トム ヨシダブログ


第333回 YRSメールマガジン創刊号

333-0
”Go Circuit” 創刊号
バックナンバーの頁から


20年目の活動になる来年。3月まではカレンダーを決定済だけど、何か面白いことができないかなと考える毎日。
初心に戻ってみるかとユイレーシングスクールのメールマガジン”Go Circuit”の創刊号を開いてみた。   『ん~、昔からちゃんとしたことを言っていたんだな』 と妙に感心したりして。
発行は1999年9月1日となっているから、まだアメリカに住んでいて、メールマガジン配信サービスを利用して送信したものだ。   『あぁ、そんな時期もあったね』 と懐かしくなったので全文を掲載。 今さらながら、誰がなんと言おうと、ユイレーシングスクールのボトムラインです。興味のない方はスルーして下さい。


≡≡ Yui Racing School presents ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

○○○○○○○○○○○○○ Go - Circuit No.1 (09/01/99)

—————————————————- from California, USA ——
●クルマを走らせるのは楽しい。速く走らせるのはもっと楽しい。●しかし安
全に速く走らせることが難しいのも事実。走らせ方を理解していないと楽しく
もないし危険でさえある。●クルマをもっともっと楽しむために「クルマさん
との正しいお付き合いの仕方」を学びませんか。●当サイトからの提案です。
<<標語>> 公道では安全運転、サーキットではそれなりに。
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◆ はじめまして
トムヨシダです。最近サーキットを走る人が増えていると聞きました。嬉しい
ことです。オジさんもクルマを速く走らせるのが大好きです。でも制約のない
サーキットに行くと上手く走れない人がいるんですネ。なぜだかわかります?

◆ 当レーシングスクールの考えを聞いて下さい。
日本のメディアを見ていると、時々「スピードを出さないことが安全運転につ
ながる」という意見に出会うことがあります。確かに交通事故の多くがスピー
ドの出しすぎに起因することは事実ですが、逆にスピードを出さなければ安全
だという話でもないのです。

むしろ、「スピードを出さないことが安全運転につながる」という考え方が蔓
延すると、「制限速度を守ってさえいれば安全なんだ」という解釈を生む可能
性の方が高く危険ですらあると考えます。そうではないんですヨ。

何百倍もの能力のある機械を非力で間違いを犯しやすい人間が操作するのです
から、クルマを走らせること自体がそもそも非常に危険なことです。事故はど
んな状況でも起きる可能性があります。制限速度以下で走っていても事故は起
きます。スピードに関係なく事故は起きます。ちゃらんぽらんに運転していれ
ば、事故が起きない方が不思議なのです。

事故(もちろんサーキットでの事故も含みます)を防ぐには、正しいクルマの
運転の仕方を身に付けるのが一番効果があります。洗濯機やコンピュータの扱
いを間違っても人間が傷つくことはまれですが、クルマの場合は動かすことに
既に危険をはらんでいるからです。

サーキットを走っている人やこれから走ろうという人は運転が好きで、比較的
運転に自信があると思います。ただ町の中には運転がきらいだけどしょうがな
く乗っている人や、運転に自信のない人も走っています。クルマを運転する人
全てが運転に興味を持ち自分の運転を見直すことができれば交通事故は減ると
思うのですが、そうもいきません。ぜひ町の中では運転に関しては後輩の面倒
を見てあげて下さい。そしてサーキットでこそ、君自身の限界に挑戦して下さ
い。応援します。
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◇ 最初に
サーキットに限らず町中でも、クルマの運転には守らなければならないルール
があります。基本的なものは、1)スムースに運転することと、2)状況に応
じて運転することです。
読者の中にも同乗者から「アンタの運転は恐い」とか「まわりを見て運転して
いない」といわれたことのある人もいるのではないですか。

まずスムースに運転すること。なぜ必要なのかと言うと、クルマは運転する人
間よりずっとずっと図体が大きく重いからです。君がこうしよう、こうしたい
と考えて操作してもクルマが反応しないことがあります。それはクルマの責任
ではなく君が「クルマさん」の事情も考えずに一方的に行動しようとするから
です。<どこかに同じような例がありましたっけ>

状況に合わせた運転も重要です。サーキットだけでなく町中を走っていてもオ
ットットとなった経験があるでしょう。それは状況の把握が足りないのではな
くて、君が見込みで(確信がないのに)運転しているからです。何かあってか
ら「こんなはずじゃなかった」とか「クルマがねェ・・・」という人がいます
が、それはその人が「そうなるはず」、「こうなるはず」で運転しているから
です。クルマの運転は連続操作です。刻一刻と変わる状況に常に反応して運転
する必要があります。

