トム ヨシダブログ


第640回 ドライビングスクールのすすめ

1999年12月にユイレーシングスクールとして埼玉県の小さなカート場でドライビングスクールを始めてからずいぶんと時間が経った。昨年末までのドライビングスクール開催数は922回。延べ受講者は17,554名にのぼる。商業的背景を持たないドライビングスクールとしては誇らしい数字ではあるし、ここ10年ぐらいはリピーター率が95%を超えるのでジムラッセルレーシングスクールから受け継いだカリキュラムが功をなしているに違いない。もっとも、そう聞くと初めてユイレーシングスクール参加を考えられている方は二の足を踏むかも知れないけれど。
ドライビングスクールの中には雑誌やカークラブの依頼で開催したものもいくつかあるし現在進行形のものもある。「所有欲から使用欲への変換」と題した企画書から始まったYRS+エンジンドライビングレッスンももちろん含まれる。

『車は所有するだけでも楽しいけれど運転してこそ本当の楽しみに出会える。そしてうまく運転できればもっと楽しい。うまくなるためにも、もっと車を楽しむためにも一度運転を習ったほうがいい。ですからこれからもエンジンドライビングレッスンを続けていこうと思います』とは村上エンジン編集長の言葉。

その通りだと思う。クルマは道具だから使い方がある。使い方を知れば知るほどクルマを思い通りに動かせるようになる。クルマの運転で楽しいのは速く走らせることだけではない。思い通りに動かせてこそクルマの本当の価値に触れることができる。クルマに頼らず自分自身が能動的にクルマを動かしていることを実感することで、運転がさらにもっと楽しくなる。

2003年からブレずに運転の楽しさを追い求め通算72回目。4月14日(木)開催の2022年最初のエンジンドライビングレッスンの申し込み受けけが始まっている。

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2021年2回目のエンジンドライビングレッスン
参加者全員の笑顔で記念撮影

 

今回30回目を数える『1回の受講で10回分の収穫のあるドライビングスクール』がうたい文句で3月19、20日(土日)開催のYRSツーデースクールFSWも参加申し込み受付け中だ。現在申し込まれた方16名。うち2名がユイレーシングスクール初参加。

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2021年2回目のYRSドライビングスクールFSW
2日間どっぷりクルマの運転に浸かり
達成感いっぱいで記念撮影
 

 

今、自動車は100年に一度の大改革の時代を迎えていると言われている。あとほんの何年かすると内燃機関の爆発力を味わうことができなくなる日が来るかも知れない。運転だけを純粋に楽しむためにクルマを動かすことが否定される日が来てしまうかも知れない。だから今、経験の多寡に関わらず理論的にクルマの動かし方を学べ、理論を実践に移すことのできるドライビングスクールの受講を検討してみてはいかがだろう。

クルマの運転に正面から向き合い自分のポテンシャルを掘り下げようとする方々の力になりたい。ユイレーシングスクール無二の方針だ。



第637回 安全運転練習

Kさんは2009年4月のYRSオーバルスクールFSWにロードスターに乗って初めてやってきた。その後、YRSオーバルレースFSWにも参加してくれるようになったけど、乗ってきたクルマはジネッタG4、ポルシェケイマン、ポルシェGT3、ドリフト用のS15シルビアなど多種彩々。そして参加してくれた回数はなんと81回! クルマの運転を謳歌しまくり。ところが2018年12月のYRSオーバルレースFSWを最後にバッタリと顔を見せなくなった。どうしたのかな、仕事が忙しくなったのかな、と思うことも度々。

ところがつい先だって突然電話。「今度のオーバルスクール行きま~す。ふたり連れて行きますから」と。

当日10数年前と同じ黄色いロードスターでやってきたKさんは、バイクにはまってしまってしまって四ツ輪との距離ができてしまったと自ら告白。で、この日は安全運転講習の名目で社員2名に練習をさせたいので付き添いとのこと。

小さなオーバル、大きなオーバルとKさんは昔取った杵柄とばかりに破綻を微塵も感じさせない走りでお手本を示す。クルマがわかっている人の走り。むしろバイクに浮気していた分、力が抜けて走りが洗練されたような。バイクに走った意味があったのかも知れない。

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YRS初参加のMさんを追いかけるベテランのKさん

 

肝心の安全運転講習はと言うと、社員のSさんは以前にも参加してくれたけどNさんはユイレーシングスクールが初めてというより速く走ることも初めて。同乗走行で見てもらった走りが再現できずに悩んでいるのが見て取れる。

