トム ヨシダブログ


第27回 奥比叡ドライブウエイ その1

天気予報は外れ。朝一番でゲートに入ったのに。

近くにありながら行く機会のなかった比叡山ドライブウエイに行ってきた。と言っても、朝7時のゲートオープンと同時に走ってきたのは正確に言うと奥比叡ドライブウエイ。
比叡山山頂へと続くこのワインディングロードは、実は2つの会社が運営しているとかで、京都方面から山頂を目指す比叡山ドライブウエイと琵琶湖方面から入る奥比叡ドライブウエイとに分かれる。

紅葉真っ盛りと思いきや、ピークは過ぎてしまったようで。

琵琶湖大橋に近い仰木ゲートをくぐりしばらく走ると勾配が急にきつくなる。比叡山自体の斜面が急なのだろう、コーナーの曲率は小さく直線部分はほとんどない。少し走るたびに耳がツーンとしたことでも勾配が急なことがわかる。

町のなかでは少数派の赤いボディカラーも自然の中では麗しく。

天気予報がみごとに外れどんよりとした曇り空を見上ながら走るものの、【晴天・紅葉・トゥインゴ・見晴らし】を実現できると思っていたものだから、いささか意気消沈。今回は仰木ゲートから10キロほどのところにある峰道レストランの駐車場で折り返しすことにした。それでも比叡山の雄大さを感じることはできた。

肉眼では見えた琵琶湖も写真では。

とにかく展望がすごい。急に立ち上がった山だからなのだろう、眼下には手前に湖西の町並が、その向こうに琵琶湖が広がり、対岸の遠くにある山々までが見渡せる。この日は霞んでいて墨絵のようだったが、晴れていればここからの眺めを味わうだけでも少しばかり高い料金の元は十分に取れるはずだ。

データロガーのデータ。

ワインディングロードを走るのだからとデータを取ってみた。右の図は仰木ゲートから峰道レストランの先にある検札所までの軌跡。走った時はもっとたくさんのコーナーをクリアしたように思えたものだが。左の図は標高を示す。仰木ゲートが230mぐらい。7キロで740mまで駆け上がったことがわかる。

晴れていれば背景に琵琶湖が映りこむロケーションなのだが。残念。

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●クルマはよくできた道具なので、性能を発揮させるためにはそれなりの使い方を知る必要があります。ユイレーシングスクールが10周年を記念して制作したCDを聞いてみて下さい。バックグラウンドミュージックもないナレーションだけのCDですが、クルマを思い通りに動かすためのアドバイスが盛りだくさん。クルマ好きにとっては一生ものの5時間34分です。
YRS座学オンCD案内頁:http://www.avoc.com/cd/


第19回 費用対効果

今住んでいるところから最も近いスーパーマーケットにクルマを使わずに行こうとすると。

まず、早足でも25分はかかる湖西線志賀駅まで歩いて180円の切符を買い、平日の昼間だと1時間に3本しかない京都行きの電車に乗り、ふたつ目の和爾駅を目指すことになる。スーパーマーケットは和邇駅から歩いて2分ほどのところにあるから、向こうに着いてしまえばそれほど痛痒を感じることはない。
しかし、両手にレジ袋を下げて志賀駅から自宅まで歩いて戻る姿を想像すると、それも雨の日もあることだし、それを実行する可能性は極めて低い、と自らを説得する自分がいる。

有限の化石燃料を使わずに自転車で行くという手もあるが、歩道が整備されてない昔風の狭い国道161号線を走るのも、何かあってはと気が進まない。結局、なんだかんだと理由をつけては、いちばん手軽なクルマで行くことを躊躇なく選んでしまう自分がいる。

ようやく日本でもセルフ給油式のガソリンスタンドが増えてきた。

オドメーターで計った数字だから正確ではないが、自宅からそのスーパーマーケットまでの距離は161号線を使った場合で7.7キロ。数字的にはそれほどでもない。繰り返しになるが、化石燃料を使わずとも行って来れる距離のように思えるのが正直なところではある。
ところがここからがクルマが持つ魔力で、なんの迷いもなくクルマで買い出しに行く自分がいる。


 

自分でノズルを持つと、ついつい燃費コンシャスに。

慣らしが終わり快調に走るトゥインゴGTの燃費は、この夏の暑い日にエアコンを入れて走ってもリッターあたり14キロ代。極力過給しないように走っているのだが、どこかでガソリンを吹いているのだろう。それはともかく、大雑把な計算ではあるが、スーパーマーケット往復が約15.4キロとして、リッターあたり14キロ走るとしてトゥインゴGTが消費するガソリンが1.1リッター。一昨日給油したいつものガソリンスタンドのハイオクがリッター154円だから、スーパーマーケット往復で約170円。JRに払う半分のお金で買いだしをすることができる計算だ。