どうでしょう。思い当たるフシはありませんか。そう、ふたつとも運転手の身
勝手から起きているのですネ。

実際には君が運転するわけですけど、本当のところは「クルマさん」が走って
くれているんですヨ。ここが大事。つまり運転するということは、教習所では
教えてくれなかったかも知れませんが、実はクルマさんとの共同作業だったわ
けです。ですから、一人よがりはいけません。授業が進む前に、君の「クルマ
さんとの付き合い方」がどうだったか思い出してみて下さい。

レーシングテクニックは1)スムースな、2)状況の変化に対応できる運転の
上に成り立ちます。サーキットに行かなくても、あるいは食事をしている間に
でも運転が上手くなる「安全に速く走るための秘伝」(?)を掲載しておきま
す。これは
ユイレーシングスクール教科書の4頁
でも読むことができます。
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◇ 秘伝「安全に速く走る」
運転手がどんなに頑張って速く走ろうとしても、絶対にクルマさんの性能以上
には速く走れない。

速く走るためには、クルマさんが性能を発揮しやすい状況を運転手が作れ。

運転手が速く走ろうとあがいてみても、クルマさんの意向にそっていなければ
速くは走れない。

速く走るのはクルマさん。運転手までもが速い操作(慌てた操作、雑な操作)
をする必要はなし。

クルマさんは人間よりずっと重い。小回りが聞かないのは当たり前。運転手の
操作とクルマさんの反応には時間的なズレがある。クルマさんは自分の手足で
はない。

サーキットを走る場合、クルマさんを振り回して楽しむのか、それともクルマ
さんとの共同作業で(自分の)限界に挑戦するのか、はっきりとどちらかに決
めろ。

ラップタイムを基準に速く走るのが目的とするならば、ドライバーの操作は必
要最低限に限れ。

速く走るためには、クルマさんが性能を発揮しやすい「直線」を重視した走り
を組み立てろ。

タイヤのおいしいとことろを存分に使わせてもらうためには、ブレーキングは
できるだけ直進状態で行い、コーナリングはイーブンスロットル(加速も減速
もしない状態)で行え。

直進状態でのフル加速とフルブレーキング以外、サーキット走行は常に妥協(
折り合い)の連続。加速する、曲がる、止まるの3要素を瞬間瞬間にどう妥協
させるか常に気を配れ。

失敗したらすなおに非を認めろ。テクニックがないのにミスをリカバリーしよ
うとするとしっぺ返しを食らう。

クルマさんが不安定になるのは運転手の操作が間違っている場合がほとんどだ
。自分のミスをクルマさんのせいにするナ。
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◆ どうですか?
創刊号を読んでみて、何か思うところがありましたか?

ない? それは「クルマが速く走るのは俺が上手いからだ」と思い込んでいるか
らでしょう。そうじゃないですヨ。「クルマが速く走ることができるのは、君
のすることをクルマさんが理解できる場合に限る」ことをお忘れなく。

クルマの運転はそれほど複雑な操作が必要なものではありません。ですから余
計に大切なところを見落としている場合が多いのです。安全に速く走るために
は練習も必要ですが、練習時間が多ければいいってもんじゃありません。クル
マに乗る時間、いやそれ以上の時間を「運転の仕方を考える」ことに費やすこ
とのほがよほど重要です。(お金はかからないしネ)

イメージトレーニングに役立つように、
ユイレーシングスクール教科書の13頁
に各種の左コーナーの図を掲載してあります。自分がいつも「どこで何をやっ
ていたか」を思い出してみて下さい。速さと安全は、あくまでも理論的な走り
ができて達成することができます。

* * * * * * * * * * * * * * *
さぁ、次号からは徐々に具体的なテクニックに触れたいと思っています。君が
知らなかった速く走るコツやヒントが山盛りになって出てきます。
それでは、今日も安全運転を! サーキットで会いましょう。

**************************************** 奥付け ******
Mail Magazine ” Go - Circuit ”
発行元:AVOC Fountain Valley, CA 92708 USA
発行人:トムヨシダ
投書宛先:publisher@avoc.com
オリジナルサイト:http://www.avoc.com
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ユイレーシングスクールhttp://www.avoc.com/ の創
刊号として、このメールマガジンは発行されています。
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覧は、http://www.avoc.com/mm/intro2 で行えます。
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このメールマガジン(ID:0000016855)は、インターネットの本屋さ
ん『まぐまぐ』を利用して発行しています。( http://www.mag2.com/ )
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第332回 進めユイレーシングスクール

