トム ヨシダブログ


第710回 YRSオーバルスクールのススメ

富士スピードウエイ(FSW)の東ゲートをくぐり正面の坂を上っていくと右手の高いところにFSW最大の駐車場があります。下の図のように南北に270m余り、東西に150m余の広大な駐車場です。その駐車場、FSWの協力を仰ぎユイレーシングスクールが最初にドライビングスクールの会場として使うことができました。当時はガードレールも教室もなくトイレがあるだけの単なる駐車場でした。駐車場でドライビングスクールなんてできるの、なんて声が聞こえてきた時代です。それでも広々とした舗装された駐車場のような空間でドライビングスクールをやりたい理由がありました。

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ジムラッセルレーシングスクールのアドバンストコースは、カリフォルニアはラグナセカレースウエイの広大なパドックを使って受講生同士に追いかけっこをさせるオーバルトレーニングをカリキュラムに組み込んでいました。これが実に効果的で、なんとか日本でも実現したかったのです。2002年に筑波サーキットジムカーナ場で初のYRSオーバルスクールを開催。翌2003年からは千葉県の浅間台スポーツランドでも開催しました。年に11回開催した年もあります。その後富士山のスキー場Yeti、関越スポーツランド、ツインリンクもてぎ、大阪の舞洲、和歌山マリーナシティ、奥伊吹スキー場で、新しいマーケットを模索しながら変化に富んだオーバルコースの設定を目指してきました。ですが徐々に大きなオーバルコースを作ることができてエスケープゾーンも広くとれるFSWの駐車場にしぼって開催するようになりました。とにかくスピードの出るコースで思い切り走ってもらいたいという気持ちと、速度域が高いほうが参加する人も操作と挙動の因果関係がわかりやすいと思ったからです。

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ユイレーシングスクールの活動の骨格をなすYRSオーバルスクールFSWはコーンを立て、図のようなオーバルコースを作って開催します。基本的には半径22m直線130mのYRSオーバルFSWロングを使いますが、コース幅は14.1mもあります。車線の区分線が描いてないのでにわかには信じがたいですが、高速道路の1車線は幅3.5mですから3車線の高速道路より幅が広いのが特長です。アウト側のコーンの外側にも十分なエスケープゾーンを設けているので安全性は十分に確保してあります。アメリカ製の軟質PVCのコーンを使っているので、コーンと接触してもクルマに傷はつきません。

「クルマは持っているだけでも楽しいけど、走らせるともっと楽しい。うまく走らせられるようになるともっともっと楽しくなる。100年に1度の自動車の変換期にあって、あなたも運転と向き合ってみませんか」。村上編集長のエンジンドライビングレッスン開会の辞です。
いつもより少しばかり速いペースで走っても安全なYRSオーバルFSWで、ご自身の愛車のスロットルを床まで踏んでみませんか。4月2日(日)に富士スピードウエイの駐車場で開催するYRSオーバルスクールFSWへのお誘いです。

・4月2日(日)に開催するYRSオーバルスクールFSWの案内頁へのリンクです

 


第707回 2月の富士山とFSWと食

東京での所用を終えて木曜日午後に御殿場入り。土日がスクールだから金曜日にコース設定をする予定だった。ホテルの部屋で2週間天気とナウキャストをパソコンで見ているといやな予感。

翌朝カーテンを開けてさぁ大変。やっぱり。雪が舞ってるし地面がどんどん白くなっていく。

前日富士スピードウエイのコース営業の担当者とどうなるかね、って話していたけどどうにかなってしまいそう。慌てて身支度してFSWへ向かう。246号線はところどころシャーベット。走れなくはない。小山工業団地に上る道もシャーベット。試しにドンとスロットルを開けると前輪が空転。下りで瞬間的に制動力を立ち上げるとツツツツッって。8時半。なんとかFSWに到着するして遠くを眺めると、東ゲートの先の上り坂が真っ白。東ゲートの駐車場はかなりの水深のシャーベット。事務所前の駐車場は積雪。これは無理だなと、土曜日は朝から晴れの予報だから朝一番にコースを作ってもいいし、と担当者に伝えるも、「明日の営業の判断は昼過ぎに」と。降り続く雪の中をホテルに取って返す。
午後になって担当者から「明日の営業は中止です」と電話。FSWを後にしてからずいぶんと降ったみたい。2022年2月のスクールも雪で中止になったけど。2月は鬼門か。急いで参加申込みをした人に連絡。YRSオーバルスクールFSWの中止を伝える。

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金曜日朝8時
ホテルの駐車場に出たらこの通り
粉雪が舞う
どうなる!

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土曜日
快晴
様子を見にFSWに向かう途中
御殿場市山の尻から8時55分の富士山を仰ぐ

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土曜日だから沼津港は混んでいるに違いないと
今回は海鮮料理をあきらめて
御殿場インター近くの大和田さんに

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白焼き
胆も焼いてあります

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うな重
胆はお吸い物ではなく焼いて出てきます

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土曜日の夕食の写真はなし
6時20分
日曜日の朝食
須走の扇屋旅館さんで

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このところ頻繁に来てくれているSさん
実は土曜日のYRSオーバルスクールFSWにも申し込んでくれていた

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日曜日は予報が外れ終日曇り
その上風が強い
それでもYRSオーバルレースFSW参加者は全開に次ぐ全開

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パワーが武器のFFか
計量が利点のFFか
SさんとAさんのバトル



