましたが、加齢と共に体力の限界を感じ始めて来たからです。2日間の初挑戦を終えてからは、『まだまだやりたい事がある!』と挑戦する課題を見つけて、前向きな自分を発見しました。

今後も愛車ルノーで、練習を重ね、新しいカーライフを楽しみたいと思います。


第132回 鈴鹿ツインサーキット

131-1久しぶりにレブリミットまで回した

131-2
鈴鹿ツインサーキットGコースはこんなレイアウト

筑波サーキットと富士スピードウエイで開催しているいろいろなカリキュラムを関西でも展開したくて候補地を探していたけど、クルマを動かす基本操作を練習するYRSドライビングワークショップを鈴鹿ツインサーキットGコースで開催することにした。

4月2日(木)に開催するのは、全長1,750mのフルコースの半分を使うGコース。とにかく運転の上達には反復練習が欠かせないので1周40数秒で周回できるのが嬉しい。
と言っても、長さは960mあるし直線は280mもある。コーナーの数は12でコース幅は最低でも10mある。練習にはうってつけ。特にストレートを使ったスレッシュホールドブレーキングの練習は期待大。

クルマの基本的な動かし方、と言っても教習所のそれとは異なり高いレベルでのだが、を体験してみたい方はぜひ参加してみてほしい。
・YRSドライビングワークショップ鈴鹿 開催案内

冬場はほとんど乗らない愛車を引っ張り出して、タイヤのショルダーのイボイボが削れない範囲で走った時の動画がこれ。

ルノー・スポールが作るクルマはやっぱりいい。もっと評価されてしかるべきだと思う。

※動画の中でナビがしゃべっていますが聞き流して下さい。