トム ヨシダブログ


第57回 疎通知遠 ユイレーシングスクール始動

大事な大事な大事な宝物

新しいパソコンを追加したのでファイルを整理していたら、懐かしいテキストファイルを見つけた。
当時、5年勤めたツインリンクもてぎ北米代表の委託契約を更新をしないことに決めてからというもの、なんとかして日本のモータースポーツを活性化できないかと考える毎日を送っていた。キーボードアレルギーではあるけれど、我慢しながらモニターに向かっていたある日、クルマ好きが集うメーリングリストを見つけた。
クルマの運転について、あるいはサーキットの走り方、あるいは改造について意見が飛び交うメーリングリストだった。

以下の文章はそのメンバーだった久我さんが投稿したものだ。時は1999年。その後、久我さんはユイレーシングスクールの発起人にもなってくれ、スタッフとしてもユイレーシングスクールの活動を支えてくれた
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□ 山梨のミニサーキットで 久我昌文

20世紀も終わりに近づいた年の春、ボクは「クルマの楽しみ推進委員会」というメーリングリストに参加した。名前からしてわかるように、「クルマをもっと楽しもう」というテーマで集まったコミュニティだった。主催者の中村竜志氏は、「人とクルマの関わりあい方」について常に問題提起して、「今のクルマ社会って、不自由じゃない?一人一人の意識を行動に移して変えていこうよ」と呼びかけていた。

メーリングリストに参加してから数ヵ月後、中村氏からアメリカで暮らすモータージャーナリストのトム・ヨシダなる人物が新たに参加すると紹介があった。たしかその名前は何度かクルマ雑誌で目にしたことがあった。インターネットはたしかに人と人の「距離」をないものにする。日本の片田舎に居ながら、海の向こうのプロのジャーナリストと「会話」するなどということが現実に起こるのだった。
実際、そのトム・ヨシダ氏は「ホンモノ」で、ボクが思っていたよりも、もっと日本やアメリカのモータースポーツに深く関わっている人だった。トム氏の展開する豊富なレース経験や知識、日本ではほとんど紹介されたことのないアメリカのモータースポーツの話題は、すぐにメーリングリストのメンバーを魅了していった。

そして、その年の夏。走行会で知り合った友人からメールで、「山梨のミニサーキットに行ってみないか」、と誘いを受けた。このコースは、クルマ雑誌でよく紹介されていていたが、未だ走ったことのないサーキットだったので、すぐにOKの返事を出した。このことを「クルマの楽しみ...」で話すと、何とアメリカ在住のトム氏がスケジュールを合わせて山梨までやってくる、というではないか。しかも、コースを走るわけではなく「キミたちが走っているのを見たいから」という理由だった。そう言えば、トム氏の経歴の中にジムラッセルレーシングスクールのインストラクターを務めていたとあった。レーシングスクールがどういうものか知らなかったが、きっと速く走るためのコツを教えてくれるのだ、と思った。誘ってくれた友人にこのことを話すと、学生時代にダート走行をやっていた彼は喜んだ。

中村氏もこのことを歓迎してくれ、「オフミーティングをしませんか?」とメーリングリストで呼びかけてくれた。
「山梨のミニサーキットに集合っ!」。コンピュータネットワーク上での会話だけのつきあいは、一気に現実の出逢いへと移行して行った。
あっ、という間に夏は過ぎ、初秋の山梨。朝早い時間からボクらは山間のミニサーキットへと集まった。アップダウンに富んだそのコースは、幅も狭く、峠道そのものといった印象だった。山の朝のひんやりとした空気を吸いながら、ボクらは挨拶を交わした。トム氏とはもちろん、中村氏とも初めて顔を会わせたのだった。

ボクらの中で、コースを走るクルマは5台だった。FRターボ車、4WDターボ、FFライトウェイトスポーツ、AT車と車種もバラバラだった。走行時間は1つのセションが30分、セション毎にチケットを買って走るのだった。
トム氏はボクらが走るのをコース脇から見ていてくれる、という。「何周か走ったらピットに入ってきて下さい」と言われた。自分が走っているのを見てもらって、その都度アドバイスを受ける、とういうのは初めてのことだった。最初に、「テーマを持って走ったほうがいいですよ」といわれても、「そんなの速く走ることに決まっているじゃん」と思った。ホントにバカである。でも、アドバイスしてくれるトム氏はそんなことはもちろん言わず、笑顔を絶やさず、易しく丁寧に教えてくれた。他のメンバーに対しても同様だった。
その当時のボクは「ブレーキはコーナーに入るギリギリまでガマンするもの」と思っていた。今でもユイレーシングスクールの教科書に書かれている勘違いの例は、そのままボクの走り方に当て嵌まった。ガソリンをいくら使っても、頭を使わなければ速く走れない。
結局、30分の走行セションを2回行って走行を終えた。「クルマさんともっとなかよしになったほうがいいよ」。トム氏の言っていることは一見簡単なようでいて、実践するのはとても難しかった。メーリングリストで繰り返し言われていたこの言葉の中に、たくさんのメッセージが込められていたことに、ようやく気がついたのだった。