12月8日。YRSオーバルレース最終戦をYRSトライオーバルで開催。ふだん使っているクルマでYRSオーバルスクール卒業生同士がヨーイドンを楽しんだ。
その時の動画がこれ。※IE(Internet Explorer)でビデオを視聴するのが困難なようです。Chromeやsafari、Firefoxなどのブラウザをご利用下さい。


奇しくも、19年前のこの日、ユイレーシングスクールは埼玉県の桶川スポールランドで初めてのドライビングスクールを開校した。
アメリカからパソコン通信で受講者を募集。それに応じてくれた15名が荒川の河川敷に集まってくれた。寒い日だった。

サーキットを走るのにはクルマを改造しなければならない、サーキットを走るのには特殊な技術が必要だ、サーキットを走るのは特別な人だと思われていた90年代。「そんなことはない、ノーマルのクルマでも経験がなくても、誰でもサーキットは走れる。サーキットを走るのもその人の運転の一部。サーキットをきちんと走るには公道でもキチンと走れなければならない。公道でちゃんと走れるならサーキットだって安全に走れる。それなりに走ることができるのを運転がうまいと言う」と訴えたくて。

理にかなった運転をすればノーマルカーでもすごい性能を発揮するのも証明したくて始めたユイレーシングスクールも、19年目の活動を終えた。今年開催したドライビングスクールとスクールレースは合計39回。ユイレーシングスクールを受講してくれた方は延べ468名にのぼる。
次へ進むためにデータを整理したら、今までに開催したドライビングスクールとスクールレースは839回に、延べ受講者は16,367名になっていた。

今までもそうだったし、今年もそうだった。クルマを楽しみに、運転を楽しみにやってきてくれる方々のおかげでユイレーシングスクールは歴史を刻めている。ありがたいことだとつくづく思う。心から感謝しつつ、これからもクルマと運転と真剣に向き合うコツと方法を広めていきたいと、改めて思っている。


≪ユイレーシングスクール19年の歩み≫
2018開催数
ユイレーシングスクール累計開催数詳細

2018参加者数
ユイレーシングスクール累計参加者数詳細


20年目を迎える2019年。ユイレーシングスクールのカレンダーは3月まで決定済。クルマを思いのままに動かしたいと思う方、どんな場面でも安全に走りたいと思う方はぜひ遊びに来て下さい。お待ちしています。



第302回 Lutecia de Suzuka Circuit

ユイレーシングスクールでは年に一度、卒業生を対象に鈴鹿サーキットのレーシングコースでドライビングスクールを開催している。卒業生と言っても、 『ユイレーシングスクールのいずれかのスクールで40分ほどの座学を聞き、イーブンスロットルとトレイルブレーキングをやってみた人』 はみんな卒業生になるのだけれど。

鈴鹿サーキットのレーシングコースでドライビングスクールを開催するのは、国内で安全かつ合法的に最もクルマの性能を引き出すことができる場所だから。

2本のストレートではクルマによってだけれど200キロオーバーを体験できるし、3速でスロットルコントロールしながら上るS字はリズム感を養うことができるし、下りながらのターンインが続くスプーンカーブは力を抜かないと上手く走れないことがよくわかるし、130Rはふだんの生活では経験することのない速度でのコーナリングで長い間横Gを感じることができるし。    走り方さえ理解すれば、愛車の性能を限界近くまで引っ張り出すことができる貴重な場所だ。

YRS鈴鹿サーキットドライビングスクールをYRS卒業生対象にしているのは、速度域の高いサーキットだからいったん何かが起きると大事になる可能性が高し、クルマを走らせる方法を理解していないとせっかくの鈴鹿サーキットを走っても面白くないだろうから、一度でもクルマを合理的に走らせる方法を学んだ人にレベルアップを目指して走ってほしいからだ。

実際、誰でも参加できるある走行会では、走行開始5分後にコースアウトしてクラッシュしたクルマを回収するためにセッションのほとんどが赤旗中断だったこともある。実にもったいない。

さらに、ユイレーシングスクールでは2時間の走行枠を、1時間のセッションを2回にして間にインターバルを設けている。遠方から来られる人が多いので、1時間だけの走行では効率が悪いし、かと言って2時間連続では走りを冷静に振り返ることができないし、走り方の構築もままならないだろうから、サーキットに無理を言って一度クルマから降りる時間を作ってもらっている。

事前に長文の『鈴鹿サーキットの走り方』や鈴鹿サーキットのコース図を送り、YRSオリジナルビデオの鈴鹿サーキット編を見てもらうのも、『限られた時間でどれだけの進歩を確信することができるか』 を体験してほしいからだ。