Kさんによれば社用車は年間7万キロも走るらしいから、ボクは日常の運転に役立つアドバイスを混ぜながら、Kさんはロードスターの助手席に乗せたり社用車の助手席にもぐりこんでアドバイスをしたり、無意識のうちに安全にクルマを動かせるようになってもらいたいと願いつつ。

で、ブレーキングの際のトランジションがよくわからない、あれだけ急に速度が落ちるのはボクがブレーキを蹴とばしていない訳がないと主張するSさん。そう言われても、誤解を解くために足の柔らかいADバンで再度同乗走行。『荷重が後でしょ、後、後ぉ。背中でしょ、さぁ追い越した。前に行って~戻ったぁ。引きずって引きずってぇ、横、横、横ぉ』なんてやったら「あぁ、そういうことでしたか」。『ね、蹴とばしてなんかいないでしょ』。
それならばとADバンに4人乗車で荷重移動の体感とトランジッションの作り方の説明を参加者全員に。効果てきめん。その後の走りを見た限りではブレーキを蹴とばす人はいなくなったしターンインの姿勢が良くなった。だから、もっと高い速度からターンインが可能になる。好循環。
結局Sさんだけでなく、同乗走行でブレーキを蹴とばしていると思った人は、ボクがトランジッションをとりすぎるぐらいにとってフロントタイヤに荷重がかかるのを待ってから、短い時間に雑巾を絞るように踏力を増やすことでさらにフロントタイヤのグリップを増やすから、制動力がまんま路面に伝わり大きな減速Gが瞬間的に立ち上がる。その一連の流れを蹴とばしていると勘違いしていたようだ。実際は、スロットルオフからブレーキペダルを踏みこむまでの間は誰よりも長いはずなのに。
大きな減速Gを発生させることができるということは短い距離で速度を落とせることと同義。だからそれができれば、ブレーキング区間の手前の方で必要な減速ができるから、残りで踏力を抜いてフロントタイヤの荷重を減らし、次に行うだろうコーナリングに備えることができる。スレッショルドブレーキングができればクルマに余力を与えることができる。

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ADバンはすごく教育的なクルマでした
CVTでも速い
4人乗車のほうが安定していたのには驚いた
 
SさんとNさんが周回を続けます

 

Kさんにたまにはクルマにも乗ってほしいぞ、また遊びにきてほしいぞとたきつけるために懐かしいKさんの写真を。

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2010年11月20日
YRSオーバルレース入門クラスを走るKさんのジネッタG4

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2011年5月28日
1回だけ開催したP15でのYRSオーバルレースを走るKさんのロードスター

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2013年3月10日
YRSツーデースクールFSW
ダブルコーンスラロームを走るKさんのGT3
 
ユイレーシングスクールを
社員の安全運転講習に使ってくれるなんて嬉しい限り
Kさん また遊びに来て下さいね



第636回 Mさんの場合

20年近くクルマを持たない生活をしていたというMさん。ご夫妻で軽井沢を訪れたある日のこと。黄色いメガーヌRSが目に止まりひと目惚れしたそうな。で、虜になったのをきっかけに今後のクルマ生活のことを考えて、敢えてメガーヌRSトロフィーMTを入手。ルノーがらみで見つけたこのブログからユイレーシングスクールにたどり着き、先日のYRSオーバルスクールに参加してくれた。

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裏のストレートから下のコーナーに飛び込む

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下のコーナーを立ち上がる

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Mさんとホントに久しぶりの愛車

 

84頁もあるユイレーシングスクールの教科書にひと通り目を通してから参加してくれたMさん。ブランクもあるかも知れないけど、日常では味わえないGに悪戦苦闘だった様子。それでもこちらの依頼に応えて感想文を送ってくれた。

トム・ヨシダ先生 日曜日のオーバルスクールにメガーヌで参加させて頂きましたMです。寒い中ご指導ありがとうございました。

初めての参加でしたし普段街乗りしかしていないので経験豊富な方たちと一緒に走っても大丈夫かと緊張しておりましたが、先生方は初心者の私にとても丁寧にご指導くださいましたし皆さん気さくに話しかけてくださり和やかな雰囲気で練習できたのはありがたかったです。

最初の同乗走行で前後左右のGの大きさに驚きました。そしてそのGに耐えるために踏ん張り過ぎて呼吸を忘れ酸欠で気分が悪くなるほどでした。実際自分が運転してみるとハンドルもブレーキもアクセルも上手く使えず先生のピタッと安定したドライブとは大違いで何度もコースオフしました。
しかし自分にとってまず大切だったのはアドバイス頂いたようにドライビングポジション、視界を広く保つこと、リラックスして呼吸を止めないことなどもっとも基本的なことでした。