中村氏はメーリングリストメンバーのオフミーティングというレポートで、アドバイスを受けたボクらの姿を、すぐさまWebサイトにアップしてくれた。ご丁寧に最終コーナーの動画つきである。走りはじめてすぐの映像だろう、下りストレートからのターンインで外側のフロントタイヤにだけ負担がかかっているのが写っていた。「自分は未だクルマの性能を出し切っていない」「どうすればもっとクルマとなかよしになれるのだろう」「何とかもう一度アドバイスを受けられないだろうか」という思いは、日に日に大きくなるのだった。

山梨での走行会から2ヶ月ほど後、ボクは一通のダイレクトメールを受け取った。そこには、ユイレーシングスクールの日本で最初のドライビングワークショップが、桶川スポーツランドで開催されることが記されていた。チーフインストラクターにはトム・ヨシダの名前が記されていた。わざわざ山梨までトム氏が来たのも、日本でレーシングスクール開校の可能性を探しに来ていたのだった。開催場所は違ったが、それでもこのメールはボクにとって待ち望んでいたものだった。師走の平日が開催日だったが、すぐさま受講を申し込んだ。

そして、12月の寒い朝。眠い目を擦りながら、桶川のコースに辿り着くと、山梨で出会った優しい笑顔が、集まったもっと多くの生徒たちに向けられていた。
「クルマをもっと楽しもうよ」。この日から、ネット上でのバーチャルな呼びかけは、現実化へと向かったのだった。<了>

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日本で最初のドライビングスクールを終えてメーリングリストに掲載したのが以下の文。

◇ 第一回ドライビングワークショップを終えて トムヨシダ

9月のスポーツランド山梨に始まり、11月の桶川、そして12月のドライビングワークショップと皆さんの走りを見させてもらった感想です。

結論を先に言うと、次の3点が気になりました。
1)クルマの高性能化が運転技術をかなりスポイルしていること
2)情報の取りこみが不足していること
3)クルマさんとの対話が十分ではないこと

1)に関しては、特にサスペンションを固めてあるクルマに慣れている人に見られたのですが、一言で言うと「クルマの性能に頼った運転」をしています。逆の言い方をすれば、もしクルマの性能が低ければ間違いなく危ない状態に陥るような運転です。おそらく、ふだんの運転でもクルマが自分の思う通りに動くものだと確信しているのだと思いますが、これは極めて危険な考えです。クルマは人間からの入力がなければ動きもしないただの機械ですが、入力次第によっては人間の想像をはるかに超えた動きを見せます。

クルマを安全に走らせるのにはスムーズにクルマを走らせることが必要です。速く走らせるのにもスムースに運転することが必要です。目的は違っても、クルマと言う「人間能力拡大器」を扱う最低限のルールはスムースな操作です。速く走りたいとか、前のクルマに追いつきたいといった、人間の感情が入り込んだ情緒的な操作ではクルマは正確に走りません。

もし今まで事故もなく、そこそこ満足できる走りができていたとしたら、その方達は幸いにもクルマさんの性能に助けられて無事だったので、運転が理にかなっていたからだとは思えません。

2)に関しては、走行会でアドバイスした時もワークショップでブレーキングやコーナリングの繰り返し練習をした時にも感じたのですが、ブレーキングやターンインのポイントを指摘してもそこにクルマを持っていけない人が多く見られたのがひとつの例です。

コース際には何かしら目印になるものがあるはずですし、ワークショップでは要所にコーンを立てています。しかし多くの方が、基本となるラインをトレースできません。といっても、見ていないわけではなく、顔の動きから想像するに見てはいるのです。

ところが、実際にはポイントを逃す結果になっている。

おそらく、目から情報は入っているのでしょうが、その扱い方(重要な情報を選択し、どうでもいい情報は瞬時に捨てる)がチグハグなのかも知れません。あるいはトンネルビジョンになっていて、物が近づくほどに前後関係が曖昧になるのかも知れません。

速く走ればそれだけ多くの情報の中を通過することになります。必用な情報の取りこみが重要なことは言うまでもありませんが、多くの情報の取捨選択も必要です。

3)どの場合でも、一人の例外を除いてはふだん使っている自分の車を運転されていました。ところが、サーキットで走るとクルマさんとの関係がギクシャクしているように映るのです。

サーキットという特殊な場所で走るというのも関係しているのでしょうが、走っている速度域は高速道路で体験済みの範囲に過ぎません。
サーキットを走るという非日常の昂揚感が慣れ親しんだクルマの操作にすら影響を与えている、と思えなくもありませんが、実際のところは本人にもわからないでしょう。