今回は鈴鹿サーキットを初めて走る方が5名おられたが、全員が最終的にかなりのペースで周回することができた。ユイレーシングスクール卒業生だからの速さなわけで、走行時間が2時間あったとは言え、ぶっつけ本番ではとうてい達成できない速さを安全に達成することができた、と言っておこう。
全体を通してコースアウトは皆無。スピンしたクルマが2台あったが、どちらも以前にYRS鈴鹿サーキットドライビングスクールを受講した人だった。(汗)

下のビデオはセッション中に鈴鹿初めての人を引っ張った時のもの。なので全開ではないが、決してラップタイムが遅いわけでもない。

※ IE(Internet Explorer)でビデオを視聴するのが困難のようです。Chromeやsafari、Firefoxなどのブラウザをご利用下さい

※ 他のユイレーシングスクールのオリジナルビデオはユーチューブでご覧いただけます。






第301回 YRSトライオーバルスクール

301-1
先日のオーバルスクールでパイロンを設置した後に見上げたら
それではとルーテシアⅣRSを移動させて富士山とパチリ
毎回表情が異なる富士山は見逃せない


ユイレーシングスクールが2013年から始めたYRSトライオーバルスクール。YRSオーバルスクールの次のステップとして3つのコーナーからなる一見おむすび形のコースを使う。3つのコーナーは全て曲率と奥行きが異なるから、それぞれのコーナーに合わせた走り方が必要になる。

301-2
通称 『下のコーナー』
下りながらのブレーキングから逆バンク気味の路面でターンイン
なかなか出口の見えない回り込んだコーナー

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通称 『キンク』
3速全開からターンインする高速コーナー
浅いコーナーだからコーナリング中の姿勢が出口の速度に影響する

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通称 『最終コーナー』
110キロプラスからブレーキングしてターンインしてブレーキを引きずる
アウトインアウトを使うと曲率は大きくなるが
エネルギーの方向を変えるためには長いトレイルブレーキングが必要になる


『クルマを速く走らせようとした場合、どんなドライバーでも、それが例えレーシングドライバーであっても、そのクルマの性能以上の速さで走らせることはできない。言い換えれば、レーシングドライバーがクルマを速く走らせられるのは、クルマの限界性能を連続的に使える技術を持っているからだ。だから、クルマの運転を楽しみたいのであれば速く走ることよりも、まずどうやったらクルマの性能を十分に引き出せるかを集中して練習する必要がある』。 これは、ボクがジムラッセルレーシングスクールにいた頃、カリフォルニア校の校長先生ジャック・クチュアーがいつも座学の最初に言っていた言葉だ。


ジャックは穏やかな物腰とは裏腹に、セオリー通りの運転をしない生徒には厳しかった。ニコリともしないでなぜセオリー通りに運転しないのか問いただしていた。クルマの性能をスポイルするような操作をすると、シラ~ッと真顔であきれていた。


それだからではないけれど、YRSオーバルスクールを受講した人にもっとクルマの性能を引き出すための引き出しを増やしてほしいと思って始めたのがYRSトライオーバルスクール。楕円形のオーバルコースト違って次から次へと応用問題が現われるから練習効果は絶大。
最初のうちはYRSオーバルスクール卒業生に限っていたのだけれど、時間がなくて直接YRSトライオーバルスクールを受けたいという声が多かったので、現在ではユイレーシングスクール初めての人でも安全に練習できるようにスレッショルドブレーキングの練習とリードフォローを加えたカリキュラムにしている。

下の動画のをクルマの動きに注目しながら見るとトランジッションの意味と重要性がわかる。エキゾーストノートとノーズの動きに注意してほしい。『下のコーナー』のブレーキング、『キンク』を抜けた後の舵角、『最終コーナー』手前のブレーキングとトレイルブレーキング。クルマの性能をスポイルしないような手続きを踏んでいる。クルマの過重移動を意識して操作すると、クルマは驚くほど安定してコーナリングを始める。4本のタイヤのグリップを余さず使えるからだ。

RSモデルにお乗りのみなさん、サーキットを走るつもりがない方も走っている方も、RSモデルの性能を味わってクルマの価値を高めるためにYRSトライオーバルスクールに遊びに来て下さい。次回は6月9日(土)開催です。お待ちしています。

※ YRSトライオーバルスクール開催案内頁&申込みフォームへのリンク


ルーテシアⅣRSシャシーカップでYRSトライオーバルを走る

ルーテシアⅣRSシャシースポールでYRSトライオーバルを走る

※ IE(Internet Explorer)でビデオを視聴するのが困難のようです。Chromeやsafari、Firefoxなどのブラウザをご利用下さい



第300回 Nさんの場合

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YRSオーバルスクールFSW開催日は朝8時集合だけど
ゲートオープンの7時半を過ぎると続々と参加者が
今回は富士山がお出迎え

