第436回 A110跳ぶ
アルピーヌA110 @ 半径22m直線130m幅員14mのYRSオーバルFSWロング
※ IE(Internet Explorer)でビデオを視聴するのが困難なようです。Chromeやsafari、Firefoxなどのブラウザをご利用下さい
アルピーヌA110 @ 半径22m直線130m幅員14mのYRSオーバルFSWロング
※ IE(Internet Explorer)でビデオを視聴するのが困難なようです。Chromeやsafari、Firefoxなどのブラウザをご利用下さい
ユイレーシングスクール20周年特別企画と題して行ったアルピーヌA110体験走行。YRSオーバルレースに20名、YRSオーバルスクールに19名が参加した。アルピーヌ・ジャポンのご厚意で実現したこの企画。全員がA110ピュアとA110リネージをYRSオーバルコースFSWロングで味わい、走行後はみんなが笑顔。
当日体験した人全員に代わりこのような機会を提供してくれたアルピーヌ・ジャポンに感謝です。
YRSオーバルスクールに参加したルノー仲間と
写真左からUさんのルーテシアⅡRS
TさんのメガーヌⅢRS
ボクとルーテシアⅣRSトロフィー
A110リネージとA110ピュア
TさんのルーテシアⅣRSトロフィー
YさんのメガーヌⅣRS
スタッフYとルーテシアⅢRS
まもなくユイレーシングスクールは開校以来20年を迎える。20年は長い。クルマ自体もクルマを取り巻く環境も変わった。それでも、昔と変わらずクルマが好きで、クルマの運転が好きな人がユイレーシングスクールを訪ねて来てくれる。時代が変わろうと、自分を乗せたクルマを思い通りに動かしたいと希求する人の気持ちは不変だ。
さて、ユイレーシングスクール20周年を機に、アルピーヌ・ジャポンはボクがいたく感銘を受けたアルピーヌA110をユイレーシングスクール受講生が味わう機会を創ってくれた。A110ピュアとA110リネージの2台を11月30日(土)開催のYRSオーバルレースFSWと、12月1日(日)開催のYRSオーバルスクールFSWの参加者に味わってもらえることになった。
ユイレーシングスクール20周年特別企画と題する今回のスクール。両日とも通常のカリキュラムは午前中で終了し、午後からはA110試乗後に愛車との違いを感想文にしたためてもらえる方に、半径22m直線130m幅員14mのYRSオーバルロングでA110の卓越した足回りを味わってもらう手はずになっている。
YRSオーバルレースFSWはYRSオーバルスクールFSW卒業生が対象ですが、YRSオーバルスクールFSWはどなたでも参加可能です。
ユイレーシングスクールオリジナルのオーバルコースでアルピーヌA110のロードホールディングを味わってみて下さい。
※開催案内の頁の下のほうに申し込みフォームへのリンクがあります。申し込みフォームに記入して送信して下さい。申し込み締め切りは11月22日(金)です。申し込みが定員20名(両日とも)を超えた場合は抽選の上で参加者を決めさせていただきます。ご了承下さい。
エンジン12月号に先日FSWショートコースで行われたエンジンドライビングレッスン特別編+アルピーヌの模体験走行の模様が。
申し込み多数ゆえ抽選で参加者を決めたとか
競争率2.5倍の狭き門をくぐった20名の方々
みなさんはやる気まんまん
同じ号には今年最後のエンジンドライビングレッスンの記念写真も
来年も3回開催されます
同じ日に開催されたアルピーヌドライビングレッスンに参加されたみなさん。コーナリングの練習にうってつけの YRSオーバルスクール においで下さい。A110の卓越した足回りを存分に味わえます。
またアルピーヌドライビングレッスンやりたいですね!