ただ、基本的にはどんな情況であろうとクルマの運転は普遍であると思いますし、クルマの動きに対応して走らなければならないという決まり、「Do not anticipate, Do react!」は同じはずです。

皆さんの走行を見せていただくたびに、私自身が多くのことを学ぶことができます。この点は感謝してもしきれないものです。

まだ始まったばかりのユイレーシングスクール日本ですが、これからもどうぞよろしくお願いします。

ルーテシアRSの足は最高

3月9、10日に開催するYRSツーデースクールにまだ余裕があります。時間の許す方はぜひご参加下さい。
・YRSツーデースクール開催案内&申込みフォーム


第56回 滑って 滑って 滑って 滑る ♪♪♪

原則的に、ユイレーシングスクールはクルマの機能を発揮させることを運転技術習得の最終目標にしている。
従って、いかなる時でも、駆動形式が異なるクルマでも、常に前後輪のスリップアングルが均一であることを理想としている。

しかしある夜。水割りをなめながらあれこれ考えているうちに、バランスを崩した時にユイレーシングスクールの卒業生がどんな対応をするか見てみたくなった。今までの路線と違ったテーマに直面した時、どうクルマを操るかを知りたくなった。それで開催したのが第1回YRSスキッドスクール。

富士スピードウエイの駐車場に水を撒き、人工的に路面の摩擦係数を低くした真円コースとオーバルコースを作って走ってもらったのが以下の画像。

散水車が出動

ふだんはテールを流すのはご法度、ましてスピンなどしようものなら○○○のユイレーシングスクールで、今度はテールブレイク距離を競います、なんて言われたものだから、参加者も面食らってはいた。

とにかく、なんとかしてオーバーステアの状態を作り出すのだが、テールが少しでも流れるものならたちまち修正してしまう。本人達は意識していないのだが、身体が反応してしまう。瞬時にテールスライドは収まり、何事もなかったかのようにクルマが安定する。それはそれで褒められるべきことなのだ…。

「今日は無礼講だから、なんとしてでもテールを流して!!!」と叫んでも、日ごろカウンターステアが好きな人以外は悪戦苦闘。いつになく真剣な表情で走る参加者を見て、スキッドスクールも悪くない、と思ったものだ。

BRZで元気だった○代さん

絵になるものだ

4駆でもこの通り

4駆はアンダーが強い、のではない

ミッドシップでも

振幅は小さいが蟹走りはできる

軽いロードスターはうってつけ

ヨーモーメント中心を見つけやすい

ただ非力なのが…

新しいクルマは何かが介入するのか…

クルマは超安定方向

RRのポルシェも

ドッカンターボのポルシェも

1.6リッターのエンジンだと

推進力の確保が難しく

おいしいところの幅が狭い

う~ん、いいもんだ

コース設定もバッチリ

コースを外れればクルマは即停止する

顔が引きつっているのは氷点下だったから、です

水を撒けばスキール音はでないしタイヤも減らない。こんな運転の楽しみ方もありなんだ、なと。

当日の動画はこちら

【独白】初めてのYRSスキッドスクールを終えて、改めてクルマの動きを理解することの大切さを感じた。この日、テールスライドを誘発するのに苦労していた参加者は、みな同じような公式に則って反応していた。その公式には、クルマがバランスを崩した時に何をなすべきかが書いてあるはずだ。その公式が確立しているからこそ、「テールが出ない!」と悩んでいたわけだ。もし、公式にたどり着いていない人ならばもっと簡単にクルマを振り回せたかも知れないが、逆に、公式が確立しているからこそ『お尻を振る』のが難しかったのだ、と理解すべきだと思った。クルマを運転する人がみんな公式を備えていれば、クルマ社会はもっともっと楽しくなると思う次第。

Phto:Takasi Nakazawa


第55回 手癖 足癖

その昔。アメリカに住んでいた時に歯医者さんに言われたことがある。

歯医者さん:一生懸命歯を磨いているのはわかりますが、力が入りすぎているのか歯が削れていますね
心の声:何っ?硬い歯が削れるわけないじゃん
歯医者さん:歯のためにはソフトに歯間に歯ブラシの毛先が届くようにしたほうが効果的です
心の声:歯磨きの時間がもったいない。ゴシゴシやってどこが悪い!