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今回はYRSオーバルスクールはもちろんのこと
ユイレーシングスクールに初めての参加する方が5名
そのうちの紅一点がメガーヌRSに乗るNさん


NさんのYRSオーバルスクールの参加申込みフォームのコメント欄には、『 スポーツ走行の基本を学びたいです 』 とあった。

丸一日楕円形のコースを走り続けるYRSオーバルスクール。後日届いたメールには、『 最後の走行ではメガーヌをストレートで踏み抜いて全開、タイヤが今どうなっているか考えながらカーブを曲がることができて大変楽しかったです 』 とあった。


どこかの雑誌のホットハッチ特集でベタ褒めされていたのを読んで、乗っていたアルファロメオ147をルーテシアⅢRSに乗り換えて、その存在を知ってルーテシアⅢRSコンプリートに乗り換えて、ついにメガーヌRSを追加するというルノー・スポール大好き人間になってしまったNさん。
聞けば運転も大好きで富士スピードウエイのレーシングコースも走るほど。ただ、速く走るのには人間が頑張らないといけないと思われていたようで・・・。

果たして、初めてのユイレーシングスクールと初めてのYRSオーバルスクールでスポーツドライビングの基本を学ぶことができたかはNさんの感想文に。

5月12日にユイレーシングスクール オーバルレッスンに初めて参加しました。

私はサーキットをたまに走っているのですが、どうも自分が回りの方達に比べて遅いみたいで、コーナーの曲がり方もわからないので、速く走らせようとすると運動部の部活のようになってしまって楽しくない。これはスポーツ走行の基本ができていないからだと思い至りました。

スポーツ走行を始めたのは、「わくドキ!サーキットを走ろう!」というイベントに参加したのがきっかけでしたが、それからは手探りでした。
富士スピードウェイの走行ライセンスを取ったその日の午後に2時間の走行枠があったので走ってみるという無謀なこともしました。今から考えると冷や汗ものです。

今回のユイレーシングスクールでは、走りの技術もさることながら、基本的な概念、車とお友達になって車の状態を知り、思う通りに動いてもらう、ということを教わりました。これは目からウロコが落ちるような新鮮な考え方でした。

座学で理論を学び、始めにショートオーバルコース、次にロングオーバルコースでひたすら直線とカーブを走り込みます。直線は全開→ブレーキ→イーブンスロットル→ハンドルを切って曲げる、の流れで、車の動作と次の動作の間にニュートラルな間があり、一瞬ですが、車が今どのような状態にあるのかを見るのが大事なのだと思います。レッスンの最後の走行では、アクセルペダルをベタ踏みしてスピードを上げ、気持ちよくコーナーを曲がることができました。車との対話ができるようになったのです。

私は、ルノー車を購入してはや7年、メガーヌは3台目になります。ルノー車はボディはしっかりとしておりシートは極上で、しかも操作しやすい。特にRSの足回りはよく調教されていると思います。日常生活でもスポーツ走行でも少し無理をしても破綻することがない。そのかわり、高い限界を越えないように気をつけなければなりませんが。

そんな性能の高いルノー車を自分は乗りこなせているのだろうかと、ふと不安になることもありますが、トム先生の「年をとってもスポーツ走行はできる。頭で(考えて)走るのだ。」というお言葉を励みに、もう少しがんばってみようかと思います 』。


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通称「下のコーナー」を立ち上がるNさん
YRSオーバルの片方のコーナーはかなり下っているので
周回方向や走行ラインによっては逆バンクになる面白さがある

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半径22mのコーナーをアウトインアウトで立ち上がり130mの直線を加速する
2速のままだと吹け切ってしまうクルマが多いが
メガーヌRSは2速のままでも3速のままでも速い

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最初は全開にすることを躊躇していたNさんが
直線で負けじとスロットルを開ける

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YRSオーバルのコース幅は14mで高速道路の3車線より広い
コーナーは半径22mだけども走行ラインの取りかたで
いかようにも曲率を変えることができる
進入重視にするかコーナリング速度重視にするか

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通称「上のコーナー」にブレーキを引きずりながら飛び込むNさん

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加速から減速
減速から旋回へのトランジッションを意識すると
信じられないほど高い速度でターンインができる
コーナリングはクルマを失速させるから
ターンイン速度はアンダーステアを出さない範囲で高ければ高いほど
Nさんも最後は及第点のターンインでした


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Nさん お疲れさまでした
最後はリズム良く走っていましたね
慣れると操作の手続きにかかる時間を短縮することはできますが
クルマが求めている操作を省くのはいつでも×です
まだまだたくさんスポーツドライビングについてお話したいことがあります
運転が楽しいクルマをお持ちなのですから
また練習をかねて遊びに来て下さい