近くのスーパーマーケットに行くのにも自動車専用道路を使う。

安くすむは、電車の半分しかかからないは、雨の日でもおっくうではないし、重い荷物を持つ必要もない。
いろいろ理由をつけて他の方法で行くことを忘れようとしている自分がいるのも確かだけど、そうしないまでもクルマを選ぶ正当な理由があるのも事実。効率を考えれば、いやがおうでも選択肢はクルマしかない。
そう考えると、クルマは偉大だ。今さら言うことでもないかも知れないが、個人レベルで効率を求めることになるとクルマの存在価値は大きい。そう主張している自分もいる。

買い物用にあつらえたリュックサックを横目に、自転車を磨ながら思った。涼しくなったら、クルマの価値を認めた上で、クルマ以外の手段にも挑戦してみようと。
外気温が35度を過ぎる日が続いていたが、ここへきてようやく涼しくなった。中庭から見上げれば大量のトンボ。まもなく、大津に越してきて初めての秋を迎える。

京都に行ったついでにDプラスカフェに寄ってみた。

79年の秋。当時住んでいたロサンゼルスで童夢P2の長期テストを任された。日本初のスーパーカーはハリウッドで、サンタモニカで人々の目を惹いた。
その童夢ゆかりのカフェが京都にある。店内にはウェッジシェイプがが特徴の童夢P2も飾ってある。牛すじカレーが逸品。

・ディープラス カフェ ホームページ

http://www.depluscafe.com/

※ユイレーシングスクールでは運転にまつわる質問にお答えします。匿名でかまいません。クルマの動かし方に疑問のある方は以下のアドレスにお送り下さい。このブログで回答させていただきます。
・ユイレーシングスクール03ma@avoc.com

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ユイレーシングスクールでは以下のドライビングスクールを開催します。クルマの使い方に興味のある方は参加してみませんか?トゥインゴGTもお待ちしています。(詳細は以下の案内頁をご覧下さい。)

○ 8月28日(日)YRSドライビングワークショップFSW 案内頁

http://www.avoc.com/1school/guide.php?c=ds&p=dwf

○ 8月30日(火)YRSドライビングスクール筑波

http://www.avoc.com/1school/guide.php?c=ds&p=tds

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●クルマはよくできた道具なので、性能を発揮させるためにはそれなりの使い方を知る必要があります。ユイレーシングスクールが10周年を記念して制作したCDを聞いてみて下さい。バックグラウンドミュージックもないナレーションだけのCDですが、クルマを思い通りに動かすためのアドバイスが盛りだくさん。クルマ好きにとっては一生ものの5時間34分です。
YRS座学オンCD案内頁:http://www.avoc.com/cd/


第5回 体力測定に挑戦

 オドメーターがそろそろ3000を刻もうとするある日。トゥインゴGTをサーキットに連れ出した。走行距離から言って「まだ早いかな」とは思いつつ、赤いコンパクトハッチの実力をどうしても試したくなって1回目の体力測定に挑んでみた。
 

走行前に記念撮影。遠くに1コーナーがかすむ。

 舞台は筑波サーキットのコース1000。ここは、2000年からユイレーシングスクールがドライビングスクールに使用しているコース。全長は1,039メートルとサーキットとしては短い部類に属するが、コース幅は全域に渡って11メートルと広く、奥の深いコーナーがほとんどなのでドライビングポテンシャルを向上させるにはうってつけのコース。

 茨城県下妻市にある筑波サーキットにはコース2000と呼ばれる全長2,045メートルのコースもあるが、『クルマの挙動を知る』、『操作と挙動の因果関係を検証する』、『クルマを操るコツを学ぶ』にはコース1000のほうが適している。
 理由は明快だ。コース1000はコーナーの半径に対するコース幅が広いので、とりあえずどこを走ってもそこそこの速さで走ることはできる。別の見方をすれば、それだけ安全でもある。
 しかし、例えば足を(サスペンションを)硬めただけのロードスターで1周43秒で走ろうとすると、広いコースの中で走行ラインを絞り込み、かつクルマを前へ前へと進めなければならなくなる。
 つまり、手軽に楽しむことのできるコースであると同時に、速く走るためにはドライビングテクニックはもちろん、冷静に状況を判断する能力を養うことができる。実際、コース1000のYRSドライビングスクールでサーキットデビューを果し毎日の運転を楽しんでいる人もいれば、YRSドライビングスクールで腕を磨いて本格的なレースに挑戦している人もいる。

・筑波サーキット コース1000レイアウト
http://www.avoc.com/renault/t1ck_layout.jpg

 ストレートエンドでは速いクルマでも時速150キロほどしか出ないコースだが、サーキットに変りはなく、街中や高速道路を走るのとは違い、それなりに車を動かす方法を身につけている必用がある。
 クルマを運転する人全てがサーキット走行を経験することは不可能に違いないが、サーキットは一部の特別な人たちのものでもなく、モータースポーツに興味のない人にも運転の楽しさやクルマを動かす時の決まりごとを教えてくれる場所だから、できるだけたくさんの人がサーキットに興味を持ってもらえると嬉しい。
 日本では「スピードを出すと危険」というイメージが定着しているから、サーキットを走っていると言うと眉をひそめる人が多いがそんなことはない。公道でもサーキットでも運転という操作自体に変わりない。むしろ、運転の奥深さを知るためにもクルマの限界で走ることのできるサーキットの存在は大きい。


