トム ヨシダブログ


第24回 Yゼミ開催

 来たる12月3日の土曜日。ユイレーシングスクールは滋賀県大津市のYRSリトリートでYゼミを開催します。
 ビークルダイナミックスから安全運転、サーキットの走り方、クルマのいじり方まで、クルマを楽しむコツをお話します。また、どんな質問にもお答えします。
 正式な開始は午後1時ですが、午前10時からは入場可能です。ただし午前中に到着される方はご自身の昼食をご用意下さい。飲み物、夕食は参加費に含まれています。
 定員4名のところ、現在2名の方の参加を受理しています。ゆったりとした雰囲気の中でクルマ談義に花を咲かせてみませんか。
 

Yゼミの会場、YRSリトリート

・Yゼミ案内頁&申し込みフォーム

http://www.avoc.com/1school/guide.php?c=ds&p=y-rs

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ユイレーシングスクールでは以下のドライビングスクールを開催します。クルマの使い方に興味のある方は参加してみませんか?トゥインゴGTもお待ちしています。(詳細は以下の案内頁をご覧下さい。)

○ 11月20日(日)YRSオーバルスクール FSW 案内頁&申し込みフォーム

http://www.avoc.com/1school/guide.php?c=os&p=osf

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●クルマはよくできた道具なので、性能を発揮させるためにはそれなりの使い方を知る必要があります。ユイレーシングスクールが10周年を記念して制作したCDを聞いてみて下さい。バックグラウンドミュージックもないナレーションだけのCDですが、クルマを思い通りに動かすためのアドバイスが盛りだくさん。クルマ好きにとっては一生ものの5時間34分です。
YRS座学オンCD案内頁:http://www.avoc.com/cd/


第23回 YRSツーデースクール

運転の上達には理論としてのビークルダイナミックスを理解することが大切だが、同じくらい操作に慣れることも重要だ。特に操作とクルマの挙動の因果関係を把握するためには、頭でっかちにならないためにも、ある程度の走り込みが必要になる。
ということで、ユイレーシングスクールではドップリ運転に浸かってもらおうと2002年に2日間のドライビングスクールを始めた。YRSツーデースクールだ。途中、開催地に適当な場所がないことから中断していたが、2005年に富士スピードウエイのショートコースが完成したのを機に再開。今年の1回目は震災直後の予定だったため中止したが、先日11回目のYRSツーデースクールを開催した。

2日間たっぷり走ってお腹いっぱい。心地よい疲労と満足感。

どんなクルマが集まったかは下の表を参考にしてもらうとして、北は札幌市から西は西宮市、甲賀市、犬山市、あるいは上田市の遠方からの参加者も含め、27名が大いに走り回った2日間だった。

19歳から64歳まで、サーキット未経験者からレース経験者まで多彩。

ルノー車もメガーヌRSとルーテシアRSが1台ずつ参加。今回は彼らの走りをご覧いただこうと思う。

乾いたサウンドを残して、

5%勾配のストレートを駆け下る。

最終コーナーは後半が下り。スロットルを開けすぎると失速する。

1コーナーからヘアピンまで、リズミカルにクルマを前に進める。

最終コーナー進入。ブレーキングが上り。上りきってフラットになってターンイン。

広いサーキットでも抑揚のあるボディは存在感は十分。

インフィールドから裏のストレートへ。タイムアップの要所。

最後のチェッカーフラッグが振られYRSツーデースクールも幕を下ろす。

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ユイレーシングスクールでは以下のドライビングスクールを開催します。クルマの使い方に興味のある方は参加してみませんか?トゥインゴGTもお待ちしています。(詳細は以下の案内頁をご覧下さい。)

○ 11月20日(日)YRSオーバルスクール FSW 案内頁&申し込みフォーム

http://www.avoc.com/1school/guide.php?c=os&p=osf

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●クルマはよくできた道具なので、性能を発揮させるためにはそれなりの使い方を知る必要があります。ユイレーシングスクールが10周年を記念して制作したCDを聞いてみて下さい。バックグラウンドミュージックもないナレーションだけのCDですが、クルマを思い通りに動かすためのアドバイスが盛りだくさん。クルマ好きにとっては一生ものの5時間34分です。
YRS座学オンCD案内頁:http://www.avoc.com/cd/


第22回 運転は上手くなればなるほど楽しい

 

昨年からスクール開催日に雨が降ることが多い。年間50数回開催して降られたことがない年もあったのだが。雨の中にたたずむトゥインゴGT。

今年予定しているドライビングスクールも残りわずか。11月にはユイレーシングスクールの12年目が終わる。
12年もの間、よくも受講生に同じことを言い続けてきたものだ、と思う一方で、年々受講者数が減っていることに危機感を覚える。世の中ではクルマ離れとか言われているけれども、その影響なのか。

初参加の方のルーテシアRSと並んで。

ともあれ、ユイレーシングスクールにはまだまだクルマが好きで、運転が大好きな人が集まってくれる。
9月末のオーバルスクールには13名が参加。最年長が63歳。平均年齢44歳と若者とは呼びにけれども、運転を楽しみたいという思いが純粋にあふれている方ばかり。クルマはロードスターからポルシェGT3まで実に様々。

いい天気だし、せっかくだから参加者に並んでもらって記念撮影。

楕円形のコースをぐるぐる回ってどこが面白いの、という声もあるそうだが、今回は5名がユイレーシングスクール初参加。中には8年もオーバルスクールに通ってくれているベテランも。
オーバルスクールの特徴はコースレイアウトが単純だから、走るのに初心者でも敷居が高くないこと。ところが、わずか10数秒の間に2回コーナリングを行うわけで、クルマの加速、減速、旋回の機能を発揮させるのが目的だから、ベテランに言わせれば上手くいくことのほうが稀ということになる。

しかし、しかし。それは考えすぎ。何10回もいろいろな形のオーバルコースを走っているベテランが「気持ちよく回れたラップなんかほとんどない」と嘆いたとしても、四半世紀以上クルマの運転を教えてきた経験からすると、ユイレーシングスクールに参加したことのない人に比べれば、彼らのドライビングポテンシャルは十分に高いと断言できる。
そう。彼らの悩みは、もっと上手くなりたいと思う気持ちの裏返し。十分に上手いのにさらに先を目指す。ひとつのことに集中するのは最近の流行りではないかも知れないけれど、彼らは一生の間好きなクルマで傷ついたり、好きなクルマを傷つけたりはしないはずだ。