第702回 嬉しいね X 2

2020年からポルシェクラブ東京銀座の依頼でドライビングレッスンを開催している。昨年はFSWの駐車場でオーバルレッスンと散水車で水を撒いてのドリフト練習、それと筑波サーキットコース1000でイーブンスロットルとトレイルブレーキングの練習をした3回。カリキュラム自体はユイレーシングスクールのそれに準じるものだけど、ポルシェ乗りに向けてプラスアルファも加味している。
今年は4回の開催を予定していて1回目はFSWの駐車場でのYRSオーバルロングが舞台。ドライビングポジションの確認に始まりブレーキペダルの踏み方、ステアリングホイールの回し方の説明、イーブンスロットルとトレイルブレーキングの練習をした後は全開で走りっぱなし。参加した人全員がふだんはなかなかできない愛車の全開走行をを堪能していた。

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あれこれ説明するのだけれど
参加された方は真剣そのもの
聞く方の熱意が伝わり説明に力が入る

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全ての走行が終わればこの通り
「先生は真ん中に!どうぞどうぞ」
それではと
和気あいあいのクラブミーティングです

 

それはそうと、朝座学を始めようとすると会長のFさんが「トムさん ちょっと待って。プレゼントがあるので」 と。 ついぞプレゼントなどもらったことがないのでドギマギしているうちに渡されたのが写真の人形。 嬉しいね。なんか照れくさいけど。

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ちゃんと包装がしてあって

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可愛らしいレーシングドライバー
クルマのウインドウに吸盤で取り付けるタイプかな

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レーシングスーツにはちゃんと『TOM』の名前入り
ありがとうございました
クラブ員のみなさん

 

翌日は同じコースでYRSオーバルスクールFSW。遠路はるばる神戸からKさん、大津からTさんが来てくれました。感謝です。

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左からTさん、ワタクシ、Kさん
朝一で写真を撮っていたら雨が
結局最後まで路面はウエット
それなりに滑ったから大いに収穫はあったけど

 

帰宅してパソコン立ち上げたらKさんからのメールが届いていた。嬉しいね

トム先生
本日はありがとうございました♪ 久しぶりに参加させていただきましたが、やはり目から鱗が多々ありました!
トレイルブレーキの1なんかはまさに中低速コーナーのコーナリングスピードを上げるには必須だし、フルブレーキの練習も大いに役立ちました。ドンブレーキのやり方を誤解しているところがありました。
何よりも先生の横乗りでのコーナリングは、FF車を早く走らせる為のベストな解を体感させていただいたと思っております、まさに私が求めている運転技術でした。
また、天候はあいにくの雨でしたが、スリッピーな路面を出来るだけハイスピードで抜ける経験は一般道ではリスクが高すぎて出来ないので、今日はとてもラッキーでした。また参加させていただきますので、その折には宜しくお願い致します。先ずはお礼まで!


第699回 YRSオーバルスクールのススメ

謹賀新年    ユイレーシングスクールの24年目が始まります。

さて、クルマの機能は加速、減速、旋回の3つだけ。クルマを操る人間の操作はアクセル、ブレーキ、ステアリングの3つだけ。理論上はこの3つと3つがうまく連動してくれればクルマは操縦する人間の思い通りに動いてくれることになる。
ところが厄介なことに、往々にして人間が行う操作がクルマさんがやってほしくない操作である場合が多い。特に速度の高い時に起こりがちだ。要するに人間の考える速さと、クルマさんが速く走れる状態の間にズレが起きるからだ。
そこでユイレーシングスクールは、加速減速旋回が連続する、つまりアクセルブレーキステアリングを次から次へと繰り出さなければならない状況で、まずやらない方がいい操作とやった方がいい操作の仕分けをやるためにオーバルスクールを考案した(もっともオリジナルはジムラッセルレーシングスクール上級者クラスの追いかけっこだが)。

オーバルコースではイーブンスロットルとトレイルブレーキングを駆使してできるだけ速く周回する。いち方向にしかコーナリングしないオーバルコースでは加速減速旋回で発生する加速度を感じやすい。反復練習をするうちに「今のは良かった、今のは駄目だった」と連続して検証できる。ユイレーシングスクールがオーバルスクールを勧めるゆえんだ。

クルマが最も嫌がるのは、人間がついつい犯してしまう操作が重なること。加速、減速、遠心力の加速度を感じることができれば、最終的にクルマさんの向いている方向と運動エネルギーの方向を一致させることができる。一致させる前提で運転をすればクルマがバランスを崩すことはないから、走行中の安全率を高めることができるし、速く走ろうと思えば速くも走れる。

 

イーブンスロットルとトレイルブレーキングは運転操作の基本中の基本です。このふたつを安全な場所で日常ではできない速度で反復練習するうちに、クルマが動く仕組みが理解できるようになり間違いなくドライビングポテンシャル=運転力が高まります。クルマを思い通りに動かす練習を始めてみませんか。

次回YRSオーバルスクールFSWの開催は1月15日(日)と2月11日(土)です。詳しくは開催案内をご覧下さい。
・YRSオーバルスクールFSW開催案内へのリンク

YRSオーバルスクールFSW:半径22m直線60mのオーバルでトレイルブレーキングの練習

YRSオーバルスクールFSW:半径22m直線130mのオーバル車載映像 ルーテシアRS

YRSオーバルスクールFSW:半径22m直線130mのオーバル車載映像 メガーヌRS

YRSオーバルスクールFSW:半径22mのコーナリングを内側から

YRSオーバルスクールFSW:半径22m直線130mのオーバル外撮り