トム ヨシダブログ

第256回 遠心力対コーナリングフォース

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台風が近づいてくる中で開催したYRSオーバルレース。やはり雨。それもかなりの雨量。

ユイレーシングスクールのモットーはそれなりに、だから、これまでは雨でもYRSオーバルレースを開催してきたけど、ここは発想を転換してスキッドスクールに変更してみてはと諮ったらみなさん賛同してくれた。山本さんが見つけてきたR.S.Monitorで試したいこともあったものだから。

4種類のモードのうちのGモード。Gメーターのようなものでクルマに発生した加速度をグラフにしてくれる。これを使って、『コーナリング中のクルマがオーバーステアになった時に横向き加速度がどう変化するか』を見てみたいと思ったのだ。

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写真は左からオープニング画面
Gモードの起動画面
キャリブレーションをしてからスマホを手で振り回して発生した加速度



コーナリング中のクルマが受ける遠心力は、そのクルマが履いているタイヤが発生するコーナリングフォースとバランスする。
速度の低いうちは遠心力が小さいのでタイヤのコーナリングフォースが活躍する場面は訪れないが、理論上は『そのタイヤが発生する最大のコーナリングフォースと釣り合う速度』までコーナリング速度を高めることができる。
だから、速く走るためには前後輪のコーナリングフォースをもれなく使うためにアンダーステアもオーバーステアもダメだよ、ということになるのだけれど、逆にコーナリング中に意図的にオーバーステアにしたら遠心力=横向き加速度=横Gがどうなるかを可視化したかったのだ。

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YRSオーバルレース参加者のEさんに頼んでR.S.Monitorを装着


R.S.Monitorは加速度を連続してグラフにする。走り続けると次々にオーバーライトしてしまって何が何だかわからなくなってしまうので、あえてひとつのコーナーをクリアするだけに的を絞って、イーブンスロットルで前後タイヤのコーナリングフォースを均等にする走りと、一瞬リアの過重を抜いてオーバーステアにしてそれを維持する走りを比較した。

案の定

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タイヤがグリップしている範囲では
横Gが立ち上がっていて
つまりコーナリングフォースが発生していて
コーナリングが終われば収束する
数値は正確ではないと思うけど雨でも1Gを超えている

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コーナリングを始めると横Gが立ち上がるけど
オーバーステアになって
コーナリングを続けるためにカウンターステアをあてると横Gが落ち込む
この場合は顕著なカウンターステアを2回あてているのだろう


つまり、オーバーステアにおちいると高いコーナリング速度を実現するために必要なコーナリングフォースを失うから、結果として、瞬間的にかも知れないけどコーナリング速度が低下する。   だから、「コーナリング中にカウンターステアをあてるような走りは遅いのよ」、「速く走るためには前後輪のスリップアングルが均等なのが理想よ」、「オーバーステアの延長にあるスピンなんかもってのほかよ」という結論を導きだしたかったのだけど、   グラフを見る限り、カウンターステアをあてたままのコーナリングでもヨーモーメントが一定だと高い横Gが発生することがわかった。ただ、トラクションが横に逃げているから速さはスポイルしているはずだ。



協力してくれたEさんの走り

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