初めてオーバルコースを走った人も、まず「上手くいかない」と言う。思うようにクルマが動いてくれないと訴える。しかし心配は無用。1回でもオーバルスクールの洗礼(?)を受けた人は、まずクルマがいやがる操作をしなくなるし、ユイレーシングスクールの目的は操作に正解を求めるのではなく、その人の運転力を目覚めさせることなのだから。
だから、初めての体験に戸惑う参加者には『今日初めてやることだからできなくて当たり前なんです。正解を求めずに、あれも間違いではない、これも間違いではない、それも間違ってはいなかった、なぁんて運転を目指してみて下さい』と言うことにしている。

大好きなクルマが思い通り動いた時が嬉しいのではなく、思い通りに動かしたいという気持ちを持ち続けることこそが楽しい。だから上手くなる。ユイレーシングスクールはそう考えます。

数年前までは数えるほどしか、それも古いルノーばかりだったが、最近ではオーバルスクールでも、

サーキットを使ったドライビングスクールでも見かける頻度が高くなった。実際、このブログを目にして参加を決めた方が多い。

※ルーテシアRSとメガーヌRSに乗っている方。2台ともフロントアクスルに特長があるので、一度ユイレーシングスクールでステアリングワークについてのウンチクを聞かれることをお勧めします。

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ユイレーシングスクールでは以下のドライビングスクールを開催します。クルマの使い方に興味のある方は参加してみませんか?トゥインゴGTもお待ちしています。(詳細は以下の案内頁をご覧下さい。)

○ 11月20日(日)YRSオーバルスクール FSW 案内頁&申し込みフォーム

http://www.avoc.com/1school/guide.php?c=os&p=osf

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●クルマはよくできた道具なので、性能を発揮させるためにはそれなりの使い方を知る必要があります。ユイレーシングスクールが10周年を記念して制作したCDを聞いてみて下さい。バックグラウンドミュージックもないナレーションだけのCDですが、クルマを思い通りに動かすためのアドバイスが盛りだくさん。クルマ好きにとっては一生ものの5時間34分です。
YRS座学オンCD案内頁:http://www.avoc.com/cd/


第21回 クルマと自分を制御する


トゥインゴGTで筑波サーキットコース1000のインフィールドを走る。
トゥインゴの足はたいしたもんだ。ちゃんと動くし破綻することがない。
(画像は全て中沢隆志氏撮影)

今年のF1グランプリはいつになく面白い。理由はいくつかあるが、外撮りにしろオンボード映像にしろドライバーがとてつもない次元でクルマをコントロールしているのを見て、ついついソファから立ち上がってしまう。特にセバスチャン・ベッテルのブレーキングやカウンターステアは汗ばむほど刺激的だ。
なぜ彼らはあれほどの速度であのような操作ができるのか。他のスポーツのトップアスリート同様、むしろそれ以上に反射神経がすぐれているからだろう。限界で走りながらも数秒後、いやコンマ何秒後に起きるだろうことを予測する想像力にも秀でているに違いない。最大4Gと言われる加速度にも翻弄されない強靭な身体を持ち、それでいてクルマの動きを連続的に把握することもできるのだろう。
日本のメーカーがF1から撤退してからというもの我が国での露出は減ってしまったが、F1ドライバーの運転はクルマが好きな我々にとってあこがれであることに変わりはない。


富士でも筑波でもサーキットを使ったドライビングスクールではスラロームの練習をする。
狙いはローリングとピッチングを自分の操作で制御すること。

しかし、我々も彼らのようにクルマを思いのままコントロールすることはできる。
もちろん速さも加速度もはるかに及ばない次元での話ではあるが、逆に、彼らの日常にある速度は我々にとって現実的ではない。我々が経験できる速度域ならば、我々もF1ドライバーよろしくクルマを自由に操れるという意味だ。

クルマの運転は、F1も含めて、陸上競技などのスポーツと決定的に違うことがある。それは運転している間は身体のどの部分も地面に接していないことだ。
足が地面に接していれば地面が滑りやすいかどうか感じることができる。スキーをする時もスキー板を通してゲレンデの勾配を感じられる。歩いていれば、向かい風なのか追い風なのか自分が置かれている環境も把握することができる。
ところが、いわば密室であるクルマに乗っていて、なおかつ身体のどこも地面に接していないとなると、自分が動いているという状況を感じることすら難しい。まして、路面の状況を知り、タイヤのグリップの限界を探ろうとすることなど至難の業だ。

そんな現実から逆算すれば、クルマの運転に大切なことが見えてくる。
我々はF1ドライバーではないのだから、類稀な反射神経を備えている必要はない。大切なのは自分が何かの操作をしようとする時に、クルマの状況が把握でき、どれだけの操作をどのタイミングですればいいのか正確に判断ができることだ。
だから、クルマの運転で最も大切なのがドライビングポジションということになる。


もちろん、走行の合間にミーティング。
操作とクルマの動きの因果関係をわかりやすく説明する。

地面に触れていないのだから、クルマの状態や路面の状況を判断するにはシート、床、ステアリングホイールからの圧力の変化と、自分自身で感じる加速度を頼りする以外にない。それなのにシートの上で身体が踊っていたり、ステアリングホイールをぎゅっつと握りしめていたらどうだろう。
少なくとも路面からの情報が正確に伝わらないばかりか、どれだけの操作をしたらいいのか判断もつかないだろう。

速く走ろうとする人が陥る罠がここにある。頑張ろうとする気持ちが身体を硬くして加速度に翻弄されてしまうのだ。
S字コーナーで切り替えしが遅れる人は、まず背骨がシートバックとずれている。オーバルコースや長いコーナーを走っている時に、それまでより肩の位置が高くなる人も同じ。操作をする時に身体も動いてしまっているから、操作のタイミングが遅れるし、操作量も適切ではなくなってしまう。


参加者を乗せての同乗走行。コース1000の最終コーナーを立ち上がる。
同乗走行の目的はクルマが常に安定している状態を身体で覚えてもらうこと。

自動車レースの職業運転手を目指すのでなければ反射神経の鈍さを嘆く必要はない。正確な操作をしやすいドライビングポジションを探し続ける努力をすれば、クルマと一体になれる可能性はある。クルマと一体になった時、クルマの動きがよくわかり、どんな操作をすればいいかが見えてくる。
だから、ユイレーシングスクールではサーキットでのドライビングスクールで高速スラロームをカリキュラムに取り入れている。速い切り替えしを目指すことで力の入れ所、入れ具合がわかってくる。

この高速スラロームを体験した人はいちように「面白かった」と言う。せひ皆さんも体験してほしい。


コース1000の1コーナーを抜ける。写真ではわかりにくいが1G以上の横Gがかかっている。

※ユイレーシングスクールでは運転にまつわる質問にお答えします。匿名でかまいません。クルマの動かし方に疑問のある方は以下のアドレスにお送り下さい。このブログで回答させていただきます。
・ユイレーシングスクール03ma@avoc.com