テレビコマーシャルで歯ブラシをお箸のように持って優雅に磨いているシーンを見たことはあった。しかし、どう見てもコマーシャル用の演技に思え、自分ではかたくなにゴシゴシの道を歩んできた。

しかし数年前に日本で歯医者さんにかかった時、歯科衛生士さんが磨き方のお手本を示してくれた。たまにとても柔らかな手を唇に感じながら、持たされた鏡で磨き方を観察すると、やはりコマーシャルのように優雅にやさしく、お箸のように持った歯ブラシを小刻みに動かしていた。

その動きに合わせたように、『こうするほうが効果はありますよ』なんてやさしく言われるとその気になって、その日の夕食後さっそく試してみた。お箸のように持っていては力が入らないはずだけど…、と自説を曲げたくない気持ちと戦いながらやってみた。
するとどうだろう。歯ブラシをストロークさせるのがとても楽。こぶしで歯ブラシを握りしめていた時より速く往復させることができる。

で、突如として気が付いた。「ステアリングホイールの握り方と同じかぁ。力を入れてはダメなのね」。

蹴飛ばすか

トランジッションを意識するか

気付くのに何十年かかってんだ、と自分を呪いながらも、クルマの運転に通じるものがあるな、と妙に感心したものだ。

そんなことを考えながら編集したビデオがこれ。

「いくら急いでいても過重が移動しないうちに制動力を立ち上げてはクルマは減速しませんよ」と言うのだけれど、クルマを速く走らせようとするとスロットルを長く開けていたいのか、ブレーキをかける段になるとペダルを蹴飛ばしてしまう人がいる。まるで、早く磨き終えたいからと力任せに歯ブラシを握りしめていた誰かさんのように。

もちろん、今のクルマとタイヤならどんなふうにブレーキをかけても速度は落ちる。ことさらブレーキングテクニックを云々する時代ではないのかも知れないが、サーキットを走らないまでも、クルマを思い通りに動かしたいと思うのならばウエイトトランスファーを制御するためのトランジッションは欠かせない。

くだんの歯科衛生士に、『よく磨いていますね』と言われるのが嬉しい今日この頃。

※動画の中に一部見苦しい部分があります。靴の動きを注視しながらご覧下さい。


第54回 俯瞰 客観 達観

パイロットになりたいと模型飛行機作りにいそしむのだが、小学校にあがる前から眼鏡をかけていたほど視力が弱く断念。ならばレーシングドライバーになろうと心に決めたものの・・・。教科書の後ろに隠した自動車雑誌の写真、高橋国光選手が鈴鹿サーキットのヘアピンをフルカウンターで立ち上がっている写真、を見つめながら、「自分にもカウンターステアなんて切れるものなのだろうか」などと夢よりも不安でいっぱいだったものだ。

そんな少年が人にクルマの運転を教えているのだから人生は面白い。

そうしなければと意識する前にカウンターステアを切ることができる。なによりも、なぜテールがブレイクするかを理論的にも体験的にも知っているから、まずオーバーステアにおちいることがない。テールが流れなければカウンターステアを当てる必要もない。流れる時は4輪一緒だ。

ユイレーシングスクールでは操作のコツを理論と実践面からアドバイスしているが、それは全てここにいたるまでに吸収したことを体系的に説明しているだけだ。

あ、落ちた!

しかし、「ステアリングは最初ゆっくり、クルマが円運動を始めるまで回し続けて下さい」と言っても手アンダーになってしまう人もいる。本人が「ゆっくり回しているのですが」と言うだけあってステアリング操作は丁寧なのだが、加減速が加わると荷重の移動が前後方向ではなしに対角線上で起きてしまう。
そんな時。目線の持っていき方の話をするのだが、実は、どこを見て運転するかというよりも、なにを拠りどころに運転すると楽に操作できるかを伝えるのが目的だ。話が抽象的だからすぐには理解できない場合が多いのだが、運転はクルマとの共同作業なのだから、運転手の主観は可能な限り排除されるのが好ましい。だから、スクールでは常に「運転している自分とクルマを見下ろす『本当の自分』を見つけて下さい」とアドバイスしている。

で、トゥインゴGTにYSST(ユイレーシングスクールスペシャルスクーリングツール)の第10弾を取り付けて、操作と挙動の因果関係を可視化しようとしたのが下の動画。
操作によってウエイトトランスファーがどのように起きるかアナログ的に見るために外撮りもしたのだが、残念なことに用意したボールとボウルの相生が悪く思っていたほどの結果は得られなかった。それでも、ボールの動きが一定であることはなく、どんな操作をしているか想像することはできる。

※速さだけに特化した操作を求めるのならばデータロガーやGセンサーのようなツールも有効かも知れないが、運転の本質は人間の曖昧さを物理法則に変換することにある。だから、ユイレーシングスクールとしてはあくまでもアナログ的な情報を提供したいと思っている。現在YSST-11を開発中なので乞うご期待。


第53回 相談するのが楽しい

つまるところ、何をするにしても『4本しかないタイヤ』に頼る以外に方法はないわけで、クルマを走らせるにはキチンとタイヤが働いてくれる状況を維持し続ける必要がある。
ところが、人間という生き物はわがままだし勝手であるから、自分で頭に描いたイメージをついつい実行したくなる。場合によっては、そうすることによってクルマが思い通りに動かなくなる可能性が大きくても、だ。