様々なことを意識しながら練習を重ねるうちに最後はなんとかコースオフせず走れるようにはなりましたが安定した走行を体感できないまま終了となりました。しかし自分の技術、体力と集中力ではあれが限界という感じでした。

実際の運転はまだまだでしたがドライビングの理論や哲学を教わり同乗走行で一連の荷重移動を体感できたのは大きな収穫でした。そしてアクセル全開やクルマが滑ってコースオフも公道ではできない貴重な体験でした。ヘトヘトになるまで練習しとても満足でした。このハードな?練習の成果かでしょうか、帰りの高速はゆとりを感じながらドライブ出来ました。

今回のスクールでの経験をいかし普段から荷重がどうかかっているかを意識しながら安全に楽しくドライブしたいと思います。そしていつかスムーズで美しいドライビングができるようになりたいと夢見ています。是非またスクールに参加させて頂きたいと思います。その時はよろしくお願い致します。ありがとうございました。

 

Mさん。最初はメガーヌRSの動力性能の高さに翻弄されていたようだけれど、午後になると小気味良いエキゾーストノートを置き去りにしながら周回を重ねていました。奥さんもマニュアルシフトを操るそうです。次回はご夫婦で遊びに来て下さい。お待ちしています。



第632回 23年目始動

ユイレーシングスクールの22年目はオリンピック/パラリンピックでFSWが4か月も使えなかったりコロナ禍の影響で参加者が減ったり、いささか元気のないシーズンでした。それでも21回のドライビングスクールを開催しました。内訳は次の通りですが、延べ311名の方が受講してくれました。
  YRSオーバルスクールFSW6回
  YRSオーバルスクールFSWロンガー2回
  YRSオーバルレースFSW3回
  YRS筑波サーキットドライビングスクール2回
  YRSツーデースクールFSW2回
  YRS+雑誌エンジンドライビングレッスン2回
  ポルシェクラブ東京銀座ドライビングレッスン4回

そんなわけですが今月末には23年目の活動を開始します。このブログをご覧のみなさまもぜひご参加下さい。

・1月29日(土) YRSオーバルレースFSW 開催案内&申込みフォームへのリンク
(YRSオーバルレースFSWはYRSオーバルスクールFSWに参加されたことのある方が対象です)

・1月30日(日) YRSオーバルスクールFSW 開催案内&申込みフォームへのリンク

 

YRSオーバルFSWロングを走ります

YRSオーバルFSWロングを走ります

日本で最も敷居の低いモータースポーツです



第618回 富士山とFSWと食

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11月5日朝6時14分
前回掲載した写真を撮ってから移動
山の尻から新御殿場ICに抜ける
新たに作られた道を探索
遠くに建設中の新東名が見える

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11月5日朝8時40分
沼津港へ移動し
いつものむすび屋さんでまずは地アジ刺し
そろそろアジの旬も終わりか

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この日のメインは
本マグロ中トロ鉄火丼

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この日の中トロはとびきり

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11月6日朝5時59分
東の空が赤みを帯び始めるも
富士山は雲隠れ

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11月6日朝6時12分
クルマの中で待っていると
待望の富士山が

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11月6日午前8時50分
YRSオーバルスクールFSW
教室での座学を終えて
ユイレーシングスクール初参加のOさんに
クルマを借りてデモラン

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11月6日午後6時15分
この日は寒かったり暑かったり
何度ダウンジャケットとダウンベストを
脱ぎ着したことか
身体を温めるために須走の長楽へ
昔ながらのラーメンがウ・マ・イ

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11月7日朝5時57分
須走の扇屋さんの屋上から
富士山を仰ぐも雲の中

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11月7日朝6時57分
FSW駐車場から
御殿場市の上にただよう雲海を見下ろす
まるでホントの波のように

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11月7日朝8時53分
今年4回目の
ポルシェクラブ東京銀座ドライビングレッスン
座学を終えて富士山が雲に隠れる前に
記念撮影

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11月7日午後4時46分
片づけを終えて
西に向かう前に
最後の一枚



第616回 YRSツーデースクールFSW

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2006年に始めたYRSツーデースクールFSW。多くの方がここからサーキットデビューを果たしました。その通算29回目はまんま運転日和。2日目のショートコースは23名が走行で昼休みの記念撮影。

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顔を見せたいということで
一瞬だけマスクを外ししゃべらないで記念撮影
OKが出たところでマスクをつけるの図