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ユイレーシングスクールでは以下のドライビングスクールを開催します。クルマの使い方に興味のある方は参加してみませんか?トゥインゴGTもお待ちしています。(詳細は以下の案内頁をご覧下さい。)
特に10月のツーデースクールはオススメ。1日目にジムカーナ場で基本操作を反復練習し2日目にショートサーキットで少し速い速度での走行を体験します。2日間でクルマとの対話が進むことは請け合いです。

○ 9月8、9日(土、日)YRSツーデースクールFSW 案内頁

http://www.avoc.com/1school/guide.php?c=ds&p=2ds

○ 10月16日(日)YRSドライビングワークショップFSW 案内頁

http://www.avoc.com/1school/guide.php?c=ds&p=dwf

○ 10月20日(木)YRS筑波ドライビングスクール 案内頁

http://www.avoc.com/1school/guide.php?c=ds&p=tds

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●クルマはよくできた道具なので、性能を発揮させるためにはそれなりの使い方を知る必要があります。ユイレーシングスクールが10周年を記念して制作したCDを聞いてみて下さい。バックグラウンドミュージックもないナレーションだけのCDですが、クルマを思い通りに動かすためのアドバイスが盛りだくさん。クルマ好きにとっては一生ものの5時間34分です。
YRS座学オンCD案内頁:http://www.avoc.com/cd/


第20回 姿勢を正す


渡米する前からお世話になっていた扇屋旅館。4階にある富士山の全貌が一望できる大浴場がスキ。

クルマを運転するということは、クルマに乗って自分自身も移動しながらスロットル、ブレーキ、ステアリングを操作してクルマを走らせることだ。当たり前のことだが、運転とはそういう行動を指す。
よくできた機械であり無機質のクルマを、あいまいさが身上(?)の人間が操るのが運転でもある。だから運転は楽しいし、奥が深い。

ユイレーシングスクールではクローズドコースを使って速く走るための練習をしている。操作とクルマの動きの因果関係を経験するには、とりあえず速く走って見ることが近道だからだ。
そして過去11年間。ほぼ毎年新しいカリキュラムを導入してきた。リピーターに飽きられないよう(!)に次のステップを用意するためだ。今回、あるクラブ向けにドライビングスクールを行ったのを期に、来年導入を予定している8の字型コースを使ったカリキュラムを試してみた。題してフィギュア8。

ユイレーシングスクールの目玉であるオーバルスクールと異なり左右の切り返しが必要になる分、参加者がどう対応するか少しばかり不安があったが、これが大成功。参加者はクルマの運転を楽しみながら、かなりのレベルまでクルマを安定させて走ることに成功していた。


時間の節約のために2台ずつ走る。

操作自体にも言えることだが、安全な運転と速く走るための運転には共通した思想がある。クルマを常に安定させて走らせなければならない点だ。
クルマは動き出すとスロットル、ブレーキ、ステアリングの操作に反応し、ピッチング、ローリング、ヨーイングの3つの動きをする。結論から言うと、クルマが不安定になるのは2つ以上の動きが重なる場合がほとんどで、操作が重ならないように運転することができればクルマは安定して走るように作られている。
速さをテーマに走ることで少しばかりクルマを不安定にして、そこから逆算してどんな操作がクルマを安定させるかを体験するのがフィギュア8の目的だ。


必要に応じてスタッフが引っ張る(リードフォロー)。

1周27秒ほどの周回の中に2回ないし4回のブレーキングと、少なくとも4回のステアリングワークをしなければならないのだから忙しさは確かにある。しかし人間の学習能力というものは大したもので、周回を重ねるうちに速さに逆行するような操作を自然にひかえるようになる。
つまり、速く走ろうとするからこそ、クルマを安定させるコツがわかるという次第。


走行中のタイムを1000分の1秒まで計測してリアルタイムアドバイスとともに伝える。

ところが、慣れてくると走行中に読み上げられるタイムを縮めようとしたくなる。欲を出して頑張ると、途端にタイムが落ちる。どこかで操作が重なり、クルマが不安定になって失速してしまう。言うまでもなく、速く走ろうとしたあまり、クルマの状態を無視した操作をしてしまったからだ。
それでも広い場所に作ったパイロンコースを走っているのだから危険はない。


追う方と追われるほうがそれぞれにクルマをコントロールする。

2台連なって走ると、これまたクルマのバランスを崩しやすくなる。前を走るクルマに追いつこう、後のクルマを引き離そうとクルマの状態おかまいなしに欲を出した時だ。クルマはよくできた機械だから、操作(入力)された通りに動く。操作が理にかなったものでなければクルマがバランスを崩すのは当然のこと。人間の勝手な欲を受け入れてくれるほどクルマは寛容ではない。

ユイレーシングスクールは安全に配慮した会場でしか開催しないから、操作を間違ってもクルマが傷つくことはない。傷つくのは欲を出した当人の自尊心ぐらいなものだから心配は無用。免許取り立ての人も運転経験豊富な人もぜひ一度ユイレーシングスクールに遊びにきてほしい。

自分でこうしたい、と思ってもクルマがそうならない場面というのは無数にある。そうしたいのならば、クルマがそうなるような手続きを踏む必要がある。その手続きこそ安全運転につながるものであり、ユイレーシングスクールがクルマ好きの人に身につけてほしいと思っている思想だ。
今年12月18日(日)。今回試したフィギュア8を一般向けに開催しようと思っているところだ。

※ユイレーシングスクールでは運転にまつわる質問にお答えします。匿名でかまいません。クルマの動かし方に疑問のある方は以下のアドレスにお送り下さい。このブログで回答させていただきます。
・ユイレーシングスクール03ma@avoc.com

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ユイレーシングスクールでは以下のドライビングスクールを開催します。クルマの使い方に興味のある方は参加してみませんか?トゥインゴGTもお待ちしています。(詳細は以下の案内頁をご覧下さい。)

○ 9月18日(日)YRSオーバルスクールFSW 案内頁

http://www.avoc.com/1school/guide.php?c=os&p=osf

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●クルマはよくできた道具なので、性能を発揮させるためにはそれなりの使い方を知る必要があります。ユイレーシングスクールが10周年を記念して制作したCDを聞いてみて下さい。バックグラウンドミュージックもないナレーションだけのCDですが、クルマを思い通りに動かすためのアドバイスが盛りだくさん。クルマ好きにとっては一生ものの5時間34分です。
YRS座学オンCD案内頁:http://www.avoc.com/cd/