一日中富士山はご機嫌でした。



第294回 Yさんの場合

ユイレーシングスクールの活動を陰日なたになって支えてくれているYさん。RSモニターを探してきてくれたあの人。

Yさんは2005年8月。当時は浅間台スポーツランドでもやっていたYRSオーバルスクールに初めて参加してくれた。翌年にはYRSオーバルレースFSWにも参加してくれた。以来、2016年4月まで44回のYRSオーバルスクールとYRSオーバルレースに参加してくれたオーバルフリーク。それ以降はどちらかというと裏方でユイレーシングスクールの活動を支えてくれた。

そのYさんがルーテシアⅢRSのオーナーになった。

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ということで
なにをおいてもとりあえずの記念撮影
で、YRSオーバルスクールの手伝いにきてくれたのだけど
急遽立場を受講生に変更
オーバルコースをキッチリ走りこんでもらうことにした

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ラジオカーの前を横切るYさんのルーテシアⅢRS
Yさんには
引きずるブレーキが強すぎ~ぃ
立ち上がりのラインがタイト~ォ
頂点のエネルギーの向きが外~ぉ
な~んて激励が聞こえているはず


4駆のポルシェを手放してからドイツ製セダンを足にしていたのだけれど、虫が騒ぎ出して家族会議にかけた結果、走りを追求できそうなルーテシアⅢRSを手に入れることができたのだとか。

ならば先輩としてルーテシアⅢRSの操り方をみっちり仕込んであげようと、特別大サービスでアドバイスの嵐になってしまったというわけ。

ダブルアクスルストラットサスペンションはふつうのストラット式フロントサスペンションに比べてステアする時の機械的抵抗が極端に少ない。ふつうのFFなら切り足していく過程でステアリングの重さが増すのだが、キングピンオフセットが小さいのでキャスターはちゃんとついているのにもかかわらず、操舵力がふつうのFFに比べて軽いまま推移する。だから、路面からのフィードバックを無視してステアすると、いきおい、舵角が大きくなってしまっているのに気がつかない場合がある。

これは欠点ではなく長所で、キャンバー変化を最小限に抑えることのできるダブルウィッシュボーンサスペンションに似た動きをする贅沢な仕組みであって、運転手に「ちゃんと操作しろヨ」と教えてくれる、むしろ親切で贅沢な機構なのだ。
中立付近の手ごたえが軽微だけど、ステアリングホイールをできるだけ軽く握ってタイヤの接地感を量りながらステアすれば、フロントタイヤの限界を使ってターンインし、リアタイヤのスリップアングルの増加に合わせて切り足していける。

そんなわけで、Yさんは一生懸命YRSオーバルFSWロングを走り回っていました。整備を怠らずルーテシアⅢRSならではの走りを維持し長く乗り続けて、トレッド/ホイールベース比0.588のワイドトレッドが可能にするヨーをコントロールしながらのコーナリングをものにしてほしい、と思う。
※ちなみに、ルーテシアⅣRSのトレッド/ホイールベース比は0.577。数字が大きいほどホイールベースに対してトレッドが広い。


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YさんのルーテシアⅢRSも正規輸入車だというのだが、最後のほうに輸入されたモデルだから細部が異なるらしい。
・ブレーキキャリパーが赤く塗られている
・RSモニターが装備されている
・これは売ったお店もなぜかわからないというCLIOのバッヂ

そんなことよりも、ダブルアクスルストラットサスペンションとリッター100馬力のNAエンジンを手に入れたのだから、Yさん、せいぜい運転道に励んで下さい。応援します。



第291回 ルノー密度上昇 Sさんの場合

YRS幸田サーキットドライビングスクールに次いで、YRS筑波サーキットドライビングスクールでもルノー密度が上がった。

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写真左から
つい最近インストラクターにそそのかされてルーテシアⅢRSをかってしまったポルシェクラブ千葉のHさん
ポルシェ911、ケイマン、930をに乗り継いできてメガーヌⅡRSに乗り換えたIさん
昨年のYRSツーデースクールに参加して運転がさらに楽しくなったと言う
ルーテシアⅢRSに乗るSさん
末席を汚すのはルーテシアⅢRSでルノーを知ったY


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YRS2回目のSさん
TDSに参加したルノー乗りに感想文をお願いしたら
Sさんだけが送ってくれた
感謝です
全文を紹介します


YRS トムヨシダ様

先日は楽しく参加させていただきました。上達するためにもっと小言(アドバイス)をいただいてもよかったのですが、また次回お願いいたします。YRSを受講すると、運転がますます楽しくなります。