最も顕著な例がスロットル。スロットルを開ければクルマは速く走るものだと刷り込まれているから、速く走ろうとするとスロットルを開けている時間が長くなる。サーキットでは特にそうだ。これでもかって勇気を振り絞ってスロットルを閉じるのを我慢している場面に出くわす。そのあとにブレーキングをしてターンインをするという重要な局面が控えていても、だ。
結局、フロントタイヤのグリップを十分生かしてブレーキングできないから速度は落ちず、そのままターンインするから4本のタイヤの上で対角線にクルマの加重が移動してアウト側前輪に加重が集中する状態を作り出してしまう。

タイヤがキチンと働ける状況というのは、トランジッションで『4本しかないタイヤ』が負担する過重がほぼ等しいことから生まれる。慣れればトランジッションの時間を短縮することはできるが、急ぐからと言ってトランジッションを省いてはタイヤが悲鳴をあげる。正確に言えば、『負担が増した1本のタイヤ』の『低くなった限界』でしか走ることができなくなる。それは目指すべきところではないはずだ。

ということで、YRSドライビングワークショップとYRSツーデースクールではフィギュア8をカリキュラムに取り入れている。8の字のコースをできるだけ速く走る練習だ。
加速をしてもすぐにコーナリングに移らなくてはならないし、加速しすぎれば強いブレーキングをしなければならないし、どれだけ加速すればいいのかを判断しながら走ることになる。つまり、後に控えた、〔直線の加速より旋回時のほうが間違いなく速度は遅いから、ターンイン時の速度と姿勢が速さを決める〕コーナリングのためには、どれだけ加速していいのか判断しなければならない。
加速しすぎればバランスを崩すし、加速しなければ遅い。その間のどこかに『美味しいところ』があるはずなのだが、いつも同じ速度でコーナーから脱出しているわけではないし脱出の方向も違うかもしれないから、常に加速の量を加減しなければならない。
そんな時の支えになるのが、ターンイン時にステアリングホイールから伝わってくるアウト側前輪が回転している様子。前に進んでいるのか横に滑っているのか、手のひらで感じることができる。クルマは正直。人間の操作に対して、常に『こうしたョ』と正確に教えてくれる。

もし聞く耳を持っているのならば、これほど楽しいことはない。クルマさんに相談すれば、正しいことは正しいと、間違っていることは間違っていると教えてくれるのだから。個人的には、この作業が楽しいからクルマに乗り続けていると言っても過言ではない。

ぜひカングーを含めたルノーオーナーの方も、フィギュア8を走りにユイレーシングスクールに参加して下さい。

#話は長くなるのだが、このビデオをスタッフに見せたら「Aが悪いほうでしょ。でも修正しちゃってますよね」と言われてしまった。過去にも卒業生に「手アンダーのところを撮りたいから」と言って走ってもらったのだが、一瞬アンダーステアが顔を出すのだが直後に修正してしまうので結局は撮れず。一度馴染んだ操作を変えるのは難しい。というわけで、Bが正解(操作は誇張しています)なのだが、Aもそれほど間違っていないというビデオになってしまった、というお話。

ユイレーシングスクールの今年の活動は全て終わった。2012年は27回のドライビングスクールとスクールレースを開催して延べ430名の方に参加していただいた。この場を借りて厚くお礼申しあげます。

さて、トゥィンゴGTに冬休みはなく、来年から始める新しいカリキュラムのテストのために遠征。

散水車を使って

コースを水浸しにして

富士山はいつ見てもステキ

来年どんなカリキュラムが始まるか、乞うご期待。


第52回 非公認ですが、なにか?

こんな競り合いもあって

日本が自動車先進国であることは誰もが認めるところだろうけれど、ことモータースポーツに関しては日本は後進国でしかない。

と言うと、フォーミュラニッポンがあるしGTレースもあるし日本人のF1ドライバーだっているではないか、と反論がありそうだが、少なくともアメリカと比べればその後進性は歴然としている。
確かにモータースポーツのピラミッドらしきものが形成されてはいるものの、そのスポーツの世界ランクレベルを目指す予備軍の数や、そしてそのスポーツを体験したことのある非傍観者の数で比べると日本の現状はいささか悲惨だ。

富士山を横目にレース三昧

モータースポーツ関係者はみんなそれぞれに頑張っているし、それは良くわかってはいるのだが、どこかに理由があるはずなのだ。

そう。個人的に導き出した結論を先に言えば、モータースポーツを司るスポーツ権能が日本にはひとつしかないことに問題がある。FIAの規定で各国のスポーツ権能(ASNと呼ぶ)は原則ひとつと定められているが、モータースポーツを発展させるためにはひとつでは足りないこともある。FIAも例外を認めているくらいだ。
実際、アメリカにはストックカーレースにはNASCARが、インディカーにはIRLが、ドラッグレースにはNHRAといった具合に主だったところだけで6つのスポーツ権能が存在する。それが複数あるのはアメリカだけではない。オーストラリアにもカナダにもイギリスにもだ。

