第504回 YRSオーバルFSWの走り方
ユイレーシングスクールがオーバルコースを使ってドライビングスクールを開催しているのには理由があります。YRSオーバルFSWは、クルマの動きを理解するのに役立つだけでなく、運転の上達に効果のある次のような特長があるからです。
・クルマの機能である加速、減速、旋回に対するスロットル、ブレーキ、ステアリング操作を繰り返し試せるので因果関係を把握することができる。
・楕円形のコースのコーナーは180度向きを変えるほどに長い(奥が深い)ので、減速から加速までの操作の流れを吟味する時間がある。
・オーバルコースを速く走ろうとすると全ての操作で継続的に細かく調整する必要があるので、オンオフ的な操作を矯正することができる。
・サーキットと異なり走行中のクルマの状態を常に確認できるので参加者がどんな操作をしているかがわかるのでアドバイスしやすい。
・横Gを受けている時間が長いので運動エネルギーに負けないようなドライビングポジションを見つけることができる。
・コーナーの大きさが同じでも路面の傾斜、うねりによってクルマの操縦性が変わることが体験できる。
・同じコーナーをこれでもかというほど走るので、参加者が自身の操作が◎か△か✖か仕分けがしやすい。
・◎が増えてくると自然に体が反応するようになり無意識行動に移ることができる。
サーキット走行やジムカーナのように派手さはないけれど、オーバル走行はとりあえずクルマを思った通りに動かせているかを確かめるにはうってつけです。クルマを動かす基本的な操作を学ぶのに最適なのがYRSオーバルスクールです。
1980年代のジムラッセルレーシングスクール上級クラスでは、本当に小さなオーバルコースで参加者2名を追いかけっこさせ勝ち負けをつけて操作の習熟度を高めていたほどです。オーバルコースを走っているうちにクルマの性能をスポイルしない操作が見つかり、性能を引き出すコツがわかってきます。
YRSオーバルスクールFSWはこんな感じで進みます
座学でクルマの性能をスポイルしない走り方の説明をします
次に小さなオーバルでインベタでイーブンスロットルのデモランを見てもらいます
参加者はデモランを参考にまずはイーブンスロットルでコーナリングの練習です
ブレーキは使わずスロットルだけでクルマを安定させてターンインします
45キロから5キロ刻みで速度を上げていきます
60キロ近くになると運動エネルギーがクルマに与える影響を感じます
背の高いクルマでなければ60キロからターンインしてもアンダーステアは出ません
青の実線はスロットル一定で破線はスロットルコントロールしている区間です
イーブンスロットルの練習で意外とクルマを前のめりで走らせているのに気づきます
次に小さなオーバルをインベタで走ってトレイルブレーキングの練習をします
高い速度でもトレイルブレーキングを使うとフロントは逃げません
デモランでどのくらいの踏力のブレーキをどこまで引きずるか確認してもらっているので
参加者は最初からかなりの速度からのターンインもいといません
走行軌跡は緑色が加速で赤が減速で青が旋回を示しています
破線はペダルをコントロールしている区間を示しています
60mの直線での到達速度が低いので減速のためのブレーキングは必要ありません
フロントの荷重が抜けない範囲でできるだけ踏力を弱めることが求められます
スロットルオフから荷重を前に移すだけの踏力のブレーキタッチを覚えているうちに
大きなオーバルコースに移り参加者のクルマを借りてリードフォローを行います
YRSオーバルスクールFSWが初めての方はリードカーの真後ろを走ります
最初はインベタで走りどこまでブレーキを引きずっているか確認してもらいます
徐々にペースを上げながらアウトインアウトで走りラインを真似してもらいます
130mの直線では到達速度が速いので明確なブレーキングが必要になります
リードフォローが終わると3グループに分け4分間のセッションを繰り返します
初参加者と希望者の同乗走行は他のグループで行い時間をかせぎます
休憩は自主的にするので走りたい方や練習したい方は満足いくまで走り込めます
朝イチと最後で走りが見違えるようになるのがYRSオーバルスクールFSWです
あなたの愛車を速度制限がなく、安全面にも配慮されているYRSオーバルFSWで走らせてみませんか。日常では見えない何か、感じることのできない何かと出会えるかも知れません。詳しくは、8月16日(日)開催のYRSオーバルスクールFSW開催案内 をご覧下さい。
※女性と70歳以上の方の割引きがあります
11月15日(日)には
直線を160mに伸ばしたYRSオーバルFSWロンガーでのスクールを開催します
今年後半のYRSオーバルスクールFSWは
9月20日(日)
11月14日(土)
12月13日(日)
に開催します
※各イラストのコーナー半径、直線長、コース幅は原寸を元に起こしたものなので、実際のオーバルコースのレイアウトをイメージしていただけます。
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