トム ヨシダブログ

第688回 Gセンサー

スタッフYが見つけてきたスマホアプリのGセンサー。すごくシンプルでクルマの加減速Gと横Gが見てとれる。録画もできるからモニターにつなげれば大人数でも操作の検証ができる優れモノ。これはスクールに生かしたい。

今回は初めて試したので便宜上写真のようにスタッフYのクリオRSのフロントウインドウに取り付けた。本来ならホイールベースの中心付近に取り付けるべきなのだろうけど、ここはアプリの作動を確認するのが目的なので。

いつもYと話しているのだけど、YRSオーバルを使ったスクールをやっているとほとんどの参加者がコーナリング中にクルマが前のめりになっている。つまりなんらかの原因でアンダーステア傾向が強いまま走行を続けている。その原因のひとつがクルマがイーブンスロットルになっていないこと。
状況を説明して、こうだからこうしてみてはどうですかとアドバイスするのだけど、言葉ではなかなかニュアンスを伝えるのが難しい場合もあった。そこでこのGセンサーを使って操作の可視化を図り、参加者に状況を把握してもらい操作を修正する手掛かりにしてもらおうというわけだ。理にかなったグラフと参加者のグラフを比べれば、操作の過不足が明確になるはずだ。

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最初の動画は半径22m直線60mのYRSオーバルFSWをイーブンスロットルでインベタで周回した時のモノ。反時計回りに周回した。
イーブンスロットルはいわゆるアクセルだけで走行中のクルマが加速もしない減速もしない状況を作る、テクニックと言うより走り方の思想。クルマは加減速することで前後輪にかかる荷重が変化するから、それにつれてタイヤのグリップも変化する。だからイーブンスロットルを実現できれば理論上は前後輪のグリップが均等になるわけで、イーブンスロットルでコーナリングすればアンダーステアやオーバーステアに陥ることはない。結果的に望むならコーナリングスピードを上げることができる。

 

次の動画は同じYRSオーバルFSWを同じくインベタでトレイルブレーキングを使ってできるだけ速く周回したモノ。イーブンスロットルじと同じ反時計回りに周回した。
トレイルブレーキングはいわゆる引きずりブレーキングだけど減速のためのブレーキングとは目的が全く異なる。原理としてはターンイン時にフロントに荷重を残すことによってタイヤのグリップを前輪>後輪にして回頭性を上げる=ヨーモーメントを立ち上がりやすくする。ただし前輪に荷重がかかり過ぎているとターンインの瞬間にアウト側前輪が限界を越えてアンダーステアに陥る可能性が高くなる。ターンイン時にブレーキペダルに足を乗せていても前後輪に同じような荷重が乗っている状況が作れればクルマは思いの他高い速度からコーナリングすることができる。
ただトレイルブレーキングは回り込んだコーナーや中速までのコーナーには有効だけど、高速コーナーや短いコーナーではクルマがバランスを崩しやすいので注意が必要だ。

 

YRSオーバルをイーブンスロットルで走る場合、直線もコーナーも同じ速度で走りながら徐々にペースを上げていくように指示する。半径22mのコーナーならどんなクルマでも60キロ/時ぐらいまでならアンダーステアを出さずにインベタで周ることができる(正確に言うとクルマはアンダーステアでコーナリングしているのだけどパイロンから離れずに、という意味)。しかしそれ以上の速度になると前輪のグリップが運動エネルギーに負けてフロントが外に逃げ出す。
一方トレイルブレーキングを使う前提だと直線で加速できるからより高い速度でターンインすることができる。直線の終わりで必要ならば減速しブレーキを残してターンインするのだけど、踏力が適正ならばトレイルブレーキングの効果で前後輪のスリップアングルを均等に近い状態にすることが可能だから4輪を使ってコーナリングを始めることができる。コーナーに入る速度が高いのだからアプローチが終わって舵角による走行抵抗が増えたとしても、イーブンスロットルを実現できればコーナリング速度を上げることができる。横Gを示すグラフがイーブンスロットルで走る時より伸びる理由だ。



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