秋晴れの一日。アルピーヌA110が富士スピードウエイのショートコースを走り回った。
この日。午前中にエンジンドライビングレッスン特別編とその参加者を対象としたA110試乗会を開催。午後にはA110ユーザーを対象としたドライビングレッスンを開催した。
遠く宮崎からの参加者を含め27歳から72歳まで12名のユーザーがアルピーヌドライビングレッスンに参加。コースを歩き、座学で操作の基本を学び、リードフォローでコースに慣れると、サーキット走行の経験のない方もレース経験のある方に引けを取らないほどの走りを見せていた。
座学ではタイヤのグリップの使い方を中心にビークルダイナミックスを解説
アルピーヌA110のサスペンションがなぜダブルウィッシュボーン式なのかも説明
19名のエンジンドライビングレッスン参加者もアルピーヌドライビングレッスン参加者も、サーキット走行を通じてA110の軽さを大いに満喫した一日でした。
しばらく走ってから一宮さんに取ってもらった写真
どうしてもほほが緩むというもの
オーナーに助手席に乗ってもらいインストラクターの運転を観察してもらう同乗走行もカリキュラムの一部。ドライビングスクールを20年近くやっていると同乗したクルマは数知れず、なんてものではなく、その種類も膨大で、「このクルマはここがいいね」とか「このクルマの特長はこれだね」とか、価格とは関係なく、瞬時にそのクルマの持ち味を見切る目は確かだと自負している。
A110と同じタイプならポルシェのボクスター/ケイマン、ロータスのエリート/エキシージのほとんど全てのバリエーションに乗ったし、新旧NSXもアルファロメをの4Cも限界まで攻めたことがある。いくつかのフェラーリ群やランボルギーニ群も体験済みだ。
運転が好きな人間にとっては高性能スポーツカーは魅力的に映るだろうし、経済的に問題がなければ、現在ではとんでもない動力性能と操縦性能を備えたクルマでも手に入れることができる。そういう意味で、出費をいとわなければクルマ好きにとっては恵まれた時代なのかも知れない。
ただ、運転大好き人間の、私的な好みと思想からすると、クルマを評価する時の最大のポイントは軽さと適度な大きさになる。
物を動かすのにも、物を止めるのにも力が必要になる。そして、物が重いほど大きな力が必要になる。つまり軽ければ小さな力でも物を動かすことができるわけだ。加速と減速を繰り返すクルマにあって、駆動力と制動力に有利に働く軽さは大きなアドバンテージだ。旋回中のクルマには遠心力が働く。遠心力は重さと速度の自乗に比例して大きくなる。同じような性能のタイヤを履いた同じような性能のクルマが2台あったら、軽いクルマのほうが安全に高い速度でコーナリングできることになる。
不遜であることを承知で言わせてもらえば、1トンちょっとの車重に押さえたA110を作った方たちも同じようなことを考えていたのではないのかな、と。
で、四国の山道。「前後のオーバーハングがなくて自分の背中に自転軸があるような曲がり方するよね」、「ブレーキがオーバーにアシストされていないのがいいしイニシャルストロークがカチッとしているのは嬉しいねぇ」、「ダブルウィッショボーンサスペンションって足がよく動いてるってわかるんだよな」、「アンチダイブ/アンチスクワットジェオメトリーになっているのかピッチングが抑えられている気がする」、「背中を押さてのけぞる加速と言うよりクルマが周りの空気と一緒に路面に平行に速度を増す感じだな」。頭の中でブツブツ言いながらA110を味見した。
同乗走行でオーナーから「どうですかこのクルマ?」と聞かれることがある。そんな時はあくまでも自分が経験した範囲での個人的な印象ですが、と断った上で寸評をお話しする。今回、このブログを書きながら、A110のオーナーがユイレーシングスクールに参加して感想を聞かれたら何と答えるだろうかと考えた。
軽さが最大の利点なのは間違いないのだが、「軽いですねぇ」 だけでは感じたものを表現できるわけもなく、オーナーもピンとこないだろうし、軽いことのメリットを羅列しても、それはそれで全体像にはつながらないわけで、 何度も何度も写真を見返した結果、たどりついたのが 『 A110ば慣性力の制御に長けたクルマ 』 という表現。 「加速、減速、旋回の全てにおいて、運転手の入力に対して寸分たがわずに反応し、否、運転手の意識を代弁するかのごとく反応し、運転がわかっている人には涙もののふるまいをするクルマです。運転手を育てるクルマかも知れませんね」というようなことを伝えたいと思った。 『 今ボクが最も手に入れたいクルマですね 』 とも。
A110とは何の脈絡もないけれど、下の写真は軽さという共通項があるので引っ張り出したNA6ロードスターのレース仕様。ユイレーシングスクールの卒業生(スクールを受講した人の意)とレースに出場しようと作りあげた。テーマはとにかく軽く、風の当たるマシン。一応、アメリカのSCCAの車両規則でEプロダクションに合致しているから、SCCAカリフォルニアリージョンに持っていけばレースに参加できる。
とにかく軽量化を最大の目標にして、ウインドスクリーンはとっ外してボンネットはFRP製に置き換えドアは外板だけのペラペラ、前後のオーバーフェンダーもアメリカから持ってきたFRP製。前後のダブルウィッシュボーンサスペンションの付け根までロールケージを伸ばしてショックタワーを補強したからシャーシ剛性は十分で不要なボディ部材はことごとく切除。ブレーキもフロント4ポット、リア2ポットの対抗ピストンにしてバランスバー付きダブルマスターシリンダーでノンパワーのアルミ製ペダルアッシーに。ブレーキラインはもちろんステインレスブレイデッド。リトラクタブルヘッドライトのカバーの下はがらんどうだし。とにかく機能部品以外は全て外そうと考えられることを全てやった結果、限りなく目標の900Kgの車重に近づけることができた。
最初から積まれていたエンジンが1.6リッターでエアクリーナーを変更しただけの状態なのに、その加速と加速感は2クラス上のよう。前後オーバーハングの重量を削ったから回頭性が抜群になって、昔から信じていた『 クルマが軽いということはいいことなのだ 』 を証明することができた。だからこそ今、A110の出現がどれだけの意味を持つかがわかる。
A110が現れて、A110に乗ってみて、自分の意識と思想が認められたようで、この上なく嬉しい。自画自賛ではあるけれど。
A110ピュア。ディフューザー、エアインテイクなどがお飾りではなく、機能がデザインと融合でいいじゃないか。鍛造ホイールもシンプルで軽そう。シートも気に入った。全体のシルエットもこれはもうたまらない。アルピーヌ徳島で購入された方は通勤に使っている人が多いという。なんという幸せ者。