ひとつということは、それ以外は存在しないわけで、そこにピラミッドの底辺が広がらない原因がある。日本のスポーツ権能に認められたものが公認で、されないものは非公認というわけだ。しかも日本のスポーツ権能は、1990年代終わり(ついこの前だ)まで非公認競技も非公認参加者も認めなかったといういささか乱暴な歴史の上に存在する。

1コーナーになだれ込む

ユイレーシングスクールがスクールレースを始めたのは2001年。前々年に国会で取り上げられたことから、非公認競技への締め付けがゆるくなり、その後はなしくずし的に公認、非公認の枠がはずされるだろうとの情報を得たからだ。
ユイレーシングスクールのスクールレースに参加したドライバーが公認のライセンスを剥奪されてはかなわない。いわゆる非公認競技であるYRSスクールレースを開催しようとしたら横槍が入ったでは参加者も集まるわけがない。

狙っていたわけではないが、幸いにしてユイレーシングスクールは「モータースポーツをもっと手軽に、もっと楽しく、もっとみんなで」のスローガンを堂々と掲げながらスタートを切ることができた。

万年青年の大森さん

2001年から非公認競技のタイムトライアルとエンデューロ、スプリントのレースを開催し、満を持して始めたのが2004年のYRSオーバルレースシリーズ。幾度かコースレイアウトを変えながらも9年が経過した。簡単なようで難しい自動車競技だから参加者数が大幅に増えることは期待していないものの、少しずつ仲間も増え始めた。

たとえば大森さん。2000年1月に開催した第2回YRSドライビングスクールを受講してくれたのだけれど、その後ユイレーシングスクールが開催する非公認モータースポーツには全て毎回のように参加してくれている。もう13年になる。クルマも当時のままだから、クルマさんも幸せだ。

日本で最も敷居が低く、もっとも手軽に楽しめるモータースポーツだと自負しているYRSオーバルレース。10年目を迎える来年、みなさんも参加してみませんか?

今年最後のレースを富士山も見送ってくれて

2012年YRSオーバルレースの最終戦。下は27歳から上はン歳まで平均年齢44歳のレーシングドライバーが参加してくれた。
というわけで、そのレースのAクラスの動画をご覧いただきたい。

・セミファイナル

・ファイナルヒート

ところで、『(F1好きの)佐藤さんが音頭をとるなりして、ルノー・ジャポンから可夢偉選手がルノーのシートを手に入れられるように働きかけることはできないものだろうか』と、思うのはボクだけだろうか?


第51回 いいねぇ


面の使い方もどこかキレイ

 

トゥインゴGTを点検に出したら、代車としてカングー イマージュを貸してくれた。それも全くの新車。ちょっと嬉しかった。

シートを最も低い位置にセットして走り出す。頭上に広がる空間がなんか、衆人環視の中で運転しているように思われ、最初のうちは変に緊張したり。
エンジンは1.6だしガタイが大きいだけに動きは鈍いのだろうなぁと危惧していたのだが、いくつかの信号で発進加速をしている間にそれが取り越し苦労だとわかった。少なくともマニュアルモードにしてシフトを繰り返せば流れをリードする速さを手に入れられることはわかった。
しかし加速中に瞬間燃費を見ると、場合によってはとんでもない数字が表れていることがあった。いったんクルージングに移ってしまえば逆に、「へぇ」と思う程の数字になるのだが、個人的には絶対的なトルク不足を感じた。ゆっくり走ればすむという問題ではなく、時には加速することが安全につながることもあるわけで、2リッターぐらいのエンジンがほしくなる。そのほうがトータルの燃費向上にも役立つはずだ。
だから、ズボラ運転はできないかも知れないがATよりカタログ上で40キロも軽いMTがカングーにはふさわしい。

自宅への道すがらいつものテストコース(?)でハンドリングを試した。そこで今回の結論、「いいねぇ」となったわけだ。


M3のヨンパツエンジンの爆発感は、とにかくとにかく涙ものだった

 

実は、いわゆるSUVというカテゴリーのクルマには、実は昔から縁がある。

一番最初に買ったクルマはライトエースバン。アメリカからムーンキャップの14インチクロームホイールを取り寄せ、当時はそんな言葉すらなかった『インチアップ』をして富士スピードウエイに乗りつけていた。確か、あのホイールは由良拓也さんにゆずったはずだ。
次に、アメリカに移住する前まで乗っていたのがセドリックバン。東京から旗を振りに鈴鹿に通うためエンジンは2.6を選び、ホイールはAHPのディッシュの7Jx14に前後異サイズの70タイヤを履いていた。
2台ともかなりの中古だったがショックアブソーバーだけは純正の新品に換えていた。クルマはいじらずに乗るのが昔からの主義だった。

