トム ヨシダブログ

第394回 ブラッシュアップ講習 (3)

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今回ブラッシュアップ講習を受けた鈴鹿市の中勢自動車学校
近鉄白子駅の近くにある


1回目の走行で赤点を4つももらってしまった。いつもそうしているように、ふだんの運転をしてみたのだが、公安委員会に指定された自動車教習所の指針だと思われる減速度を超えたブレーキングをしてしまったのだ。いわゆる急ブレーキというやつをかけてしまった。しかも4箇所で。

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運転レポートと一緒に渡される走行したルートが記録された地図には4ヶ所の赤枠
何時何分にどこで何キロから何キロへの減速を行ったかが一目瞭然
ブラッシュアップ講習の設定では2秒間に13キロの減速をすると急ブレーキになる
これでおよそマイナス0.3Gの減速度らしいがそれを上回った!
4ヶ所のうち2つ目の一旦停止では2秒間に25キロも落としてしまった
急ブレーキを踏んだ意識は皆無だが40キロ道路をプラスマイナス数キロで走っていて
早めのスロットルオフで長~いブレーキングをしたつもりが
35キロから10キロへの減速が急だったことになる
35キロまでの減速と10キロから停止までの減速は穏やかだったことになる


実は、事前に伺って話を聞いた際、あれこれ質問したものだから窓口の水谷さんから「 どんなお仕事されているのですか 」 と聞かれたけれど、隠す必要もないのでドライビングスクールを主宰していることは伝えた。だから天野さんもご存知で、それを踏まえてあれこれと。
天野さんいわく、免許をとりたての時は運転に慎重なのに、慣れてくると車間距離をとらなくなったり急発進や急ブレーキに抵抗がなくなる傾向にあると。
自動車学校は運転を教える過程で事故を起こすのはもってのほかで、何よりも優先するのが安全だという。だから先を読んで早めに行動を起こすことが非常に大切なのだと繰り返し伝えているという。それでも慣れてくると余裕のない運転になるらしい。

ブレーキングの仕方について、初心者には何回か分けてペダルを踏むことも教えているという。当然速度を落とすまでの時間がかかるから、スロットルオフを手前にする必要がある。また流すという表現を使われたが、スロットルオフからフットブレーキで速度を落とすまでの時間を長くするように指導しているそうだ。前方の信号が変わったとか一旦停止があるとか、遠くを見て前方の確認をしていなければできないことだから、情報を収集する上でも効果的だ。

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なぜ急ブレーキになってしまったのかインターバルの間に考えたら思い当たることが
誰でもやっていると思うけどボクもブレーキング中にかなり大きく踏力を変化させる
慣性力は速度が高いほど大きいのでイニシャルの減速Gを立ち上げたほうが効果的
荷重が前に移動するのを感じながら瞬間ではあるけどジワッと強く踏む
その時にボクは慣れているけど予想外の減速Gが発生したとふんだ
速度が落ちるほどに慣性力は少なくなるから踏力を抜く
結果としてクルマの姿勢がフラットになるから安定して停止できるしコーナリングもできる
そこで2回目は流す距離を長くして踏力が一定になるような踏み方をした
それで2回目の走行を表した地図には赤点はなし


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2回目の運転レポート
急加速急減速回数がともにゼロになって運転評価はEX=エクセレント
ただ必要のない無駄な加速と減速による速度変化の割合を数値化し
無用の速度変化を抑制するのが目的の波状運転指数
なめらかな運転だと指数は低いのだが
・事故を引き起こす可能性は低くなりました。
・穏やかで滑らかな運転が増えています。
に該当するようで5段階の真ん中の評価はB
なので加減速は良かったのに総合評価はAどまり
速度の維持は交通の流れや天候が関係するからねと負け惜しみを言っておこう


運転に携わる者は誰しも、それが運転手当人であっても運転手を管理する人でも運転のいろはを教える人でも、事故は起こしたくない、起きてほしくない。問題は運転する人がどういう意識でどんな運転をしているかだ。運転している人の後ろには誰も控えていてはくれない。運転している人が当事者だ。

今回ブラッシュアップ講習を受講して初めて自動車教習所のシステムに触れることができた。そこでは思っていた以上に安全への意識が高かった。天野さんと話しながら同じ運転を教える者として納得できることが多々あったし、公道を運転する人が千差万別であることを考慮すると、ありとあらゆる場面での対処を容易にするであろう予防的安全策の徹底が欠かせないのことがよくわかった。

そのあたりが運転のいろはのい、なのだと思う。YRSオーバルコースでもサーキットでも行き当たりばったりで運転する人が上手くなった例を知らない。ブレーキを我慢して奥まで突っ込んで悦に入ってる人に速い人はいない。クルマの状態を無視してスロットルを開ける人は速く走れない。運転が好きでユイレーシングスクールをうけに来る人といえども千差万別。

運転免許を持っている人全てがサーキットを走る必要など毛頭ないけれど、こと運転に関してはクルマを安全に走らせることとクルマを速く走らせることの間に思想的な共通点があると改めて確信した。そこがユイレーシングスクールの原点。どんな意識で運転するか。全てはそこから始まる。    < 続く >



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