兄弟も参加していた。

  1周1キロメートルのコースには設計上のコーナーが14個ある。しかもコース幅が広いので、初めてコース1000を走る時にはどこをどう走っていいかわかりにくい。控えめな速度で走っていると、なおさら走行ラインを見つけることが難しい。なにしろコース幅11メートルというのは一般道の4車線近くの広さだ。そこを自由に走ってもかまわないと言われても、クルマをどこに向けたらいいのか困惑して当然。実際には5回しかコーナリングしないのだから、もっともな話だ。
  しかし、速く走ろうとするとラインが見えてくる。そんなもんだ。
 
  速く走ろうとする。1周のラップタイムを短縮しようとすると、コーナーもストレートもスロットル全開で走ればいいと考えがちだ。ところがサーキットと言えどもコーナーの手前では減速をしなければならないし、コーナリング中はスロットルを全開にすることができない場合が多い。
 
  しかしテーマを絞り、速く走ろうとすると、必然的にクルマの性能を引き出すことを優先しなければならなくなる。速さを実現するのはクルマだからだ。クルマの性能を引き出すためには、4本のタイヤを常に路面に押し付けておかなければならない。そのためには、いかなる場面でもクルマが安定するように走らなければならない。この思想が理解できれば、サーキット走行は格段に楽しくなるし、速く走れもする。
  走行中のクルマが最も安定しているのは直進状態だ。しかしコーナリングをする必要もある。では、コーナリング中にはどうすればいいのか。そこから導き出されたのがアウトインアウトの走行ラインだ。コーナーの手前でコーナーのアウト側により、コーナーの中でコーナーの中心に近づき、コーナーの出口でコーナーのアウト側にはらむ。これを一筆書きのような走りで実践できれば、コーナリング中のクルマを安定させることができる。つまり、アウトインアウトとはコーナーの直線化という概念から生まれたテクニックなのだ。
  かくして、走る前にコース図とにらめっこしてクルマが最も安定するラインを見つけることができれば、実際に走る段になってアタフタする必要はない。


サーキット走行後のタイヤ。決してサーキット向きではないが頑張ってくれた。

  サーキットを走ると言っても、プロドライバーのように速く走る必要はない。その人の経験と、その人のクルマの速さに応じて『それなりの速さ』で走ればいい。
  サーキットを走るのだからと自分の実力以上の速さを追いかける人がいるが、あれはもったいない。サーキットで遅いと恥ずかしいと言う人がいるが、それももったいない。
  サーキットをたった一人で走ることはまれだから、他人への配慮を忘れないのなら誰もが自分のペースで走るべきだ。


プラスティック製のレンズカバーには必要ないが、昔は飛散防止のためにテープを貼るのが決まりだった。ちょっと雰囲気。

 
 コースに慣れてきたら、少しだけペースを上げてみる。冷静に観察すると、ペースを上げるとクルマが落ちつかない場面に出くわすはずだ。クルマが不安定になるのは、タイヤが路面をつかむ力が弱まった時だ。それが1本のタイヤで起きたのか、それとも2本のタイヤでか。なぜそうなったのか。
  間違いなく、そうなったのはペースを上げた時の操作をクルマが受け付けてくれなかったからだ。その時の操作を思い出し、ペースを上げる時に調整すべき点を想像することができれば、それだけでドライビングポテンシャルは向上する。

  クルマの運転は人間本位に行わないほうがいい。クルマが意図したように動いてくれなければ目的を達成することはできない。クルマを思い通りに動かしたければ、クルマが走行中にどんな状況にあるか感じ取ることが大切だ。クルマは常にどうなっているかを語り続けている。あとは貴方が聞く耳を持っているかどうか、それが運転のうまさと楽しさへの入口だ。


全長3,600mm。およそサーキットに似つかわしくないトゥインゴも元気いっぱい。

  体力測定の結果はというと、エンジンをいたわりながら走ったコース1000のラップタイムが49秒8。決して遅くない。それよりも、あらゆる状況でリアがブレークしなかったのは特筆ものだ。クルマ自体の安定性が高い証拠。
  トラクションコントロールをオフにして走れなかったのが残念だが、それもトゥインゴGTの欠点ではない。(トラクションコントロールについては別項で)
  小さなホットハッチは筑波下ろしが吹きすさぶコース1000を元気に走り回った。次回の体力測定ではもう少し速さを見つけることができるはずだ。

・YRSオリジナルビデオ 筑波サーキット コース1000
http://www.avoc.com/5media/video/movie.php?t=go_racing

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http://www.avoc.com/5media/textbook/textbook.php?page=0