SUVと呼べるかどうかわからないが、名古屋の友人が持っていたダイハツミゼットをせしめてきて、両サイドのドアを取り外して布製のベルトで『脱落防止装置?』を作り、当時の自宅に近かった渋谷や原宿で乗り回していたこともある。バッテリーが上っても、200cc単気筒エンジンは一人で押していて飛び乗って3速MTをセコンドに入れてやればかかったから、雨の日以外はホントに便利な乗り物だった。


ボリュームもある

 

我が車歴はSUVを重ねる。
アメリカに居を構えるにあたって手に入れたのがスバルステーションワゴン4WD(日本名レオーネ)。しばらくはあちこちの取材に大活躍してくれた。
レース活動を始めるので購入したのがシボレークルーキャブ。リアタイヤがダブル(デュリーと呼ぶ)でホイールベースがカングーの全長より少しだけ短い418センチあり、ドアが4枚の6人乗りピックアップ。長距離を走るために荷台に105ガロン(397リッター)の増設タンクをつけ、その上に横になって寝れるようにスリーパーをつけた以外はノーマルで乗っていた。

双子の息子が生まれてレース活動を中断して買ったのがまたライトエース。でもアメリカにはバンはなく豪華仕様。2列目にチャイルドシートをふたつつけなければならなかったから、いたく重宝した。が、オーバーハングして運転するのは危ないからと屁理屈をつけて乗り換えたのがマツダの初代MPV。まったくのノーマルで乗り続けたが、室内はライトエースより狭いしMPVに関しては燃費が良くなかった印象しか残っていない。
米国三菱のモータースポーツ活動を手伝いながら自分でもレースを再開することになったので、再びクルーキャブを購入。またまた増設タンクとスリーパーを追加。この時期はモーターホームも2台乗り継いだから、ますます乗用車の比率は減っていく。

自分が乗りたかったというのが正直な気持ちだけど、子供が免許を取る年齢になって「せっかくだからアメリカ的なクルマを味わってほしいから」と無理やり説得して買ったのがシボレーのサバーバン。ホイールベースが334センチで4枚ドア。シートは3列で大人8人が楽に乗れた。玉の少ないテールゲートが観音開きになっているのを探したのだが、やっぱり便利だった。

と言っても、我が家に乗用車がなかったわけではない。奥さんがかっこいいからと初代アウディクーペを買ったし、新古車があるからと見に行ったらふたりとも気にいってE30のM3を買ったし、日本で過ごす時間が増えたら、いつの間にかサバーバンがレクサスISとハイラックスサーフに化けていたから、少なくとも3台の乗用車が車歴に名を刻む。


湖西の山も色づき始めた

 

で、「いいねぇ」の続き。

クルマは使ってナンボというのが信条だから、必然的に使い勝手のいいSUVに目が行くのだが、カングーの足はいままでのSUVでは経験したことのない、それはそれはしっとりとしていた。

車高が高いし姿勢制御を意識する必要があるなと想像していたのだけれど、確かにロール量は大きいし実際傾くのだけれど、よくしつけられていると言うか、基本的なところでクルマがインバランスにならない。トゥインゴGTでも感じたような、ストロークが十分で足がよく動いてくれて、延び側のダンピングが効いているなと。

それと、フロントサスペンションにアンチダイブジェオメトリーが設定されているのではないかと思うぐらいに、ピッチング方向に対する姿勢変化が限定的。これは驚きだし、どこに秘密があるのか知りたいものだ。個人的にはリアサスペンションの制御の仕方にあると踏んでいるのだが。

速く走るクルマではないのかも知れないけど、この足の良さは安全にもつながるし評価されて然るべき。


ルノー京都CADONOには兄弟が

 

で、カングーは確かにいいクルマだけど、そのクルマをもっと上手に運転するために、カングーのオーナーのみなさんはぜひユイレーシングスクールのYRSドライビングワークショップに参加して下さい。ブレーキングとスラロームとフィギュア8をやればカングーの良さをもっともっと認識できること請け合いです。


この項は決してルノーの宣伝ではありません
 
 
 
 
※ 個人的にはカングーのルノースポール版なんかいいなぁと思のだけどなぁ。



第50回 スラローム A or B

11月10日。富士山も衣替えが終わっていた

今年最後のオーバルスクール。曇のち雨で大収穫

クルマは元来、とても安定した乗り物だ。クルマの3大機能である加速、減速、旋回のどれをとっても、それに対応するスロットル、ブレーキ、ステアリングの操作が『単独』で続いている限りクルマは安定した振る舞いを見せる。しかし、自由にどこにでも行けるクルマが本来の役目を果たすためには、各機能が繰り返されることになる。