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今回はユイレーシングスクールとサーキット走行初体験の方が3名とサーキット走行が1時間以内の方が2名が、ユイレーシングスクールに20年通っているベテランに交じってスキルアップ。23名が午後の計測ラップだけで1周867mのコースを合計1,663周。今回はスピン1回、ハーフスピン1回を目にしてしまったのが悔やまれる。



第615回 YRS+エンジンドライビングレッスン

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10月28日木曜日
今年2回目のYRS+エンジンドライビングレッスンが終わった
2003年に第1回を開催してから71回目だった

「所有欲から使用欲への転換」をテーマにした大人の運転学校は
来年20年目を迎える



第614回 2021YRSツーデースクールFSW Ver.2

秋晴れの下、今年2回目のYRSツーデースクールFSWを開催。21歳から74歳まで平均年齢50.7歳の運転好き24名が2日間、休む暇もなくこれでもかと言うほど走りこみ。今回は好天に恵まれ参加された方々にとって充実した2日間だったはず。でも秋ですね。日が陰ると急に寒くなるようになりました。

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この日のルノー仲間
前列左から埼玉県からのSさん、ワタクシ、三重県からのWさん
後列左から三重県からスタッフのY、千葉県からKさん、神奈川県からのYさん
 
ツーデースクール常連の四国は香川のIさんから前々日に電話
仕事が終わらず参加不可なので来年はと
 
まだ日程は確定していませんが来年3月に申請はしてあります
1回で10回分の進歩が期待できるYRSツーデースクール
みなさんの参加をお待ちしています。



第604回 YRS筑波サーキットドライビングスクール

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今年2回目のYRS筑波サーキットドライビングスクールには23名が参加
うち3名がユイレーシングスクール初めて
2004年4月YRS筑波サーキットドライビングスクールから13回通ってくれているIさん
2012年10月のYRSツーデースクール以来久しぶりに参加してくれた(喜)
 
いつも通り座学に始まってイーブンスロットルとトレイルブレーキングの練習
予報が外れて気温が上昇したしコースが滑りやすかったけど
常連のIさんは42秒080で惜しくも41秒台ならず

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今回セッションの合間にカートを走らせていた喜色満面のこのご婦人
御年74歳でカートを始めたばかり
後ろに写るのがご主人のOさん
Oさんは2017年10月のYRS筑波サーキットドライビングスクールに参加してくれた
 
Oさんが参加するレースのビデオを撮っているうちに自分もやりたくなったとか
何が面白いですかと聞くと「スピード」と即答
Oさんご夫妻万歳 ‼‼   いつまでも走って下さい。



第601回 筑波サーキットコース1000の走り方

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筑波サーキットコース1000は2000年9月28日に報道者関係者向けに公開された
 
この日筑波の代名詞だった1周2キロのコースはコース2000という呼称に
限られたスペースにできるだけ長いコースレイアウトを組み込んだ
新たに作られた全長1キロのコースはコース1000と呼ばれることが発表された

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写真から見てとれるようにコース1000は回り込んでいるコーナーが多いけど
ストレート以外のコース幅が11m確保されているので
コーナーの曲率に対して幅員が広いコースレイアウト
高速道路の1車線の幅が3.5mだから高速道路3車線以上の幅のある
のでコースアウトする可能性は少ないと言えるけど
どこを走ってもなんとかなってしまうので
速さを追求するには繊細かつ大胆なアプローチが必要になる

 

さて、
・使うギアは2速と3速だけ
・最終コーナーを2速で立ち上がり3速へ
・コースレイアウトではわずかに右にキンクしてるけどまっすぐ1コーナーを目指す
・1コーナー前の到達速度がそれほど高くないので強いブレーキは必要なし
・むしろブレーキングポイントを早めてしっかりとトランジッションを
・1コーナーは曲率が小さく2コーナーは大きいからターンインの速度が重要
・3速のままターンインしコース幅の半分までトレイルブレーキングを活用
・インの縁石に近づくまでにスロットルに足を移しイーブンスロットル
・1コーナー先右にある退避路の先までステアリングを回し続ける
・2コーナーは速度の低下に注意しながらイーブンスロットル
・ヘアピン手前の短いストレートに向かってステアリングを戻した分スロットルを開ける
・舵角ゼロでフル加速し直進状態でブレーキングし2速に落とす
・ターンイン手前でしっかりブレーキを抜いてヘアピン頂点までトレイルブレーキング
・コーナリング中は速度の低下に注意しながらスロットルコントロール
・ヘアピン立ち上がりのラインを延長させて自然にコース右側による
・コース右側の白線のどこかでインフィールドの左コーナーへターンイン
・ブレーキングすると車速が落ちるし加速もできない
・右足をブレーキペダルに置くだけで減速度はエンジンブレーキ程度に
・右に退避路が来る前にイーブンスロットルで高い速度を維持
・ステアリングを戻した分だけスロットルを開ける量を探る
・舵角ゼロになったらフル加速して3速にアップ
・外周にある信号機を目指して左ドッグレッグに向けターンイン
・コース1000のタイムアップのキモになる最終コーナーの所要時間を短くしたい
・ドッグレッグより最終コーナーにいる時間の方が長いからドッグレッグは捨てコーナーに
・ドッグレッグのインにつくタイミングでスロットルをわずかに緩めると
・信号機までに長い直線ができるからいったんフル加速
・スロットルオフの挙動を利用して直進状態でブレーキングし2速に落とす
・インの縁石をなめながらアウト側縁石の先端から3分の1とところに出て
・アウト側に追加されたパッチに出ないようにしながらいったんアウトへ
・舵角一定でイーブンスロットルで速度を維持
・クルマにヨーモーメントが働いていれば
・最終コーナーインの縁石付近からスロットルを開けても立ち上がりでコースをキープできる
・積極的にステアリングを戻し少しでも早く舵角ゼロにしてフル加速し3速に