YRSのこと、ルノー車のことを少し書かせていただきました。

イギリスのTopgearという番組で以前、ミカハッキネンがフィンランドにおける気軽に安価に参加できる市民ラリー?が普及している様子を紹介していました。
うらやましく感じました。日本でもモータースポーツがもう少し気軽に参加できる様になるとといいと感じます。こんなに楽しいし、潜在的な愛好者はとても多いだろうと思います。

先日、私はYRSの筑波サーキットドライビングスクールに参加した。2回目のYRS受講であった。午前中は筑波サーキット1000の第1コーナーを題材にして、いかに合理的に速く車を走らせるかを繰り返し練習した。コーナーを曲がるという日常にありふれた動作だが、それを合理的に行うことができなければ速く駆け抜けることはできない。やるほどに課題があり、これが実に奥深く、おもしろい。同日午後はそこで得たものをサーキット周回で発揮するのだが、練習したものがすこしずつでも身についている感覚がとても楽しい。

昼休みは昼食を摂りながら他の参加者の方と談笑するのだが、その中で、車の運転はスキーに似ている、とベテラン参加者の先輩がおっしゃっていた。同感である。正しく加重をかける感覚がなければそもそも安全に滑降することはできない。スラロームする際には両足への加重配分や前後方向への加重移動をスムーズに行うことで美しい弧で無駄なく速く滑ることができる。運転を楽しむ感覚はスキーが楽しいと思う感覚とまさに一緒で、車の運転は奥深いスポーツ性を内包していると改めて感じる。

現在、私の愛車はルノールーテシアIIIRSである。魅力にはまって4台目のルノー車だ。一般ユーザーからするとルノーの車はとてもバランスよくつくられていると感じる。バランスとはメカニカルな難しい話しではない。使い心地や持つ喜び、スポーツ性能等が高次元でさらっとバランスされており、いつも運転が心地よく楽しいと感じる。総合的な印象として乗る人を尊重し大事にする優しさのようなものを感じるバランスの良さなのである。

スキーと同様にドライビングは楽しい。初心者でも楽しいが、上手になればなお楽しい。私を含め、コアなスポーツドライバーでなくとも、運転におけるスポーツ性を尊ぶ人はたくさんいるのだ。様々なレベルの人にとってドライビングがもっと気軽に楽しめるスポーツになればいいと思う。トムさん、YRSの皆さん、これからもよろしくお願いします。

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筑波サーキットコース1000の最終コーナーを回るSさん

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インフィールドから外周に出るSさん

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愛車とおさまるSさん


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YRS筑波サーキットドライビングスクール18年の歴史で同じ練習をしてきました
トランジッションの重要性を理解するために
コース1000の1コーナーでイーブンスロットルとトレイルブレーキングの練習をします
トランジッションで
クルマをフラットにすることができなければクルマの性能を引き出せないからです


今回のYRS筑波サーキットドライビングスクールには、最小年齢19歳から最高齢75歳までクルマを動かすことが好きな人達が集まりました。クルマはロードスターからトヨタマークⅩ、BRZからポルシェ911までさまざまだけど、クルマを改造している参加者が少ないのもユイレーシングスクールの特徴です。

秋にも開催する予定なので、クルマを楽しく運転してみたい方はぜひご参加下さい。



第290回 四国高松のIさん

ルノーネクストワン徳島が主催する阿讃サーキット走行会でお会いした高松のIさんが3月のYRSツーデースクールに参加してくれたのだけど、参加者へのアドバイスに夢中になってしまってIさんと彼のメガーヌRSの写真を撮り忘れた。失敗したなと思っていたら、4月のYRS鈴鹿サーキットドライビングスクールに申し込んでくれたので改めて紹介します。
今年も5月に阿讃サーキットに行くので、またIさんに会えそうです。

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高松のIさんと愛車のメガーヌRSです


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Iさんが3月のFSWショートコースに続きモータースポーツの聖地鈴鹿サーキットを疾駆

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斜度2.8%のストレートを駆け下ります

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いい音してました

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ピットにたたずむメガーヌRSも絵になる



YRS鈴鹿サーキットドライビングスクールも進行やらアドバイスが優先なので写真は少なめ。リードカー役のルーテシアRSの写真はみんなが来る前にパチリ。

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第289回 YRSドライビングスクール幸田

集合時間の50分近く前に幸田サーキットに到着。高台にある駐車場からスクールの段取りをおさらいしているうちに、赤いクルマが坂を下ってきた。
「あ、Hさんだ。早いね」。初対面ではあるけれど、申し込みフォームに参加車両のデータを書いてもらっているからすぐにわかった。Hさんが一番乗り。

