第313回 どうせなら、
運転は楽しんだほうがいい。
人間、楽しいことには一生懸命になれるから。
運転は上手いほうがいい。
上手くなればもっと運転が楽しくなるから。
運転は一生懸命するほうがいい。
運転は、それだけの価値と意味のあることだから。
平成29年年度版の交通統計から数字を拾って、例年のようにユイレーシングスクールなりの集計を行った。そこから見えてくるものは、
・2004年に交通事故件数のピークがあった。その理由はわからないが、ここ数年はかなりの割合で減少している。昨年はピーク時の約半分だ。
・車両対車両、車両対人、車両単独の3分類どの発生件数も減少している。車両単独事故は2001年がピークだったが、理由は不明だが、昨年はその23%まで低下している。
・死亡事故の総件数は1992年がピークで11,000件近くあった。24時間死者しかカウントされないという不正確さはあるものの、死にいたる交通事故の件数は昨年3分の1まで減少した。
・交通事故総件数に占める単独事故件数の割合も1993年の5.92%をピークに、車両の進化が遠因にあるのか、減少傾向にある。昨年は2.65%だった。
表1:交通事故に占める単独事故の比率と死亡事故に対する単独死亡事故の比率
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しかしながら、
昨年の死亡事故の総件数に占める単独死亡事故の割合は25.54%。ピークであった1983年の26.37%から2008年の19.83%までゆるやかに減少していたものの、それ以降は増加に転じ2016年には再び25%を超えてしまった。
つまり、全般的に交通事故が起きる度合いは少なくなってきている。死にいたる交通事故の件数も大幅に減った。単独で事故を起こす人も少なくなってめでたしめでたしなのだが、単独で事故を起こすと死にいたるケースが依然として多いという事実に変わりはない。
100件の交通事故があると単独事故はそのうちの3件にも満たず、残りは車両対車両や車両対人の相手がいる事故なのだけど、100件死亡事故があるとそのうちの26件は独り相撲による結果だ、というのも事実。
他人を傷つけなかったから幸い、と言ってはもちろん不謹慎だけれど、だからと言って、相手がいるわけでもなく、運転者自らが防ごうと思ったら防げる事故をこれ以上増やしてはならない。
昨年、全国で起きた単独死亡事故は927件。交通事故の総件数の472,165件から見れば小さな数字だけれど、ステアリングを握る人には少なからず単独事故の可能性があるのだから、無視してほしくない数字ではある。
表2:単独事故件数の推移および類型別単独事故の割合
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今年はいつもの統計に加えて、『 第1当事者から見た類型別死亡事故件数 』 を集計してみた。
交通事故の中で絶対に起きてほしくない死亡事故に限り、車両単独、車両対車両、車両対人それぞれで、どんな時にどのような状況で事故が起きたか傾向がわかるようにまとめた。クルマを運転したことがある人が数字を見れば、どういう状況で事故が起きやすいか想像がつくはずだ。どんな交通事故でも、決して避けられないものではないのがわかるだろう。
表3:第1当事者から見た類型別死亡事故件数
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※ 第1当事者とは:交通死亡事故が起きた時、事故を起こすきっかけになったのが第1当事者。単独事故ではもちろん本人だけれど、車両対車両、車両対人の場合は過失が重い人が第1当事者。過失が同程度の場合は、人身損傷程度が軽い人と定義されている。
クルマの運転にリスクはつきもの。事故が起きてからでは遅い。このブログに目を通してくれている方には縁のない話かも知れないけれど、油断せずにふだんの運転から一生懸命クルマを動かしてほしいと思う。
クルマを思い通りに動かす方法と心構えはユイレーシングスクールで微に入り細に入り理論的かつ合理的に教えていますから、その気になられたらぜひ遊びに来てみて下さい。