震災から2ヶ月が経ちました。「連休中、ボランティアしてきたの」「知り合いが無事でね」などなど、誰かに会うと、“まずはその話から“が続いています。きっとみなさんそうですよね。原発の不安もあるし、自然や町や人々の心のケアもシンパイ。とにもかくにも長期戦なので、「出来る範囲で長く続けられることを心を込めて」と心がけています。
我が家では、地元富士宮の友人が主催するウルトラ元気な集まり「TEAM富士山」(http://www.team223.org/ )とのコラボで、カフェに可愛い「フッキーくん」ステッカーを置き、来訪者に一枚500円で義援支援(日本赤十字社もしくは日本財団に寄付)していただいてます。ちょっと前には、パリダカ使用のヘルメット(四輪用)を、ベストジーニスト事務局主催のヤフー「被災地支援オークション」に出しました。これは、なんと73,001円という価格で買って頂き、パリダカを完走したように嬉しかったです♪ うう〜っ、落とした方、アリガトウ御座います。
そして、もうひとつは私が所属している「富士トレイルランナーズ倶楽部」での支援活動です。この5/21から5/22に行われる倶楽部主催の「富士クリーンナップ大作戦」で、同日開催予定だったものの震災の影響で延期となったウルトラトレイル・マウントフジ「UTMF」( http://www.ultratrailmf.com/ ) のポスターやDVDを配布し、カンパ金をボランティアを支える被災地支援のボランティアネットワーク「東野まごごろネット」( http://tonomagokoro.net/ )に送るつもりです。
なぜ東野かというと、倶楽部の実行委員たちがこのゴールデンウィークに向かったのがココで(私は行けず)、ココを拠点に毎日バスで被災地へ入り、腐ったサンマや鮭の除去、数十人分の炊き出し、瓦礫撤去などをしていたからです。ボランティアを支えるボランティア、これもとっても大事ですよね。
さてさて、今日の写真はそのUTMFの関するものです。ルート発表直前の3/11に東日本大震災が起きてしまったので、私たちの時間もそこでストップの感があるのですが、開催準備はじわじわ進めております。その第一歩が4月に行われた160キロのコース試走。タイム計測が目的ですが、代表の鏑木毅(http://www.trailrunningworld.jp/ )実行委員長は、もちろんトレイルランナーのプロ。コレオスを駆る石川弘樹さん(http://blog.renault.jp/ishikawa_hiroki/ )と同じように、この世界の第一人者です。へなちょこランナーの私にとっては、雲の上の人ですが、こうして実行委員という肩書きがあると、同じ釜の飯も食える幸運にも恵まれます。ハッキリ言って、嬉しくていつも心でニマニマしております。その速さと性格のよさで追っ掛けも多い鏑木さんですが、今回まさしく私は、追っ掛けしまくってました。迷いそうなところで道を先導しなきゃならないのですが、車で移動するも、先回りが難しいほど速いのです。どんなんだって感じですよね。「わ、もうやって来ちゃった!」と慌てること数回。フルマラソン中継で、ランナーの横で歩道を走ってる全速力の市民。そんな光景に似ていたかもしれません。
私のアシは、もちろんトゥインゴ。「あれ? 色オレンジじゃなかった?」。ふふふ。そうです。実は高速の飛び石でフロントガラスにヒビが入ってしまったので、交換修理中。GTではなく、更にスパルタンで太いイメージのRSが代車でした。クラッチやコーナリングやパワーなどもいい感じで、すぐに“私の子”って感じになりましたよ。
前を行くのが、120キロ地点を越えた鏑木選手。そして走りの映像を撮るためにMTBで激走するのは、さまざまな走りを番組提供できる腕前を持つ「ランカメ(Running Cameraman)」のよっちゃん。やはり世界中を飛び回っているアドベンチャーレーサーです。
途中、地元の人と記念撮影の図。どこでも大人気ですが、知ってる人は、みんなこの笑顔になります。鏑木さんも気さくというか、余裕というか、優しいというか。この笑顔ですから、更にファンになってしまうんですよね。ちなみに、ほとんど止まりません。
止まるのは、地図で確認するミーティングの時だけでした(3分?)。そこで水を補給し、食事を採り、また走り去っていきます。レースと違って一人走行は不安だと思うのですが、いつも練習している富士山だからへっちゃらみたい。
山梨県の山の中。実行委員の中尾さんが平謝りしています。いったいここは、どこ!? 「行って。どんどん登って」「えー、こんなダートを?」「大丈夫。前に行ったから」「でも崖崩れだよ。こんな大きな石だよ」「大丈夫。もうちょっと先」「一体どんな車で来たの?」「ええと、徒歩」。絶句の私。
傾斜が伝わらないかもしれないけれど、歩くのも大変な林道でした。知らないから来れた。RSは超人(車)です。ハッキリ言って軽トラでも無理だった狭い林道を、一度でも止まったら進めない林道を、なんなく登ってきちゃったのですから。このまま頂上まで行けそう? って、頭の中は、販売店さんの怖い顔が浮かんでました。本当にゴメンなさい! でも、ラリー車のようだったなあ(感動と陳謝が交互する私)。
さて、ゴールです♪ 18時間で160キロを走るって、どんな状態なのか。鏑木さん、息も乱れてないし、すぐに歩けるし、車も運転できるし、眠らずに家まで帰ってしまうらしい(この日もすたこらさっさ)。比べることが意味がないって感じですが、そのタフさの波動だけは受けられてよかったです。一応、8月にはモンブランの166キロのトレランが待っているので…。
ニューハレのテーピング、私の倍は貼ってましたね。マメは出来ていないようでした。着替えながらコースの感想などを忘れないうちに話してくれました。「日本の道はやわらかくて優しいね。ヨーロッパの山道は押し固められていて固いから」。そうなんだあ〜。「モンブランは膝に来るかも」と覚悟を決めた私。
凄いなあ。私なんて、10キロ走ったらヨレヨレになって「鬼婆面」とか言われるのに、鏑木さんはどこまでも涼しかった。目くそも鼻くそもない。もちろん、ヨダレもシワも暴言もない。素晴らしい。速いランナーは、やっぱり心と身体が違うのね。素晴らしい試走のサポート経験でした。それにしても…ダート走っちゃったトゥインゴがいたく気になる礼子であった。「RSでの林道走行会ってどうだろう?」。←「いい加減にせーよ!」