どんなサーキットにも共通する攻略法がある。優先順位と言ってもいい。それは、
① 長い直線に続くコーナーの脱出速度を上げること。クルマは直線でこそ性能を生かすことができる。脱出速度が速ければ到達速度も速くなるから、直線に向けてコーナーを立ち上がり舵角ゼロのフル加速からブレーキングのためにスロットルオフするまでの時間を短縮することができる。
※そんなことわかってるわい、という人がいるけど、そんな人に限って脱出速度を上げる=スロットルを早く開ければいいと勘違いしてトラクションを逃がしてしまい、加速を鈍らせてしまっている現実がある。あげくに、スロットルを開けている時間が長ければタイムが縮まると思い込みブレーキを遅らせてドカンとブレーキをかけて前のめりのままステアリングを切る人もいる。本人は速いと思っていても、減速しすぎでターンイン時の速度が落ちすぎたりアンダーステアが出て失速したり、思い込みでは速く走れない現実がある。
② 高速の長いコーナーの通過速度を上げること。言うまでもなく高速で走ると単位時間あたりの移動量が増える。サーキットの長さやコーナーの長さは不変だから、高速で走るコーナーの速度をさらに上げることができればその区間の所有時間を短縮することができる。
※そんなことわかってるわい、という人がいるけど、そんな人に限ってコーナリング中にスロットルを開けすぎるものだから、アンダーステアが出てステアリングを切り足すはめになって失速している現実がある。フロントタイヤからしかスキール音が聞こえないのは失速のきざし。4輪を使っていればスキール音はほとんど聞こえないはず。
③ サーキットのラップタイムは平均速度の裏返し。ストレートはクルマ任せに走るので構わないけど、あらゆるコーナーを速く走る努力をする。それはブレーキングを我慢することではなく、コーナリングしているのにやみくもにスロットルを開けることでもない。クルマは重たいからバランスを崩すと簡単に軌跡から外れてしまう。前に進まないということは失速に他ならない。その時その時でクルマが走りやすい状況を作ってあげることが肝心だ。

第600回 で触れたプライベートレッスン。ベストタイムをマークしたIさんの42.408秒は十分に速いけど2番手のSさんの42.695秒も遅くはない。それぞれを平均速度に直すと88.200Km/hと87.607Km/h。ベストラップの周を比較するとタイム差が0.287秒で速度差が0.593Kmあることがわかる。
単純に1周43秒と44秒で比べてみると、平均時速は86.986キロと85.009キロで2キロ近い差が生じる。だから1キロのコースであれば、まず全てのラップタイムの差をコンマ3秒以内に収められるような走りを目指すことが大切だ。初めのころはペースが速くなくても再現性のある操作を繰り返し、タイム差を少なくすることができれば先が見えてくる。

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Google Mapのストリートビューを使えば
筑波サーキットコース1000を1周できる
一見フラットなコースに見えるけど
微妙な起伏があって走行ラインに影響を与えます
 
 
 
 
 
筑波サーキットコース1000コース図ダウンロード
 

9月16日(木)に筑波サーキットコース1000でより速い速度からターンインを実現するための練習、イーブンスロットルとトレイルブレーキングに特化したプログラムYRS筑波サーキットドライビングスクールを開催します。クルマを安定させてから4輪を使ったコーナリングを会得するために参加してみてはいかがですか。

・YRS筑波サーキットドライビングスクール開催案内&申込みフォームへのリンク
・ユイレーシングスクールの感染対策