「おはようございます」、「おはようございます」から始まって、まだ他の受講者が来ていないものだから、いろいろ聞きました。なぜドライビングスクールを受けようと思ったのかとか、ユイレーシングスクールを選んでくれた理由とか、普段はどんな運転をしているのかとか、何を主に練習したいかとか。 求めるものがわかると、何を重点的にどう伝えたらいいのかわかるからね。

さて、Hさんの申し込みフォームのコメント欄には、『 運転は好きです。速く走るのはちょっと怖いです。並行輸入車なので、取扱説明書がフランス語です。現代の車のこと、知りませんのでできれば操作の説明をお聞きできるとうれしいです 』 。そんなHさんの初ドライビングスクール体験記をお届けします。

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ユイレーシングスクールは自己紹介から始まります
今回はユイレーシングスクール初参加の方が3名
うちおふたりはサーキット走行未経験
Hさんはそのひとり
次いでホワイトボードにいろいろなイラストを描いてビークルダイナミックスの説明
40分ほどの座学を行います


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座学が終わると、全開からできるだけ短い距離で速度を落とすスレッショルドブレーキングの練習。怖いといっていたHさんがしっかり踏んでいてひと安心。

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次にコーナリングの練習。ひとつのコーナーに絞って何度も走ります。ある程度クルマが失速しなくなったところで次のコーナーに移動して練習。
それから金魚のなんとかみたいにインストラクターの後ろについて徐々にペースを上げて走るリードフォローをやって、それからオーナーに助手席に乗ってもらってインストラクターが運転操作コツを見せる同乗走行をやって、走りのイメージができたところで、初めて参加者自身が単独走行に。


『幸田サーキットでのユイレーシングスクールを受講しました。

私にとって、参加を決意するまでのハードルはとても高かったです。理由は、サーキットを走るということが、私には想像もできないことだったからです。
サーキットじゃなければなあ・・・・ 普通の運転講習だったらなあ・・・と思いました。

それなのに参加を決意した理由は、CLIO GTを購入していたことです。CLIOもサーキットを走りたいんだろうな?と思ったことと、それまでのわたしの運転が果たしてどうなのかを確かめられるかもしれない。何にしてもルノー関連のようだし!と、スクールに参加しました。

私が所有した車は3台。ルノーサンク(中古車)、ルーテシア(中古車)、CLIO GT(新車)

1台目のサンクは、よく壊れました。そのたび買うんじゃなかったかな・・・という後悔。でも修理が終わると、壊れたら直せばいいだぁってうれしくなり、
懲りずに2台目のルーテシアを買いました。ルーテシアは壊れず19年、実に快適・爽快に走ってくれました。

「ルノーはカッコ悪いからなあ」って人に言われて憮然としたこともありましたが、息子とは面白い車なのにね、どうしてみんな乗らないんだろうって話します。息子は、みんな知らないんだよって言います。残念ですがそういうことだと思います。私はルノーを見かけるだけで嬉しいのに。。。

でも私は運がいいと思います。たまたま買った車がルノーだったこと。かっこ悪くてもシートが良くて運転が楽しいんです。わたしにはこれで十分。

そして決心して参加したスクール。午前中のメニューのブレーキングで、自分が普段しているブレーキの使い方の確認ができて、CLIOに対する信頼も実感できたのだと思います。その後はすんなりと運転に集中でき、思い切りアクセルを踏み、ハンドル操作をしました。思い切りアクセルとブレーキだなんて! 
午前中のブレーキング講習、続くサーキット走行、YRSドライビングスクールのプログラムに納得でした。

そういえば、その後週末の運転でなんだかGTが、ハンドルが、とても軽く感じられました。
不思議です。こんな変化を感じられるということはいいことですよね。

トム先生、運転? 車は思想なんでしたね、うっかり忘れるところでした。

トム先生、春日先生そして参加者の皆様、有意義な体験をありがとうございました。楽しかったです。』


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カメラを向けると・・・
コメント欄の書き込みはどこへやら
めいっぱい楽しんでいただけたようで

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同じくユイレーシングスクール初参加でサーキット初体験の
ルーテシアに乗るNさんとパチリ
スクール終了後にこの表情だから
初めてのドライビングスクール
初めてのユイレーシングスクールが
どんなだったか想像できるというものです


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青、白、赤のルノーが集まったのだからと記念撮影
トリコロールの完成です
写真は右から
YRS初参加のNさん@ルーテシア ZEN
YRS初参加Hさん@クリオ GT
YRS初参加でサーキット少々のAさん@メガーヌ エステート
YRS参加多数で266回に登場してもらったFさん@ルーテシアⅢRS と
YRSシニアインストラクター@ルーテシアⅢRS



第287回 YRSドライビングスクール筑波速報

【 ルノー色強まる 】

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でした。