第19回 費用対効果

今住んでいるところから最も近いスーパーマーケットにクルマを使わずに行こうとすると。

まず、早足でも25分はかかる湖西線志賀駅まで歩いて180円の切符を買い、平日の昼間だと1時間に3本しかない京都行きの電車に乗り、ふたつ目の和爾駅を目指すことになる。スーパーマーケットは和邇駅から歩いて2分ほどのところにあるから、向こうに着いてしまえばそれほど痛痒を感じることはない。
しかし、両手にレジ袋を下げて志賀駅から自宅まで歩いて戻る姿を想像すると、それも雨の日もあることだし、それを実行する可能性は極めて低い、と自らを説得する自分がいる。

有限の化石燃料を使わずに自転車で行くという手もあるが、歩道が整備されてない昔風の狭い国道161号線を走るのも、何かあってはと気が進まない。結局、なんだかんだと理由をつけては、いちばん手軽なクルマで行くことを躊躇なく選んでしまう自分がいる。

ようやく日本でもセルフ給油式のガソリンスタンドが増えてきた。

オドメーターで計った数字だから正確ではないが、自宅からそのスーパーマーケットまでの距離は161号線を使った場合で7.7キロ。数字的にはそれほどでもない。繰り返しになるが、化石燃料を使わずとも行って来れる距離のように思えるのが正直なところではある。
ところがここからがクルマが持つ魔力で、なんの迷いもなくクルマで買い出しに行く自分がいる。


 

自分でノズルを持つと、ついつい燃費コンシャスに。

慣らしが終わり快調に走るトゥインゴGTの燃費は、この夏の暑い日にエアコンを入れて走ってもリッターあたり14キロ代。極力過給しないように走っているのだが、どこかでガソリンを吹いているのだろう。それはともかく、大雑把な計算ではあるが、スーパーマーケット往復が約15.4キロとして、リッターあたり14キロ走るとしてトゥインゴGTが消費するガソリンが1.1リッター。一昨日給油したいつものガソリンスタンドのハイオクがリッター154円だから、スーパーマーケット往復で約170円。JRに払う半分のお金で買いだしをすることができる計算だ。

近くのスーパーマーケットに行くのにも自動車専用道路を使う。

安くすむは、電車の半分しかかからないは、雨の日でもおっくうではないし、重い荷物を持つ必要もない。
いろいろ理由をつけて他の方法で行くことを忘れようとしている自分がいるのも確かだけど、そうしないまでもクルマを選ぶ正当な理由があるのも事実。効率を考えれば、いやがおうでも選択肢はクルマしかない。
そう考えると、クルマは偉大だ。今さら言うことでもないかも知れないが、個人レベルで効率を求めることになるとクルマの存在価値は大きい。そう主張している自分もいる。

買い物用にあつらえたリュックサックを横目に、自転車を磨ながら思った。涼しくなったら、クルマの価値を認めた上で、クルマ以外の手段にも挑戦してみようと。
外気温が35度を過ぎる日が続いていたが、ここへきてようやく涼しくなった。中庭から見上げれば大量のトンボ。まもなく、大津に越してきて初めての秋を迎える。

京都に行ったついでにDプラスカフェに寄ってみた。

79年の秋。当時住んでいたロサンゼルスで童夢P2の長期テストを任された。日本初のスーパーカーはハリウッドで、サンタモニカで人々の目を惹いた。
その童夢ゆかりのカフェが京都にある。店内にはウェッジシェイプがが特徴の童夢P2も飾ってある。牛すじカレーが逸品。

・ディープラス カフェ ホームページ

http://www.depluscafe.com/

※ユイレーシングスクールでは運転にまつわる質問にお答えします。匿名でかまいません。クルマの動かし方に疑問のある方は以下のアドレスにお送り下さい。このブログで回答させていただきます。
・ユイレーシングスクール03ma@avoc.com

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ユイレーシングスクールでは以下のドライビングスクールを開催します。クルマの使い方に興味のある方は参加してみませんか?トゥインゴGTもお待ちしています。(詳細は以下の案内頁をご覧下さい。)

○ 8月28日(日)YRSドライビングワークショップFSW 案内頁

http://www.avoc.com/1school/guide.php?c=ds&p=dwf

○ 8月30日(火)YRSドライビングスクール筑波

http://www.avoc.com/1school/guide.php?c=ds&p=tds

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YRS座学オンCD案内頁:http://www.avoc.com/cd/


第18回 タイヤを使う

  オドメーターは13,000キロを超え、トゥインゴGTはますます快調。
  街中を4速で走行中にわずかにスロットルを開けてやると聞こえる、かすかに聞こえる「ヒュィーン」という過給の開始を告げる音が心地よい。

久しぶりの奥伊吹スキー場。木々の緑も深まり夏。

  さて、7月に開催した今年2回目のYRSオーバルスクール奥伊吹の合間に、トゥインゴGTにデータロガーを取り付けて走ってみた。
  YRSオーバル奥伊吹はパイロンを並べて作った半径21.5mの半円を60mの直線で結んだ楕円形のコース。加速、減速、旋回が繰り返されるオーバルコースを速く走ろうとした時、クルマにはどんな加速度が生まれているか検証する。
 
  搭載したデータロガーはパフォーマンスボックスと呼ばれるGPSからのデータを記録。パソコンにダウンロードしたソフトで解析するもの。シガーライターを電源とする簡単なものだが、走り方を解析するには十分なデータを提供してくれる。

 

ウインドシールドの裏側に吸盤で取り付けるだけの簡単なデータロガー

  ユイレーシングスクールではスクールのたびに「どんなに高性能なクルマでもタイヤのグリップを超えて速く走ることはできない」、「安全に走るためにもタイヤのグリップを維持する技術を身につける必要がある」と説明する。またクルマ側から見ればタイヤのグリップとは4本のタイヤのフリップの総和のことだから、4本全てのタイヤのグリップを損なわないような操作をする必要がある、とも説いている。
  どんな時にグリップを損ないやすいか、という話は別の機会にゆずるとしてデータを見てみよう。下の図はYRSオーバル奥伊吹をインベタで走った1周260数メートルの速度と走行位置を示している。それにその時々のクルマの状態を描き加えたものだ。

 

縦軸に速度。横軸に距離を示す。右の図はクルマの位置を示す。

  40数キロでコーナリングしたトゥインゴGTはコーナーが終わる頃から徐々にスピードを上げ、このコースの最高速度70数キロに達する。
  60mの短いストレートのなかばで加速から減速に転じ、トレイルブレーキングを使いながらコーナーに進入。テーマが『できるだけコンスタンとに速いペースで走る』ことだから、コーナーの中で失速しないようにスロットルとステアリングを慎重に操作する。
  どの位置で、どの位スロットルを開けると『クルマが前に進む』かを感じながら、次のストレートに向けてスロットルを開ける。
  たかが1周16秒弱の箱庭みたいなコースではあるけれども、テーマを持って走ると見えなかったものが見えてくる。
 