だから、クルマを思い通りに動かすには、それは安全に走らせたい場合や、必要があれば速く走らせたい場合なのだけれども、機能の各パートをつなぐ部分でのクルマの挙動を安定させることが重要だ。

スクールではクルマの挙動をつなぐ部分をトランジッションと呼んでいるが、これが意識しないとなかなか会得できるものではない。だからクルマの運転は奥深いのだが、クルマが4本のタイヤでしか地面にくっついていないことを考えれば、どうすべきかが見え始める。
それ自体が重くて速い速度で移動するクルマは常に慣性力と対抗している。日常ではクルマが慣性力に勝つことなどもちろんないが、負けることはある。だからクルマが慣性力に負けないためにも、動いているクルマを常に安定させる必要があるという話だ。

そのための思想を一言で表すなら、ふたつ以上の挙動が重ならないような操作をすることだ。

もちろん、動いているクルマは復雑な動きをするから、挙動が重ならないように走らせることは難しい。しかし、操作の仕方によっては『重なる時間を短くする』ことや、『重なる度合いを少なくする』ことはできる。要は、思想を持ってクルマを動かし、思想からさかのぼってどういう操作をすればいいかを理解することだ。

というわけで、速く走ろうとするとクルマの3大機能を余すところなく使わなければならないスラロームを例に、思想の違いを可視化するためのビデオがこれ。

※操作をわかりやすくするために一部誇張してあります

■ スラロームのAとB

とかく、意識が勝ると人間はクルマに対して高圧的になりがちだ。しかし、それはクルマにとっての大迷惑。最低限、クルマが動きやすいような状況を作ってあげるぐらいの配慮が必要だ。


第49回 ブレーキング A or B

クルマに限らず、人間が人間の能力以上の速さで移動することのできる機械を操る時には必ず危険が伴う。

そのリスクを最小限に抑えるための技術は日々進歩を続けているが、それでも安全が保証されたわけでは決してない。

例えばブレーキング。ブレーキペダルを踏めばクルマは減速する。しかし、ブレーキのかけ方を知っていればクルマは思いのほか短時間に短い距離で減速を終えることができるが、知らなければ高性能なブレーキシステムをもってしても制動距離が縮まるわけではない。

と言うことで、ブレーキのかけ方を可視化するために撮影したビデオがこれ。

■ ブレーキングのA

■ ブレーキングのB

もちろん。ブレーキングで最も大切なことが、視界の中でできるだけたくさんの情報を取り込み、その中で必要なものと不必要なものを瞬時に選別できる処理能力を高めることにあることは疑いの余地はない。


第48回 『クルマはもっと楽しいはずなんです』

紅葉には1ヶ月ほど早い京都嵐山に足を伸ばしたのには理由がある。

雄大な保津峡を見下ろす。紅葉はまだ

左奥の山が比叡山。自然がいっぱい

ガスがかかっていなければ京都市内が望めるはず

高雄口駐車場にて

この日。京都府自動車販売店協会輸入車部会が高雄パークウエイで年に一度の合同試走会を催した。
ルーテシアRSを購入した縁でルノー京都CADONOの山田店長から、合同試走会でクルマの楽しさについて話をしてほしいと連絡があって、クルマの販売の一線で活躍される方にお会いする機会などめったにあるものではないので、ぜひにと返事をしておいたのだ。

この日の試走車が集まってきた

この日集まったクルマは、
VW パサートTSI
VW ザ・ビートル
ルノー メガーヌRS
フォード エクスプローラーXLT
ランドローバー レンジローバーイヴォーク
メルセデスベンツ C200AV
メルセデスベンツ B180ブルーエフィシェンシー
アウディ Q3
アルファロメオ ジュリエッタ
プジョー RCZ
BMW 320i
フィアット 500Cツインエア
の12台(順不同)。

今年で13回目になるという合同試走会。ふだん触れる機会の少ないよそのブランドのクルマに触って乗って味わおうというもの。こういう企画はすてきだなと思う一方、その存在を知らなかった自分が恥ずかしくもあり。
それでもクルマを売るということについていろいろな話が聞けたのは、ユイレーシングスクールにとっても大きな収穫だった。

参加されたディーラーの方々と記念撮影

ともかく、クルマのプロを前にして、おこがましさを感じつつ、それでも、もっとたくさんの人にクルマとクルマの運転の楽しさを満喫してほしいから、運転歴47年の経験とユイレーシングスクール13年の歴史を踏まえてお話した。クルマが“夢”と“楽しさ”と“自由”をセットでユーザーの手に渡ることを願って。

木陰から試走車の走りをチェック??

すっごく美味しいお弁当をごちそさま「秋」

いろいろなクルマに乗れたし、天気は最高だったし、言うことのないステキな一日でした。