  余談ながら、YRSオーバルスクールでは同じようなコースを1日に70周以上する。140回以上のコーナリングの練習をする。コーナリングの仕方だけでなく、タイヤのグリップを探る方法を知りたい方はぜひ参加してみてほしい。

  次の図は全く同じ周回のグラフに横Gのデータを取り込んだものだ。クルマの位置関係がわかりにくいかも知れないが、前の図と照らし合わせてみてほしい。

 

赤い線が速度。青い線が横Gを示す。

  図から0.7~0.8Gほどの横向加速度を受けながらコーナリングしているのがわかる。ちなみに最初のコーナーの横Gが比較的小さ目なのはこのコーナーの部分が駐車場で最も低いからだ。
  トレイルブレーキングを使ってコーナーに進入し、コーナリングの姿勢ができたら右足をスロットルペダルに戻してクルマをイーブンスロットルの状態にする。前後の荷重を均一にして4本のタイヤのグリップ全てをコーナリングに振り分けるためだ。

  次の図は同様に速度を表すグラフに加減速Gのデータを読み込んだものだ。

 

赤い線が速度。青い線が加減速Gを示す。

  コーナーを抜けて加速する。加速度はおおむね0.3Gほど。次のコーナーを回れる速度まで落とす時のマイナス加速度が0.5Gほど。
  コーナリング中の加速度に波があるが、これはヨーモーメントが発生していることを示す。原因としては、舵角とスロットルの修正に路面からの外乱が加わり、さらにトゥインゴGTの場合はトラクションコントロールの介入もある。
  しかし波はあるもののその区間の速度がほぼ一定だから、クルマ自体は安定してコーナリングしていることを示している。

  さて、この2つのグラフには安全にクルマを動かすために必要な操作のヒントが全て込められている。クルマ側からの視点に長けていれば、2つのグラフからそんな操作をしたらいいのか導きだせるはずだ。時間がある時にでも、あれこれ想像してみてはどうだろう。走り方を考えるのもクルマを動かす楽しさの一部だ。

  で、今回のまとめ。
  ■加速性能はクルマで決まる。とりあえず加速に関してタイヤのグリップが不足することはない。あるとすれば、発進加速の時か雪道を走る時だ。安心してスロットルを床まで踏んでもかまわない。なぜならば、タイヤの回転する方向と加速度の向きが一致しているからだ。
  ■どんなにすぐれた制動性能を備えたクルマでも、基本的な減速性能は運転手の技術によるところが大きい。制動性能をいくら大きくしても、それが大きなマイナス加速度とイコールになるわけではない。減速時にはタイヤの回転方向と加速度の向きが正反対だから、制動力の立ち上げかた(=踏力のかけかた)しだいでタイヤは簡単に限界を超える。
  ■コーナリングの速さは、間違いなく運転手の技量によって決まる。コーナリングでは加速度がタイヤの回転方向に直角に働く。しかし動いているクルマには加減速の加速度も加わっている。この2種類の加速度を合計すると、ほんのわずかな操作が原因でいとも簡単にタイヤのグリップの限界を超える場面に出くわす。
  ■タイヤには静的なグリップと動的なグリップがある。もちろんクルマを走らせているのは動的なグリップだ。しかし動的なグリップは絶えず変化する。タイヤにかかる全ての加速度の合計が、『その瞬間のタイヤのグリップ』を超えないような操作がクルマを安全に走らせる。

  クルマを運転する人全員が速く走る必要はない。しかしクルマを安全に走らせるためには、タイヤのグリップを超えない操作を知る必要がある。タイヤのグリップの範囲内でクルマを動かせるようになるためには、その人が速く走るつもりのない人であっても、今のところ、速く走る方法からひも解く以外にはない。だからドライビングスクールが有効なのだ。

※ユイレーシングスクールでは運転にまつわる質問にお答えします。匿名でかまいません。クルマの動かし方に疑問のある方は以下のアドレスにお送り下さい。このブログで回答させていただきます。
・ユイレーシングスクール03ma@avoc.com

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  ユイレーシングスクールでは以下のドライビングスクールを開催します。クルマの使い方に興味のある方は参加してみませんか?トゥインゴGTもお待ちしています。(詳細は以下の案内頁をご覧下さい。)

○ 8月28日(日)YRSドライビングワークショップFSW 案内頁
http://www.avoc.com/1school/guide.php?c=ds&p=dwf

○ 8月30日(火)YRSドライビングスクール筑波
http://www.avoc.com/1school/guide.php?c=ds&p=tds

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●クルマはよくできた道具なので、性能を発揮させるためにはそれなりの使い方を知る必要があります。ユイレーシングスクールが10周年を記念して制作したCDを聞いてみて下さい。バックグラウンドミュージックもないナレーションだけのCDですが、クルマを思い通りに動かすためのアドバイスが盛りだくさん。クルマ好きにとっては一生ものの5時間34分です。
YRS座学オンCD案内頁:http://www.avoc.com/cd/


第17回 クルマはタイヤでしか走らない

 
  田植えも終わり、富士山も初夏の装い。 

 ず~っと昔。「クルマはタイヤで走ります」というタイヤメーカーのCMがあったと記憶する。
  そのメーカーが何を意図してそのCMを流したかはわからないが、クルマを運転する者はみな、このフレーズを頭に入れておいたほうがいいし、ドライビングスクールを主宰する身としては、そんなCMが復活してほしいとさえ思っている。 

  

サスペンションの第一機能はタイヤを地面に貼り付けること。  

 
  クルマにはタイヤの存在が不可欠なのは誰にでもわかるが、その性能を発揮するのにはタイヤが路面をつかまえる力=グリップが必用なことをきちんと認識している人は少ない。
  グリップがいいタイヤを履けば速く走れると単純に信じていたり、その特性を知らずにかっこうだけを理由に超扁平タイヤを履いてみたり、グリップの本質から離れたところでタイヤと向き合っている。タイヤはクルマが機能するために欠かせないものではあるが、それでも、クルマを構成する部品のひとつ。それだけをいじってもクルマの性能が向上するわけではない。まして、クルマを走らせるのが『曖昧な人間』ときているから、人間が間違いを犯せば、いくらグリップのいいタイヤを履いていてもクルマが言うことを聞いてくれるとは限らない。
  「今度はグリップのいいタイヤを履いたからタイムアップは間違いなし」と言い切ったのに、それまでのラップタイムを更新できなかった人。小さくなった扁平率が操縦性にどんな影響を与えるか、考えもしないでアンダーステアを出しまくっている人。ユイレーシングスクールではほとんど見かけないが、日常的にそんな例は枚挙にいとまがない。  

 


 タイヤの使い方によるコーナリング3態。 

 
  クルマが走る時。クルマには必ず加速度が働いている。加速中にはプラスの加速度。減速中にはマイナスの加速度。旋回中には遠心力。その加速度は速度とともに変化し、それに車重を加えた大きなエネルギーを支えながらタイヤは仕事をしている。
  路面をつかまえることがタイヤの仕事の全てだ。しかし、タイヤのグリップは無限ではない。加速度の大きさと向きによってはタイヤが支えきれない場合があってもおかしくない。人間がそうしたいと思っても、そうならない場合があるのはそのためだ。
  だから、発想を変えて、どうしたら『グリップを損なわない』操作ができるかという視点でクルマを動かすと、クルマは人間の言うことを聞きやすい。特に、1輪だけでなく4輪全てのグリップを常に維持することを念頭におけば、クルマにとって正解となる操作の方法が見つけやすい。 

 


 走行状態によっても前後タイヤのグリップレベルは変化する。 

 
  昔に比べてクルマが高性能になり、タイヤの性能が格段によくなった。確かに我々人間にとっては嬉しいことだが、だからと言ってクルマ任せ、タイヤ任せでクルマを走らせられると思うのは間違いだ。逆に、高性能と安全という言葉が人間に油断をさせてはいないかを考えてみる必要がある。

  クルマの運転はそれだけで無条件に楽しい。しかし、クルマの動かし方、それはタイヤの使い方であり、4輪のグリップを維持する方法なのだが、それを知れば運転はもっと楽しくなる。

  ひとりでも多くのクルマ好きに運転の楽しさを知ってほしい。それがワンボックスであろうと、SUVだろうと、タイヤが4本ついていればどれも同じ。タイヤの使い方を知りたい人、もっと楽しく運転したい人。ぜひユイレーシングスクールに参加してみてほしい。 

 


 訪れるたびに違った表情で出迎えてくれる富士山。いいね。 

 
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  ユイレーシングスクールでは以下のドライビングスクールを開催します。クルマの使い方に興味のある方は参加してみませんか?トゥインゴGTもお待ちしています。(詳細は以下の案内頁をご覧下さい。)
   
■ 7月23日(土)YRSオーバルスクール奥伊吹 案内頁
http://www.avoc.com/1school/guide.php?c=os&p=oso

◆ 7月28日(木)YRSドライビングワークショップFSW 案内頁
http://www.avoc.com/1school/guide.php?c=ds&p=dwf

■ 7月29日(金)YRS + エンジン ドライビングレッスン
エンジン(03-3267-9681)編集部にお問い合わせ下さい。

■ 7月30日(土)YRSオーバルレースFSW
http://www.avoc.com/2race/guide.php?c=sr&p=yor

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●クルマはよくできた道具なので、性能を発揮させるためにはそれなりの使い方を知る必要があります。ユイレーシングスクールが10周年を記念して制作したCDを聞いてみて下さい。バックグラウンドミュージックもないナレーションだけのCDですが、クルマを思い通りに動かすためのアドバイスが盛りだくさん。クルマ好きにとっては一生ものの5時間34分です。
YRS座学オンCD案内頁:http://www.avoc.com/cd/


第16回 YRS + エンジン ドライビングレッスン

ユイレーシングスクールはエンジン編集部とタイアップしてドライビングレッスンを開催している。初めて開催したのが2003年だから、かれこれ9年続いている。5月末には38回目のエンジンドライビングレッスンを開催した。
 
  この企画を持ち込んだのは、大人の遊び心の増幅に力点を置く雑誌エンジンの読者に、『所有欲から使用欲への転換』を訴えてみたかったからだ。
 
  編集部には、『クルマをただ所有するだけでなく、クルマは道具なのだからトコトン使い倒す方法を教えることを読者サービスにしませんか』と提案した。ご自身も走ることが好きな鈴木編集長の快諾を得て、日本ではまれな、雑誌を母体としたクルマの楽しさを存分に味わう場を提供することになった。

リードフォローにトゥインゴGT大活躍の図。
 

  エンジンドライビングレッスンのカリキュラムは、当時筑波サーキットの委託を受けて開催していた筑波サーキットドライビングスクールをアレンジしたもの。午前中にジムカーナ場にパイロンで作ったオーバルコースをひたすら回り、クルマを安定させて走るための操作に慣れ、午後は1周1キロメーター強のコース1000に移動してサーキット走行。
 
  クルマを速く走らせたことのない人も、最初のオーバル走行でアンダーステアを経験し、操作によってはクルマが曲がらないことを覚える。1周14秒ぐらいのコースだから7秒に1度はコーナリングをするわけで、加速・減速・旋回の流れが身体にしみ込む。
  コース1000を走ったことのない人をクルマに乗せて、サーキットを走る時の注意点などを話ながらバンライド。自分で運転しているのではないから、サーキットの景色がよく見える。続いてインストラクターが運転するクルマの後に連なって、ライン取りやブレーキングポイントのタイミングを練習するリードフォロー。できるだけ車間距離をつめて走ってもらい、自分で考えずに前のクルマの「真似」することに集中してもらう。

セッションごとのベストラップを集計。傾向を把握し、さらにカリキュラムを練る。
 

  一連の流れの中で、サーキットを走ったことのない人もそれなりに走れるようになる。それなりにというのは、ラップタイム自体は遅くても、クルマを安定させて走れるという意味。気負わずに、クルマと対話しながら走るから、クルマの高い性能の恩恵にあずかることができる。結果としてエンジンドライビングレッスンではコースアウトやスピンはほとんどない。そして、安定して走らせることを身体が覚えれば、次のステージに進むことができる。
  ベテランの人も、ひとつずつステップを踏むことでリズムができるから、以前の経験を引き出しやすい。セッションが進むにつれて、短時間で運転がこなれていく。

  クルマはこうしようと思っても、そうならない場合がある。それは、こうしようと思った時に人間側がそうする準備をしていなかったり、クルマ側がそうなる状態になっていないから。クルマの動きを感じ、クルマにそう動いてもらうための手続きさえ怠らなければ、クルマは意のままに動いてくれる。だから自動車。

  速く走ることが危険なのではなく、クルマの動かし方を知らないまま運転することのほうが危ない。速く走るためにはクルマをキチンと操作することが求められるわけだから、その意味で、速く走ろうと努力することは安全に運転することにつながる。だから、自由に速く走れるサーキットで運転の練習をする。
  速く走ったことのある人は、クルマの運転でやってはいけないこととやらなければならないことを身につけるから、日常の運転に余裕が生まれる。速く走らなくても、クルマが動いている状態がわかるから、運転していて楽しい。

 

 新旧2台のルーテシアも参加。
   

悩みというと怒られそうだが、他のユイレーシングスクールのスクール同様リピーターが多い。少しでも大勢の人に運転の楽しさを味わってもらいたいのだが、基本的な流れは1回参加してくれた人がまた参加してくれる。
  今回のエンジンドライビングレッスンは、いつもより多い5名が初参加。残りはリピーター。中には10回以上参加してくれている人もいる。
  もちろん、中には運転をつきつめることが苦手な人もいるかも知れない。それでも、仕事で、あるいは余暇にクルマを動かすことのある人は、一度安全な環境で速く走ってみることをお勧めしたい。


レッスンが終わって全員集合。心地よい疲労感と達成感とともに笑顔、笑顔。

 

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  我が家のトイレに置くゴミ箱を探しに、信楽の里まで久しぶりにトゥインゴGTの兄弟を連れ出した。ずら~っと並んだ陶器はひとつひとつの表情が全て異なり、選ぶのにたいそう苦労した。それでも10件近くのお店を回ったおかげで、ぴったりの植木鉢を見つけることができた。

 

 大きな狸がお出迎え。少しビックリ。
 

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  ユイレーシングスクールでは以下のドライビングスクールを開催します。クルマの使い方に興味のある方は参加してみませんか?トゥインゴGTもお待ちしています。(詳細は以下の案内頁をご覧下さい。)
   
■ 7月23日(土)YRSオーバルスクール奥伊吹 案内頁
http://www.avoc.com/1school/guide.php?c=os&p=oso

◆ 7月28日(木)YRSドライビングワークショップFSW 案内頁
http://www.avoc.com/1school/guide.php?c=ds&p=dwf

■ 7月29日(金)YRS + エンジン ドライビングレッスン
エンジン(03-3267-9681)編集部にお問い合わせ下さい。

■ 7月30日(土)YRSオーバルレースFSW 案内頁
http://www.avoc.com/2race/guide.php?c=sr&p=yor

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●クルマはよくできた道具ですから、性能を発揮させるためにはそれなりの使い方を知る必要があります。ユイレーシングスクールが10周年を記念して制作したCDを聞いてみて下さい。バックグラウンドミュージックもないナレーションだけのCDですが、クルマを思い通りに動かすためのアドバイスが盛りだくさん。クルマ好きにとっては一生ものの5時間34分です。
YRS座学オンCD案内頁:http://www.avoc.com/cd/


第15回 YRSオーバルスクール奥伊吹

  ゴールデンウィーク中の最後の土曜日。奥伊吹スキー場の駐車場でYRSオーバルスクールを開催した。昨年9月に試験的に開催したことはあったが、正式には関西で初めてのYRSドライビングスクール。
  山を切り崩して整地したこの駐車場。地形通りに作られているから、かなり形はいびつ。それでも最も長い部分で175.1m.幅が112.3m(数値は奥伊吹スキー場提供の工事図面から)あるから、走路の幅は多少狭いが富士スピードウエイで開催しているYRSオーバルスクールFSWと同じ大きさのオーバルコースを設定することが可能だ。だから、延べ1,070名のYRSオーバルFSWのデータと比較することができる。
  もちろん。オーバルスクールでは速く走ることだけが目的ではないが、どんなクルマでどんな運転経験のある人が、どのくらいのラップタイムを記録しているのか参考になる。ロードコースとは異なり、ちょっとしたミスでも直接速さに影響するオーバルコースでは、速く走ろうとしても速く走れるわけではない。ラップタイムはあくまでも、1周の間ずっとクルマの性能を引き出す操作ができたかどうかの結果だ。1周のラップタイムが良くても、セッションを通じての平均ラップが遅ければどこかにクルマの性能をスポイルしている部分があるいはずだ。
  高いお金を払って参加してくれる人が、自分なりの目標とテーマを持てるように、この歴代ラップタイムは重要な意味を持つ。

奥伊吹スキー場の駐車場にパイロンでオーバルコースを設置。

  連休中の開催だったので申し込みは低調。1名がクルマのトラブルで不参加だったので最終的に8名で開催。24名までは消化できるカリキュラムなのだが、今回は人数が少ないので大サービス。とにかく徹底的に走り込んでもらった。
  ちなみに、8名中4名が過去にユイレーシングスクールに参加したことがあるのでオーバル走行を経験済み。残りの4名はオーバルコースを見るのも走るのも初めて。

YRSルノー・スポールゼミに参加してくれたWさんも愛車とともに。

  ユイレーシングスクールではYRSオーバルスクールに参加してくれた方が記録したラップタイムを表にして送っている。計測した全てのラップタイム、ベストラップタイム、アベレージラップタイム、ワーストラップタイムをはじき出してある。さらに、ベストとアベレージの差、アベレージとワーストの差も計算してある。どんな表なのかは下の画像を見てほしいのだが、セッションの欄にあるRは右回り、Lは左回りを示している。

<参考>YRSオーバルFSW1733名の記録
http://www.avoc.com/cgi/laptime.cgi?yof,b,01


参加者に送った計測データの1部。

  ユイレーシングスクールでは参加してくれた方に、折りに触れてアンケートを行っている。みなさんがどんな感想を抱いたか知ることによって、カリキュラムの修正や追加をすることができるし、公開することでユイレーシングスクールの有り様もわかって欲しいからだ。
  今回はそのアンケートの回答をそのまま引用する。ユイレーシングスクールの実態に触れてもらえればと思う。

トゥインゴGTもリードフォローで大活躍。

  アンケートの設問は以下の通り。
(1)ユイレーシングスクールのオーバルスクールをどう思われますか?
(2)ユイレーシングスクールの教え方をどう思われますか?
(3)ユイレーシングスクールはあなたの運転の上達に役に立ちましたか?
(4)役に立ったとすればどんなところでしょう?

  少し長くなりますが、以下が参加者からの回答(参加8名中7名が回答)です。設問の番号を回答の頭につけてあります。お名前の後のデータは、参加車両/改造の有無/サーキット走行時間/YRSオーバルスクール参加歴、です。

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○ Tさん GTR/有(サスペンション他)/レース経験/有
(1)昨日はお世話になりました。自分の次のステップが見つかったような気がします。関西ではまだ知名度は低いですが、一見単純な様で実はかなり奥の深いスクールだと思います。スポーツ走行未経験者から上級者まで、根本とするところは同じでもそれぞれのレベルに合った課題を提供してもらえて、その課題をクリアしていく。とても効果のある練習方法だと思います。関東ではリピーターが多い理由が納得できました。
(2)自分は公道での安全な運転技術を学ぶ為にスポーツドライビングを始めたので、自分の考える所とピッタリと合いました。また、あまり語られる事の無かった「ドライビング理論」について、実技を通してここまで詳細に学べる所は無かったのではないでしょうか。
(3)とても役に立ちました。
(4)荷重のコントロールをみっちり練習したことによりイーブンスロットルはひたすら我慢することでは無く、微細な荷重移動を行って積極的に向きを変え、脱出時のアクセルオンの開始位置を手前にすることができました。
今まで自分の車は、トルクバンドがかなり高回転よりになっているので、脱出後にトルクバンドから外れることが多く、車のせいにしていましたが、運転の方法で脱出時にトルクバンドに乗せる方法がある事を知りました。

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○ Yさん スバル ヴィヴィオ/ノーマル/11時間/初めて
(1)単純なコースレイアウトだが、上手に走行するのが中々難しく奥が深い。1日中走っても飽きることなく楽しく走行できた。
(2)ラジオを使用して、その都度指摘してもらえるので、良かった所、悪かった所が印象に残りわかりやすい。
(3)役に立った。
(4)ブレーキ、ハンドル操作等自分の運転の仕方の間違っている箇所がわかった。

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○ Wさん ルノー メガーヌRS/ノーマル/経験なし/初めて
(1)土曜日はとてもよい経験をさせていただきました。どうもありがとうございました。今になって思い返せば、せっかく丁寧なアドバイスを頂いたのに、ガツンとブレーキを踏みグイッとステアリングを切りドカンとアクセルを踏む、全く悪い見本のような走りだったように思います(苦笑)。でも楽しくって(笑)。もう自由に走らせていただいてありがとうございました。
次回はタイムの呪縛から解かれもっとジェントルな運転を身につけるべく周回を重ねたいと思います。ただ今回も、スムーズに周回出来た周の方がギリギリまで頑張った周回よりタイムがよい、ということの片鱗を見たような気はしました。
ホームページの印象からは、理論的な、悪く言えば堅苦しいスクールをイメージしそうですが実際はむしろエモーショナルな、本能に訴えかけるようなスクールでした。それは「内燃機関のおもしろさ」をまず最初に語られたことに通じるように思いました。
(2)今回は参加者の構成に合わせられたのか、理論よりは実践!的な進行だったのでしょうか。確かに運転は実践であることからしても、また私個人的にもたくさん走れて充実の一日でした。ただ、もし可能であれば、自分の走行をビデオで見てそれにコメントをいただく、というような機会があればもっとわかりやすいかなと思いました。もっとも1日のスケジュールでは難しいかもしれませんね。
(3)非常に役に立つと思います。
(4)車と自分の限界付近での挙動を垣間見れたこと、逆に雑多な目的とレベルの混在した一般公道で限界に近づくことの危険性を再認識したこと。思い通りに車をコントロールするためにはやはりそれなりの訓練を積み重ねないと難しいということがよくわかったこと(頭でわかっていてもその通りに行うことは、いろいろと、難しいものですね。精神修養が必要です(笑)そして同じ課題に取り組む他のドライバーの走りを間近にみられたこと。

参加車はGTRからワンボックス、SUV、軽自動車まで多彩。

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○ Fさん シルビア/有(シート)/11時間/初めて
(1)オーバルコース走行により、基本的な動作の確認ができる(悪い部分を確認できる)ので良いと思います。
(2)FMでのリアルタイムな指摘があるのがよいと思います。
(3)役に立つと思います。
(4)タイヤ4輪を使った(安定した)車の動作が重要である点。また、コーナリング出口でのインストラクターのハンドルの戻し方(一気に戻すことで車のロールを消す)が印象的でした。

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○ Hさん スズキ スイフト/有(サスペンション他)/10時間/有
(1)ブレーキング、コーナリングの技術向上、に非常に役に立つと思います。
(2)実際に車を運転しているときに、リアルタイムでアドバイスをいただけるので、その場で悪い操作を修正できる良い指導方法だと思います。
(3)私にとっては非常に役に立ったと思います。
(4)車の挙動や、姿勢をコントロールする方法、スムーズに走る方法など、独学ではまず理解できない事を教えていただきました。まだ、頭では理解できても、体で理解できていないところがあるので、体に覚えさせる練習をしていき、またスクールに参加していきたいと考えています。

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○ Nさん スバル アウトバック/ノーマル/経験なし/初めて
(1)レース経験のない人でも参加できる所が良いと思います。私は友人から教えてもらって参加したのですが、それまでまったくこのスクールの事を知りませんでした。なんとかもっと幅広く宣伝できればもっと参加者が増えると思うのですが・・・
(2)同乗してくれるのが、とても良かったです。運転操作を見ることが出来る機会はなかなか無いので、それを見ることが出来るのは、自分の中でイメージを作りやすかったですね。
(3)とても勉強になりました。だれかに運転を教わるのは、自動車教習所以来です(笑)オーバルということで、複雑な操作が必要なく、反復練習し易かったです。教わった技術は普段の運転時に練習出来るし、その場だけでは終わらないのが良いですね。
(4)特にアクセルワークとステアリング操作の相互関係でしょうか。早めにトラクションをかけることが、安定性に結びつく事は感覚的に解っていますが、より洗練出来そうです。

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○ Hさん トヨタ ノア/ノーマル/2時間/有
(1)ドライビングスキルアップに非常に役立つスクールだと思います。
(2)悪いところをすぐにフィードバックしてもらえるところが良い。それと説明がわかり易いのも良いです。もうひとつ、自分の車を運転してもらえるところがわかりやすくて良いです。
(3) 間違えなく役立ちます。
(4)特にトレイルブレーキングとステアリング操作について役立ちました。

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パイロン、光電管、送信器、机、椅子、パソコン、巻尺などなど。必要な機材を全て積んでもまだ余裕。トゥインゴGT大活躍の図。
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  ユイレーシングスクールでは以下のドライビングスクールを開催します。クルマの使い方に興味のある方は参加してみませんか?トゥインゴGTもお待ちしています。(詳細は以下の案内頁をご覧下さい。)

□ 5月29日(日) YRSオーバルスクール FSW
http://www.avoc.com/1school/guide.php?c=os&p=osf

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●クルマはよくできた道具なので、性能を発揮させるためにはそれなりの使い方を知る必要があります。ユイレーシングスクールが10周年を記念して制作したCDを聞いてみて下さい。バックグラウンドミュージックもないナレーションだけのCDですが、クルマを思い通りに動かすためのアドバイスが盛りだくさん。クルマ好きにとっては一生ものの5時間34分です。
YRS座学オンCD案内頁:http://www.avoc.com/cd/